2006年 05月 31日 ( 2 )

 

ロデオ・アスリートはむち打ちになりにくく、長期化しにくい

インチキ医学に利用されることの多い、JAMA

いわゆる特発性の脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)に関するレビュー
JAMA. 2006;295:2286-2296.が発表されている。


むちうちに関しては(むちうち≠ 低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)と思うのだが・・むちうちは 積極的に治療するほど 回復が遅れる)などでふれたが・・・多疾患と同様、いろんな要因があるのだろう・・・昨今、地道な医学的な根拠の蓄積がなされれないまま、単純な仮説のまま、診断・治療がなされることに恐ろしいものを感じる。

ブラッドパッチを妄信する人たちは、低髄圧症候群に関するJAMAの記載
Numerous treatment options are available, but much remains to be learned about this disorder.”をかみしめてほしい。

 “むちうち→低髄圧症候群→ブラッドパッチ” とは 単純に行かないのである。
 
 それは、病因や診断(技術を含む)からして、まだ確立してるものではない。
 ましてや治療において未解明といわざるえず、個人的には実験的領域と思う。


いわゆる、むち打ち症は、不意をつかれた受動的な外力がなんらかの影響をあたえているのが本来のきっかけだが、その長期的なアウトカムに関してはいろんな要因があるようである。

Alberta Rodeo Athletes Do Not Develop the Chronic Whiplash Syndrome
(J Rheumatol 2006;33:975-7
ロデオの観客より自動車事故におけるアウトカムはロデオ・アスリートの方がアウトカム良好なのかを検討。

方法:この調査は自動車衝突事故むちうち外傷(頸部 and/or 背部むちうち)報告アウトカム調査

急性症状を思い出した衝突経験者である
・ロデオ・アスリート:33%
・ロデオ観客:61%

両群とも衝突時の自動車のタイプ、調査時の職種はは類似

有症状期間
・ロデオアスリート:30日(±14日)
・ロデオ観客:73日(±61日)

60日以上続く症状
・ロデオ・アスリート:0
・ロデオ観客:15%

3週間以上労働不能
・ロデオ・アスリート:0
・ロデオ観客:common

【結論】ロデオ・アスリートはロデオ観客者より多くの自動車事故に遭遇し、33%のむち打ち症状があるが、観客に比べ、疼痛継続・disability期間も短い
(J Rheumatol 2006;33:975?7)



ヒポクラテスの時代から・・・むちうちが・・・ってのは、よく使われる言葉である。このことからも嘘があるらしい・・・
(いんちき医学のやり口の一つとして確かめようもない・確かめがたい有名な御仁の名前を使うことはよく用いられる)
Editorial: Whiplash and the Clinician
Livingstonは、古代ギリシャの言い伝え例として述べている。厳格に言えば、“modern phenomenon”の本質にせまって用いられたものではない。そして、ヒポクラテスはケアに関するヒポクラテスの記載はほとんどされてない

Whiplash was not identified in the Hippocratic Collection, but whiplash today meets the Hippocratic criteria for a disease, based on causation and pattern recognition, and it still can be diagnosed by the classical methods of observing, listening, touching, examining, and recording, as Livingston points out.


ヒポクラテスから学んだ一番大事なものは、患者の直接観察は意義深い ということである。これは、現代でも主流である。しかしながら、ヒポクラスの名前だけを利用し、表面的な理解だけで引用され、ミスリードに利用されていることがある・・・・これは注意すべきことである。


ご承知の如く、intracranial hypotension(脳脊髄液減少症・低髄液圧症候群・低脳圧)という病気は存在する。だが、むち打ちを結びつけ、髄液漏出がその原因であるごとくいうことにかなり抵抗感がある。

・・・これについて
低脳圧症のエビエンスを仮説に基づき治療することが適正かどうかしっかり議論されるべきである。

全人類共通の疾患であるはずなのにかかわらず、英文医学論文に於いて、この仮説を討議した論文をみることは稀で、もちろんそのレビューも調べる限り存在しない。外傷後低髄圧に関しては1960年代の日本語論文ひとつを見いだすだけである。極東の一地域のごく一部の人しかみとめていない診断・治療をどうして保険診療などできようか・・・



馬鹿なメディア
はこの事実を無視して、日本の医学はおくれているなどとほざくのであろうか?・・・腹立たしい限りである。


なお、特発性低髄圧症候群という病気・病名を批判しているのではなく、“むちうち→低髄圧症候群→ブラッドパッチ” という根拠無きプロセスを批判しているのでご留意いただきたい。

by internalmedicine | 2006-05-31 10:50 | 運動系  

イタリアンライグラス花粉

3-6月当地ではイタリアンライグラス花粉によるアレルギー性疾患が出てくる




牧畜業に関わる職業性喘息としての意味合いもあるようである。



日本で報告されている花粉アレルギー



アレルギー性結膜炎集団発生
の報告もあるようである。

イタリアン・ライグラスは、ペレニアルライグラス(Perennial Ryegrass)の一品種あるいは亜種と考えられていたが、まったく異なる種であるということが判明しつつある。両方ともWimmera Ryegrass (L. rigidum)を起源とする。いづれにせよ、種子にて、花粉症・喘息・結膜炎を感作されたヒトに生じさせる。
交差抗原性は多岐にわたる。(参考


by internalmedicine | 2006-05-31 09:37 | 呼吸器系