2008年 02月 08日 ( 5 )

 

カルシウム拮抗剤はパーキンソン病リスク抑制?

Use of antihypertensives and the risk of Parkinson disease
(Neurology 2008, doi:10.1212/01.wnl.0000303818.38960.44)
UKGeneral Practice Research Databaseでの症例対照分析
1994-2005年の40歳以上のパーキンソン病診断のケース
年齢、性・GP、指数日数、病歴期間の対照とマッチさせて、降圧剤使用のタイミングと期間を評価
条件ロジスティック解析を用いたオッズ比計算(BMI、喫煙、様々な心血管、代謝、精神疾患・認知症を補正)」

特発性のPD初回診断3637名をと対照数は同じ
降圧剤未使用例と比較して、≧30処方使用した例での補正ORは、ACE阻害剤 1.08 (95% CI 0.85 ~ 1.37)、 ARB 0.91 (95% CI 0.41 ~ 2.00) f、β遮断剤 1.16 (95% CI 0.95 ~ 1.41) 、CCB  0.77 (95% CI 0.63 to 0.95)


現行の長期CCBはパーキンソン病のリスク減少と相関し、他の降圧剤では統計的な有意差が認められなかった。高齢者にいて、ドーパミン作動性ニューロンはカルシウムチャンネル活動性に依存し、神経的ダメージ感受性と関係あるかも知れない。カルシウムチャンネルが遮断されると、ニューロンは有害性メカニズムが少なくなり、ダメージが減少するのではないかと。

by internalmedicine | 2008-02-08 15:12 | 内科全般  

LDLコレステロール ゲノムワイドスキャン研究

LDLコレステロール濃度の変異は多遺伝子性であり、genome-wide技術の集中と疫学的アプローチによりこの濃度に影響を与える新しい遺伝子決定部位発見が見られる。
LDLコレステロールの代謝と調整に新しい考察がもたらされた・・・・ということで・・・


この種の研究方法・・・ここに解説が書かれている・・・
Hirschhorn JN, Daly MJ. Genome-wide association studies for common diseases and complex traits. Nat Rev Genet 2005; 6: 95-108

Kruglyak L. Power tools for human genetics. Nat Genet 2005; 37: 1299-1300




LDL-cholesterol concentrations: a genome-wide association study
The Lancet 2008; 371:483-491
【背景】LDLコレステロールは心血管疾患発症の原因となっている。
代謝の下部に働く生物学的メカニズムとLDLコレステロール調整の理解がうまくいけば新しい治療の発見になるだろう。
LDLコレステロール濃度に関係するgenome-wideな関係を検討
【方法】5研究の11685名、5%以上allele頻度である293461の常染色体SNPs、のLDL濃度で集積したgenome-wideデータ
second genome-wide arrayの4337名の5つの研究データで、290140SNPsのデータを使用した。4979名からなる2つの独立した住民群の復元研究
メタアナリシス・ linkage disequilibrium plotsを含む統計的アプローチにて関連シグナルを修正した。

【結果】初回スキャンで、SNPs (rs599839 [p=1·7×10−15] と rs4970834 [p=3·0×10−11]) は、染色体locus 1p13.3において、genome wideに統計学的にLDLコレステロールと相関する

第二のゲノム・スキャンで、同じlocus (rs646776 [p=4·3×10−9])でのSNPと1/3関係が示された。

全ての研究のメタアナリシスデータにより、LDLコレステロール濃度の SNPs rs599839 (combined p=1·2×10−33) と rs646776 (p=4·8×10−20)との関連が示された。

SNPs rs599839 と rs646776 は循環中LDL濃度の変化約1%を説明し、alleleあたりのLDLコレステロールのSD約15%、1mmol/Lに値する関連が見られた。

【結論】染色体1p13.3に存在するLDLコレステロール locusのエビデンスを見いだした。
結果、LDLコレステロールを調整する生物学的メカニズムが考察され、心血管疾患の新しい治療ターゲットとなる可能性がある。

by internalmedicine | 2008-02-08 14:20 | 動脈硬化/循環器  

後期高齢者医療制度について 担当課長会議資料

全国老人医療担当課(部)長国民健康保険主管課(部)長会議資料(平成20年2月6日開催)
http://www.wam.go.jp/wamappl/bb13GS40.nsf/vAdmPBigcategory30/B639D27B3DAF98E0492573E9000BF0B9?OpenDocument

by internalmedicine | 2008-02-08 13:59 | 医療一般  

糖含有ソフトドリンクおよびフルクトースの摂取は痛風を増加させる

痛風は男性にとって最も多い慢性の関節の炎症である。この疾患のburdenは広がっている。リスク要因同定はこの疼痛性疾患の予防・マネージメントのために重要。
痛風への食事指導としては、プリンの制限、アルコール摂取の抑制が知られているが、ソフトドリンクに関してはその指導がない。低プリンだが古くトールが相当量含まれている。
フルクトースは核酸のdegradationにより急激に血中の尿酸を増加し、プリン体合成促進となる。尿酸増加作用にて高尿酸血症増加となる。しかし、長期的にはどうなるかは分からないのである。しかしながら、アメリカでは、ソフトドリンクやフルクトースの飲料が増加し1977-1997で61%増加している。

糖含有ソフトドリンクおよびフルクトースの摂取は痛風を増加させる

Soft drinks, fructose consumption, and the risk of gout in men: prospective cohort study
BMJ 2008;336:309-312
【目的】 蔗糖添加ソフトドリンクとフルクトース飲料と男性偶発的痛風発症リスクを増加するかどうか?

【デザイン】12年の前向きコホート

【セッティング】医療従事者フォローアップ研究

【研究対象者】痛風既往のない46 393名の男性で、ソフトドリンクとフルクトースに関する摂取情報アンケート

【主な測定項目】Incident cases of gout meeting the American College of Rheumatology survey criteria for gout.

【結果】
12年フォローアップ期間中、755の偶発的痛風報告
糖甘味ソフトドリンクは痛風のリスク増加と相関
糖甘味ソフトドリンクが月1サービング未満にくらべて、週5-6サービングでは多変量相対リスクは1.29 (95% 信頼区間 1.00 ~ 1.68)で、1日1サービングあたり 1.45 (1.02 ~ 2.08)で、1日2サービングあたり以上で 1.85 (1.08 ~ 3.16; P for trend=0.002)

ダイエットソフトドリンクは痛風リスクと相関無し(P for trend=0.99).

フルクトース摂取量5分位による痛風多変量リスクはそれぞれ1.00、 1.29、 1.41、 1.84、 2.02 (1.49 ~ 2.75; P for trend <0.001).

フルクトース摂取の他の要因、たとえば果実ジュースやフルクトースリッチな果物の摂取は痛風のリスクを高くする(P values for trend <0.05).

【結論】 前向き研究によると、糖甘味ソフトドリンクとフルクトースの飲用の男性の痛風増加リスクと関連した。ダイエットソフトドリンクは痛風リスクの増加と相関はなかった。




アンケートの中身:
アンケートは、糖甘味ソフトドリンクを質問するもの(糖を含むコーク・ペプシ・他の糖含有コーラ、カフェインフリーのコーク・ペプシ・他のコーラ、糖を含む炭酸飲料、ダイエットソフトドリンク(低カロリーカフェインコーラ、低カロリーカフェインなしコーラ、他の低カロリー飲料)、それとフルーツとフルーツジュースを調査



考察:
フルクトースはアルコールの尿酸増加を、ATP→AMPへの促進させることで促進的に働き、尿酸産生への異化経路の器質ではあるが肝臓でのフルクトースリン酸化は限度があり、
フルクトース点滴後数分で血中農産が増加し、尿中の尿酸も増加する。プリン核酸欠乏状態ではde novoプリン合成は促進し、尿酸産生促進となる。逆に、ブドウ糖などの単糖類はこの働きはない。さらにフルクトースは血中の尿酸増加に間接的に関与し、インスリン抵抗性増加、インスリン濃度を増加させ痛風リスク増加と関連する。
動物モデル、ヒトの短期投与実験では、フルクトース大量投与はインスリン抵抗性を増加させ、耐糖能障害を生じ、高インスリン血症を生じる。たとえばラットに総エネルギー比35%フルクトースを4週に渡って与えるとインスリン感受性減少し、全身のブドウ糖処理が低下しする。
一方、同量のでんぷんではこの影響がみられない。
インスリン結合・インスリン活動性の減少が健康人への7週間のフルクトース1000kcal超過摂取で見られたが、ブドウ糖1000超過カロリー摂取ではこの影響は見られなかった。他の研究では総エネルギー比15%フルクトース・5週投与にて、インスリンブドウ糖反応の増加が見られ、当カロリー7.5%比や無しの群より反応が高かった。フルクトース摂取の増加でエネルギーバランスがプラスになり、超過adiposityをもたらす。このadiposity増加はインスリン感受性を減少させ、インスリン受容体の存在する筋細胞内の筋内の脂質含量を増加させる






低プリン食を極度に強いても無駄
ref.)Gout NEJM Vol.349:1647-1655 Oct. 23, 2003
通常のプリン制限食は多くの対象者にとってunpalatableであり、尿酸値をさげる有効性は少ない

by internalmedicine | 2008-02-08 10:46 | 医療一般  

認知症発症と葉酸・ビタミンB12、ホモシステイン濃度の経時的変化

韓国の研究者の発表によると、葉酸濃度基礎値が重要で、さらにそれより、葉酸、ビタミンB12、ホモシステイン濃度の経時的変化が影響をもたらしているようだという報告

認知症に伴う食行動の変化による結果的なものを否定できないと思うのだが、どうなのだろう。筆者たちは韓国の葉酸欠乏性のサプリメント事情も関係あるとしているのだが・・・


Changes in folate, vitamin B12, and homocysteine associated with incident dementia
J Neurol Neurosurg Psychiatry. 5 February 2008. doi:10.1136

medpage(http://www.medpagetoday.com/Psychiatry/Dementia/tb/8277)から
葉酸欠乏が65歳以上の認知症発症とアルツハイマーのリスク3倍増加と関連するとのことで、研究開始時の葉酸欠乏の対象者では2.4年フォローアップで認知症3.5倍であった。

2001-2003年に掛けて、625名、平均年齢71.6、ベースに認知症のない対象者追跡を行い結論をだしたもの

血中葉酸、ビタミンB12、ホモシステイン値をベースラインとフォローアップ評価で用いたところ、ベースラインで3.5%の葉酸欠乏、19.7%のホモシステイン値低値、17.4%のビタミンB12値低値をみとめた。
ベースラインでの葉酸低値は、認知症の推定要因となり得た (OR 3.20, 95% CI 1.01 to 10.17) 。研究開始時のビタミンB12とホモシステイン濃度では関連性を認めない。

研究終了時、認知症45例発症(8.7%)

このうち、34(6.6%)がアルツハイマー病、7(1.4%)が血管性認知症、4(0.8)が別の認知症

認知症発症は加齢、低教育、認知異常とdisabilityがあるほど、身体活動性が低いほど、apolipoprotein e4 alleleの存在などが関連する

フォローアップ中、認知症は葉酸減少するほど、ビタミンB12が少なくなるほど、ホモシステイン濃度がやや増加するほど増加しやすいことも判明。しかし、認知症とホモシステイン濃度の関係は体重変化補正でその相関を維持できなかった。
この研究では、研究者たちは、認知症はベースラインの濃度そのものより経時的濃度変化により相関を認めた
この血中濃度の変化は、MCIの時期の神経変性過程に対して影響をし、逆も真なりで、神経変性がこれらの血中濃度の変化に影響をあたえるのか?認知症発症開始と身体的変化が関連するというエビデンスが多くなり、体重減少・血圧低下、微量栄養素濃度の変化も含むものである。
体重減少は微量栄養素の変化を生じるものではないが、食事量の減少、その質量ともに関係があるだろう。
ビタミンサプリメントの原因もあるかも知れない。韓国の多くのサプリメントはビタミンB12は含むが葉酸は含まない。ただそれが単一の原因ではないだろうと説明している。

この研究の限界は、比較的短期間での評価であることで発症のタイミングが明瞭でないことである。サプリメントのデータは分析上使用不能であったことなど

この状況が原因なのか結果なのかに関わらず、関心が診断時期から認知症患者の栄養状態に向いている。今後は認知症予防に栄養学的な介入がどうかの議題が現れてきたことは確かである。




NHKの認知症キャンペーンがあり、開業医の悪口+アリセプトの異常もちあげがあったとのこと。最近では世の中の医療の不具合は開業医がすべて悪いことになっているようだ・・・しかもこれは政府推奨のようで・・・(苦笑)

CLINICIANの記載(pdf)とさほど変わってないと思うのだが・・・
除外診断として重要なのは完全な回復が望める認知症が約10%未満、部分的回復が望めるのが約20%未満存在する
程度なのである。

NHKはこういった現実と、認知症は家族でも発見が難しいという現実を無視

※私などは、時計記入テスト(pdf)を用いるといろんな発見があるので臨床の楽しみにしているのだが・・・これに除外診断に必要な血液検査の項目がある。ビタミンB12、ビタミンB1、アルブミンとあるが葉酸はない。

ADガイドライン:日本医療機能評価機構では、CT/MRI可能な限り全例使用と中等度以上の側頭葉・頭頂葉皮質血流・代謝機能の評価などの画像診断の有効性、HDS-Rを主体とする神経心理学的検査、そして髄液中タウ蛋白などとともに、「シェーグレン症候群、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、ビタミンB12欠乏症、インスリノーマ」などと、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、てんかん、薬剤性の鑑別が診療として必要とされる。

by internalmedicine | 2008-02-08 09:51 | 精神・認知