2008年 02月 16日 ( 3 )

 

美白クリームでクッシング症候群:日本も危険

違法販売化粧品にご用心、ステロイド入り美白クリームで体調不良に
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2351119/2644571

報道されていた


Clinical Picture  The pursuit of beauty
The Lancet 2008; 371:596

28才女性3年で12.7Kg体重増加し・・・クッシング様症状

ところがコーチソル、コルチコトロピンとも低下

しらべると Skin Lightening Cream(美白系クリーム)を使用し、内容は、clobetasolのクリームと判明。患者は週あたり約60g(2本)使用していた。UKだけで、1年に100ポンド単位で消費されているしろもの。


日本でもググると・・・結構、医薬品個人輸入されていることが分かる。

by internalmedicine | 2008-02-16 12:59 | Quack  

BMI増加するとがん増加する


“insulin/colon-cancer hypothesis”、インスリンが直腸上皮細胞の成長因子となり、in vitroでの腫瘍細胞食のmitogenということが判明し、疫学的なエビデンスもそれを支持しているという話
hyperinsulinemia promotes colon carcinogenesis, is presented here. Insulin is an important growth factor of colonic epithelial cells and is a mitogen of tumor cell growth in vitro. Epidemiologic evidence supporting the insulin/colon-cancer hypothesis is largely indirect and based on the similarity of factors which produce elevated insulin levels with those related to colon cancer risk.(Cancer Causes Control. 1995 Mar;6(2):164-79.)


肥満と各癌に話を広げて検討したもの・・・癌予防のためにも肥満防止を・・・という話

Body-mass index and incidence of cancer: a systematic review and meta-analysis of prospective observational studiesThe Lancet 2008; 371:569-578

282137インシデントケースで、221データセット(141文献)

男性では、BMI 5 kg/m2増加と食道腺癌(RR 1·52, p<0·0001)、甲状腺癌(1·33, p=0·02)、結腸癌(1·24, p<0·0001)、直腸癌 (1·24, p <0·0001)と相関

女性では、子宮内膜癌 (1·59, p<0·0001), 胆嚢癌(1·59, p=0.04), 食道腺癌(1·51, p<0·0001)、直腸癌 (1·34, p<0·0001)と相関

男性においては、BMI増加と、直腸癌、悪性黒色腫の弱いながらの相関(RR <1.20)が見られた。
BMI増加するとがん増加する_a0007242_1132488.jpg


女性においては、閉経後女性乳癌、膵癌、甲状腺癌、結腸癌
両性においては、白血病、多発性骨髄腫、非ホジキンリンパ腫
BMI増加するとがん増加する_a0007242_11372294.jpg


結腸癌においては、女性より男性の相関が高い(p<0·0001)

北アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、太平洋諸国の研究と類似しているが、環太平洋では、BMIと閉経後のよりその関連が強く(p=0·009)、閉経後乳癌ではその関連が強い (p=0·06)。



肥満と癌を結びつける話は・・・

体重が増えると癌のリスクも増加する・・・このメカニズムは十分理解できていない。
3つの系統、すなわち、インスリン、インスリン様成長因子(IGF)系、性ステロイド、adipokineがもっとも研究されている候補となる。いずれもインスリンと相互関係がある。
癌の種類によりその影響にばらつきが見られ、インスリン・癌仮説( insulin–cancer hypothesis)は、慢性の高インスリン血症がIGF結合蛋白ー1やIGF結合蛋白-2の濃度を減少させ、bioavailabilityと遊離IGF-I を増加させる。細胞内環境の付随変化、すなわちmitogenesisや抗apoptosisの変化をもたらすこととなる。
循環中総 IGF-I は、遊離 IGF-Iの主体で、直腸結腸癌・前立腺癌のリスク増加と相関し、閉経後乳癌より閉経前乳癌で相関する。平均循環総IGF-I濃度は女性より男性で高い。このことにより性差の説明になり得るのかも知れないという考察。
脂肪組織内のaromatase酵素増加によりアンドロゲン系の前駆体からエストラジオールへの変換が閉経後乳癌患者では多いということでも説明できるのかも知れない。
子宮内膜癌に関してはより多くのホルモン系の関与の可能性があり、細胞増殖のみならずapoptosisを抑制、IGF-Iの局所産生を刺激する可能性がある。慢性高インスリン血症はエストロジェン感受性組織で腫瘍産生性に働く。

Adiposityはテストステロン濃度と逆相関するが、女性では正の相関をする。BMIと癌リスクの性差に影響を与えているのかも知れない。

Adiponectinはもっとも量の多いadipokineであり、内臓脂肪組織から産生され、男性より女性でその濃度が高い。腫瘍発生時に、インスリン感受性薬剤は抗腫瘍性、抗炎症性にはたらき動物では腫瘍成長を抑制するという報告もある。adiponectin濃度と癌リスクの逆相関はヒトでもその報告がある。
他の候補としては肥満関連炎症性サイトカイン、免疫応答、酸化ストレス、nuclear factor κB system、高血圧、 直腸癌とのlipid peroxidationの関係、酸逆流と食道直腸癌との関係(肥満で逆流が増える)などがあげられる。

by internalmedicine | 2008-02-16 11:37 | がん  

慢性肩痛

shoulderdoc.co.uk(http://www.shoulderdoc.co.uk/article.asp?article=614§ion=497)の解説は動画もある。

ややフォーマルな方ということで AFP・・・


Chronic Shoulder Pain: Part I. Evaluation and Diagnosis
American Family Physician
Vol. 77 No. 4 Feb. 15, 2008

慢性肩痛は6ヶ月以上継続する慢性の状態で定義

全ての筋骨格筋疾患の約6%で、プライマリケアでは1000名のうち15の新規エピソードが1年ごとに発生する。
6つのカテゴリー
(1) rotator cuff disorders, including tendinosis, full or partial thickness tears, or calcific tendinitis
(2) adhesive capsulitis
(3) glenohumeral osteoarthritis
(4) glenohumeral instability(肩関節不安定症):参考URL
(5) acromioclavicular joint pathology(肩峰関節疾患)
(6) other chronic pain, including less common shoulder problems and non-shoulder problems.




以下の疾患が通常原因となり得る
・回旋腱(rotator cuff)疾患


回旋腱疾患は tendinopathy、 partial tears(部分断裂)、complete tears(完全断裂)で生じうる。回旋腱断裂の診断は、投球動作と非常に似た動作(overhead activity)によると痛み、脱力感(weakness on empty can)、外旋テスト(external rotation test)、impingement signが有効


Empty-Can Supraspinatus Test

腕を90度外旋し、30度屈曲させる。親指を下方曲げると、患者は検査者に抵抗する。試験陽性は対側に比べての抵抗低下であり、回旋腱障害、棘上筋腱症・断裂を示唆する


External Rotation/Infraspinatus Strength test

90度肘を屈曲させ両サイドで腕を保持する。抵抗に対して外旋させる。試験陽性は対側に比べての筋力低下


impingement test

(患側の肩甲骨を固定して、肩甲上腕関節のみで前方屈曲をさせる:参考URL)


Lift-off Subscapularis Test

肩を内旋して手背を腰部にあて、その手をさらに内旋して腰部から離すように指示する。肩甲下筋腱断裂があると離せない。も肩関節拘縮があると検査を始める肢位までもっていくことや離すことができないのでbelly press testやbelly off testを行う。




・Adhesive capsulitis(五十肩、肩関節周囲炎、疼痛性肩関節制動症、凍結肩、Periarthritis scapulohumeralis、 Frozen shoulder , Stiff and painful shoulder、Painful shoulder、Adhesive capsulitis)
糖尿病や甲状腺疾患と関連
検査にて、受動的運動の制限をともなうびまん性の肩痛を認める。



・shoulder instability


Apprehension and Relocation Tests
・apprehension test:
座位として患肢を90度外転過外旋を強制する。前方の不安定性があ
ると不安感を生じる。外転位にやや水平伸展を加えると不安感は増大する。不安のために患肢をその位置にさせないこともある。

・relocation test:
apprehension testが陽性のときに行う。臥位にて、患肢を外転。90度にて過外旋を強制すると患者は脱臼に対する不安感や疼痛を示すが、検者が上腕骨に前方より圧迫を加えると疼痛や不安感が消失する。
(参考:http://www.e-clinician.net/vol53/no549/pdf/sp_549_02.pdf



・shoulder arthritis
painful acromioclavicular osteoarthritis(有痛性変形性肩峰鎖骨関節症)は上部肩痛、肩峰関節圧痛、有痛性体交叉内転試験(painful cross-body adduction test)を示す


50歳超の人では、変形性肩関節症(glenohumeral osteoarthritis )が多く、次第に痛みや可動域制限がみられる。40歳未満では、肩関節不安定性は脱臼や不全脱臼イベントの病歴で認められる。









レントゲン単純写真は、大きな回旋腱断裂、肩不安定症、肩関節炎診断では役立つ
MRIやエコーが回旋腱疾患診断で行われる。
肩関節不安定症のため、MRI arthrogramがMRIより好ましい



動的診察(運動診)のポイント?
1)肩峰下病変(肩峰下インピンジメント:impingement)を調べる試験
”Hawkins' impingement”は、Impingement/rotator cuff疾患では感度72%、特異度66%

2)不安定性を調べる試験:apprehension testは感度72%、特異度96%、relocation testは感度81%、特異度92%

他、Lift-off Subscapularis Testは、肩甲下回旋腱疾患に対して感度62%、特異度100%
であり、Cross-body adductionは、OAやねんざで感度77%、特異度79%というもので重要そうなのだが・・・


Neer's test



Hawkin's Test

by internalmedicine | 2008-02-16 08:48 | 運動系