2006年 05月 08日 ( 2 )

 

TBS放送のダイエット法に苦情

って、あまっちょろい表現だと思う。

・・・健康被害をもたらす食べ方を推奨したTBS・・・これは公序良俗に反する放送であり、業界全体に蔓延する「持ち込み番組」の弊害や安直な健康情報番組の倫理性が問われる・・・とでもすべきである




番組のダイエット法に苦情 TBSが注意喚起


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060508-00000120-kyodo-ent


 TBSは、6日放送の健康情報番組「ぴーかんバディ!」で紹介した白インゲン豆を使ったダイエット法に、視聴者から激しい嘔吐(おうと)や下痢などを訴える苦情が30数件あったと8日、発表した。
 TBSは原因を調査する一方、「このダイエット法を控えるか、医師などの意見を求めたうえで慎重に対応してほしい」と注意を呼び掛けている。
 同局によると、紹介したのは、白インゲン豆を約3分間いった後に粉末化し、ご飯にまぶして食べる方法。番組内で「豆は生で食べるとおなかをこわす恐れがある」「豆アレルギーの方は食べないでください」などとテロップやコメントで注意を呼び掛けていた。
 ダイエット法は専門家の指導を受けたもので、番組スタッフら10数人も試食したが問題はなかったという。


Phaseolaminという白インゲン豆の成分が確かに臨床第2相試験
http://www.thorne.com/pdf/journal/9-1/white_bean_extract9-1.pdf

結果が出ている。・・・しかもこの販売会社はたかだか第2相なのに盛んに売り込んでおり、その販売方法に疑問が残る。

賢明な方、臨床治験を知っているものは御承知だろうがが、第2相試験では結論的なものがいえず、安全性・有効性に関しては未だ何ともいえないのである。にもかかわらず、業者というのは確立したものの如く宣伝をする。

google 検索すると、英語でも日本語でも、これがまるで第3相試験とミスリードしたり、結論が出ているかのごとき記載がある。

単に有効成分があるというだけで、白インゲンそのものの有効性があるなどというのは、公開詐欺そのものである。

TBSのが悪質なのは、かなり安全上危険なことを行っているのである。インゲンの毒性というのが記載されており、アホでない限り、生は推奨しないと思うのだが、
それにしても相談した専門家とやらのコメントをきかせてもらいたいもんだ。


FDA記載の警告:
生・半煮のエンドウ(後述のごとくこの場合の毒性成分であるPHAは白インゲンを含む豆類全般に存在することが示されている)は1-3時間と発症はさまざまであるが、激しい吐気、嘔吐であり、それは非常に重症である。下痢は幾分後に(1-数時間)で出現し、腹痛出現する場合がある。入院する場合もあるが、通常は回復は急速(3-4時間)であり、自然治癒する



別の学術文献では・・・
生の豆類の毒性としてはプロテアーゼ阻害とphytohaemaglutinin(PHA)類が重要な毒性成分と考えられ、青酸配糖体やアミラーゼ阻害作用も考慮されている。PHAsを含むものが急性毒性作用が高いものと考えられている。
参考

・・・と書かれ、今回の生白インゲンによる嘔吐などの消化器症状発現の機序が示唆される。専門家なら十分想定できるはずである。

※(ちまたで、PHAってなんの事変わらず混乱している人がいるそうなので加筆)インゲン豆PHAはレクチン蛋白であり、赤血球凝集活性の強いE-PHAと. リンパ球幼 弱化活性の強いL-PHAの存在が知られている(参考

 その毒性は急性であり、途中で症状に気づいても遅いことことから、視聴者に十分注意して利用しろといわれても不可能なのである。故に、個々の健康被害を防御するのに役立たないテロップによる今回の注意事項は単なる良いわけであり、健康被害に関する免責とはなりえないと考えられる。


 TBSに出演して相談したという専門家とTBSは重大な健康被害を国民に与えたと考えられる。生の豆類を勧めるという番組を制作し、放送したことによる健康被害の蓋然性は高いし、その注意事項もアリバイ的であり、放送関係者は視聴者の健康を軽視しているのである。

 食品会社や製薬会社などが同様な人数の健康被害を出した場合はおそらく厚労省からおとがめがあり業務停止などは免れない。また、食中毒などの被害を生じた場合はその飲食店などがその業務を継続すること自体あり得ないがもし継続していた場合はTBSなどの放送局は徹底的に批判するであろう。ところがメディアが健康被害を生じさせた場合はしらぬぞんぜぬ。昨夕・夜のTBS系の報道番組では一切謝罪すらない。食の問題を追及していくと筑紫哲也は述べているのに、自らの襟は正そうとしない放送局。彼らには倫理性とかはないのであろうか?



記事によると、今度は、問題がおきたらマスコミさんは医師などの意見を求めてるそうだ。(調べてから放送するだろう・・・普通)。瞬間的もしくは片隅の小さなテロップで断り書きをすれば免罪されると思っているのだろうか?


テレビ局における健康情報番組においては半ばある種の業界だけでなく、特定の業者の宣伝と化しているものが多く、いわゆる「持ち込み番組」の問題であり、民間放送連盟自体も問題視しているがいっこうに自浄作用がない。

ここに至っては、TBSを含め、このような健康被害を生じかねない放送をした放送局の局免許更新は差し止めた方が良いとおもわれる。


この場にいたっても、Yahooで、白インゲンの広告サイトに実質リンクしているこの非常識さ・・・http://beauty.yahoo.co.jp/tbs/pi-kan/など考えれば、厳罰に処すべきと思うのだが・・・放送局に甘いお役人さんたちはどうするのだろう

by internalmedicine | 2006-05-08 17:46 | メディア問題  

豊胸術は乳首の感度を下げる

内科開業医には関係ない分野だが・・・

豊胸術により乳首の感度が鈍るらしい・・・このことは豊胸術を行う医師はこの感覚喪失を術式にかかわらず、対象者に伝えなければならないとサンディエゴにあるカリフォルニア大学Mark M. Mofidの報告とのこと
豊胸術も注入するものなどでいろいろ影響が変わるおもうのだが、ややラフな印象をもってしまうが・・・

Nipple-Areola Complex Sensitivity after Primary Breast Augmentation: A Comparison of Periareolar and Inframammary Incision Approaches.
Plastic and Reconstructive Surgery 117(6):1694-1698, May 2006.
20名の乳房増大術(primary autmentation mammoplasyt)を受けた20名の女性で、乳首の感度が1年後フォローアップにて、対照にくらべ有意に減少した。20名の女性を平均1.12年フォローし、9名はサイズマッチ、非手術群対照と比較した。

periareolar(乳頭周囲)とかinframammary(乳房下)アプローチといった間で感度喪失の差異は無かった。

減量乳房形成後、正常の乳房の感度と手術後のの変化が数年にて感度が増加するという報告もあるが、豊胸術後の感度のアウトカムに言及した論文は2つしかない。

方供述は感度という面では有意に減少し、乳頭周囲と乳房下アプローチでその差異はなく、移植物のサイズと感度の低下は両アプローチとも逆相関となっている。


豊胸術に関しての合併症・リスクについてかかれてるのもあるが、あまりに内科とかけ離れるので割愛・・・豊胸術と関係ある?内科疾患としては膠原病発症頻度増加

Risk of Connective Tissue Disorders among Breast Implant Patients
American Journal of Epidemiology 2004 160(7):619-627

・・疫学的に関連を示唆する文献が多いのも事実(今頃シリコンは植え込んでないだろうが、昔植え込んだひとを時々見る・・・)





患者の満足というのが医療の原点なのかもしれない。だから、生命に関わる医療だけが医療でない。美容外科などは軽視されがちだが決して学問的にも興味ある分野だし、患者満足度という面では華々しい分野にひけをとらないのでは?
 
もっとも・・・メディアに出てくる美容外科の連中をみるとそうは思えないのが多いのも事実だが・・・

患者本人や家族とのトラブルは小さいものを含め絶えないのが現在の医療の現場だろう。互いに幸福になることないトラブル。自分たちを軽く扱われたという不満が日本の医療トラブルの原点というが、もともと多くの患者を診療しなければ経営も成り立たないというのも医者側の言い分。フリーアクセスと米国並みの医療訴訟数増加という具有する矛盾点など、制度上の限界がきているのではないだろうか?国民皆保険・フリーアクセス維持するには国民にもその意味合いを理解してもらわねばならないとおもうのだが、現政府は議論をまともにせず、9年前の資料でその場をごまかす与党・官僚がしくまれた軌道にそって、自己負担増加をもくろんでいるわけである。

by internalmedicine | 2006-05-08 12:05 | 医療一般