2009年 06月 16日 ( 7 )

 

健康エコナ、インスリン抵抗性に効果無し・・・という報告記載に半年かかる行政法人


健康エコナの主成分DAG豊富な食事による5週間食では、インスリン抵抗性対象者での食後中性脂肪に急性、慢性的影響を与えなかった。

Effects of a 1,3-diacylglycerol oil-enriched diet on postprandial lipemia in people with insulin resistance
Journal of Lipid Research, Vol. 49, 670-678, March 2008

 ↑
これを、今頃、記載している・・・独立行政法人国立健康尾・栄養研究所


「ジアシルグリセロール」有効性:糖尿病・内分泌(09.06.16)
・糖尿病でないインスリン抵抗性の成人25名(43±11歳、アメリカ)を対象とした二重盲検無作為化クロスオーバー比較試験において、ジアシルグリセロールを30-50g/日含む食事を5週間摂取させたところ、同量のトリアシルグリセロールを含有する食事を摂取させたときと比較して、空腹時の血糖、インスリン濃度、血中脂質、食後の血漿中性脂肪の増加に変化は認められなかったという報告がある(PMID:18089891)。
(PMID:18089891) J Lipid Res. 2008 Mar;49(3):670-8.



米国人に対するジアシルグリセロールの体脂肪低減効果 (http://www.kao.co.jp/rd/eiyo/about-dag/dag03.html

・・・とは異なる結果?

by internalmedicine | 2009-06-16 17:06 | 動脈硬化/循環器  

紅麹米をスタチン不耐性症例に?

ベニコウジカビ(紅麹黴、学名:Monascus purpureus)

Red yeast rice (Monascus purpureus) :http://www.mayoclinic.com/health/red-yeast-rice/NS_patient-redyeast
紅コウジカビは、米におけるイーストの生産物で、アジア諸国で食物として饗される。いくつかの成分、monacolins(コレステロール合成阻害物質)を含み、その一つがmonacolin Kで、HMG-CoA阻害作用を有する。この抽出物をOTCでCholestin TM (Pharmanex, Inc)という商品名だどで販売されているとのこと。これが、合法的かどうかやや混乱があるとのこと。

紅麹(レッドイーストライス)を通販価格で見ると、月一人分5000-6000円で手に入れられるようだ。問題は、その品質保証。

”Annals of Internal Medicine”掲載論文で、このサプリメントをスタチン耐用性のない患者への治療オプションになりえると発表

Red Yeast Rice for Dyslipidemia in Statin-Intolerant Patients: A Randomized Trial
Becker et al. Ann Intern Med.2009; 150: 830-839

red yeast rice(1800 mg 1日二回24週間)にて、ベースラインから、12週で1.11 mmol/L (43 mg/dL)、24週で0.90 mmol/L (35 mg/dL) と減少。
プラセボ群は、12週で0.28 mmol/L (11 mg/dL) 、24週で0.39 mmol/L (15 mg/dL) 減少
LDLは有意に12週、24週とも減少( (P < 0.001、P = 0.011)

HDL、TG、肝酵素、CPK、体重減少、疼痛重症度スコアは変化無し


Ann. Int. Med.記載なのにちょっと・・・慎重さに欠けるのでは?
・検討例数が少ないため、有効性もだが、無害性の根拠に疑問
・Citrininの有害性の問題が解決されてない(Contamination Is A Common Problem in Red Yeast Rice Products)

by internalmedicine | 2009-06-16 16:59 | 動脈硬化/循環器  

降圧治療: HCTZ ≠ chlorthalidone・indapamide ・・・ HCTZを第一選択にするな!

ARB+HCTZが多く出されているが、HCTZと、chlorthalidoneとindapamideを同列に扱ってはいけないという話

降圧利尿剤で一まとめすることで、エビデンスの少ないHCTZが入り込んできたという警告?

ハイグロトンを使ってたが問屋から入手困難といいうことで、HCTZはいやだったので、ナトリックス錠に変更しているところである。ちまたに、循環器・高血圧の専門家は多いはずなのに、なぜ、これらの薬剤の処方が少ないのか?・・・非常に疑問に思うところである。


"European Meeting on Hypertension 2009"で、12.5-25mg/dは降圧剤として他の薬剤より劣ると報告。心発作や卒中でも、エビデンスが存在せず・・・というpooled analysisを、Dr Franz Messerli (St Luke's-Roosevelt Hospital, New York, NY)が報告(http://www.theheart.org/article/978957.do

降圧治療: HCTZ ≠ chlorthalidone・indapamide ・・・ HCTZを第一選択にするな!_a0007242_14195954.jpg


Messerli FH, Makani H, Bangalore S, et al. Hydrochlorothiazide is inappropriate for first-line antihypertensive therapy. European Meeting on Hypertension; June 12-16, 2009; Milan, Italy. Abstract LB1.3.

24ABPMに関連して、HCTZは医療機関での血圧値にはさほど悪くないが、夜間や早朝での降圧有効性が欠如しており、患者や医師の安全性に不安を与えるものである。
「簡潔に述べると、HCTZは降圧剤の有効性の根拠は乏しく、アウトカムデータもない。初期治療として用いるべきではない。cholorthalidone(クロルタリドン(ハイグロトン)には確固たるデータがある。残念ながら、HCTZとの併用剤が多く発売されている」と述べ、今年出版される予定のJNC8で、thiazide系利尿剤が第一選択となり、HCTZと他のサイアザイド系利尿剤が同等に扱われるのを恐れるとのこと。

HCTZは単剤では弱いが、併用ではどうなのか?

多くの医師たちもHCTZ単独で12.5-25mg使用での降圧効果に関して疑問を呈すと、Dr Stephane Laurent (Hôpital Europeén Georges Pompidou, Paris, France)

HCTZ単独を第一選択単剤治療として用いるほどに、強いエビデンスはないということ、さらに問題なのは、併用剤としてのHCTZ選択にも疑問が呈され、実際利尿剤の効果は用量依存的であり、高用量になれば副作用も出てくるだろうと・・・indapamideインダパミド (ナトリックス錠1mg/2mg(大日本住友製薬)、テナキシル錠(アルフレッサ)やchlorthalidoneのベネフィット故の知見とHCTZをはき違えてはいけない!・・・というもの

by internalmedicine | 2009-06-16 15:27 | 動脈硬化/循環器  

SYNCHRONYトライアル:PPARα・γアゴニストaleglitazarの有効性と安全性

PPARアゴニストの心血管系悪影響を報告に関わらず、2型糖尿病に関してはやはり有望との見方があり、PPARα、PPARγアゴニストであるaleglitazarの血糖降下、生活修正効果、安全性特性に関して報告

Effect of the dual peroxisome proliferator-activated receptor-α/γ agonist aleglitazar on risk of cardiovascular disease in patients with type 2 diabetes (SYNCHRONY): a phase II, randomised, dose-ranging study
The Lancet, Early Online Publication, 8 June 2009

有効性解析は6例を除く
Aleglitazarは有意にプラセボ比較で、HbA1cを用量依存的に低下させる:50μg:−0.36% (95% CI 0.00 ~ −0.70, p=0.048) ~ 600μg:−1.35% (−0.99 ~ −1.70, p<0.0001)
時間推移にて、HbA1cに対する最大効果は16週後もまだ到達せず
浮腫、血液希釈、体重増加も用量依存的
しかし、300μg未満ではうっ血性心不全、浮腫頻度はプラセボと同様(50 μg 1例、150 μg 2例、 プラセボ 3例)で、pioglitazone(4例)より少なく、体重増加も少ない(150 μg 0.52 kg vs 1.06 kg)



peroxisome proliferator-activated receptors (PPARs) アゴニストの、2型糖尿病患者への心血管系リスクへの関心が高まっている。
PPAR-αアゴニストとしてのフィブラートが脂質特性改善したと報告、PPAR-γアゴニストのpioglitazoneやrosiglitazoneは2型糖尿病の糖コントロール薬剤として承認されている。
pioglitazone治療は、2型糖尿病患者の心血管系イベントのリスクを減少と関連するとされるが、PROactiveではプライマリエンドポイントに対して明らかな優位性は示せなかった。
thiazolidinedionesの安全性への関心の高まり、液体貯留、体重増加、うっ血性心不全に対してあたらしいnew label warningが出されている。至適PPAR薬剤は血糖コントロール・脂質特性の改善と安全性が担保されることが条件であろう。

改めて思うに、pioglitazoneを”2型糖尿病発症予防のための介入試験”に使うのは無謀だと思うんだけどなぁ・・・経団連の強さなのだろう。(「J-DOIT-3」はヘルシンキ宣言違反?  2009-02-18



アクトスは骨折リスク増加(FDA安全性情報) : 2007-03-1

by internalmedicine | 2009-06-16 11:23 | 糖尿病・肥満  

レビュー:ベル麻痺の抗ウィルス治療(ステロイド存在下)にベネフィット認めず

”Bell麻痺と抗ウィルス・ステロイド治療”は古くからの課題

メルクマニュアル(http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec06/ch096/ch096e.html)も未だ
ベル麻痺は、単純ヘルペスウイルスを原因とみなして治療します。ウイルスの複製を阻害するために、アシクロビルと呼ばれる抗ウイルス薬が投与されます。プレドニゾロンなどのコルチコステロイドは、神経の腫れを抑えるために服用します。最大の治療効果を得るには、発症後2日以内に治療を開始し1〜2週間継続します。


日本神経治療学会(http://www.jsnt.gr.jp/guideline/bell.html)でも
Table 3 Bell麻痺の内科的治療の指標
I. 経口副腎皮質ホルモン(Ib-A)
・ 発症後3 日以内にが望ましいが,遅くとも10 日以内に開始する(III-C).
・ 成人ではprednisolone 1mg/kg/日 or 60mg/日を5~7 日間投与し,その後1 週間で漸減中止する(I-A).
・ 中等症以下の症例及び高齢者では prednisolone 0.5mg/kg/日 or 30mg/日を5~7 日間投与し,その後1 週間で漸減中止する(IV).
II. 経口副腎皮質ホルモンと抗ウイルス薬の併用療法
(Ib-A)
副腎皮質ホルモン投与とともに以下の抗ウイルス薬を開始する.
① Valacyclovir 1,000mg/日 分2,5~7 日間投与
② Acyclovir 1,000~2,000mg/日 分2~4,5~7 日間投与
抗ウイルス薬の単独療法は推奨されない(Ia-D).
IV. Methylcobalamin(Ib-C) 1,500μg/日 分3
寛解または発症後8 週間まで投与することが推奨される(IV).



Goudakos JK, Markou, KD "Corticosteroids vs corticosteroids plus antiviral agents in the treatment of Bell's palsy: A systematic review and meta-analysis" Arch Otolaryngol Head Neck Surg 2009; 135(6): 558-64.

Bell麻痺は、毎年10万人対20-45名罹患、突然の顔面麻痺の最大の理由であり、遺伝的要因、血管虚血、ウィルス感染・自己免疫による炎症などによるとされるが病因は不明。治療として確立されたものはなく、ステロイド治療が一般的にはなされていると、著者ら。
しかし、一部には、ウィルスが原因とするエビデンスがあるとされ、抗ウィルス治療もなされていることがある。
この問題を明らかにするため、corticosteroid単独と抗ウィルス薬併用時の、前向きランダム化トライアルのシステミック・レビューとメタ/アナリシスを行ったもの
738名の5つの研究で、そのうち3つの研究ではすでに抗ウィルス治療の相加的効果を見いだせず、ほかの2つでは見いだされていた。4つの研究はプレドニゾロン、一つはdeflazacortで、抗ウィルス薬はacyclovirとvalacyclovirである。メタアナリシス合成可能のデータは4つの研究で、二つでベネフィット有り、二つで無しというものであった。

しかし、スタート後三ヶ月の顔面麻痺の完全回復率は有意差無く、オッズ比は1.03(95%信頼区間 0.74-1.42)
3日間以内とか、異なる抗ウィルス薬などを含むなど、様々なサブグループ解析でもベネフィットのエビデンス認めない。副事象も両群差がない。
完全回復は”semisubjective”と定義し、結果にバイアスが含まれる可能性には言及している。
time-to-event解析を加え、回復機能比較のもっとも適切な方法として考えると言うことも筆者らは言及している。




わたしは、この議論の時はいつも、「めまい治療にゾビラックスTM問題」と「JIMA問題」をいつも思い出す。この場合は、エビデンスの問題どころではなく、実験的治療だったわけだが・・・この当時、各メディアはなぜかご当人を名医として紹介していた。・・・今もてはやされている“神の手”なんたらという医師たちの中にも、よく考えれば、うさんくさいのが多いわけが・・・

by internalmedicine | 2009-06-16 10:20 | 運動系  

ENDO:ビタミンD値正常化は減量に役立つ

ENDO 2009: The Endocrine Society Annual Meetingの肥満に関する話題がいくつかあるようだ

・ Adequate Vitamin D Levels May Aid Weight Loss in Obese Patients(http://www.medscape.com/viewarticle/704295

・ Bariatric Surgery Linked to Increased Fracture Risk(http://www.medscape.com/viewarticle/704264

by internalmedicine | 2009-06-16 09:23 | 糖尿病・肥満  

「新型インフルエンザ隠し」の犯人は財務省・政府、愚かな行政対応の見本は福岡

厚労省のアホたちが、”感染症外来”を放置しているため、プール熱など発生の頃なのに、そちらに行って、感染症を広げる可能性が出てきた。愚鈍で、思考範囲の狭すぎる厚労省官僚たち・・・現場の声を無視し続けてるからあちこちで矛盾が萌出してきている。


指導力が無く、金も医療には出さないという、経団連しかみてない政治、この末期的行政について国民が再考するチャンスでもある。


先週の”フライデー”:記事を読ましてもらったが、質が低いというか、福岡の事例も掘り下げた方が、行政の“新型インフルエンザ隠し”の具体例がほりさげられたのに・・・

「子供は検査するな」「季節性として扱え」──仰天命令を出したのは誰か
現役医師が告発! 「新型インフルエンザ隠し」現場

 「新型インフルエンザ隠し」の犯人は財務省・政府、愚かな行政対応の見本は福岡_a0007242_812165.jpg


地方の”新型インフルエンザ隠し”は、全国に感染広がってるはずなのに? 追加予算無し・・・なにもしないという政府 2009-05-30による。

答えは簡単、”真犯人は、財務省だし、総理!”


金がない地方公共団体にすべて投げ出して、通達連発する政府・厚労省!という構図で、現場を相当かき乱している。

福岡市が、最初に「新型インフルエンザの感染を確認した」と発表したのは今月6日です。 しかし、複数の医療機関によりますと、感染が確認された同じ板付校区内で、先月末から簡易検査で「陽性」と診断され、新型インフルエンザが疑われる小中学生や成人が相次いでいたことが分かりました。 複数の医師が再三、市の保健所に詳しい検査を要請しましたが、市は検査を行いませんでした。医師の間からは「市の初動ミス」と批判の声があがっています。(09日18:03)
http://video.aol.jp/video-detail/-/4256718317

 ↓
新型インフルエンザ:「簡易陽性」全例、遺伝子検査に 医療機関に医師会通知 /福岡
http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20090612ddlk40040314000c.html


簡易迅速A型インフルエンザ検査陽性全例に変更したらしい


この対応って、考えられる中で最低の対応ではないだろうか?

感度の低いスクリーニングを行いPCRで確認に持って行くのは、その地域に感染症が流布してないことを確認することに意味があるのであり、一定規模の流行後、個別症例を季節型と分ける必要があるのか? あるわけない! 今頃、検査しても遅いは!


福岡の判断は、愚鈍で、ロジカルでない。


そもそも福岡は鹿児島と並んで九州で最後まで新型インフルエンザのウィルス検査を行わなかった県である。行政規模から考えても新幹線のターミナルがある県であることも考えれば非常に不自然な状況であった。マスメディアはここをつけば福岡の感染症行政の問題点が浮かび上がってくるはずだ。

ref.) 内科開業医のお勉強日記 : CDCによる新型インフルエンザ入院症例報告 2009-05-20

by internalmedicine | 2009-06-16 08:52 | インフルエンザ