2008年 02月 07日 ( 3 )

 

Steno-2 Study:微量アルブミンありの2型糖尿病患者への多因子介入の効果

Steno-2研究の詳細は、Multifactorial Intervention and Cardiovascular Disease in Patients with Type 2 Diabetes(N Engl J Med 2003;348:383-393.)とIntensified multifactorial intervention in patients with type 2 diabetes mellitus and microalbuminuria: the Steno type 2 randomised study(Lancet 1999;353:617-622.
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以下の強化治療群ADAガイドラインの目標に合致したもの(Diabetes Care 30:S4-S41, 2007
MNT: medical nutrition therapy



2型糖尿病はCVDや網膜症や神経障害、腎症などに関連する合併症比率が高い。2型糖尿病患者の死亡率は疾患無しの患者にくらべ約2倍である。しかし、単一リスク要因介入トライアルで合併症発症・進展減少効果が示されている。
さらに、、以前の前向きランダム化オープンラベルの二重盲検トライアル、平均7.8年の合併リスク要因目標の多ターゲットの間に血管合併症リスクはSteno-2研究で約半減した。
この研究での強化治療はADAの現行ガイドラインとほぼ同じ治療ゴールである。死亡数はSteno-2研究強化治療群で減少したが、このアプローチで死亡率に影響を与えるほどのエンドポイントには比較的少数しか到達しなかった。
故に、Steno-2研究を死亡率の疑問と、地域レベルで大血管・小血管疾患のリスク減少するレベルにに達しているかどうかに対してデザインしたもので検討




Effect of a Multifactorial Intervention on Mortality in Type 2 Diabetes
NEJM Vol. 358(6):580-591 Feb 7,2008
【背景】 強化多因子介入-厳格な血糖コントロール、RAS系遮断剤、アスピリン、脂質低下薬剤により2型糖尿病、微量アルブミン尿小患者に対し非致死性心血管疾患リスク減少が示されている。


【方法】 Steno-2 Study
ランダムに2型糖尿病+持続性微量アルブミン尿症患者を強化治療と通常治療に割り当て
平均治療期間は7.8年、2006年12月31日までの観察期間平均5.5年
フォローアップ13.3年プライマリエンドポイントは全原因死亡までの期間


【結果】 強化群では24死亡例、通常治療群では40例(hazard ratio, 0.54; 95% confidence interval [CI], 0.32 to 0.89; P=0.02).
強化治療は心血管原因による死亡リスクを低下 (hazard ratio, 0.43; 95% CI, 0.19 to 0.94; P=0.04) し、心血管イベントを減少させる(hazard ratio, 0.41; 95% CI, 0.25 to 0.67; P<0.001)

強化治療群の一人はESRD(終末期腎疾患)に進展、通常群では6名(P=0.04)

強化治療群で、網膜光凝固必要な患者は減少した (相対リスク, 0.45; 95% CI, 0.23 to 0.86; P=0.02).

重大な副作用報告は少ない

【結論】 リスク状態にある2型糖尿病患者では、多薬剤と習慣修正の強化介入により、血管合併症や、全原因・心血管原因死亡率に対する持続性の有益性をしめす影響がある





by internalmedicine | 2008-02-07 12:01 | 動脈硬化/循環器  

致死的な移植関連疾患:新しいArenavirus感染

ドナーから内臓臓器移植を受けた患者に移植後4-5週間で熱性状態で死亡した3例
arenavirusに属する新しいウィルスがドナー由来感染の犯人として決定されたとのこと

A New Arenavirus in a Cluster of Fatal Transplant-Associated Diseases
February 6, 2008 (10.1056/NEJMoa073785)


arenavirusはエンベロープを有し、げっし類の マイナス鎖RNAウィルスで、尿の感染で広がる可能性が高いウィルスである。
prototye virusであるLCMV(lymphocytic choriomeningitis virus)は一般的に無症候で、軽症、一過性の疾患となることもある。
しかし、LCMVは無菌性髄膜炎を示すことがある。妊娠中のLCMVヒトヒト感染は報告され、胎勢期に胎児死亡、神経学的後遺症、網脈絡膜症を生じることがある。
固形臓器移植患者のLCMVののヒトヒト感染による致死的流行が報告された。
同一ドナーから移植されたrecipient3名の致死的な疾患原因となったLCMV関連arenavirusの発見したunbiased DNA 配列に関して報告されたもの

アレナウイルス科 (Arenaviridae)
- アレナウイルス属 (Arenavirus, LCM virus group)
-- リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス (Lymphocytic choriomeningitis virus)
-- ラッサウイルス
-- フニンウイルス(Junin virus)
-- マチュポウイルス(Machupo virus)

http://protist.i.hosei.ac.jp/virus/virusalbum/virusalbum/explanation/Arenaviridae.html


高度スループット配列は103,632配列で、Old World arenavirusを示す。
付加配列分析にて新しいarenavirusはlymphocytic choriomeningitis viruseと関連していた。レシピエントの腎臓・肝臓・血液・CSFに存在するウィルスのユニークな配列特異的PCR分析が行われた。免疫組織化学分析にて肝臓・腎臓にarenavirus抗原が存在することが判明した。IgMとIgG抗ウィルス抗体がドナーの血中から認められた。
2時点でレシピエントからえられた血清試料でseroconversionが見いだされた。





Borna virus、 Kaposi's sarcoma–associated herpesvirus (human herpesvirus 8)、 West Nile virus、severe acute respiratory syndrome (SARS) coronavirusといったウィルスがこの手法で明確となる。既知の病原体の配列にもとづくサーベイランスと発見に寄与する方法で、いわゆるcompetitive polymerase chain reaction (PCR) ・ microarrayのやり方である。

High-Throughput DNA Pyrosequencing:参考:http://www.summitpharma.co.jp/japanese/service/products/biotage/app_3.html

by internalmedicine | 2008-02-07 09:52 | 感染症  

心筋梗塞血栓吸引

吸引付きカッターによるPCI・・・以前からされてたと思うのだが、システミックにやっと研究されたということか?



アニメーション:http://content.nejm.org/content/vol358/issue6/images/data/634/DC1/NEJM_Vetrovec_634a1.shtml



ST上昇急性心筋梗塞(STEMI)はPCI(percutaneous coronary intervention)を用いるが、血栓物質の遠心部での塞栓がこの施行上の有効性に制限を与えてしまう。
この研究で、PCI中の血栓吸引が潅流を改善し、臨床的アウトカムを改善した。
血栓吸引はSTEMIの治療の進展をもたらす。



Thrombus Aspiration during Primary Percutaneous Coronary Intervention
NEJM 358(6):557-567 Feb. 2008
【方法】 用手的吸引が初回PCI治療中の通常の治療より優れてるかどうかの検討。
1071名の患者を冠動脈再検前、ランダムに血栓吸引と従来のPCI群に分けて動脈血栓物質の組織病理的なエビデンスがあるときに成功とする。心筋再潅流の血管造影、心電図所見、臨床所見で評価。プライマリエンドポイントは心筋blushグレード (myocardial blush grade: MBG)(原著:Circulation 1998 June 16;97(23):2302-6. 参考Web:http://www.theblush.org/Files/blush%20slides/example_of_tmpg3.htm
心筋梗塞血栓吸引_a0007242_8545529.jpg


【結果】 MBG 0 or 1は血栓吸引群で17.1%、従来のPCIで26.3%(P< 0.001)
ST部位上昇の完全寛解はそれぞれ56.6%、44.2%(P<0.001)
前関連変数のベースラインでheterogeneityは認められず
30日めで、MBG 0、1、2、3は5.2%、2.9%、1.0%(P=0.003)
副作用イベント率は14.1%、8.8%、4.2%(P<0.001).である。
組織病理的な検査にて確定した成功率は72.9%である。

by internalmedicine | 2008-02-07 08:45 | 動脈硬化/循環器