2005年 09月 01日 ( 2 )

 

喘息治療:ICS+LABA、抗コリン剤、吸入フロセミド


中等量ICS+LABA vs 高用量ICS :有症状喘息
12の研究4576名メタアナリシス
喘息によるひきこもり回数や少なくとも中等・重度の悪化の回数は高用量ICS群で多かった(odds ratios 1.58, 95% CI 1.12 to 2.24 and 1.35, 95% CI 1.10 to 1.66).
二次アウトカム(FEV1、朝夕のPEF、昼間のβアゴニスト使用)は有意にsalmeterol群に軍配が上がった。
<Thorax 2005; 60: 730-734. doi:10.1136/thx.2004.039180 http://thorax.bmjjournals.com/cgi/content/abstract/60/9/730


※抗コリン剤(Acute asthma):systemic review
32のRCT(n=3611)からのデータで、吸入抗コリン剤治療にて、子供 (RR = 0.73; 95% CI 0.63 to 0.85, p = 0.0001) 、成人 (RR = 0.68; 95% CI 0.53 to 0.86, p = 0.002)にて入院回数減少
スパイロメトリーの指標の改善もみられた、小児・成人にてそれぞれ、SMD –0.54(95% CI –0.28 ~ –0.81, p = 0.0001)、–0.36 (95% CI –0.23 ~ –0.49, p = 0.00001)。
救急における中等症・重症の小児・青年・成人の標準治療として、吸入ipratropium broideの多回数投与は適応であると強く示唆される
Thorax 2005;60:740-746; doi:10.1136/thx.2005.040444 http://thorax.bmjjournals.com/cgi/content/abstract/60/9/740


※furosemide 吸入はまだエビデンスが少ない
Nebulised furosemide in acute adult asthma http://emj.bmjjournals.com/cgi/content/abstract/22/9/654-a
Emergency Medicine Journal 2005;22:654-655

by internalmedicine | 2005-09-01 11:55 | 呼吸器系  

"Primum non nocere"

く考えれば、ヒポクラテスの誓いってのは 時代遅れであり、閉鎖的であり、決してよいことを言っているとは思えないのだが、医学部の講義や偉い先生方の公演に便利なのか・・・よく用いられる。そのよく使われるワンフレーズさえ、当時の常識が歪曲され、恣意的に引用が繰り返され、変容した可能性がある。


ギリシャ時代の偉いおっさんの名前を持ちだすとなにかありがたがるのをねらってるのか、外国で、特にアメリカでやってることはすばらしいことだという勘違いがあるせいか、ヒポクラテスの誓いというのが医学部や医科大学の教育者がよく引用する言葉である。教育者はその発する言葉に責任を持たなければならない。その語源を正しく理解しておかなければならないはずである。

たとえば、最近、薬害の問題や、医療過誤で言及される言葉
Primum Non Nocere”

Above All, Do No Harm!

”まず、害を与えないこと”
これは時代を超越したフレーズであり、それゆえ、近年のヒューマニストたちにより、祭り上げられた言葉である。だが、ヒポクラテスの誓いのほかのフレーズに比べかけ離れ、あまりに現代的な感じがしないだろうか?私は正直以前から違和感を感じていた。


近年、この有名なフレーズの作者はヒポクラテスでも、弟子であるGalenでもないという報告がでている。
http://jcp.sagepub.com/cgi/content/abstract/45/4/371



後年に付け加えられ歪曲されたフレーズである

Do not harm"の真の意味は、害を与えないという消極的意味でなく、意図的な殺害を含めた意味であった。

ほかに、医学教育に関わるものなら、反対せざる得ない2つの誓約が現在も通用している。

1)自然治療主義者である医学分派にすぎない主義主張
2)安楽死拒絶


“use the knife, not even on sufferers from the stone”は過去の遺物であり、その後の消毒技術、麻酔、補液、ショックなどの科学的管理などの発達で、この言葉が誓詞のなかになぜ残存しているのか不明。しかもアメリカの多くの医科大学でこのフレーズは残存。


ひょっとして、‘“本音と建て前はちがう”という人生のアイロニーを医学生に教えているのか?(笑)

(引用:http://content.nejm.org/cgi/content/full/350/20/2026


もしヒポクラテスの誓いをするかと言われれば、絶対拒否したい


古代のお偉いさんが言ったと述べたら・・・思考が停止する。

blind obedience:“権威者の表明により思考ストップしてしまう”(http://intmed.exblog.jp/1565847)の典型例か

by internalmedicine | 2005-09-01 00:33 | 医療一般