2006年 04月 19日 ( 3 )

 

片頭痛とエストロジェン



The Influence of Estrogen on Migraine
JAMA. 2006;295:1824-1830.
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/short/295/15/1824

片頭痛におけるエストロジェンの影響は、男性に比べ女性で3倍多いことを考えれば明らかであろう。生殖可能年齢の女性での片頭痛の頻度の変化でもそのことが想定される。
月経期片頭痛は治療抵抗性であり、一般的にはAuraを伴わず、期間も長く、機能的なディスアビリティーも他の時期の片頭痛に比べて影響が大である。
中枢性・末梢性へのエストロジェンの役割が生化学的・遺伝子的なエビデンスから示唆され、セロトニン系の興奮回路の関与も考えられている。
エストロジェンの予防的なエビデンスは一致した結論にないが、セロトニン受容体アゴニスト(トリプタン類)は急性の症状改善に有益で予防的役割にも考慮されるものである。



月経時片頭痛の診断と治療に詳細が掲載されている。


以下の記載もある
月経期間において、NSAIDs、トリプタン、エストラジオールにてその発作の頻度・重症度に対して有効と思われる。
経口避妊薬(OCs)の使用はその頻度と重症度に影響を与えるだろう。
片頭痛とホルモンOCsの両者の存在は虚血性卒中のリスク要因。
OCs使用するときは、ベネフィット・リスク比を考えて使用すべき。
妊娠中の使用する片頭痛治療薬剤に関して潜在的なリスクを考慮すべき


片頭痛の頻度は加齢とともに減少し、多くの場合改善し、消失する場合がある。
しかし、月経期において、片頭痛はエストロジェン値の変動とともに悪化する。
エストロジェン量を減少し、HRTの投与方法を変えることにより、頭痛がげんしょうすることがある。
片頭痛は閉経女性においては卒中のリスクではない
閉経後片頭痛にHRTを考慮するとき、適応と禁忌を考慮すべきである。HRT自体が片頭痛を悪化させることがある。

CNS Drugs. 2006;20(2):125-41.




変動という要因はとらえがたいものである。何か良い指標はないものだろうか?

by internalmedicine | 2006-04-19 15:40 | 医療一般  

たった12名の研究結果で健康効果認定をする官僚たち

限られた2名の被験者でその効果を判定するというのはどういうことだろうか?

αエラーとβエラーなるものを考えるべき

αエラーとは,母集団に実際には差がないのに,差があると結論を出してしまうエラー
βエラーとは,母集団の間に実際には差があるのに,差がないという結論を出してしまうエラー





必要症例数の検討をおこなう

πc=0.5と仮定して行う・・・
Zα=1.96
Zβ-1.28

πt  必要検討数
0.6  52.07
0.7  25.40
0.8  16.21
0.9  11.36

となる、明瞭な差のある場合でも11名必要



これを考えるに

これなんざ・・・典型的な統計の誤用ではないか!

  ↓
森林浴にお墨付き、長野・癒しの森など10か所
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060418-00000212-yom-soci


森林浴にお墨付き、長野・癒しの森など10か所
 男子大学生12人に森林を実際に歩いてもらい、唾液(だえき)中のストレスホルモンや、交感、副交感神経の働き、血圧、脈拍が、都会にいる場合と比べてどう変化するかを検証。10か所すべてで、6項目のうち少なくとも一つが改善するなど、リラックス効果が見られたため、セラピーロードと認定。

 また、リラックス評価6項目のうち二つ以上で改善があった上、散策路や宿泊施設の整備、森林の手入れなどの管理の基準をクリアーした6か所を、滞在拠点として適したセラピー基地にも認定した。(読売新聞) - 4月19日


どんな仮説を行って検討しているか知らないが、上記記事を見れば、おそらく前後比較の検討と思われる。対照をしっかり導入しているのかはなはだ疑わしい。
12例の検討というのは予備的研究としかいえないし、それで、行政方針を決めるのはきわめて非科学的と言わざる得ない。行政官は科学的考察というのができないようである。行政に関わる公務員任官時、統計学試験を文系理系にかかわらず必須にすべきと思う。もっといえば、現時点の高級官僚に試験をして不合格ならやめてもらうことが大事。

認定・お墨付き=天下り先と思われるが・・・・・役人というのは・・・統計を誤用し、税金の無駄遣いをするところなのだと改めて考えてしまう。

by internalmedicine | 2006-04-19 13:34 | くそ役人  

歯の詰めものとして・・・アマルガム使用は控えた方がよいかも

JAMAに掲載された論文は明確なアマルガムの毒性を証明したものではないが、代官できるものがあればアマルガムは避けた方がよいかもしれないというアドバイスを含むものであった。


Neuropsychological and Renal Effects of Dental Amalgam in Children
A Randomized Clinical Trial
JAMA. 2006;295:1775-1783.
アマルガム群割り当て群では有意に平均尿中水銀値が高い(0.9 vs 0.6 µg/g of creatinine at year 5, P<.001)。補正後、hull-scale IQ scoreの5年の変化量にて有意差は消失 (3.1 vs 2.1, P = .21)

治療群変化スコアは1.0(95%CI -0.5-2.5)のfull-scale IQ score pointであった。
一般的な記憶異数は4年変化として違いがなかった(8.1 vs 7.2 P=.34)
視覚運動要因、5年時尿中アルブミンなど有意な変化なし

【結論】神経性心的・腎機能への影響はない。
しかし、極小のIQへの影響は否定できない。他の歯科材料が用いられるならアマルガムは使用を控えた方がよい。


歯科用アマルガムの安全性について激しい議論が戦わされ、アマル
ガムの水銀は重篤な健康への危険を生じさせる、との主張がなされた。種々の異なっ
た症状および徴候を述べたが報告が出されているが、少数の疫学研究のため確定的で
はない(inconclusive)。

との結論は変わらないようである・・・

ウェブ検索すると・・・他の分野と同様・・・針小棒大的・我田引水的表現が多いので、気になるが、上記論文では5年程度の短期間の影響のみであり、まだ、その有害性がどの程度もよく分からない。もし代替できるものがあれば、変えた方がよいとは思うが・・・

by internalmedicine | 2006-04-19 11:21 | 医療一般