2008年 02月 28日 ( 6 )

 

cirrhotic cardiomyopathy

Semin Liver Dis 2008; 28: 059-069
このシンドロームの病因は多因子で、βアドレナリン作動性受容体シグナルのtransduction、心筋細胞のの細胞形質膜機能異常、サイトカイン、内因性cannabinoid類、NOなどの心血管抑制因子の活動性増加などである。
cirrhotic cardiomyopathyは通常臨床的には軽症から無自覚であり、明らかな心不全は、肝移植や経門脈性肝内門脈全身シャント挿入などのストレスが関与する場合顕在化する。
さらに、肝腎症候群が関与する。
治療は支持療法が主体で、肝移植にて状況は数ヶ月たてば改善する。



聞き慣れないから、検索したら・・・いくらでも報告が見つかる・・・orz
Review: Therapy Insight: cirrhotic cardiomyopathy
Nature Clinical Practice Gastroenterology & Hepatology (2006) 3, 329-337

Cardiovascular complications of cirrhosis
Gut, February 1, 2008; 57(2): 268 - 278.
Cirrhotic cardiomyopathyは収縮性、拡張性機能障害を有し、電器生理学的異常を有し、アルコール性心筋疾患とは異なるentityである。臨床的に遅れると、cirrhotic cardiomyopathyは身体的、薬物的な負担により顕在化し、適切な血中volume expnasion無しの大量輸液、transjugular intrahepatic portosystemic shunt (TIPS) 挿入、腹膜静脈シャントや手術など注意を払うべきである。
心不全は肝移植後の死亡率の重要な要因であり、移植成功は機能を改善する
非特異的な治療が推奨され、非肝硬変患者と同じく、塩分制限、利尿剤、酸素療法が必要ならなされるべきである。特異的にはACE阻害剤、アンジオテンシン拮抗剤がまず試みられるべきである。心血管合併症とcirrhotic cardiomyopathyの心臓血管疾患の重要性は将来の研究トピックとなるだろう。






Cardiovascular determinants of survival in cirrhosis
Gut, June 1, 2007; 56(6): 746 - 748.


Advances in Critical Care Hepatology
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 168. pp. 1421-1426, (2003)

Origins of cardiac dysfunction in cirrhosis
Gut, October 1, 2003; 52(10): 1392 - 1394.

Increased circulating pro-brain natriuretic peptide (proBNP) and brain natriuretic peptide (BNP) in patients with cirrhosis: relation to cardiovascular dysfunction and severity of disease
Gut, October 1, 2003; 52(10): 1511 - 1517.

by internalmedicine | 2008-02-28 16:21 | 消化器  

診療関連死に関する届出制度と中立的専門機関の創設へ向けて:日本内科学会

診療関連死に関する届出制度と中立的専門機関の創設へ向けて
日本内科学会(H20.2.28)

2006年2月:福島県立大野病院事件
 ↓
死因究明のための中立的第三者機関設立に向けての世論(?by 日本内科学会)
 ↓
2007年4月:「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」発足
 ↓
「モデル事業」
 ↓
2007年10月:厚生労働省・「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案」(第二次試案)
 ↓
・2007年12月:自民党・医療紛争処理のあり方検討会
第2次試案よりさらに踏み込んだ形で、医療安全調査委員会の創設に向けて「診療行為に係る死因究明制度等について」の声明

・2007年12月:厚生労働省第二次試案に対する内科・外科からの意見書について(日本内科学会
A)組織について
B)届出制度のあり方について
C)警察に通報すべきとされる「刑事責任を追及すべき事例」について
D)患者遺族との関係について
E)医療審議会の設置について

 ↓
自民党・厚労省の馬鹿たれどもが最終案策定を急ぐ可能性がある

 ↓
内科学会「このことに関する情報の周知や、最終案のあり方に関する議論は必ずしも十分ではありません。この中立的専門機関が国民の期待通りに機能し、医療安全の向上に貢献するには、各学会と現場の病院が建設的に意見を交わし、よりよい案を作ることが必須です。」
・・・ということで、拙速な最終案提出に対して意見を公表したというところか!




「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案」(第二次試案)に対する意見書
日本外科学会:平成19年11月2日

声明(福島県立大野病院の医師逮捕・起訴の件)
日本外科学会:平成18年12月19日

by internalmedicine | 2008-02-28 15:32 | 医療と司法  

ヘパリン薬害:わたしらは工業製品として許可してるのであって薬剤としては承認してないよ by 中国政府

<グローバルな糞役人版>

この国の態度のでかさは・・・薬品に対しても、この調子なんだから、ほんとに・・・

買う方が責任とれよ・・・私らは知らんよってことで・・・



Wall Street Journal(2008.2.27
中国から輸入の生ヘパリンの質について米国は関心を向けると、今度はアメリカ国民は適切なコントロールがなされているかを確認する必要があると、国家食品薬品監督管理局(中国のFDA)が述べた
中国国家食品薬品監督管理局は、外国のregulatorとともに働くが、活性のある薬物学的成分の合法性、質、安全性のセーフガードに究極遵守していると応答している。

血液希釈ヘパリンの種類として、Baxter Internationalが、死亡・病態に関連しており、この鍵となる生減量が中国からの輸入物であった。
今日のステートメントで中国国家食品薬品監督管理局は対等の立場で中国製品に対して懸念を示し、USの大部分の生ヘパリンを供給している中国工場で、その製造技術はアメリカの企業により供給され、USにのみ輸出されているのである。
薬物原材料中国製造業者は中国国家食品薬品監督管理局からその(薬品製造会社としての)登録・承認を受けなければならないと、当局スポークスマンはWSJ誌に述べた。外国人バイヤーはその証明を確認し、材料に対して厳格に輸入国がチェックすべきである。Baxterの使用した生ヘパリンは中国国家食品薬品監督管理局の承認を受けていない。なぜなら、(中国側は)化学物質製造会社として承認しているのであり、薬剤会社としては承認していないのだから




FDA evaluated wrong Chinese drug factory(msnbc Feb 18, 2008)
U.S.医療担当は、中国産薬剤の原材料の安全性評価に関して悪質な工場と判断した。
Baxter Internationaのヘパリンは4名の死亡、数百名のアレルギーの報告





先発、好発に限らず日本の薬剤原材料の現状というのはどうなってんでしょうねぇ・・・・ジェネリックの問題点のひとつに、原材料が信用できるんだろうか?・・・というのもあるんですがねぇ・・・また、薬害でも起きたら、税金から支払って終わりですかね・・・厚労省の馬鹿役人さんたち・・・
厚労省ってこのことに関してコメントでてないようですが・・・なぜでしょうか?対岸の火事ですみますかねぇ・・・桝添さん

日本のヘパリン製造会社さんたちのコメントはまだでしょうか?
扶桑薬品工業株式会社
大洋薬品工業株式会社
・・・執筆時点ではなにもウェブにてコメント掲載していませんが・・・



今回も、日本の大手メディアは中国に遠慮して黙りあるいはこっそり報道かな?



毒餃子問題でも同じ対応
別に、日本だから、アメリカだからという訳でもなさそうだ
「まったく理解できない」=客観的なデータ提示を-中国公安省発表で警察庁幹部

2月28日13時33分配信 時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080228-00000078-jij-soci
 中国製ギョーザ中毒事件で、中国公安省が同国内での有機リン系殺虫剤「メタミドホス」混入の可能性は極めて低いと発表したことについて、警察庁幹部は「まったく理解できない」「科学的根拠を示してほしい」と話した。
 同庁は詳しい内容を確認するため、大使館などを通じた情報収集を急いでいる。
 事件では警察庁の安藤隆春次長が25日に訪中し、同省幹部と早期解決に向けた連携強化で合意したばかり。同庁幹部は「連携もできるのか分からない。とにかく理解できない」と繰り返した。
 中国側が、日本の警察当局が被害現場の視察や物証確認に応じなかったのは遺憾とした点についても、「視察は捜査と解釈でき、主権侵害になるため認められない。物証は捜査状況の説明を受けた上で、必要性があれば外交ルートで提供すると伝えている」と首をかしげた。 

by internalmedicine | 2008-02-28 14:49 | くそ役人  

Ginko Bilobaの85歳超老人への認知症予防効果

Neurologyで原著見つけられなかった。まだ掲載されてないのか?
Dodge HH, et al "A randomized placebo-controlled trial of ginkgo biloba for the prevention of cognitive decline" Neurology 2008; 70: doi:10.1212/01.wwnl.0000303814.13509.db.



ホントだったらすごいが、まだ、パイロット研究であり、脳血管障害への負の面が否定できない

Medpage today(http://www.medpagetoday.com/PrimaryCare/AlternativeMedicine/tb/8523)から一部訳

118名の85歳以上の老人でサプリメントにて軽度記憶障害の発症を70%低下させたという報告
ただ、卒中6例、TIA1例を、ginko投与群では発症し、プラセボではなかったとのこと

42ヶ月のパイロット研究として、ランダム化プラセボ対照化二重盲検研究で、認知機能障害のない約60%の女性比率を対象とした研究で、6名にginkgo抽出物を投与

非補正ITT解析で、ginkgoは記憶に対して防御効果は認めなかった
ginkgo群で0.5の臨床認知症点数の進行リスク減少を認めなかった(log-rank test P=0.06)
記憶機能の減衰低下もなかった(P=0.06)

しかし、コンプライアンスを考慮した補正で、服薬信頼性を考慮に入れて検討、すなわち、medication adhrence補正したところ、ginkgo群はCDR-0→0.5(HR 0.33 95%CI 0.12~0.89 P=0.02)とリスク減少を示し、記憶スコアの改善も見られた(P=0.04)

約70%の予防効果はベースラインの他の寄与因子補正でも不変であった。唯一、うつ症状が進展抑制因子としてのこった。


by internalmedicine | 2008-02-28 12:12 | 精神・認知  

SLEに関連する新しく見つかった遺伝子座

SLEに関連する2つの遺伝子座の研究

ヨーロッパ子孫の北アメリカ人の遺伝子関連にて、HLA-DRB1、IRF5、STAT4に新しく、関連する2つのlocusがみつかった。
B lymphoid tyrosine kinaseとintegrin α Mをエンコードする遺伝子と関連があったとのこと


Association of Systemic Lupus Erythematosus with C8orf13–BLK and ITGAM–ITGAX
N Engl J med. 358(9):900-909 Feb. 28, 2008


1q23 CRP、FCGR2A、FCGR2B、FCGR3A、FCGR3B
1q25-31
1q41-42 PARP、TLRS
2q35-37 PDCD1
4p16-15.2
6p11-21 MHC classII:DRB1、MHC class III:TNF-α、C2,C4
12q24
16q12-13 OAZ

CRP:C-reactive protein
FCGR:IgG FC receptor
MHC:Major histocompatibility complex
OAZ:OLEF1/EBF-associated zinc finger protein
PARP:poly-ADP-ribose polymerase
PDCD1:programmed cell death 1
TLR5:toll-like receptor 5
TNF-α:tumor necrosis factor α


自己抗体頻度

抗二重鎖DNA 70-80%(腎、皮膚)
Nucleosomes 60-90%(腎、皮膚)
Ro 30-40%(皮膚、腎、致死的心臓疾患)
La 15-20%(致死的心臓疾患)
Sm 10-30%(腎疾患)
NMDA receptor 33-50%(脳疾患)
Phospholipids 20-30%(血栓、妊娠問題)
α-Actin:20%(腎疾患)
C1q:40-50%(腎疾患)


T細胞と抗原提示
抗原提示細胞は細胞表面でMHCのcomplex形成。このcomplexがTCRと相互作用し、T細胞は相手側細胞の分子と相互的に依存して影響を受けることとなる。2つの相互関係: B7 with CD28(刺激性)、B7 +cytotoxic T-lymphocyte–associated protein 4 (CTLA-4)(抑制的)
CD28-B7の結合が生じるとシグナルが活性的に働き、サイトカイン遊離に働き、B細胞を助け、炎症を生じる。CTLA-4-B7により陰性シグナルとなり、活動を抑える


T細胞・B細胞相互作用
B細胞は抗原提示的に働き、共刺激的に、CD40とそのリガンドの相互作用を介する。このinteractionはT細胞を多くのサイトカイン産生を生じ、B細胞の抗体産生を促進する。


アポトーシス時表面bleb誘導

UV光→Keratinocytes→Apoptotic cells→
・Small apoptotic blebs:Ro(52kD)、ribosomal P、calreticulin、fodrin、Jo-1
・Large apoptotic blebs:Nucleosome、Ro(60kD)、La、Sm、PARP、U1(70kD)、Mi-2

PARP:poly–ADP–ribose polymerase.

by internalmedicine | 2008-02-28 11:17 | 医学  

重症敗血症ショックに対するvasopressin vs ノルエピネフリン・・・死亡率改善効果明確でない

多施設トライアルにおいて、778名の敗血症性ショック患者に対するオープン薬剤に追加する、ノルエピネフリンとvasopressin割り当てを比較
2群間に28日、90日での死亡率の差がなく、副作用イベントの有意差もない。ただ、軽症群と思われる例ではvasopressinは有効なようである



前置きからだが・・・
敗血症性ショックに関して死亡率は40%-60%であり、輸液蘇生とカテコラミン(ノルエピネフリン、エピネフリン、ドーパミン、ドブタミン)使用がなされる。臓器潅流維持のための平均血圧を最小限でも維持する必要性があると考えられているが、副作用と死亡率増加が一部報告されている。たとえばノルエピネフリンはαアドレナリン作動剤として、潅流圧は適正化するが、心拍出量、酸素運搬、血流を減少させるという話がある。vasopressinは、内因性に本来遊離されるホルモンであり、血管緊張と血圧改善に働くということで使われ始めている。
(・・・毎度のごとく、日本では健保適用放置だが・・・ピトレシン注


Vasopressin versus Norepinephrine Infusion in Patients with Septic Shock
N Engl J Med. vol. 358;877-887 Feb. 28 2008
【方法】他施設ランダム化二重盲検トライアルで、敗血症ショックで、ノルエピネフリン 5μg/minを受けている患者で、低用量vaspressin(0.01-0.03 U/分) or ノルエピネフリン(5-15μg/分)をオープンラベルの昇圧剤に加えた
昇圧剤点滴はプロトコールに従い、補正し、中止する。
プライマリエンドポイントは28日での死亡率
【結果】
778名をランダム化、vasopressin割り当て396、ノルエピネフリン割り当て 382
vasopressinとノルエピネフリン群で死亡率有意差無し (35.4% と 39.3%, respectively; P=0.26)、90日でも有意差無し(43.9% と49.6%; P=0.11)
重篤な副作用包括でも有意差なし (10.3% と 10.5%; P=1.00)


前向きの重症度の低い状態との層別群では、28日死亡率はvasopressin群の方が、ノルエピネフリン群より低い(26.5% vs. 35.7%, P=0.05)
より重症の層別群では、28日死亡率の差はない(44.0% と 42.5%; P=0.76)
この群間heterogeneity試験は有意でなかった (P=0.10)



プロトコール内のショック関連の定義

SIRクライテリア

・高体温:>38℃
・低体温:<36℃
・頻拍:心泊>90/分
・多呼吸:呼吸回数>20/分 or PaCO2 < 32 mmHg or 人工呼吸補助必要
・異常白血球数(>12000/mm3、<4000、 10%> の未熟(棹球)白血球)


感染(known, suspencted):
臨床的に疑われることで定義(微生物的培養所見陽性、調査中、抗生剤使用中)


低血圧:
収縮期血圧(SBP)<90 mm Hg or CVP 12mm Hg維持するため1時間以上血圧が40mm Hg超低下がある場合 or 血圧維持のため500mLの生食投与もしくは昇圧剤投与必要な場合


昇圧剤必要量:
ノルエピネフリン当価投与量 : [norepinephrine(μg/min)] + [dopamine (μg/kg/min) ÷ 2] + [epinephrine (μg/min)] + [phenylephrine (μg/min) ÷10]
事前24時間後の6時間でノルエピネフリン≥ 5 μg/min 同等以上必要な患者にてランダム化したこととなる。


新規臓器障害:
呼吸 (ventilated and PaO2/FiO2 < 300 mmHg)
腎臓(urine output < 30 mL/hour or less than 0.5 mL/kg body weight, for at least one hour)
凝固 (platelet count < 80,000/mm3)
中枢神経 (Glasgow Coma Score < 12, prior to receiving sedation)


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by internalmedicine | 2008-02-28 09:09 | 医療一般