2005年 09月 09日 ( 1 )

 

日々のストレスは乳癌予防的に働く・・・という論文



ストレスというのは性悪説のもとに語られるのだが、ひねった結果でおもしろい

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Self reported stress and risk of breast cancer: prospective cohort study
BMJ 2005;331:548 (10 September)
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/bmj;331/7516/548

慢性ストレスは女性の乳癌を予防する、おそらく、エストロジェン内因性の合成障害のためであろう。
前向きのコホート研究で、Nielsenらは、6689エミの女性で、12年フォローアップ、0.1%のフォローアップ失敗で、ストレスの高い女性ほど原発性乳癌のリスクを40%下げる。
さらに、量依存性であり、ストレス防御が女性のホルモン療法へ影響を生じている。
ただ、ストレスの累積の重要性は危険であると、著者らは警告している。
いままでの研究は、人生において重篤なストレスをもたらすイベントの解析であった。そして、そういう研究では、リスク増加の報告が多い。
しかし、持続性の毎日のストレスの性質はこの人生の一大事とは区別され、このストレスをともなうイベントが乳癌の大きなリスクであることは、かならずしも日々のストレスが乳癌のリスク低下につながることと矛盾していない。
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<ストレスの測定方法>
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ストレスのレベルを、強度と頻度で尋ねた。アンケートは、sensation of tension, nervousness, impatience, anxiety、sleeplessnessであった。その強度をnone (0), light (1), moderate (2), high (3)で記載。ストレスの頻度は、never/hardly ever (0), monthly (1), weekly (2), daily (3)で記載。これに、持続性ストレススコアを0-6としこれらに結合した。これらからストレススコアをlow (0-1 points), medium (2-4 points), high (5-6 points) stressにカテゴライズした。
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<考察>
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“乳癌のリスクは、急性ストレス、とくにmajorなライフ・イベントと関連し、そういう研究はいくつかの研究で評価されているが、自覚された日々のストレスへの影響にはあまり関心が向けられてない。ストレスホルモンの持続的な活性化を生じ持続性の毎日の持続性の軽度のkey stressがストレスホルモンの持続的な活動性増加を示し、それがエストロジェン合成を障害する”
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ストレスの日本語の定義が有るのかもしれませんが、ここは安直にMeshの定義から
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A pathological process resulting from the reaction of the body to external forces and abnormal conditions that tend to disturb the organism's homeostasis.
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身体の反応から生じた外部の力への病的プロセスと器官のホメオスタシスを妨害する傾向のある異常な状態
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=mesh&list_uids=68013312&dopt=Full

定義自体が、病的プロセスなわけだから、この言葉自体にストレス=悪いものというドグマが含まれている。今回のストレスという言葉が使われているが果たしてそれが正しいのか・・・私には興味ある観点と思う。

ストレスは、ストレスの原因となる外的のもの・・・ストレッサーとは本来は区別されなければならないはず。ストレッサーの質により、生体反応がことなるのは当たり前で、本来すべてが悪い結果となるというドグマを研究者の頭から除かれなければならないと思うのだが・・・

by internalmedicine | 2005-09-09 12:10 | 医療一般