2009年 02月 12日 ( 3 )

 

蛋白キナーゼ阻害作用由来の新しい抗菌剤 :Pharmacophore

ファーマコフォア(Pharmacophore):ファーマコフォア(Pharmacophore)とは、一般に、ある薬理活性を示すために必須の構造的特徴を、複数の官能基と、それらの空間的な位置関係により表されたものをいう。 (引用:



A class of selective antibacterials derived from a protein kinase inhibitor pharmacophore
PNAS February 10, 2009 vol. 106 no. 6 1737-1742
Millerらが同定したpyridopyrimidineは細菌の酵素を選択的に阻害し、ヒトのprotein kinaseを選択的である。
脂肪酸生合成の最初のステップである酵素であるbiotin carboxylase (BC)のATP結合部位をターゲットにするpyridopyrimidine

グラム陰性筋への新しい種類の抗生物質 となり、非真核生物を特異的に抑制する真核細胞性の阻害剤を再目的化する新しい戦略のスタート?


全細胞の抗菌的スクリーニングにより、真核生物のみのバイアスである、新しい抗細菌目標に結びつける有望な発見であると主張

構造的特性から、biotin carboxylase結合ATPの阻害物質とされる。





H. influenza 感染マウスモデルで、bioavailabilityや殺菌活性や併用の有効性が認められた。

by internalmedicine | 2009-02-12 12:15 | 感染症  

ABCSG-12 Trial :閉経後早期乳ガンへのビスフォスフォネート系薬剤は無疾患生存期間延長効果をもたらす

アジュバントホルモン療法にゾレドロン酸を加えることでエストロジェン反応性早期乳ガン閉経前患者における疾患フリー生存期間を改善するというもの・・・速報論文になってるので、すでに日本ご紹介があるようだ。

生存期間には影響を与えてないが、薬剤特性を鑑み充分有益な結果である。


ABCSG-12 Trial (NCT00295646)

Endocrine Therapy plus Zoledronic Acid in Premenopausal Breast Cancer
N Engl J Med. Vol. 360:(7) 679-691 February 12, 2009
フォローアップ中央値 47.8ヶ月、137のイベント発生
disease-free生存率 tamoxifen群 92.8%、anastrozole群 92.0%、ホルモン治療群90.8%、zoledronic acid+ホルモン治療群 94.0%

disease-free生存率について、
anastrozole+tamoxifen群に有意差なし
(hazard ratio for disease progression in the anastrozole group, 1.10; 95% confidence interval [CI], 0.78 to 1.53; P=0.59).

ゾレドロン酸+ホルモン治療はzoledronic酸なしのホルモン治療に比べ、絶対的減少3.2%ポイントで、想定炊き減少36% (hazard ratio, 0.64; 95% CI, 0.46 to 0.91; P=0.01);

ゾレドロン酸追加は死亡リスク減少に有意差は無し (hazard ratio, 0.60; 95% CI, 0.32 to 1.11; P=0.11).

副事象イベントは既知の薬剤安全性情報と一致



閉経後女性のホルモン反応性の早期乳ガンの指摘治療法はまだ議論の多いテーマである。
aromatase阻害剤はtamoxifenを超過するベネフィットを示すが、閉経前でのベネフィットは未だ不明。gonadotropin-releasing hormone analogueとtamoxifenの卵巣抑制併用療法は閉経後女性の標準治療とされており、化学療法に匹敵する効果と、より耐用性が良いことがその理由である。
ビスフォスフォネート治療は、骨転移や骨塩減少など骨格関連イベントリスク減少目的に使用されている。ゾレドロン酸は、aromatase阻害作用と関連して骨塩減少を、閉経女性、閉経前女性、早期乳ガン患者とももたらす

ゾレドロン酸に抗腫瘍作用、抗転移作用があり、それは骨でのangiogenesis抑制や、抗転移抑制作用、adhesion抑制作用、アポトーシス誘導、細胞毒性化学療法の抗腫瘍共同作用、γ/δT細胞誘導によるimmunomodulatory効果などが見られる。

by internalmedicine | 2009-02-12 09:46 | がん  

ATHENA:リスクある心房細動へのdronedaroneの効果


心拍コントロール薬剤として紹介(Multaq®(一般名:dronedarone):ERATO study:持続性心房細動の心拍コントロール 2008年 09月 04日

今回は、リスクある状態の心房細動への積極的応用トライアル


Dronedaroneはベンゾフラン誘導体で、アミオダロン類似の電気薬理学的特性をもち、個々のチャンネルに異なる影響をあたえるもの、構造的変化として、ヨードを除き、methane-sulfonylを加えた結果、後者の特性にてlipophilicity(脂溶性)減少し、半減期減少し、組織蓄積が低下した。
この分子特性により、アミオダロンに見られる甲状腺や肺疾患関連リスクが少ない。
Dronedaroneは肝臓代謝であり、便排泄される。


抗不整脈薬dronedaroneのプラセボ比較(NCT00174785

Effect of Dronedarone on Cardiovascular Events in Atrial Fibrillation
N Engl J Med. Vol. 360(7) :668-678Feb. 12, 2009
他の死亡リスクのある、心房細動4618名に対するdronedaroneの多施設トライアル
dronedarone 400mg×2回/日 vs プラセボ

一次アウトカム目標は、初回心血管イベント入院・死亡
二次アウトカム目標は、全原因死亡、心血管疾患死亡、心血管イベントによる入院

平均フォローアップ期間は、 21±5 ヶ月研究薬剤早期中止は、dronedarone 696/2301(30.2%)、プラセボ716/2327(30.8%)

一次アウトカムはdronedarone群734名(31.9%)とプラセボ群917名(39.4%)でハザード比(ハザード比 0.76 (95% 信頼区間[CI], 0.69 ~ 0.84; P<0.001)

dronedarone群116名(5.0%)死亡、プラセボ群139名(6.0%)死亡(ハザード比 0.84; 95% CI, 0.66 ~ 1.08; P=0.18)

心血管原因死はdronedarone群で63名(2.7%)、プラセボ群で90名(3.9%)(ハザード比, 0.71; 95% CI, 0.51 ~ 0.98; P=0.03)
この低下は、主に、不整脈死亡比率の減少によるところが大きい

dornedarone群は徐脈、QT間隔延長、吐き気、下痢、皮疹、sCr増加をプラセボより多い

甲状腺・肺関連副事象の比率は両群で差がない



治験参加条件は75歳以上、70歳以上でなんらかのリスク要因(薬剤抵抗性高血圧、糖尿病、心血管アクシデントもしくは血栓症の既往、LA径が50mm以上、LVEF<40%)のいづれか)を有するもの


2つの大規模研究
N Engl J Med 2007;357:987-999 N Engl J Med 2008;358:2678-2687

Anti-arrhythmic Trial with Dronedarone in Moderate to Severe CHF Evaluating Morbidity Decrease (ANDROMEDA):N Engl J Med. Volume 2008;358:2678-268

今回の研究が、ATHENAトライアルということになる

ANDROMEDAは心不全患者のみ対象であったが、ATHENAはより対象を広げた形

by internalmedicine | 2009-02-12 08:46 | 呼吸器系