2006年 04月 07日 ( 3 )

 

COPD患者へヘリウム混合ガスにより運動能力アップ

ヘリウムガスというとドナルドボイスかな・・・風船内の空気を吸うと声が変わるというあれ・・



The Effect of Helium and Oxygen on Exercise Performance in Chronic
Obstructive Pulmonary Disease: A Randomized Crossover Trial
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2006;173 865-870
【目的】安定COPD患者の運動中の酸素・ヘリウム濃度の変化による影響
【方法】82名の患者(平均年齢69.7歳、平均予測FEV1 42.6%)
シャトルウォーキング距離、安静・運動酸素飽和度、最終運動呼吸困難度(Borg Scale)を測定
Heliox28(72% He/28% O2)、Heliox21(79% He/21% O2)、酸素28%(72% N2、28% O2)、医療用空気(79% N2/21% O2)
【結果】
Heliox28:歩行距離増加 平均±SD 147±150m 、Borg score減少 -1.28±1.30
Heliox21:歩行距離増加 平均±SD 99±101m、Borg score減少 -0.76±0.77




ヘリウムは、窒素に比べ、低密度で、呼吸仕事量を減少し、肺胞換気を改善する。

Barachが1935年に喘息治療に用いたが、その後広がらず、1989年ごろからの本格的報告が始まった。
http://pedsccm.wustl.edu/All-Net/english/reading/heliox.html
しかし、ある程度の酸素濃度を必要とする場合はもともと意義が少なく、慢性的な低酸素濃度を必要とする状態で意義があると思われる。
一応、ヘリオックスは気道閉塞改善的に働き、呼吸困難度を改善する可能性はある。
そして、ネブライザー時にHeliox利用することも有用との報告がある。

肺癌でのRCTの報告もある。

乳幼児での細気管支炎での効果も最近報告
されている。


医療用に認めてくれたらなぁ・・・少量の酸素負荷でよい低酸素血症のケースやリハビリテーションの補助として用いることができたらなぁ・・・と。
呼吸苦による負荷量制限が改善され、筋力増強につながる可能性がある。

by internalmedicine | 2006-04-07 16:15 | 呼吸器系  

閉塞型無呼吸症候群とビタミンC、不整脈

閉塞型睡眠時無呼吸に関して2つの論文
直接的予後として重要な心血管事故なのだから、こういう研究が重要

Antioxidant Vitamin C Improves Endothelial Function in Obstructive Sleep Apnea
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2006; 173: 897-901.

FMD:http://bme.pe.u-tokyo.ac.jp/research/vessel/vessel.html

10例の無治療OSAと性・年齢マッチした対照群
OSA患者ではベースラインのFMは有意に減少
0.5g ビタミンC注射にて、血管反応は対照群では不変だったが、
OSA患者ではビタミンCはFMD増加に働く。
結論としては、OSA未治療患者の血管内皮依存性血管拡張減少が見られ、ビタミンCがフリーラジカルscavengerとして改善に急性変化として働く。
OSA関連心血管疾患治療として検討が必要であろう。



Association of Nocturnal Arrhythmias with Sleep-disordered Breathing: The Sleep Heart Health Study
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2006; 173: 910-916.
Methods:
不整脈の頻度を比較
年齢、性別、人種・民族、BMIマッチさせたもの
228名の睡眠呼吸障害SDB(呼吸障害インデックス>=30)と338名の対照

結果
心房細動:4.8% vs 0.9% (p=0.003)
非持続性心室頻拍:5.3% vs 1.2% (p=0.004)
複雑性心室性期外収縮(非持続性心室頻拍、bigeminy、trigeminy):25.0 vs 14.5%(p=0.002)

SDBなしの患者で比較すると、オッズ比
心房細動:4.02 95%CI 1.03-15.7
非持続性寝室頻拍:3.40 95%CI 1.03-11.20
複雑性心室性期外収縮:1.74 95%CI 1.11-2.74

この心室性頻拍は、アウトカムとして関連あると思われる。



ビタミンCに関してはあくまでも、急性反応を見たに過ぎないからすぐに臨床効果有りというのは即計すぎる。

by internalmedicine | 2006-04-07 12:16 | 呼吸器系  

民主党に期待・・・日医にはがっかりだ

馬淵議員の質疑でアネハ問題では一時的によくやってると思ってたが、永田のような軽薄な行動をするのが所属員として潜んでいて、かつ、その質問を許してしまった馬鹿な執行部をもつということで、民主党の株が暴落・・・


ところが、民主党はちゃんと仕事をしていた・・・



異状死の届出義務違反で産科医を逮捕・起訴した、福島県立大野病院事件を、「暴挙とも言うべき事件」と厳しく指摘。「全国の勤務医からは、怒りや絶望が巻き起こっている」として、事故が起きた時に、個人に対して刑事責任を問うというきわめて短絡的な対応がなされている」ことに強い疑問を呈し、「他方、公正な立場からの原因究明制度・手段はなく、多くの事故被害者は怒りを抱えたまま」とも指摘。「医療事故への原因別への対処方法が必要だ」として、医療従事者に対する処分しか記されていない政府案の内容を厳しく批判した。
http://www.dpj.or.jp/news/200604/20060406_06sengoku.html



どこぞの、医師を代表すると自認しているどこぞのassociationは、「私なら自民党との関係修復を早急にできる」などと自民党についていくそうだが・・・その会員はどう思ってるのだろう・・・

財務省言いなりの厚労省、内閣を批判する陣営は自民党に現在存在しない。
国家公務員の人件費経費を圧縮、もっとも悲観的な医療費の伸び率推計である厚労省資産でも現行の米国の2/3程度などと正論をのべても、あしらわれるだけ・・・
正論をのべて、堂々としていてほしいものだ。
自民党にすりよるなんてのは愚の骨頂・・・あわれすぎる。永田質問後の民主党のようだ。
今後の厚生行政なんて、外圧を利用した混合診療による実質的皆保険の崩壊・外資導入(民間保険・株式会社資本による病院経営・チェーン化促進)などで、開業医医師会と主張の反することだらけだろう。
(ほんとに困るのは金持ち以外の日本人一般なのだが・・・金持ちだらけの在京放送局や大新聞はその例外のなので報道しない)


2ch(
(http://society3.2ch.net/test/read.cgi/hosp/1143650894/))からの情報だと・・・

日本の外科医は理不尽な評価に対し行動せよー海外との比較」(日本外科学会学術集会)
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・日本の外科医は、世界の外科医に比して著しく貶められている。

・よく知られた格差の一例は虫垂切除術の治療費であろう。日本では約1週間入院で医療費総額は30万円ないし4 0万円程度。
対して米国では1泊2日程度の入院で約200万円。総額は数倍だが一日当たりに換算すると、何と約5万円対100万円 と、20倍もの格差である。

・安さにもかかわらず、日本の平均寿命は世界最高、周産期死亡率は世界最低。
WHOが出しているWorld Health Report 2000そして同Report2003などは日本の医療を激賞している。

・ただし、海外からも客観評価しやすいマクロ指標の大成功を支えているのは、医師達の献身的な奉仕で あり、医療現場というミクロの犠牲である。その二重構造を医師は強く認識すべきだ。

・医師数はOECD平均の人口千人あたり2.9人に比して、日本では2.0人と少ない。

医療安全に直結するこの過労状態を改善するどころか、厚労省は平成11年以来
「医療過誤での死亡は、医師法21条により異状死体として直ちに警察に届け出る義務がある」 と慣行を破り、諸外国の医療過誤に対する刑事免責姿勢や国内での第三者検討機関設置の動きを無視して、法務省からの通知を開始させた。


・さらには、年少者への再犯の多い性犯 罪者さえ名前を公表されないこの国で、処分中の医師名をインターネットで公開する方向だ。

・このようなクレイジーな過剰労働と重責と人権侵害を外科医に強いる日本では、志望 する若い世代が激減しているのはごく自然である。

・厚生労働省の喧伝してきた医師過剰どころか、今後外科医は間違いなく不足・激減の一途をたどる。現役の外科医が怒らぬのが 不思議だ。



開業医だけの代表としての医師会は、勤務医の怒りを理解しなければ、今後もますますその力を弱めていくだろう・・・代議士制度なんて時代に即応できない制度を維持したままで、医療専門職の代表としての機能は果たせないと思う。


今、医師たちは、司法への不信感を募らせている。医療現場というのは、確立されてない、あいまいな基準・制度の中で、結果責任だけを医師にもとめている。
感情論主体の司法判断が多い中、割り箸事件の裁判結果は久しぶりにまともな結果と思いきや、結果責任が医師側にあると付記してしまっている。
司法は誤審の責任をとわれることはない。自らが安全なところで言いたい放題という一方的な制度に対しても怒りがこみあがっているようである。


人間が失敗しないことなどありえない。恣意的な犯罪と不可避のエラーは区別されるべきであり、被害者への同情だけで、一方的に無限責任を当事者に求めるというのはいかがなものだろうか?

民放では看護師が医師の批判をしていたが、医療事故の当事者は看護師の方が多いのであるということも世間はわすれてるし、これはメディアの恣意的な医者たたきの証拠でもあると思う。

看護師は労働基準監督署からまもられているが、当直業務という偽名の元、夜間外来や外からの救急を受けながら、受け持ち患者の世話をして、夜昼となく、土日などなく業務をさせられている医者に対しては、医療ミスが生じたら、たるんでるからだ・あまえてるからだのいわれている。・・・厚労省は医者の人権を守るつもりもないのだろう。
本来医師の職能団体である医師会は、厚労省とその面で対峙すべきで、それを無視すれば勤務医はますます日医から離れていく。・・・日医新幹部が対話すべきは勤務医である。

by internalmedicine | 2006-04-07 10:21 | くそ役人