2006年 06月 29日 ( 4 )

 

豊胸術脂肪注入は不適切と・・・


カリスマ美容形成外科医が話題らしい・・・我々貧乏開業医と対極にある存在なので、基本的には興味ないが、過去豊胸術に関してふれたことがあるので・・


豊胸術は乳首の感度を下げる

デンマークでは豊胸手術を受けた女性は自殺者が多い



話だけ聞けば、Autologous Fat Transplantation for Breast Augmentationなのだが、1時間程度でできるものなのだろうか?・・・マスコミ経由の話だから信用できないが・・・・

Reviewを閲覧しようかとおもったが費用も高いのでやめた


代わりに・・・ウェブで情報収集・・


自己組織を胸部に注入する方法は血小板ゲルを用いることでその成績が改善し手きている。脂肪は注射により吸引して採取される。10年間にて65例で、平均保持率は73%
患者満足度はたかい。合併症は小領域の溢血と、線状萎縮である。
シリコン注入を好まない患者への代換手段ということになる(参照


Fat transfer、いわゆる自己脂肪移植やmicro-lipoinjectionと呼ばれ、顔面などをpump upする手技。
しわ伸ばし手技としてpopularになりつつある。
他の体の部位にも使われつつあり、手の萎縮、手術後・外傷後の欠損部位などにも利用されつつある。ただ、乳房への適用は不適切。mammogramによる乳癌発見を困難にすると、American Academy of Cosmetic Surgeryのサイトに書かれている。

カリスマ美容外科医は、この豊凶手術として第一選択として問題ある手技に対して、なんらかの解決手段をもっているのだろうか?・・・でなければ・・・問題なのでは?

by internalmedicine | 2006-06-29 16:53 | Quack  

認知症・アルツハイマー病に関してホモシステイン濃度は独立した予後因子

認知機能障害の頻度は年齢とともに増加し、加齢人工の増加とともに社会的関心となってきている。ホモシステイン値がこの認知機能低下のリスク要因であり、治療介入可能である可能性が考えられた。Alzheimer病疑い・確定診断例にて対照群よりホモシステイン濃度が高いという報告(123
8年間でホモシステイン濃度>14μmol/l超過対象者は、低濃度対象者よりアルツハイマー病発症しやすいという研究結果(NEJM 346:476-483 Feb 14 2002(7))がもたらされた。

さらに多数の横断研究にてホモシステイン値と認知機能のパフォーマンスの逆相関の報告がもたらされている。


2年間の、血中ホモシステイン濃度増加老人に比べ、減少老人では認知機能が優れているかどうかを検証するトライアル

Plasma Homocysteine as a Risk Factor for Dementia and Alzheimer's Disease
Volume 346:476-483 February 14, 2002 Number 7
【方法】1092名の認知症無しの対象者(667名の女性、425名の男性;平均年齢 76歳)・Framingham研究サンプル
ベースラインでの血中総ホモシステイン値を測定し、新規発症認知症フォローアップ8年間
多変量解析(年齢、性別、apolipoprotein E genotype、ホモシステイン値以外の血管リスク要因、葉酸、ビタミンB12、B6
【結果】8年フォローアップ期間中央値にて、認知症111名発症、うちアルツハイマー病83名の診断

ベースラインもしくは8年以前の、ホモシステイン値対数変換値における 1 SD の増加に対する、認知症の多変量補正相対リスクは1.4(95%CI 1.1-1.9)


同様な手法で表したところの、、1 SDあたり増加に対するAlzheimer病の相対リスクは ベースラインでの1SD 増加あたり1.8(95%CI 1.3-2.5)で、ベースライン前の1SD増加あたりにつき1.6(95%CI 1.2-2.1)

血中ホモシステイン値 14μmol/l超過値は、アルツハイマーのリスクを倍加する

【結論】血中ホモシステイン値の増加は、アルツハイマー病の認知症進展の強い、独立したリスク要因である。



本文中に書かれているが、

葉酸による治療、他のB6、B12の併、穀草類種子産物を含む食事サプリメントなどは血中のホモシステイン値を減少させる可能性がある。しかし、Framingham研究での対象者でのホモシステイン値は16次、20次調査より減少しており、このコホートを現在そのまま当てはめることはできない可能性がある。
さらに、ビタミンサプリメントで、認知症を減少させるという前向き研究トライアルは存在しないので、この知見をそのまま医療行政や治療推奨に使うことはできない

・・・サプリメント業者や軽薄なお医者さんたち最後の文面をよく見ていてほしい


へんな宣伝に使われそうな予感を感じるので・・・先に書いておく

by internalmedicine | 2006-06-29 13:01 | 医療一般  

甲状腺機能低下症の維持量の目標値



AFP(http://www.aafp.org/afp/20011115/1717.html)の記載から
視床下部下垂体系が正常の患者では、TSHの変化は、血中甲状腺値の変化に遅れる。TSH値はlevothyroxine量補正後4週間より後に評価すべき
TSHへの影響は8週後まで現れないだろう
下垂体機能異常の場合、euthyroidを維持しているかどうかは fT4、fT3値を測定して行うべきで、目標は遊離甲状腺ホルモン値を正常中間から上限までの間で維持することである
データはないがほとんどの患者でTSH、fT4は毎年測定士、一度安定したメンテナンス量に達したら、60-70歳まで適量を継続するのが通常
年齢とともに甲状腺結合能が低下し、血中アルブミンが減少する。

とある。




一方、ハリソンでは・・・
"When the diagnosis is confirmed, T4 is instituted at a dose of 10 to 15 g/kg per day and the dosage is adjusted by close monitoring of TSH levels.
T4 requirements are relatively great during the first year of life, and a high circulating T4 level is usually needed to normalize TSH."
と具体性がない・・・


横断研究であり、エビデンスレベルでは高くないが・・・

Which thyroid-stimulating hormone level should be sought in hypothyroid patients underl-thyroxine replacement therapy?
International Journal of Clinical Practice, Volume 60, Number 6, June 2006, pp. 655-659(5)
L4-RT(thyroxine補充療法)患者の、TSH値抑制と血中ホモシステイン値・CRP・フィブリノーゲン・d-dimer・血中コレステロールなどの心血管リスクパラメーターの関連があるかどうか?
4002名の甲状腺機能低下患者を横断的に調査
任意の方法でL4-RT下のTSH(mIU/l)に達した値でグループ分け
fT3、fT4正常な中で、TSH 0.4-2を1群(n=154)、2-5.5を2群(n=176)、5.5-20を3群(n=72)
3群を一過性甲状腺機能低下(n=71)、健康対照(n=797)と比較


ホモシステイン値(μmol/l)は有意に3群で異なる (10.4 ± 4 for group 1, 11.3 ± 3.7 for group 2 and 13.5 ± 4.7 for group 3; p < 0.01 for all groups)
CRP(mg/l)も有意に3群で異なる(2.6 ± 2.6 for group 1, 3.3 ± 2.9 for group 2 and 4.8 ± 4.1 for group 3; p < 0.01 for all groups)

単変量解析で、ホモシステイン値とCRP値は有意にfT4とTSH値で相関(p<0.01 両群)

統計学的な相違はfibrinogen、d-dimer値で3群間で認められなかった。


脂質でのL4-RTの影響は、統計学的に有意差はないが、脂質パラメーターへの影響の傾向が見られる。

目標TSH値<2がCRPやホモシステイン値低下、一部脂質パラーメーターを指標とする場合、助言しうるものである




何れかを目標にするかは・・・?

by internalmedicine | 2006-06-29 10:57 | 内科全般  

ヨード過剰摂取:甲状腺機能低下・自己免疫性甲状腺炎 :日本も他人事じゃない


中国のような共産圏は国家的な行動がはやいので、施策が徹底され、極端な影響がすぐ現れるようである。
1996年以降中国国内では塩がヨード化されている。結果、国家レベルでヨード摂取増加している。中国の担当省庁データだと、165μg/L(1995)→330μg/L(1997)となり、その後306μg/Lとその値は維持されている。
WHOガイドラインに従うと、国際子供基金とInternational Council for Control of Iodine Deficiency Disordersは
中国のある特定の住居者は適正以上(尿中 200-299μg/L)あるいは過剰摂取(>300μg/L)となり、その期間中に、甲状腺疾患の患者数が増加している
と報告されている。


それに関する論文・・・

Effect of Iodine Intake on Thyroid Diseases in China
NEJM Volume 354:2783-2793 June 29, 2006 Number 26
【背景】ヨードは甲状腺ホルモンの必須成分である;低・高用量摂取にて甲状腺疾患をもたらす
不足地域(尿中ヨード排泄中央値 84μg/L)、適切量以上地域(中央値243μg/L)、過剰地域(中央値 651μg/L)にて分けられた中国のコホート研究では、ヨード増加に伴い一過性の甲状腺機能低下、subclinicalな甲状腺機能低下、自己免疫性甲状腺炎が報告されている。
1999年参入時基礎値研究、2004年5年フォローアップにて、地域的差異の影響にてヨード摂取と甲状腺疾患発生の関係を調査
【方法】 3761名のベースライン研究時対象のうち、3018(80.2%)でフォローアップ。
甲状腺ホルモン、甲状腺自己抗体値、尿中ヨード測定、甲状腺B-mode超音波検査をベースライン、フォローアップ時検査
【結果】
軽度ヨード摂取欠乏地域の対象者のうち、適正以上の場合、過剰摂取の地域を調査

一過性甲状腺機能低下症累積頻度は0.2%、0.5%、0.3%
subclinical 甲状腺機能低下症は 0.2%、2.6%、2.9%
自己免疫性甲状腺炎は0.2%、1.0%、1.3%



(高い甲状腺ペルオキシダーゼ抗体値):PanshaとZhanggwu直接比較以外有意差あり
Panshan(軽度不足地域)1.6
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Zhangwu(適正摂取以上地域)10.6
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Huanghua(過剰摂取地域)16
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(高Thyroglobulin抗体値):ZhangwuとHuanghua直接比較以外有意差有り
Panshan1.8
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Zhangwu7.6
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Huanghua18.6
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正常甲状腺・甲状腺自己抗体患者のうち、5年間でのthyrotropin値増加の頻度は軽度不足に比べ高い

基礎thyrotropin値1.0-1.9mIU/Lが最も甲状腺異常発生頻度が少ない

【背景】
適切でないヨード摂取および過剰なヨード摂取は甲状腺機能低下・自己免疫性甲状腺炎の原因となりえる



日本でも注意が必要
「日本のヨード摂取上限は、WHOの勧告幅をたしか超えている」(pdf)と厚労省の委員会でも話し合いがもたれている。


"大人のヨードの必要量は1日100~150マイクログラム(0.1~0.15mg)といわれますが、日本人は1~4mg摂取しているといわれます。"

"意外なものにヨード高含有物があり、注意が必要であり、中国などからの食品中のヨードに関しても注意が必要である。
たとえば、“外国の「塩」にはヨード添加のものがあるので、外国産のポテトチップス、ナッツ、サラミ、ベーコン、ソーセージ、ピザ、パンなども注意が必要。”"
:参照URL(*)

中国ではヨード添加塩でIQアップしたと喜んでいたようだが、ヨード不足極端な地域ではそうだったのかもしれない、しかし、弊害の問題は語られてなかったようである。

ヨード添加物をありがたがるメディアでの情報・コマーシャルインフォメーションなどがあるようだ(google検索)

薬剤に関しても・・・ヨード含有という情報が、医療従事者・患者にとって必要であろう

by internalmedicine | 2006-06-29 09:45 | 医療一般