2008年 02月 12日 ( 4 )

 

閉塞型無呼吸は独立した卒中死亡要因

睡眠時無呼吸は卒中患者で頻度が高いが、まだ睡眠時無呼吸の診断が死亡の独立したリスク要因であるかどうか不明であるということで、独立因子であることを示した論文

Obstructive Sleep Apnea Is a Risk Factor for Death in Patients With Stroke
A 10-Year Follow-up

Arch Intern Med. 2008;168(3):297-301.

132の参入患者の内、116名がフォローアップ中死亡
死亡リスクは対照に比べ、年齢、性、BMI、喫煙、高血圧、糖尿病、心房細動、MMSEスコア、ADLBarthel指数と独立して、23名のOSA患者で高い(補正ハザード比1.76:95%信頼区間:1.05-2.95;P=.03)。
CSA28名と対照の死亡率の差はなかった(補正ハザード比 1.07; 95% confidence interval, 0.65-1.76; P = .80).

by internalmedicine | 2008-02-12 16:14 | 呼吸器系  

よりよき長寿の秘訣:積極的運動、禁煙、肥満防止、高血圧・糖尿病予防

老人男性の健康状態・機能の維持を維持した長寿における非遺伝的な側面の研究をPhysicians' Health Studyに基づきなされた。

Disentangling the Roles of Disability and Morbidity in Survival to Exceptional Old Age
Arch Intern Med. 2008;168(3):277-283.
Yatesらは、初老期の良好な健康・ライフスタイル要因が生存期間と後年の機能と相関するか検討した。

90歳以上の970名の男性の間で、定期的な積極的運動と喫煙歴・過体重・糖尿病、高血圧がないことが例外的な寿命と相関した。

加えて、運動は後年の身体機能良好性と相関し、過体重、喫煙は機能低下と相関する。
喫煙は後年の知的機能の減少と有意に相関する。

例外的な長生きは加齢関連疾患、後年発症の疾患、身体・知的領域の良好な生活機能、自己関連疾患の良好性が寿命の短い男性より優れている。



福田正臣先生には研修医の時にお世話になり、喫煙者の希望の星、泉重千代氏の長寿記録の真偽について直接話を伺ったことがある。確証もありそうな話だったが、その機会を失ってしまった。かりに喫煙者で、高齢であったとしても、例外なのにであり、喫煙を積極的に支持する根拠にもなるまい・・・故人の名誉を傷つけるよりはという福田先生は紳士的であった。

by internalmedicine | 2008-02-12 12:02 | 動脈硬化/循環器  

COACH研究:心不全治療の専門看護師介入のアウトカム検討

Coordinating Study Evaluating Outcomes of Advising and Counseling in Heart Failure (COACH)研究(pdf

心不全マネージメントプログラムが広く導入されているが、アウトカムにおけるデータは一致したものではなかった。それで、以下の心不全専門看護師の介入を基本的な程度と、教科的に分けて、臨床的アウトカムを比較したもの

結論から言えば、
看護師の介入は、死亡・入院のアウトカムには有意な差はなかったが、死亡率を若干予防すが、入院数を増加させる傾向があった。


専門ナースにより診療を補えるかという話だと思うが、米国の医師をうらやましく思う。十分診療時間を掛けてもクリニックの事業がなりたつというシステムに対して・・・(日本の為政者たちは保険心ryほうを破壊したがっているので、ますます日本の医療は悪化し続けるだろう)

専門看護師介入でも、心不全では決してコスト効果的でないように思える・・・・(医師団体より強い看護師団体はこのことを無視した政策をすすめるだろうが・・・)

COACH(Coordinating Study Evaluating Outcomes of Advising and Counseling in Heart Failure )研究は多施設、ランダム化、対照トライアルで、1023名の入院後の患者を対象として、対照として循環器医と2つの介入群として心不全管理に特化した看護師専門の付加的基礎・強化サポートを用いた介入

・対照:
心臓専門医4回受診(18ヶ月)

・Basic Nurse led Advising+Counseling

心臓専門医4回受診(18ヶ月)+HF Nurse受診 9回(18ヶ月)

・Intensive Nurse led Advising +Counseling
心臓専門医4回受診(18ヶ月)+HF Nurse受診 18回+訪問2回+他職種助言2回(18ヶ月)


プライマリエンドポイントは、心不全による死亡・再入院と死亡・入院日数


患者の平均年齢は71歳
38%は女性で、50%が軽度心不全、50%が中等度から重症心不全
研究期間中411(40%)がHFで再入院もしくはなんらかの原因で死亡
対照群で42%、basic 、intensive support群で41%、38% (ハザード比 0.96 、 0.93; P = .73 、 P = .52)
死亡・入院による損失日数(number of days lost to death or hospitalizatio)は、対照群で39960日、基本的介入群で33731日(P = .81),、強化介入群で34268日(P = .49)
全原因死亡は29%の対照群で生じ、介入両群では死亡率減少傾向にあった (ハザード比 0.85; 95%信頼区間 0.66-1.08; P = .18)

2つの介入群は若干入院数が多かった。(基礎的介入群 P = .89; 強化介入群 P = .60)




Effect of Moderate or Intensive Disease Management Program on Outcome in Patients With Heart Failure
Arch Intern Med. 2008;168(3):316-324.



内科系に限らず開業医にとってとても厳しい条件が加わることとなったようだ。

現場をしらないひとたちが、むちゃくちゃしてしまったようだ。
本来、診療の根幹に関わる検討は十分な検討とパイロット研究などをもとに慎重に導入すべきだ。

それにしても、再診料などにこだわって診療の根幹を揺るがす大改悪をゆるしてしまう日医の代表って・・・いったい・・・

開業医が地域医療の下支えしているという現実無視、そして、医師の技術料の過小評価・・・これでおこならい医者はどうかしている。

わたしは医者の遵法闘争を提案したい。・・・すなわち、診療時間長時間対応に伴い、そのたの社会的事業の対応は困難と言い放つこと
・予防接種事業の拒否
・学校医の拒否
・各種検診事業の非協力
・地方公共団体の協力事業の非協力など



それにしても、日本の医療はどうなるのだろう。

都市部はともかく、地方の診療所・小規模病院が医師一人あたり1日100名以上の患者をさばいているのはそう珍しいものではない。そういう場所は交通機関未発達で、そうそう他の病院には書かれない。・・・で、一カ所に集中する。そういう厳しい現実を無視しての改悪である。
無診療投薬を推進しているとしか思えない今度の改訂

by internalmedicine | 2008-02-12 09:28 | 動脈硬化/循環器  

ドライアイへのω3脂肪酸局所投与

ドライアイ治療として、αリノレン酸(ALA) 局所点眼が候補としてあがってきたとのこと。・

動物実験なので、早合点しないように・・・

Topical Omega-3 and Omega-6 Fatty Acids for Treatment of Dry Eye
Arch Ophthalmol. 2008;126(2):219-225.

マウスで、2-10日に分けて、細胞・分子学的研究が行われ、スコポラミン皮下等よにて眼球乾燥を生じる。ドライアイの症状を投与後24時間測定

3つの脂肪酸分子、すなわち、02.%αリノレン酸(ω3)、0.2%リノール酸(ω6)、0.1%αリノレン酸+0.1%リノール酸を滴下投与で研究。対照は滴下薬剤無し。
1日1回局所投与し、脂肪酸は水溶性でないため、サーファクタントにて乳化。
ドライアイの場合、角膜蛍光染色;CD11b+細胞数、MHC class II発現;角膜とIL-1α、TNF-α発現; 結膜の IL-1α、 TNF-α、 interferon γ、 IL-2、 IL-6、IL-10 発現
分子レベルでは、ドライアイは、角膜・結膜のIL-1αとTNF-αの持続的増加を示す。この2つのサイトカインは角膜潰瘍性ぶどう膜炎、角膜移植において炎症をもたらすことで知られている。
ω3脂肪酸の治療は、他の治療群・対照群に比べ有意に角膜蛍光染色を減らした。



by internalmedicine | 2008-02-12 08:40 | 医療一般