2009年 02月 10日 ( 3 )

 

抗ヒスタミン剤の副作用:cognitive impairment

アレルギー性疾患と” Cognitive Impairment”について、めざましテレビで放送された。


この話の大元は、Weiler らの実験、fexofenadine、diphenhydramine、アルコール、プラセボの比較実験(Ann. Int. Med. Vol. 132 (5) 354-363 7 March 2000  フルテキスト pdf)に基づいた警告であった。飲酒より危険性が大であるという報告

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ACAAIによれば、その主要原因2つは、睡眠中断とOTC薬によるとされているが、番組内ではOTC薬によるもののみの説明だけ・・・だった(ちょっと残念)。


Eustachian tube (耳管)遮断などの二次要因も、学習・理解能力低下に作用する。耳鳴りや咳嗽なども集中力を遮断し、アレルギー関連休業は社会的にもインパクトが大きい。


処方薬剤、Non-sedating antihistamine、たとえば Allegra(r) (fexofenadine) やClaritin(r) (loratadine)などが有用

・・・などと書かれている。


以前のやらせがこたえたのか、この番組、情報番組としては、他の番組より良心的である私は常々思っている。番組内実験に対照をとってたり、その辺の学会報告よりはよほど・・・比較的副事象の少ない抗アレルギー剤の存在と専門医受診をすすめるなどツボを押さえていた。残念ながら、疾患による睡眠障害まで言及してくれれば、私としては満点を上げたかったのだが・・・



日本アレルギー学会・ガイドライン
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花粉症特集(厚労省)

by internalmedicine | 2009-02-10 10:58 | 呼吸器系  

VAT(人工呼吸関連気管炎)という概念:VAP(人工呼吸関連肺炎)予防


Ventilator-Associated Tracheobronchitis
The Impact of Targeted Antibiotic Therapy on Patient Outcomes
CHEST February 2009 vol. 135 no. 2 521-528

気管でのコロナイゼーションに始まり、VAT(人工呼吸関連気管炎)と進展し、さらに、VAP(人工呼吸関連肺炎)となる仮説

VATの確立してない定義故、VATとVAPの区別が不明瞭


この論文で定義:
VAT is a localized disease with clinical signs (fever, leukocytosis, and purulent sputum), microbiologic information (Gram stain with bacteria and leukocytes, with either a positive semiquantitative or a quantitative sputum culture), and the absence of a new infiltrate on chest radiograph


気管内分泌物吸引モニタリングにて下気道にコロナイズされた病原の同定・評価にて、VATとVAPの鑑別、早期治療に役立つ可能性がある。

VATがVAPの重要なリスク要因で、抗生剤早期投与戦略など新しいパラダイムとなる可能性がある

by internalmedicine | 2009-02-10 10:21 | 呼吸器系  

治療抵抗性ドライアイへのシクロスポリン点眼の費用分析

ドライアイには自己免疫的病態が20年前から知られており、シェーグレン症候群やSLE、関節リウマチ、乾癬性関節炎などで、免疫抑制剤投与の有用性が知られていた。ドライアイ全体に自己免疫性機序の関与が考えられているとのこと

シクロスポリン軟膏で思い出すのが、
発売時、薬剤への興味から担当MR(旧藤沢)に単に聞いただけだったが、「先生のような方にお使いいただく製品ではありません。」と、初っぱなに言われ、むちゃくくちゃ腹立てたことがあった。別に、使用予定ではなくて、製品情報をしりたかったのだが、この会社、販売しか頭にないようだ・・・併用禁忌などを一般医家も知る必要があるのは常識だと思ったのだが・・・その後も、SSRIの消化管出血リスクの断定的否定などあり、この会社と距離を置くことにした・・・その後アステラスとなり・・・・
・・・我ながらしつこい

パピロックミニ点眼液の会社MRに、商品について説明を求めようかな(悪趣味?)・・・うちにここの会社のMRさんこないけど・・・


ここでは、0.05% emulsion of topical cyclosporine (Restasis; Allergan Inc, Irvine, California) というのが対象


通常治療に反応しないドライ・アイ症状に対する効果とコスト効果(cost-utility)の検討


結論から言えば、この局所投与は、通常治療に反応しないドライアイにコスト効果的というもの

"Value-based"に関しては
Brown, MM; Brown, GC; Sharma, S; Landy, J. Health care economic analyses and value-based medicine. Surv Ophthalmol. 2003;48:204–223.

Brown, MM; Brown, GC; Sharma, S. Evidence-Based to Value-Based Medicine. Chicago: AMA Press; 2005.
がベースのようである(参考

久しぶりだなぁ・・・
・費用-効果分析 cost effectiveness analysis
・費用-便益分析 cost benefit analysis
・費用便益 Cost-Benefit
・費用-効用分析 cost utility analysis
・費用分析 cost of illness
・費用最小化分析



今回は、cost utility analysis 費用分析、特に、cost-utility ratio (CUR)が用いられている。


Value-Based Medicine, Comparative Effectiveness, and Cost-effectiveness Analysis of Topical Cyclosporine for the Treatment of Dry Eye Syndrome
Arch Ophthalmol. 2009;127(2):146-152.

2つの多施設ランダム化臨床トライアルで、Center for Value-Based Medicine analysesにて行われた。value-based medicineはeffective analysisと、社会コスト・サードパーティー保険者コスト全体を用いた平均cost-utility analysisを比較した解析


【主要アウトカム解析】QALY gainとQOL改善比率
cost-effectivenessのため、QALYあたりのドルをCUR(cost-utility ratio)で表現

【結果】局所cyclosporine, 0.05%は、滑潤点眼剤に比べ、0319 QALY /年のvalue gainに寄与
通常の滑潤点眼剤無効例・中等症・重症ドライアイには、QOL 4.3%改善

賦形剤治療(vehicle therapy)を上回る社会的観点CUR増加は、cyclosporineにて $34 953 / QALY で、社会的観点平均増加CURは $11 199 /QALY
サードパーティー保険会社増加CURは$37 179 /QALY、サードパーティー観点平均CURは、$34 343 / QALY


by internalmedicine | 2009-02-10 09:14 | 医療一般