2008年 02月 15日 ( 3 )

 

小児科レジデントではうつ、バーンアウトが多く、うつは医療過誤増加と関連する

医療関係者のうつ・バーンアウトというのは表だって考慮されることは少ない。将来あるレジデントたちのこういった心的状態は社会的にも損失である。

メディアが医師たちを責め立て他の社会的不満のはけ口にしているかのような状況下で、医師たちに重大な心的異常がみのがされている。このような心的な異常状態はが結果的に医療過誤に結びつけば、患者サイドにとっても大きな影響がもたらされるのである。

Rates of medication errors among depressed and burnt out residents: prospective cohort study
BMJ, doi:10.1136/bmj.39469.763218.BE (published 7 February 2008)
【目的】 小児科レジデント内のうつ、バーンアウト頻度、これらの疾患と医療過誤の関連があるかどうか
【デザイン】Prospective cohort study.
【セッティング】米国3都市部独立小児病院
【参加者】3つのレジ電シープログラムの123レジデント
【主なアウトカム測定】うつ頻度はHarvard national depression screening day scaleで、burnoutはMaslach burnout inventoryで測定
レジデント・人突き当たりの医療過誤頻度
【結果】24(20%)でうつくのクライテリアに一致、92(74%)でバーンアウトクライテリアに一致
能動的サーベイランスで45のエラーがあった
うつレジデントは、非うつレジデントに比べ月当たりの医療過誤は6.2倍(1.55 (95% 信頼区間 0.57 ~ 4.22 vs 0.25 (0.14 ~ 0.46, P<0.001)
バーンアウト・レジデントと非バーンアウトレジデントはレジデント・月当たり医療過誤は同程度
: 0.45 (0.20 ~ 0.98) vs 0.53 (0.21 ~ 1.33, P=0.2)


【結論】うつ・バーンアウトは小児科レジデントにおいて大きな問題となっている。
うつレジデントは非うつレジデントにくらべ医療過誤が有意に多い。
バーンアウトと非バーンアウト間にはその頻度増加は見られない。


要約は上記ごとくなのだが、バーンアウトしたレジデントは有意に職務への集中力が低下し、作業効率が悪くなる。


医師という社会資源を無駄遣いにしないために、医師たちをうつやバーンアウトさせないような社会的は医療が必要なのである。



朝日新聞が珍しく、まともな特集を載せている(・・・最近は毎日・サンケイのひどさが目立つ、といっても、朝日には何度もだまされているので信用する気にはならないが・・・)
(2)「外患」 暴力・訴訟 しぼむ熱意(02/13)
(3)「内憂」 「志」くじく低い地位(02/14)


世紀のばか社説
 それにしても、痛みをこらえる患者をたらい回しにする行為は許されない。理由は「手術中」「ベッドがない」といろいろあるだろうが、患者を救うのが医師や病院の義務である。それを忘れてはならない。
http://sankei.jp.msn.com/life/body/070831/bdy0708310502002-n1.htm

by internalmedicine | 2008-02-15 11:47 | 医療一般  

2型糖尿病構成的グループ教育プログラム

”structured group education programme”というのをどう訳すか

構成的グループ教育プログラム?
構造化グループ教育プログラム?


ググると前者が多かったので、一応、前者に統一した。

教育プログラムが今世界的な趨勢なのだろう・・・今回は、DESMONDトライアル(http://www.diabetes.nhs.uk/downloads/Providing_DESMOND_info.pdf)
というやつ

今回のテーマは、糖尿病教育はリテラシーの低い人こそ意味がある:2004-10-13 11:41ってのが関連するか?

結論から言えば、2型糖尿病新規診断事例への構成的グループ教育プログラムは、体重減少、禁煙、”疾患のとらえ方”は改善したが、12ヶ月後HbA1cは改善されていない。


Effectiveness of the diabetes education and self management for ongoing and newly diagnosed (DESMOND) programme for people with newly diagnosed type 2 diabetes: cluster randomised controlled trial
BMJ, doi:10.1136/bmj.39474.922025.BE (published 14 February 2008)

【目的】 新規診断2型糖尿病の生命医学的、心理社会的、ライフスタイル測定にて構成的教育プログラムの評価

【デザイン】 他施設クラスターランダム対象トライアル(実地医療レベルプライマリケアレベル)

【セッティング】 207 general practices in 13 primary care sites in the United Kingdom.

【参加者】 824 adults (55% men, mean age 59.5 years).

【介入】 訓練された医療専門家6時間の地域における構成的グループ教育プログラムを通常ケアと比較

【主なアウトカム測定】 ヘモグロビンA1c値、血圧、体重、血液脂質値、喫煙状態、身体活動性、QOL、beliefs about illness、うつ、糖尿病の情緒的インパクト

【主な結果】
ヘモグロビンA1c値は、12ヶ月後介入群で1.49%、対照群で1.21%減少
ベースライン・クラスター補正後、有意差が消失(95%C信頼区間 -0.10-0.20%)

介入群では体重減少有意:–2.98 kg (95% 信頼区間 –3.54 ~ –2.41) vs 1.86 kg (–2.44 ~ –1.28), 12ヶ月後P=0.027

非喫煙オッズは12ヶ月後、介入群で有意に高く3.56 (95% 信頼区間 1.11 ~ 11.45), P=0.033

介入群はillness belief scores (P=0.001)の変化が有意(P=0.001)

変化の方向性は12ヶ月後糖尿病理解の程度増加を示唆した

介入群は12ヶ月後うつの程度が少なく、平均差異 s –0.50 (95%信頼区間–0.96 から –0.04); P=0.032.

12ヶ月後のperceived personal responsibilityと体重減少に関して正の相関がみられた (β=0.12; P=0.008).





介入内容の一部訳
この構成的グループ教育プログラムは、一連の学習心理理論に基づく;Leventhalのcommon sense theory(Leventhal H, Meyer D, Nerenz D. The common-sense representation of illness danger. Contributions to medical psychology. 2nd ed. New York: Pergamon, 1980.)、dual process theory(Chaiken S, Wood W, Eagly A. Principles of persuasion. In: Higgih ET, Kruglanski AW, eds. Social psychology: handbook of basic principles. New York: Guilford Press, 1996.)、社会学習理論(Psychol Rev. 1977 Mar;84(2):191-215.)など

プログラムのフィロソフィーは、発表されたビデンス化されたpatient empowermentに基づくものである(要するに、患者主導型ということか?)

広範な患者に適した記載カリキュラムで、地域社会で行われ、ルーチンケアをintegrateするよう工夫がされたもので、公的なプログラムトレーニングを受けた登録された医療専門家が、内的外的評価要素により質を担保しながら一定の供給量なされたもの

プログラムは6時間で、1日・半日2回なされ、2名の教育係が援助する。
教育より学習することに重点が置かれ、教育者の行動が比糖尿病アプローチを促進するという考えも取り込まれている。

by internalmedicine | 2008-02-15 10:52 | 動脈硬化/循環器  

たばこの値段はどこまで上がるか?

今後のたばこの値段について考えてみた。

タバコ一箱1000円に値上げに? 喫煙者に大打撃か 2月13日 15時00分
http://news.ameba.jp/domestic/2008/02/11038.html
年間たばこ税額:2兆2400億円(平成17年度)(参考
 すでに都内のタクシーの全面禁煙が施行され、今月からは成人識別ICカード「タスポ」がついに本格的に導入される。何かと喫煙者の肩身が狭くなるご時世であるが、将来的には経済的にもきつくなるかも知れない。

「JTの人間と話していると、この先煙草の値段を1箱1000円程度まで値上げをするという話が出ていますね。もう確定事項だとのことでした」と話すのはJTに出入りする関係者の弁。

 これまで何度か煙草が値上がりし、その度に喫煙者が悲鳴を上げて来たが、今度は断末魔の叫びを上げることになるのか。

「さすがにいきなり1000円に値上げをするという訳ではないようです。段階的に値上げをしていくつもりのようですが、欧米では1箱1000円程度はスタンダード。それを考えると今までの日本の煙草の値段がいかに安かったかが分かりますよね」。

 1日あたり1箱消費したとしても月に3万円。よほどの稼ぎがない限り家計にダメージを与えることは必至だ。

「吸って益あるものでなし、これからさらに喫煙者は叩かれることは間違いない訳ですから禁煙するのももしかしたら賢明なのかもしれませんね」と彼は語った。

 喫煙者受難の時代はさらに進みそうだ。



”受難”という言葉には疑問で、情報ソースもいい加減だが、この記事に触発されたわけだ


1箱300円のうち税金(国23.7%+地方29.1%+たばこ特別税5.5%+消費税4.8%=63.1%)(参考)

これをみると税引き後のたばこの値段は36.9%で

平成17年喫煙率:全年齢 男45.8%(28,552千人)、女13.8%(9,027千人)
計 37,579万人(全人口29.4%)

http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd090000.html

喫煙率が現在のX%程度となるとたばこ300円のうちの税金分190円程度は190÷(X/100)
たばこの原価?(税引き後の本来の商品値段)110円程度も、製品コストが生産量減少とともに高コストになると計算すれば110÷(X/100)となりえる。

故に、たばこの値段は喫煙者の減少とともに反比例して増加すると考えられる


男性喫煙率推移
たばこの値段はどこまで上がるか?_a0007242_8594548.jpg


女性喫煙率推移
たばこの値段はどこまで上がるか?_a0007242_9265883.jpg


上記条件を加味して大雑把に予想したたばこの価格予想
たばこの値段はどこまで上がるか?_a0007242_9223674.jpg



人口減少、物価増加を加味してないので価格予想としては下限と考えてほしい



それにしても男性喫煙率の低下はきれいな一次回帰・・・感動するくらいだ!

それと、女性の喫煙率の減少あまりに少なすぎる!

by internalmedicine | 2008-02-15 08:16 | 血液・膠原病