2006年 05月 10日 ( 3 )

 

COPD急性増悪:気道炎症・コロナイゼーション・FEV1評価

COPD患者急性増悪における感染と気道炎症について・・・
安定期におけるcolonisationと炎症は、急性悪化の時と、どう変化しているのか?同様な細菌が安定期にも、急性悪化期も存在する。しかし、急性悪化時の細菌培養陽性患者の比率の増加と細菌量の増加が認められる。colonisationも安定なものでなく、分子技術を用いることによりH influenzaeの異なる菌種ごとの頻回なturnoverが見られるなど新しい感染による急性悪化と区別することも難しいのである。
Thorax 2003;58:73-80


COPDの急性悪化原因の細菌感染の原因の69.6%がH.influenzaeであり、Rhinovirusが19.6%であり、IL-8、FEV1の低下と相関があるとのこと
感冒症状(純粋なウィルス感染のマーカーと考える)と細菌感染による急性悪化時、FEV1低下は大きい。
(Chest. 2006;129:317-324.)


Infections and Airway Inflammation in Chronic Obstructive Pulmonary Disease Severe Exacerbations
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 173. pp. 1114-1121, (2006)
急性悪化は肺機能障害と関連し(p < 0.001)、喀痰中の好中球増加と相関している(p < 0.001)。ウィルス性・細菌性感染は78%の急性悪化で検出。
ウィルス性は48.4%(安定時 6.2%) p < 0.001
細菌性54.7%(安定時 37.5%)

感染急性悪化患者は、非感染性急性悪化に比べ、入院期間延長し(p < 0.02)、肺機能のいくつかの指標悪化(全て p < 0.05)がみられる。

喀痰中の好中球は急性悪化時増加し(p < 0.001)、それに応じで重症度相関(p < 0.001)し、それはウィルス性・細菌性感染に関わらない。
喀痰中好酸球はウィルス関連性の急性悪化時増加する(p < 0.001)



気道のコロナイゼーションは好中球気道内腔炎症と関連しており、COPD気道疾患の進展と関連;コロナイゼーションも結果的には悪さをしてるわけだなぁ・・・と
Airway Inflammation and Bronchial Bacterial Colonization in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 173. pp. 991-998, (2006)
病的細菌100 CFU/ml:
喫煙既往のある患者0%、非喫煙者6.7%、COPD患者の34.6%で検出 (p = 0.003).
コロナイズしたCOPD患者は有意に相対的・絶対的にBAL中好中球、IL8、active MMP-9、エンドトキシン値が非コロナイズCOPD患者より高い。
BAL中の炎症構成成分は有意にコロナイズされたCOPD患者で高い。



・・・再び、鼻腔や口腔洗浄などに走るのか?


COPDの重症度判断は、FEV1絶対量で評価しましょうとのこと
Variability of Spirometry in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 173. pp. 1106-1113, (2006)
個人内の生化学的・スパイロ上の指数変動をNETT・LHSという2つの研究を用いて検討したもの。5886名LHS、1215名のNETT参加者


初期セッションのFEV1平均±SDは
LHS:2.64±0.60L(75±8.8%)
NETT:0.68±0.22L(23.7±6.5%)

testセッション間の平均±SD日数は
LHS:24.9 ± 17.1日
NETT:85.7 ± 21.7日


閉塞の程度増加に従い、FEV1の%変化が増加、しかし、閉塞重症度にかかわらず絶対値の差は比較的一定のまま。
参加者の90%以上障害の厳しさの如何にかかわらず225ml未満の個人内の FEV1変動差であった。



・・・昔から遅々としていっこうに進まない分野・・・COPDの急性増悪

by internalmedicine | 2006-05-10 15:10 | 呼吸器系  

ステロイドが心房細動の誘因になるそうな・・


High-Dose Corticosteroids Tied to Increased Risk of Atrial Fibrillation
Arch Intern Med 2006;165:1016-1020.(165→166の間違いでは?)
住民ベースのコホート研究によりコルチコステロイドの高用量治療により、適応の違いなく、新規心房細動発生リスク増加と関連することが示唆された。
この影響は予想より頻度が高いものであったらしい。
Archive of Internal Medicien 5月8日、Strickerらは、55才以上のロッテルダム研究7983名の成人で、8年間フォローアップにて885名新規発症心房細動の報告。
1ヶ月以内の処方にて新規心房細動発症のリスクはOdds比 3.75

低・中等量コルチコステロイドは心房細動増加と関連せず(といいながらodds比 1.42?)

by internalmedicine | 2006-05-10 14:14 | 動脈硬化/循環器  

骨髄穿刺は腸骨アプローチのみ?

日経メディカルにこの問題が書かれているそうである。まだ、見てないので、ひょとしたら雑誌の意図とことなることを書いているもしれないが・・・


骨髄穿刺は、後上腸骨棘が主流だとか・・・開業した当初はやっていた骨髄穿刺も最近はやらなくなりました。何故ならやはり医療事故を忌避した萎縮医療の一環ですね・・・

保身的な医療にならざる得なくなり、医療そのもに影響を与えてしまっている次第

確かに、AFPでは
骨髄検査の方法として吸引と生検がある。
好まれる部位としては、腸骨稜(通常、後上腸骨棘)と胸骨が好まれる
胸骨アプローチは合併症リスクがあるため、後上腸骨棘が子止まれる
他に前上腸骨棘・大転子が次の部位として用いられる

とあり、確かに腸骨主体と思わせる。


ただ、腸骨のみ主体でよいのだろうか?

骨髄増殖性疾患や白血病では穿刺部位による差はなさそうだが、低形成性の疾患、再生不良性貧血などの場合は腸骨部位は低形成所見となりやすい。
Rinsho Byori. 1991 Jun;39(6):656-60.)


個人的な話だが、20年ほど前先輩から指導された通りのことが書かれているし、臨床経験からも腸骨からはhypocellarityであるという確信をもっているのだが・・・

まぁ・・・防御的・保護的な医療による、医療方法の変遷というのも、骨髄穿刺一つでも生じているのである。rareな合併症といえど、医師生命を絶たれるという恐怖心により、検査方法も変化していくのだろう。・・・ただ、医療過誤・訴訟だの騒いだときに失ったものも、時には思い出してほしい・・・医者・患者・国民・メディア

後は日系メディカルとやらを読んでから書き込む予定

by internalmedicine | 2006-05-10 10:27 | 医療一般