2009年 06月 17日 ( 6 )

 

動脈硬化性腎血管閉塞へのステント治療は腎障害の経過に影響与えない

動脈硬化性の腎血管狭窄(atherosclerotic renal artery stenosis (ARAS))・腎障害患者への腎動脈ステント留置の有効性と安全性

この治療法はガイドラインでは、合理的治療として記載されているが・・・。

Stent Placement in Patients With Atherosclerotic Renal Artery Stenosis and Impaired Renal Function
A Randomized Trial
Ann Int Med. 16 Jun. 2009 Vol. 150 (12) p. 840-848
プライマリエンドポイント到達(クレアチニンクリアランス 20%以上の減少)は、ステント留置群:46/64、薬物治療群 10/16 (ハザード比, 0.73 [95% CI, 0.33 ~ 1.61])



重度合併症がステント治療群で生じ、2例は施行関連死亡(3%)、1例は感染性血腫で死亡、1例はコレステロール塞栓による腎透析必要までなった。
セカンダリエンドぽんとに差はない。

by internalmedicine | 2009-06-17 15:26 | 動脈硬化/循環器  

FDA警告文:亜鉛含有鼻腔内風邪薬による嗅覚消失

亜鉛含量Zicam鼻腔内風邪薬が嗅覚脱失を生じる可能性有り、当局は薬剤メーカーにこの商品のマーケット影響を中止するようwarning letterを、会社に出している。会社側はマーケットの維持のためのFDA承認を模索する事態となっている。

Warnings on Three Zicam Intranasal Zinc Products

• Zicam Cold Remedy Nasal Gel (15mL, NDC 62750-003-10)
• Zicam Cold Remedy Swabs (20 swabs, NDC 67250-003-20)
• Zicam Cold Remedy Swabs, Kids Size (20 swabs, NDC 67250-003-21)


メカニズムとしては、2価亜鉛の嗅覚細胞への直接作用と考えられるらしい。48時間以内に自覚。
Intranasal zinc and anosmia: the zinc-induced anosmia syndrome.
Laryngoscope. 2006 Feb;116(2):217-20.



味覚異常に対して亜鉛含有薬剤の利用がされている場合があるという・・・“塩化亜鉛を咽頭部に塗布する治療”など・・・安全性はいかがなのだろう?

by internalmedicine | 2009-06-17 14:48 | 呼吸器系  

第Xa因子阻害剤 rivaroxaban 治験: ATLAS ACS-TIMI 46 Trial

Rivaroxabanは経口の直接の factor Xa inhibitor で、これが整形外科術後の静脈性血栓塞栓の予防に効果がある。しかし、急性冠症候群での使用に関して検討がされてなかった。

この状況下での安全性と有効性についての検討
Rivaroxaban versus placebo in patients with acute coronary syndromes (ATLAS ACS-TIMI 46): a randomised, double-blind, phase II trial
The Lancet, Early Online Publication, 17 June 2009


Rivaroxabanは急性冠症候群後の安定した患者で、用量依存的に出血をふやすが、重大虚血アウトカムは減少させるかもしれない。観察結果からlow-doseのrivaroxabanのphase III研究がなされる。

by internalmedicine | 2009-06-17 11:38 | 動脈硬化/循環器  

セロトニン担体蛋白遺伝子とストレスイベント、うつリスク

セロトニントランスポーター蛋白のゲノタイプとうつリスク相関せず

Interaction Between the Serotonin Transporter Gene (5-HTTLPR), Stressful Life Events, and Risk of Depression
A Meta-analysis
JAMA. 2009;301(23):2462-2471.
serotonin transporter gene (5-HTTLPR) とストレスフルな人生のイベントとの関連が、major depressionのリスクを増加させるということが示唆されている。Rischらはメタアナリシスを行い、5-HTTLPR genotype、ストレスフル・イベント、うつリスクについて検討.ストレスフルイベント数が、うつリスクと関連していることが判明( (OR, 1.41; 95% CI,1.25-1.57)

serotonin transporter genotypeのみ、あるいは、ストレスフルイベントとの関わり合いが、うつリスク増加と相関しているというエビデンスは見いだせなかった。





これだけみれば、外的影響が大ということになるが、他の遺伝的あるいは遺伝子に関しては検討されてないわけだから、多要素に関しては何も言えない・・・molecular neurobiologyの世界(Nature 455, 894-902 (16 October 2008))からみればとてもtinyな研究かも?

Nature 455, 894-902(16 October 2008)によれば、慢性ストレス後の脳の領域のneuroplastic changeについて語られることが多く、構造的、transcriptionalなepigenetic的変化がいくつかの脳の領域でみつかり、これらのモデルが領域特異的遺伝的manipulationの行動学的変化を可能とし、その結果マウスやウィルスを介した遺伝子transferによりターゲット化した遺伝子変異で検討されている。
非近交系齧歯類ないの極端なpopulationでの選択的繁殖もストレス感受性、抵抗性種の確立に用いられる。 quantitative trait locus (QTL) 解析として特に有用。この運動分析法は生物学的メカニズム、ストレス反応の発現の多様性に関するメカニズムの研究に役立つ。たとえば社会的攻撃による感受性が、VTA(腹側被蓋領域 )ドパミン産生ニューロンの電気的活動性亢進により影響を受け、periaqueductal grey (PAG) areaの transcription factor DeltaFOSBをエンコードする遺伝子誘導により無力感を獲得するのに対して抵抗性に働くなど・・・

(Nature 455, 894-902(16 October 2008))

うつは病因論的に生物学的パターンの組み合わせから生じるだろう。外的stressorがうつ発症と関連するだろう。いくつかの考えられるメカニズム、たとえば、HPA axisは生物学的なストレス反応メカニズムに大きっかんけいしストレス反応性の高まりと関連する。このシステムは、PKAやPKCなどを含むsignal transduction pathwayなどがGR、 BDNF、 trkbを含むこの系のキー遺伝子の調整に重大な役割を果たす。ROSや、サイトカインなどに直接関与し、DNAの化学的修飾、とくに遺伝子領域やプロモーターのメチル化などにより影響を受ける

(Psychiatr Clin North Am. 2007 March; 30(1): 1–11. )

by internalmedicine | 2009-06-17 10:30 | 精神・認知  

バーチャル内視鏡の診断正確性

CT colonography−CTを用いた大腸検査の正確性を検討した多施設研究

いわゆる "virtual colonoscopy" ・・・トロント・イタリアなどの多施設

病歴・家族歴ベースで同日直腸結腸ガン検診目的でCT colonographyと内視鏡(colonoscopy)を施行した物で、CT colonographyは包括的なNPV 96.3%であった。

便潜血陽性者に限定した解析では、NPV84.9%


筆者らはその結果を冷静に記載している。日本のマスコミや一部医師たちが、”夢の検査”などとさわがないことを願う

Diagnostic Accuracy of Computed Tomographic Colonography for the Detection of Advanced Neoplasia in Individuals at Increased Risk of Colorectal Cancer
JAMA. 2009;301(23):2453-2461.
包括的にみれば、CT colonographyは6mm以上のadvanced neoplasiaに関して151/177(感度85.3%、95%信頼区間[CI], 79.0%-90.0%)
病変無しは667/760(特異度, 87.8%; 95% CI, 85.2%-90.0%)
陽性、陰性的中率はそれぞれ61.9% (95% CI, 55.4%-68.0%) と96.3% (95% CI, 94.6%-97.5%)
群層別化後、有意な陰性適中率の低下がFOBT陽性群で見られる(84.9%; 95% CI, 76.2%-91.3%; P < .001)



CT colonographyはサイズのみでしか分類できないという限界のため、大きな過形成ポリープや希な低リスク腺腫などが偽陽性を生み出す。この研究では、陰性的中率、便潜血陽性群 84.9% (95% CI 76.2% ~ 91.3%, P<0.001)に低下した。この研究対照群ではadvanced neoplasiaの頻度が高かったこともあるが、もしCT colonographyを、第一段階の検診手段として使うなら、コスト効果としては適してない。

研究者たちは研究施設でのプロトコールや放射線医師の経験のばらつきによるこの研究の限界に言及され、もしこの方法が標準的reference standardとして用いられるとするなら、結果見逃しが存在する。臨床的意義ある病変の検討については長期フォローアップが必要


この論文
 ↓
Warren JL, et al "Adverse events after outpatient colonoscopy in the Medicare population" Ann Intern Med 2009; 150: 849-57.


をみれば、その高齢者にどうかという考えも浮かぶ!

by internalmedicine | 2009-06-17 09:07 | 消化器  

腹部敗血症へのエンドトキシン吸着(PMX-DHP)の効果

腹部敗血症(abdominal sepsis)へのエンドトキシン吸着(PMX-DHP:polymyxin-B immobilized colum direct hemoperfusion)の効果

本邦報告の記載に準じてあえて吸着法と訳します・・・

腹部敗血症は循環中エンドトキシン:グラム陰性菌の外膜の成分と関連し、Polymixin Bはエンドトキシンと高親和性を持つ故に、吸着方法に用いられる。

予備研究として、腹腔内感染による重症敗血症や敗血症性ショック64例へのランダム化トライアル( (Early Use of Polymyxin B Hemoperfusion in Abdominal Sepsis [EUPHAS]) )


Cruzらはpolymyxin B吸着法を通常医療に加え医学的アウトカム改善や死亡率低下と関連するかどうか検討し、結構動態の改善、臓器機能障害、28日死亡率低下に関連することを示した。



Early Use of Polymyxin B Hemoperfusion in Abdominal Septic Shock
The EUPHAS Randomized Controlled Trial
JAMA. 2009;301(23):2445-2452.
一回目の治療は、24時間以内が理想だが、48時間未満とし、2時間施行
2回目の治療は初回治療24-48時間後に行う

プライマリアウトカムはMAPと昇圧剤の必要性で、セカンダリアウトカムはPaO2/FIO2比、臓器障害(SOFAスコア)と28日死亡率

MAPは、72時間後比較で、Polymixin B群で増加(76 → 84 mm Hg; P = .001)で昇圧剤必要性減少 (inotropic score, 29.9 → 6.8; P < .001) したが、通常群ではMAP( 74 → 77 mm Hg; P = .37)、昇圧剤必要性(28.6 → 22.4; P = .14)
Polymixin B群で、PaO2/FIO2比は軽度増加したが、通常群では変化無し(217 → 228; P = .79)

SOFAスコアはPolymixin B群で改善したが、通常群では改善せず(change in SOFA, –3.4 vs –0.1; P < .001)
28日間死亡率はPolymixin B群で32% (11/34) vs 通常治療群で 53%(16/30)p (非補正ハザード比[HR], 0.43; 95% 信頼区間 [CI], 0.20-0.94; adjusted HR, 0.36; 95% CI, 0.16-0.80)

by internalmedicine | 2009-06-17 08:23 | 呼吸器系