2009年 02月 25日 ( 6 )

 

口腔・咽頭運動による閉塞型無呼吸への効果

スピーチ・セラピーによる口腔・咽頭運動による中等度OSAへの治療効果

上気道の筋肉トレーニングが閉塞型無呼吸に効果があるか?

Effects of Oropharyngeal Exercises on Patients with Moderate Obstructive Sleep Apnea Syndrome
Guimaraes et al. Am. J. Respir. Crit. Care Med..2009; 0: 200806-981OCv1
31名の中等度OSA患者に、偽治療(n=15)と口腔咽頭運動(n=16)
舌、軟口蓋、咽頭側壁を含む訓練


身体計測、いびき頻度(0-4)・強度(1-3)・Epworth眠気指数(0-24)、ピッツバーグ睡眠quality(0-21)アンケートとフルPSGをベースラインと研究終了時に施行

BMIと腹部周囲径はそれぞれ、 30.3±3.4 kg/m2 と 101.4±9.0 cmで、他の指標を含めて、両群に有意差なし

逆に、口腔咽頭運動わりつけ患者は頚部周囲径減少 (39.6±3.6 vs. 38.5±4.0 cm)、いびき頻度減少(4[4-4] vs. 3[1.5-3.5])、いびき強度 (3[3-4] vs. 1[1-2])、昼間の眠気(14±5 vs. 8±6)、睡眠の質 (10.2±3.7 vs. 6.9±2.5)、OSAS重症度(AHI, 22.4±4.8 vs. 13.7±8.5 events/hour)など有意に減少

頚部周囲径の変化は、AHIの変化と逆相関(r=0.59;P<0.001)


Oropharyngeal Exercise の具体的やり方は後日?

by internalmedicine | 2009-02-25 16:59 | 呼吸器系  

COPD急性増悪への吸入ステロイド

急性増悪の時に、吸入ステロイド大量吸入でなんとかなる・・・という意見・報告なのだが

Steroids in acute exacerbations of chronic obstructive pulmonary disease: are nebulized and systemic forms comparable?
Current Opinion in Pulmonary Medicine:Volume 15(2)March 2009p 133-137

by internalmedicine | 2009-02-25 16:11 | 呼吸器系  

2009年H.pylori感染の診断と治療ガイドライン

H.pylori感染の診断と治療ガイドライン

推奨度Aだらけに・・・でも、胃潰瘍・十二指腸潰瘍に伴う場合以外じゃありません。


2009年H.pylori感染の診断と治療ガイドライン_a0007242_15481057.jpg




臨床ガイドラインは、エビデンスレベルの低い推奨が多くなってきている・・・2009-02-25・・・という報告があったばかりなのだが・・・


正式なものを閲覧後、エビデンスレベルを列記してみることとする

by internalmedicine | 2009-02-25 15:50 | 消化器  

JCI レビューシリーズ:サイトカイン

JCI レビューシリーズ

Many cytokines are very useful therapeutic targets in disease
Marc Feldmann
View article Published November 3, 2008


Evidence that cytokines play a role in rheumatoid arthritis
Fionula M. Brennan and Iain B. McInnes
View article Published November 3, 2008


The cytokine network in asthma and chronic obstructive pulmonary disease
Peter J. Barnes
View article Published November 3, 2008


Nuanced roles of cytokines in three major human brain disorders
Lawrence Steinman
View article Published November 3, 2008


Following the cytokine signaling pathway to leukemogenesis: a chronology
Kendall A. Smith and James D. Griffin
View article Published November 3, 2008


Signal integration: a framework for understanding the efficacy of therapeutics targeting the human EGFR family
H. Michael Shepard, Cathleen M. Brdlik, and Hans Schreiber
View article Published November 3, 2008



年代記:chronology

フィラデルフィア染色体を特にとりあげ、myeloid cell からCMLへの遺伝子鍵で、その後50年正常Tリンパ球の能力、分化に関する分子のイベントが明確になり、その後のパラダイムとなったという主張

by internalmedicine | 2009-02-25 15:43 | 医学  

中医協御用学者排除 Good Job!

民主・・・良い仕事しましたね

そもそも「公益」とは、広辞苑によると「国家または社会公共の利益。広く世人を益すること」≠「私益」
すなわち、役人に都合の良い人選は、「公益」とは言わないし、ごく一部の人達の主張のみに与する人の人選も公益とは言わない・・・当然

■ 中医協公益委員・前田氏は「不同意」 ― 国会同意人事、民主が反対 ―

 衆院は2月20日の本会議で、政府が提示した中医協公益委員3人を再任する国会同意人事案について、与党の賛成多数で可決した。ただ、遠藤久夫氏(中医協会長、学習院大経済学部教授)、白石小百合氏(横浜市立大教授)、前田雅英氏(首都大学東京都市教養学部長)のうち、前田氏についてのみ民主、共産、社民、国民新の野党4党が反対した。23日には参院本会議でも採決が行われ、前田氏の再任が否決された。国会同意人事案は衆院の優越がなく、両院での同意が必要なことから、前田氏の中医協公益委員の再任は難しい状況となった。

 前田氏は、中医協改革によって公益委員の人数をそれまでの4人から6人に増員するため、2007年3月1日付で白石氏とともに公益委員に就任した。

 前田氏の再任の人事案を民主党が反対していることについて、厚労省保険局は「前田氏には、08年度診療報酬改定の際も勤務医対策などにしっかり取り組んでもらい、現在は薬価専門部会の部会長として円滑に議事を進めていただいていたので、引き続きお願いしようと考え、今回の人事案を提出した」(医療課)としている。

 中医協公益委員は1期2年(上限は3期6年)。今回、国会同意人事案として提出された3人の任期は遠藤氏が3月末日まで、前田氏と白石氏が2月末日までとなっている。

【メディファクス】



前田雅英氏、中医協委員再任成らず(CBニュース
前田氏は中医協公益委員就任後、厚労省が死因究明制度を創設するために設置した「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」座長にも就任したが、同検討会の進め方に問題があったと指摘。「原因究明と責任追及を連動させたこともあり、診療関連死に刑法の手法を持って来ようとしたことに問題がある。また、インターネット調査では、民主党案の方に多く支持を頂いており、厚労省案と評価が分かれているので、民主党案も同時に議論すべきという意見があるが、『地方説明会』と称して厚労省案に決まったかのように国内に周知したことも、座長の判断としてどうかと思う。議事録を見ると、座長として、決まった結論に導きたいという運営をしているように見えたことも問題」と話している。

 このほか、足立議員は前田氏に関する私見として、「中医協公益委員でありながら、多くの諮問機関に委員として名を連ね過ぎている。果たしてそれで公益性を保てるのだろうか。これが自分の中での最大の不同意の理由だと思う」と語った。



さすが産経・・・オリックス・宮内の事と同様、体制同意的
不同意となったのは前田雅英・首都大学東京都市教養学部長で、中医協では薬価専門部会の部会長を務めている。民主党は「前田氏が座長の医療事故調査機関の検討会で、医療関係者を萎縮(いしゆく)させる発言をした」などとして中医協委員の再任に反対したが、医療過誤の患者団体からは批判の声が上がっている。
・・・・患者団体を利用する常套手段



H21.3.2 追記

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                        平成21年 3月 2日
                             全国医師連盟
                    http://www.doctor2007.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ●中医協公益委員に関する声明
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
全国医師連盟SNS参加者の皆様、お疲れ様です。
黒川衛です。
全医連執行部は、以下の声明を発表いたしました。

■ ■ ■
中央社会保険医療協議会(中医協)公益委員再任の不同意に関しての見解

平成21年3月2日 全国医師連盟執行部

2月23日の参議院本会議で、政府が提示した国会の同意人事案について採決
が行われ、中央社会保険医療協議会の委員3人のうち、野党各党の反対によ
り、刑法学者の前田雅英氏が不同意とされました。

全国医師連盟執行部は、政府が前田雅英氏の中医協公益委員再任の承認を国
会に求めた経緯について、納得できない部分があると考えています。同氏は
刑法の専門家であり、戦後日本の犯罪統計解析をもとに、少年犯罪について
積極的に提言を行ってきた学識経験者です。その専門領域を考慮すると、
我々は、同氏が、診療報酬を決定し、医療保険制度のあり方を定める中医協
の公益委員にふさわしい人材だと考えることができません。

また、前田雅英氏は、医療界がその帰結に注目している「診療行為に関連し
た死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」において座長を務めてい
ます。同検討会の運営においては、民主党案、全医連試案といった対案を無
視したり、パブリックコメントの内容を議論に反映できていなかったりする
など、公平さを欠いていると思われ、医療関連論議での調整能力には疑問を
呈さざるを得ません。

政府が、中医協の公益委員として、学識経験者の中から、何故、刑法学者を
選択したのかその理由が不明です。他の学識経験者の委員らの専門分野は、
財政経済学、社会学、公共政策学等であり、いずれも医療政策に関する見識
を期待して選任されたものと理解されます。選任理由を明らかにせず、国会
承認を求めることは、白紙委任を迫るのと同じことであり、民主主義の精神
とは相容れないと考えます。政府には、その選任の基準を明らかにし、選任
過程を公にすることを望みます。同様に、不同意とする政党も、可能な範囲
で、その理由の明示がなされることが望ましいと考えます。

中医協の委員は、適正な医療費を確保する見識を持ち、医療従事者の過密労
働や訴訟圧力による萎縮医療の拡大という現状を正しく把握できることが必
要だと、全国医師連盟執行部は考えます。

また、医療関連審議会の公益委員に法学者を迎える場合は、医療が不可避的
に死傷等の結果が生じる分野であることや、システムエラーの原因究明のた
めには事故当事者に刑罰を科さないことが世界の趨勢であることを理解して
いる人物が任命されることが必要だと考えます。

今後、中医協公益委員をはじめ、国会承認人事の選任に当たっては、明確な
基準の下で、選任過程の透明性が確保され、慎重な人選がなされることを切
望します。
===========================

声明終わり



"中医協の公益委員として、学識経験者の中から、何故、刑法学者を
選択したのかその理由が不明"ってところがポイントなのだろう。

討会の運営においては、民主党案、全医連試案といった対案を無
視したり、パブリックコメントの内容を議論に反映できていなかったりする
など、公平さを欠いていると思われ、医療関連論議での調整能力には疑問を
呈さざるを得ません。
・・・議論を公平に進める能力に欠ける人物で、公益的立場にあわない人ということになる



何らかの書物を書いておけば内容はともかく”知識人”
法律上の仕事をしていれば”公益代表”
・・・
おかしい



H21.3.4 追記.

小沢側近逮捕で、こういったことが、うやむやになる可能性がある・・・のをおそれる

「霞ヶ関の亡霊」は、姑息的で、強大である。

                          2009年3月4日発行
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Medical Research Information Center (MRIC) メルマガ 

      ■□ 「沈み行く厚労省」 □■

   ~前田氏不同意からみる「医系技官」と「御用学者」との生態~

                  大岩睦美 医療・法律研究者

今回の記事は転送歓迎します。その際にはMRICの記事である旨ご紹介いた
だけましたら幸いです。

MRIC(エムリック)
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1 前田雅英氏中医協委員人事につき有史以来初の不同意

 国会同意人事において、政府より提示された中央社会保険医療協議会委員の前
田雅英(首都大学東京都市教養学部長)氏に対し、「医療問題全般を議論するの
にバランス感覚の点で適格性を欠く」との理由で、不同意が表明された。

 なお、中医協委員人事について不同意とされたのは初めてのことである。


2 イエスマン前田雅英

 前田雅英氏は、若い世代の司法試験関係者なら知らぬものはない有名人物であ
る。前田雅英氏は、まだ首都大学が東京都立大学であった時代に、自身が司法試
験委員(司法試験の問題作成者)を辞めた直後から大手司法試験予備校で講師を
勤め、氏のわかりやすい刑法講義は司法試験受験者に大変好評であった。

 前田氏の刑法理論は、「判例を集積し、その中から判断要素とされているもの
を抽出し、それらの“総合考慮”で決定する」とするものである。元来「刑法学
は最も理論が問われる学問である」とされている中、裁判所の判断基準を統計学
的に明らかにするという手法は、既存の刑法学の概念から大きく離れたものであ
り、さまざまな反響を呼んでいる。

 しかし一方では、2001年に改正された少年法に関して、著書『少年犯罪』(東
京大学出版会、2000年)で「近年少年犯罪は激増し、凶悪化している」と主張す
るにあたり、統計データの「意図的な切り取り」によって「自説を強化するため
に都合のよい図表づくりをした」との批判を受けている。統計データの正しい取
扱い方を知らぬままに学術書を出版しているか、あるいは自説の為に統計の意図
的操作を行っているのか、いずれにしても、かかる手法にもとづく主張によって
少年犯罪厳罰化の先鞭をつけたという事実は重い。

 また、氏は刑法学者であって、法務省の委員も「出入国管理政策懇談会」と
「政策評価懇談会」の2つしか務めたことが無いにもかかわらず、厚生労働省の
委員は数多く歴任し、氏が座長を勤めた委員会等だけでも5つもある(「安心と
希望の介護ビジョン」「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関
する検討会」「医療安全対策検討会議」「看護師等によるALS患者の在宅療養
支援に関する分科会」)。

 そしてご存知のとおり、「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方
に関する検討会」においては、座長として、居並ぶ臨床実務家の意見を頑なに無
視し、厚労省案を押し通し続けてデッドロックに陥らせている。

 以上から垣間見られる氏の権威主義的、日和見主義的な側面に鑑みても、確か
に中央社会保健医療協議会の「公益」委員として相応しからぬ人物であることは、
明らかといえよう。


3 厚生労働省の傲慢

 本人事は「国会同意人事」であり、衆参ねじれ国会の状況では、同意権者であ
る衆院第一党の自民党と公明党、参院第一党の民主党の同意を得る必要があるこ
とは誰の目にも明らかである。にもかかわらず、厚労省が民主党に何の了承も得
ずに人事案を国会に投げること自体が、もとより社会常識から著しくかけ離れて
いる。

 上記のように、明らかに「公益」委員として相応しくない人物を敢えて選択し、
かつ、同意されるべき理由を何ら説明しないで国会に上げておきながら、純粋な
権利行使である不同意とした民主党等野党に対し「なぜ反対なのか説明をすべき
だ」とする議論は、単なる“逆切れ”であり、民意を組み入れることなど考えた
こともない厚労省の傲慢な体質が伺われる。


4 本件不同意に対する各方面の意見

 史上初の中医協委員人事不同意に対し、早くも各方面から意見が出ているので
紹介する。

 まず最初に声をあげたのは、「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」代
表の永井裕之氏であり、本件人事が参議院で採決された同日に厚生労働省で記者
会見を行い、「検討会での前田座長の発言、運営に不適切な点は無い。野党は事
故調に否定的な一部の医師らの見解をうのみにしている」「不同意は事実上、事
故調設置をめざす動きへの妨害だ」と話した(NIKEI,NET 2月23日)。

 また同日、国会同意人事案に反対、不同意になったことについて、野党各党に
反対理由や審議の経緯の説明を求める要望書を提出した(共同通信社2月24日)。

 この記事で最も重要なことは、「採決同日」に直ちに記者会見を設定し、各種
メディアに告知をしたうえで、反対声明及び野党各党に要望書を提出したこと、
そして、記者会見を行った場所が「厚労省内」であったことである。

 なお、法律は唯一の立法機関である国会が制定するということは憲法41条より
明らかであり、一行政府でしかない厚労省内のさらに一委員会の委員や座長が誰
であろうが誰になろうが法案の成否には何らの関係も無い。「霞ヶ関の亡霊」は
死してなお権勢を振るおうとしている。

 そして次なる声の主は、2月25日に開かれた診療報酬基本問題小委員会と中医
協の総会において、同じ中医協委員ではあるが公益委員ではなく「支払い側委員」
である対馬忠明氏(健康保険組合連合会専務理事)と勝村久司氏(「患者本位の
医療を確立する連絡会」委員)であった。しかも、同発言は、議題とはまったく
関係が無いにもかかわらず総会中に行われており、二人の強い意思が見て取れる。

 中医協は、医療に要する費用を支払う者の立場を適切に代表し得ると認められ
る者(支払い側)と、医師、歯科医師及び薬剤師を代表する者(診療側)を、利
害が対立する関係であると捉え、その委員構成においても、支払い側・診療側の
委員を同数ずつ配置し、その上で両者に属さない「公益を代表する委員」を配置
するということとなっている。

 本件不同意に対し、意見を表明したのは共に「支払い側委員」であり、勝村久
司氏は「わたしから考えたら、患者の立場に立って、こういう方に委員になって
ほしい」「前田委員は非常にきちんとしていた。もし、報道で言われているよう
に、医療事故の死因究明に関する検討会の座長をしていることが理由だとすれば、
患者の立場からは非常に残念なことだ」、対馬忠明氏は「不同意は遺憾としか言
いようがない。本当に残念」と述べている(キャリアブレインニュース 2月25
日)。
 http://www.cabrain.net/news/article/newsId/20784.html
 
 このことのみからも、中医協の「公益」委員に前田氏が相応しからぬ人物であ
ることは明らかであるといえよう。


5 霞ヶ関に巣食う「御用学者」

 結局、今回の不同意事件は、厚労省が同意権者を無視して強引に子飼いの「御
用学者」をよりにもよって中医協の「公益」委員にねじ込もうとしたところ、う
まくいかなかったというだけの話である。そして、それが失敗に終わるや問題点
の本質を糊塗しようとしたものであり、自民党一党独裁体制時代における“影の
支配者”感覚から抜け切れていない浅はかな官僚の愚行といえよう。

 国民のための医療の方向性を決定するのは、決して霞ヶ関の住民やその取り巻
き達ではな
く、私たち国民一人ひとりなのである。

by internalmedicine | 2009-02-25 11:49 | くそ役人  

臨床ガイドラインは、エビデンスレベルの低い推奨が多くなってきている

診療ガイドラインでは、、エビデンスに基づくって事で、通常、”エビデンスのレベル分類”と”推奨度の分類”の記載がある。

たとえば、
ACC/AHA ガイドラインについて

エビデンス・レベルは、
* Level of evidence A: recommendation based on evidence from multiple randomized trials or meta-analyses
* Level of evidence B: recommendation based on evidence from a single randomized trial or nonrandomized studies
* Level of evidence C: recommendation based on expert opinion, case studies, or standards of care.


推奨の強さは、研究データの相対的強弱ばかりでなく、リスク・ベネフィットの相対的重要性を加味されている
* Class I: conditions for which there is evidence and/or general agreement that a given procedure or treatment is useful and effective
* Class II: conditions for which there is conflicting evidence and/or a divergence of opinion about the usefulness/efficacy of a procedure or treatment
* Class IIa: weight of evidence/opinion is in favor of usefulness/efficacy
* Class IIb: usefulness/efficacy is less well established by evidence/opinion
* Class III: conditions for which there is evidence and/or general agreement that the procedure/treatment is not useful/effective and in some cases may be harmful.


ACC/AHAガイドラインで、推奨強度分布とその根拠となるべきエビデンスレベルの分布を調査


Scientific Evidence Underlying the ACC/AHA Clinical Practice Guidelines
JAMA. 2009;301(8):831-841.
【データ抽出・データ源】 ACC/AHA practice guidelines(1984-2008年9月)をACC Science と Quality Divisionの職員により抽出
7196の推奨を含む53のガイドライン22トピックス

【データ抽出】 推奨数と、推奨クラス(I,II,III)とエビデンスレベル(A,B,C)の分布を調査
2008年9月時点での、ガイドラインのサブセットを初回と現行の推奨の変化として評価し、現行版のエビデンスレベルのパターンも評価

【結果】 2008年9月までに少なくとも1回は改訂もしくはアップデートされたガイドラインのうち
推奨数は、初版 1330 → 現行版 1973 と +48% 増加

特に、class II 推奨の大幅な増大が見られた


エビデンスレベルが報告されている、16の現行ガイドラインについて、エビデンス Aと分類されているのは、2711のうちの、314の推奨のみ(比率 中央値 11%)

一方、エビデンス Cと分類されているのは、1246(中央値 48%)であった。


エビデンスのレベルは、ガイドラインのカテゴリー(疾患、介入、診断)毎に有意にばらつきがあり、個々のガイドライン毎にもばらつきがある。

エビデンス A レベルの推奨は主に、class Iに集中するが、
1305のclass I推奨のうちの245(中央値 19%)のみがエビデンス Aであった

【結論】 現行ACC/AHA診療ガイドライン推奨は主に低レベルのエビデンスとエキスパートの意見に基づき作られている。
エビデンスの結論づけできてない部分の推奨比率が増加している。
この所見は、ガイドライン執筆プロセスを改善させる必要性が注目され、診療ガイドラインを導くエビデンス形成を広げる必要がある



臨床ガイドライン自体が、臨床治験に基づくエビデンスに基づく記載なら、話は簡単だろう。だが、臨床ガイドラインとは、特異的な患者の状況に応じて適切な診療ができるよう、医師の意思決定を手助けするための系統的に作られたステートメントである。科学的エビデンスと実地的な推奨の乖離が存在する。
エビデンスに基づくという原理原則に従えば、エビデンスレベルが低いのに推奨強度が強いというのが多すぎるのはやはり変。

個人執筆が本体で、形だけの会合で形成されるガイドラインは、客観性が乏しくなり、ほとんど、個人提示の診療指針とかわらないものさえ、見受けられる。そういうガイドラインは、なんらかの外的圧力に影響されることもあるだろう。臨床ガイドライン作成上の倫理を含めた規範が必要と思うし、議論過程もガラス張りにすべき。

by internalmedicine | 2009-02-25 10:42 | 動脈硬化/循環器