2009年 06月 18日 ( 2 )

 

出産: 侵襲性A群β溶血性連鎖球菌感染症のユニバーサルスクリーニングの効果

1970年代、新生児第1週の疾患・死因トップはInvasive group B streptococcal disease(侵襲性B群溶連菌)で、1980年代の臨床トライアルで保菌母体での出生時抗生剤予防投薬で予防しうることが示された。1990年代、分娩 chemoprophylaxisの候補者としてスクリーニングベースあるいは、リスクベースの戦略が草起された。発症頻度を65%頻度減少させ、1993年1000生存誕生のうち1.7例→0.6例へ減少させ、2002年ガイドラインがアップデートされ、alternative staragegy推奨から、妊娠女性のuniversal culture-based screeningへ変更となっている。

universal screeningにて、activeなpopulation-baseなサーベイランスの結果、27%頻度減少、1999-2001年の1000生誕 0.47から1000生誕0.34へ減少。

universal screening推奨が急激に採用されて普及している。出産前マネージメントの改善、培養の収集・プロセス化・報告などの改善によりβ溶連菌感染症の新たな発症予防に役立つだろう・・・と、著者

Evaluation of Universal Antenatal Screening for Group B Streptococcus
N Engl. J Med. Vol. 360:(25) 2626-2636 Jun. 18, 2009
性B群溶連菌感染症のスクリーニング頻度は1998-1999年48.1%から2003-2004年85.0%と増加
分娩時抗生剤投与比率は26.8%→31.7%へ増加
ChemoprophylaxisはB群溶連菌陽性事例の87.0%投与されたが、コロナイズ状態不明女性では3.4%のみ

早期発症B群溶連菌感染症発生包括的頻度は1000生誕に対して0.32
早期出産新生児はB群溶連菌感染症頻度が高い (1000生誕に対し0.73 vs. 0.26 例)
しかし、B群溶連菌の74.4%(189/254)は満期出産新生児で生じていた。

スクリーニング行わなかった場合B群溶連菌は13.4%(34/254)

B群溶連菌感染症新生児の61.4%は出産前B群溶連菌の陰性であった。



Prevention of Perinatal Group B Streptococcal Disease
Revised Guidelines from CDC
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/rr5111a1.htm


助産師単独介助出産の場合、検査・点滴などの医療行為を含むため、ユニバーサルスクリーニングの阻害にならないのだろうか?・・・門外漢ながら・・・ちょっと心配になった。

by internalmedicine | 2009-06-18 10:32 | 感染症  

新型インフルエンザは実際はもっと流行している・・・

新型ブタ由来インフルエンザAは有熱性の気道感染症で、self-limitedなケースから重症例まで存在する。そして、“It is likely that the number of confirmed cases underestimates the number of cases that have occurred.”(確診例数は実際に生じていた症例数を過小評価している可能性がある)という結論が書かれているNEJMの論文

”potential case-ascertainment bias”

若年者は、学校でのS-OIV流行のため多くの人が検査を受けているが、年齢が高くなると、受けていない事例が多かった。しかし、次第に発症数が多くなるとこれが過小評価であることが判明

Emergence of a Novel Swine-Origin Influenza A (H1N1) Virus in Humans
This report describes all confirmed cases of the novel swine-origin influenza A (H1N1) virus in the United States through May 5 and delineates the associated clinical syndrome and key virology.
N Engl. J Med. Vol. 360:(25) 2605-2615Jun. 18, 2009(free)
2009年4月15日、4月17日新型インフルエンザ A(H1N1)ウィルス(S-OIV)が二つの疫学的につながらない患者2名からUS内で同定され、同種のウィルスがメキシコ、カナダ、他地域から見いだされた。642名のヒトS-OIV感染が急激なUS内流行から見いだされた。
サブタイプ分けされてないインフルエンザAヒト感染の強化サーベイランスがなされ、CDCへ試料が送られ、S-OIVの real-time reverse-transcriptase–polymerase-chain-reactionで確認された。
4月15日から5月5日、642名のS-OIV感染確定が41州におよび、年齢は3ヶ月齢から81歳、60%は18歳以下、データからは、18%が最近のメキシコ渡航歴、16%はS-OIV感染学校での流行から発見。
最頻度の症状は発熱94%、咳嗽92%、咽頭痛66%、下痢25%、嘔吐25%
情報入手可能な例の内、399名の患者中36(9%)が入院が必要
12零は重症季節型インフルエンザリスク増加特性を有し、11名は肺炎、8名はICU、4名は呼吸不全、2名は死亡



S-OIVは以前は見いだされてなかった新しいゲノム構成となっている。



2005年12月からの現在の新型インフルエンザ流行以前の triple-reassortant swine influenza A (H1) ウィルス感染について、全ての患者は改善したが、健康なヒトを含め、下気道感染の重篤症状があり、下痢などの通常外の症状がある場合があった。
Triple-Reassortant Swine Influenza A (H1) in Humans in the United States, 2005–2009
In this report, 11 sporadic episodes of human infection from novel swine-associated influenza viruses are documented and the associated clinical illness and virologic characteristics are described.
N Engl. J Med. Vol. 360:(2) 2616-2625 Jun. 18, 2009(free)
ブタ由来インフルエンザAが現在の流行状況となる以前の、CDCに報告のあった、二〇〇五年12月から二〇〇九年二月までのtripple-reassorant swine influenza A(H1)ウィルスの報告データ

11名の患者の年齢中央値は10歳(range, 16ヶ月~48歳)、4名は”underlying health conditions”。9名はブタに直接暴露、4名はブタがいるが接触のない地域の訪問した。他の患者ではヒト-ヒト感染が疑われた。
発症までの潜伏期間rangeは3-9日間
既知の臨床的症状を有する10名の患者のうち、発熱 90%、咳 100%、頭痛 60%、下痢 30%
血液測定完遂は4名で、2名で白血球減少、1名でリンパ球減少、血小板減少も
4名は入院し、2名は非侵襲的換気のみ、4名はoseltamivirで11名は全員症状改善


 ↑
11例のsporadic caseについて臨床的特性、ウィルス特性について書かれている文献であった。


原則通常の医療機関で受け入れるのは結構だが・・・現場を知らない拙速厚労省官僚やお偉いさんたちが作り上げた指針でまた通常の診療に悪影響を与え・・・現場混乱しそう・・・今回の騒ぎで感じたこと・・・こいつらはホントはバカなのでは?
”発熱外来にこだわらず、原則的に広くすべての医療機関で患者が診察を受けられるようにしている。 ”
発熱外来の原則廃止を検討、検疫態勢縮小へ 厚労省
http://www.asahi.com/national/update/0618/TKY200906170346.html



perspective(The Signature Features of Influenza Pandemics - Implications for Policy)N Engl. J Med. Vol. 360:(25) 2595-2598)には、shiftの特徴としての若年死亡者が季節性とことなり多いことと、”a pattern of multiple waves”が強調されている。

新型インフルエンザは実際はもっと流行している・・・_a0007242_10532743.jpg


今冬だけじゃなく、今後2-3年警戒が必要だろう・・・当時とは交通事情は違うが・・・

by internalmedicine | 2009-06-18 09:06 | 呼吸器系