2005年 08月 29日 ( 1 )

 

無症候性胆石


目新しいものはないのだが・・・検診で無症候性胆石を見つけてもらってる(皮肉)ので
知識整理・・・・


AFP(http://www.aafp.org/afp/20050815/637.html)から抜粋
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無症状のままの大多数の胆石もち患者は、長年無症状のままである。
1992年 NIHコンセンサス・カンファレンス(5)では、10%が診断後5年で発症。
1995年、胆石疫学予防グループ報告(6)では10年以内に有症状進展は25.8%と報告。


無症状胆石患者の多くにはwatchful waitingが適応:C= consensus, disease-oriented evidence, usual practice, expert opinion, or case series.

無症候+肝硬変患者は厳重観察が必要で、胆道系症状が明らかになったとき、代償性肝硬変(i.e., Child's class A or B)である時は、胆嚢摘出を考慮すべき。


5. Gallstones and laparoscopic cholecystectomy. NIH Consensus Statement 1992;10:1-28.

6. Attili AF, De Santis A, Capri R, Repice AM, Maselli S. The natural history of gallstones: the GREPCO experience. The GREPCO Group. Hepatology 1995;21:655-60.



右上腹部痛の鑑別診断
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・胆道系疼痛:
安定、nonparoxysmal pain、痛みの強度はプラトーで、5-6時間は続く、しばしば右肩甲骨下に放散:US

・急性胆のう炎:
長時間持続(6時間以上)、圧痛を伴う胆道系痛、発熱、白血球増加を伴う
;US and/or HIDA scan(http://www.mayoclinic.com/invoke.cfm?id=AN00424)

・Dyspepsia
Bloating、nausea、belching、脂肪食品への不耐容:上部消化管精査

・Duodenal ulcer
食後2時間で痛み、食事摂取・制酸剤にて改善

・肝膿瘍
発熱・悪寒を伴う痛み、肝蝕知・肋骨下痛

・急性心筋梗塞
・右上腹部痛、心窩部不快・胆道系痛と鑑別
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胆石疾患の非手術的治療
胆汁酸による胆石溶解療法はかなり限られた一群にのみ有効。機能性の胆嚢内の15mm未満の有症状のradiolucentな石患者で臨床的有益性は決定済み。3ヶ月後56%の胆石痛現象が見られ、12ヶ月後59%の胆石消失率(UDCA 10mg/kg/day)。5年以内に約25%再発。
現在、胆汁酸治療は手術に不同意の患者、フィットしない有症状患者にのみ適応と考えら得ている。

手術
胆嚢摘出術は有症状胆石治療の第一治療である。安全で、再発リスクが少なく、胆汁痛の完全消失は92%。

適応は
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胆汁痛
胆汁dyskinesia
石灰化胆嚢
急性胆嚢炎:72時間以内
胆道結石 総胆管がclearされた後
胆石症性膵炎 退院前、膵炎消失時
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laparotomy vs laparoscopy
待期的な腹腔鏡下の胆嚢摘出術の5-26%が開腹手術へ変換。
胆道系の解剖を同定できないことが一番多い理由。
メタアナリシスでは、開腹術に比べ内視鏡下が死亡率減少
(10000あたり8.6-16 vs 66-74)
しかし、胆管の損傷増加(36-47 vs 19-29)
総胆管損傷はきわめて修復困難で、三次センターのマネージメントが強く考えられるべき

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<日本医師会雑誌分>

1.経口胆石溶解療法
 1) X 線透過性でCT 上も石灰化を認めない胆捜内コレステロール胆石
 2) 胆石径20mm 以下(10mm 以下が望ましい)
 3) 排泄性胆捜造影(経口あるいは経静脈的)で胆捜が良好に造影され,形態異常がなく,収縮良好なもの
2.体外衝撃波胆石破砕療法(ESWL)
 1) 胆石数3 個以下
 2) 胆石径20mm 以下(孤立石ならば30mm 以下)
 3) 排泄性胆捜造影で胆捜が良好に造影され,形態異常がなく,収縮良好なもの
 4) X 線透過性でCT 上も石灰化を認めないもの(CT値100HU 以下)が望ましい


表2 胆.胆石症の手術適応
1.絶対的適応
 ● 急性胆捜炎の合併
 ● 閉塞性黄疸の併発
 ● 胆捜癌の合併
 ● 急性膵炎の合併
 ● 内科的治療が奏効しない繰り返す疝痛発作
 ● 閉塞機転による肝機能障害の増悪
2.相対的適応
 ● 疼痛発作の既往
 ● 胆捜萎縮,胆捜機能の廃絶(陶器様胆捜を含む)
 ● 胆捜内充満胆石による胆捜壁評価困難例

無症状胆石の取り扱い
胆石患者の半数以上を占める無症状胆石は原則として経過観察でよいとする意見が多い.無処置にて経過観察中,5 年間で3~16%,10 年間で15~26% に有症状化を認める.しかし,陶器様胆嚢を含む慢性胆嚢炎,胆嚢充満結石など画像診断で胆嚢壁の評価が困難な症例は無症状でも外科的手術を選択する.また,胆石と胆嚢癌の因果関係については,無症状胆石の経過中に胆嚢癌が発生する頻度は0.1~0.9% で,非胆石症例の胆嚢癌発生率(0.4%)とほぼ同程度であり,また費用対効果の面からも無症状胆石または合併症のない胆石患者に対する予防的胆嚢摘出術を推奨する理由は見当たらない.
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ずいぶん改善してますが、日本の御本はあいまい・・・Evidence-basedな表現がすくないという特徴


検診で見つけられた無症候性胆石の経過観察に関する議論が必要。

間隔・回数など・・・結局コンセンサスがえられたない。
現場に責任を押しつけられている状態。

by internalmedicine | 2005-08-29 12:08 | 消化器