2006年 07月 28日 ( 2 )

 

療養型病床の考察

日本の医療制度と異なるのだが、リハビリテーションを必要とする老人にとって地域病院が必要という論文がBMJ(BMJ 2006;333:228 (29 July))に掲載されている。

いわゆる総合病院と、リハビリテーション重視型地域病院とを比較したところ、急性疾患後の老人治療ではQALYに差がない。

そして、3つのRCTにより、看護師主導型病棟は在院期間が長くなり、コスト増大につながった。
Int J Nurs Stud. 2000 Apr;37(2):153-61.

BMJ 2001;322:453-460 ( 24 February )

Age and Ageing 2001; 30: 483-488

・・・これは日本でいうところの老人保健施設に相当するだろう。


日本では療養型病床を撲滅しようとの施策を、厚生労働省がおこなってるが、また、多大なる被害者を出すこととなるだろう。



まともに、コスト効果・有効性、QALY研究を行った施策を行ったことがあるのだろうか?コストカッターだけの理論で政策が作られている悲しい日本

by internalmedicine | 2006-07-28 11:22 | 医療一般  

タバコとダイオキシン

あいかわらず、禁煙運動家は表層的な喧噪をこのむようで、以下の記事で大喜びしているようだ・・・原著で真偽をたしかめるようなことをしているひとは少ない・・・メディア・リテラシーは禁煙・嫌煙家ともに問題である・・・互いに自分に都合の悪いデータは目隠しする傾向



センセーショナルすぎるものは必ず裏があると思っている。



ダイオキシン類似物質、たばこの煙に“たっぷり”(2006年7月27日14時39分 読売新聞)という表題の新聞記事


以下の論文がホントなら、
体重60Kgのヒトが1日タバコ1本数だけで・・・
18.5ng÷60kg体重=0.31ng/kg=308pg/kg

ということになる


原著:High Levels of Dioxin-Like Potential in Cigarette Smoke Evidenced by In vitro and In vivo Biosensing
[Cancer Research 66, 7143-7150, July 15, 2006]
aryl hydrocarbon receptor仮説により計算
XRE(xenobiotic-responsive element)-activating potential(XAP)値はタバコあたりに 2,3,7,8-TCDD18.5~51.2ng等価とのこと!



ダイオキシンの耐容一日摂取量(TDI)について
○当面のTDIを4pg/kg/日とする

毒性のメカニズム

 ダイオキシン類の毒性のメカニズムは、十分に解明されている段階に至ってはいないものの、ダイオキシン類による様々な毒性発現に共通するメカニズムとして、アリール炭化水素受容体(arylhydrocarbon receptor、以下Ahレセプター)との結合が指摘されている。
(1)Ahレセプターを介した毒性
 ダイオキシン類の主たる毒性である肝臓や胸腺への毒性及び発生毒性が、Ahレセプターを持たないマウスでは観察されないという試験結果が得られてお、これらの毒性は、細胞内にあるAhレセプターという蛋白を介して発現するものと考えられている。
 また、ダイオキシン類がAhレセプターに結合すると、さらにいくつかの蛋白と共同して、遺伝子の発現を変化させることが明らかにされており、その結果として多様な毒性が引き起こされるとされている。
 ダイオキシン類とAhレセプターの親和性は、動物の種及び系統によって違いがあり、WHOの専門家会合においても、ヒトのAhレセプターとダイオキシン類との親和性は、ダイオキシンに対する感受性の低い系統のマウスのレベルに近いとの議論がされている。この点が、ヒトはダイオキシン類の毒性に対して感受性の低い種であるとみなす根拠となっている。
 なお、ダイオキシン類による発がん性は直接的に遺伝子を傷つけるのではなく、他の発がん物質による発がん作用を促進するいわゆるプロモーション作用によるとされている。
 ダイオキシン類の発がん作用や内分泌かく乱作用に対するAhレセプターの関与の詳細なメカニズムについては、なお今後の研究を待たねばならないが、ダイオキシン類がAhレセプターと結合することが毒性発現のうえで重要な位置を占めていることは明らかである。

(2)Ahレセプターを介さない毒性
 ダイオキシン類による毒性のうちにはAhレセプターを介さないと考えられるものも認められているが107)、そのような毒性発現はAhレセプターを介する場合よりも高用量の暴露で生じるとされている。



ダイオキシンを含め分からないことだらけだ・・・あんまり、ひとつの実験的データだけで確立した事実の如くふれ回るのは問題だと思うが、今回の論文はもうすこし取り上げられても良いくらいショッキングなデータであった。


でも、冷静になれば、タバコをすった後のBioavailabilityについて考えれるべきと・・・・すぐ気づくはず

タバコを吸うことと、タバコの抽出物を注射・内服で投与することとは別なのである

この医学雑誌のレフリーもおそらく嫌煙的なのだろうか?センセーショナルな表現はさけるべきと助言を与えるべきだと傍目には思うのだが・・・・(私はもともとタバコはきらいだが・・・なんかセンセーショナルデータにはいつも疑念を持つようになってしまう)






私は・・・もともとダイオキシン騒ぎ自体を、達観して見てるつもり
大豆中の内分泌攪乱物質が肺癌を抑制





ところで、反禁煙運動新聞である毎日新聞はこの記事をどう伝えたのだろう?
ニコチン依存症治療薬FDA認可すれど・・・依存症治療は毎日新聞へ
(毎日新聞検索:たばこ喫煙ダイオキシン:現時点で全くふれてない!)

偏執的な報道姿勢に関して反省することはない。中等で自らの社員が起こした不祥事に関して二度とふれることもない・・・

個々の系列は、度重なる政治的なニュース素材編集とTBSは電波停止した方がよい:生じるべくして生じた白インゲン健康被害で書いたような番組を未だ継続するなど社会的なモラルもまもれない報道機関である。


新聞というメディアの虚構・・・そういったものを念頭に置いて新聞テレビ・雑誌はみるべきということを実感させる反面教師の毎日新聞・TBSグループ

by internalmedicine | 2006-07-28 09:22 | 医療一般