2006年 07月 10日 ( 1 )

 

性差は遺伝子発現に広汎に影響を及ぼすとのこと



MedpageのTeaching Briefに、性ホルモンに直接関与するだけでなく、広汎な臓器で、多くの遺伝子において、性差がその遺伝子発現スピードに影響を与えているという記事が掲載されている。


ゲノム全体をながめると、男女で、同じ遺伝子でも大きくその発現が異なるという
男女は同じ遺伝子コードをshareしているが、DNAから蛋白へという過程の速度に関して性差が大きく影響を与えているということが判明した。たとえば、アスピリンは、女性より男性での心発作予防効果が優れている。この理由付けは今まで不明であった。

研究者たちは、microarray technologyを用いて遺伝子発現研究を行い、以上の結論を見いだした。
・肝臓では、12845の活動遺伝子のうち72%が少なくとも one-fold difference活性であった。
・脂肪細胞では、16665活動遺伝子中のうち、68%
・筋肉では、7367活動遺伝子中54%
・脳では、4508活動遺伝子中13.6%

さらに、overlapが少ないことを見いだした
全4つの組織型の1768遺伝子中わずか1.5%のみが全組織にて男女で同一方向性のoveractiveを示すに過ぎない。
“性的dimorphic geneが非常に組織特異的である”




性差i医学・医療というのが流行りだが、日本のこの分野の実態は女性医学ばかりがめだち、男性医学は半ば商業主義のAndrogenologyだけがめだつ。・・・なんか、本来の本筋からずれてきている・・・と感じる。
 女性外来といことでQOLを改善したという比較対照のある研究結果でもあるのだろうか?・・・「性差医学によって実証された医療」の導入が不可欠ということは同意するが・・・どうも看板倒れのような気がして・・医学と名付けるなら、対照をもうけた臨床比較を行ってほしいものだ。

動脈硬化疾患系でも性差に関して関心が広く持たれているらしく、多くの“Sex characteristics"論文が検索される。

そのうち、心血管疾患などにより細かな性差別の層別化strategyが、提唱されるのだろうか?




遺伝子学などから得られた知見の解釈が哲学・倫理・死生観に影響を与えてる傾向がちょっと気になる。基礎医学者がいつのまにか立派な哲学者と勘違いされたり・・・人生の価値観を語れるほど医学ってのは発達しているのだろうか?・・・という疑問をもちつつある。

・・・といいながら、男女って違う生き物だよなぁ・・・と、ジェンダー・フリー活動のおばさんたちを怒らせる事を思う

by internalmedicine | 2006-07-10 11:54 | 医療一般