2006年 05月 24日 ( 2 )

 

慢性肝疾患のQOL決定因子

急性骨髄性白血病の治療で輸血を受けた際にウイルス感染をうけたという渡辺謙さんの話がニュースにあがっていた。インターフェロン+RBV投与のようである・・・あんまり詮索しても・・・その辺のフジテレビと同じレベルに下がるのやめる


C型肝炎のQOLにて、疾患重症度と易疲労感というのは納得できる感じがする。
ただ、一般的な慢性肝疾患で関節痛が関連するとは・・・意外だった。

Determinants of quality of life in chronic liver patients
Alimentary Pharmacology & Therapeutics, Volume 23, Number 11, June 2006, pp. 1629-1635(7)

1175名の慢性肝疾患患者のデータにおいて、疾患特異的Liver Disease Symptome Index 2.0とSF-60比重utility scoreを直線回帰にて検討
健康関連QOLは主に疾患重症度(β=0.029)と関節痛(β=0.023)に相関
うつ(β=0.014)、右季肋部痛(β=0.014)、食欲低下(β=? 0.014) 、易疲労感 (β=0.013)も有意に関連

C型肝炎患者では、疾患重症度 (β=0.037)とうつ (β=0.030)が特に健康関連QOLの強い決定因子となる。


肝疾患と易疲労感に関する考察は・・・レビューが存在し、
疲労感は慢性肝疾患患者においてきわめて多いが、有効な治療法が無く、臨床医には無視され、焦点が絞りにくく、客観的エンドポイントがとらえにくい。
最近健康関連QOLいかする研究が行われはじめた。

疲労は、リウマチや胆汁うっ滞型肝障害、SLE、HIVなどでも注目されている。

そのoriginにより中枢性、末梢性があり、末梢性疲労は筋疲労や炎症・関節異常が合併し、RAやSLEで典型的である。

しかし、慢性疾患は主に中枢性疲労と関連が深い

従来のマーカーと相関は少なく、他の不安・うつなどの疾患を合併するなどの合併が多い。
たとえば、胆汁うっ滞型肝疾患PBCの68%が疲労があり、自己関連うつと相関があるが、肝疾患と関連する血中の生化学的指標や重症度とは関連がないとの報告がある。MS、SLE、RA患者でも同様傾向が報告されている。特定の疾患の疲労が慢性疾患の結果生じるのか、疾患特異的なのかは不明である。


考察として・・・
Corticotropin-releasing hormone (CRH) と慢性ストレス
サイトカインと免疫
中枢神経伝達物質系
気分障害の合併
が検討されている。


たとえば、慢性肝炎の運動療法に関して、日本では従来否定的であったが、昨今は否定できる大規模データが存在しないこと、日本以外で安静療法なるものが議論されてないこと、そして、運動療法の抗うつ効果からもう一度考え直されるべきだろう。
抗ウィルス薬を開発して根本的治療を研究するっては確かに非常に大事なことだが、こういったQOLに関する症状を分析し、治療に役立てるってのも重要な研究。
日本の臨床研究の甘さはこういうところにも表れている。

by internalmedicine | 2006-05-24 10:51 | 消化器  

年齢層別化コロノスコピー  乳癌におけるMRI検診

 日本の検診というのは科学性が無く、行政こそ税金の効果ある利用法を科学的に検討する義務が有ると思う。非科学的似非人権派が怖くて行政が何もできないというのは理解できるが、科学的な検診システムが必要である。疑問視され続ける検診が科学的な批判に影響されることなく放置されつづけている。試験前確率や尤度比、Risk Strategyなど、医学的検査の根本を忘れた検診システムは人間ドックだと述べる非科学的システムとともに日本の暗黒システムだと私は思ってる。


50代のコロノスコピーを受けさせる努力をもっとすべきであり、年齢に於いて層別化したストラテジーが必要であろう。
Linらの分析:JAMA. 2006;295:2357-2365.
検診colonoscopyを受けた人の横断的研究により老人と若年でのCRC(大腸癌)検出検査を行う時にlif-yearsを推定。
CRCの頻度の高い老人では、80歳以上でのcolonoscopy検診はlife expectancy experiencedは50-54歳のヒトに比べてわずか15%程度と推定。


Singhらの報告:JAMA. 2006;295:2366-2373.
colonoscopy陰性後のCRCリスク減少の程度と期間を検討し、colonoscopy陰性では一般にくらべて60-70%リスク減少し、10年以上リスク減少が持続する



BRCAの検査は米国では、そのEthicalな問題を含め、数百ドル~数千ドルのコスト前提で、検討されている。
MRIはmammographyより高リスク群では早期に乳癌を検出する。
Plevritisらは、コンピューターシミュレーションにてBRCA1・BRCA2 mutation陽性の女性の検診のコスト・効果を評価した。
MRIを加えることでは年齢によりそのコスト効果は変動。
QALYあたりのコスト効果閾値をベースにすれば、BRCA1 mutation女性では毎年MRI
+mammographyが35-54歳にてcost-effective、2年ごとMRI+年ごとのmammographyが35-54歳のBRCA2 mutationではcost-effective
JAMA. 2006;295:2374-2384.

by internalmedicine | 2006-05-24 10:03 | くそ役人