2009年 06月 23日 ( 4 )

 

虫垂炎診断は尿バイオマーカーで可能となるか?

確認が取れず
 ↓
Annals of Emergency Medicine 6月23日に報告
(情報ソース:http://www.eurekalert.org/pub_releases/2009-06/chb-aut061709.php)


虫垂炎の診断のバイオマーカー?
画像診断発展にかかわらず、3-30%の不必要な手術がなされているという報告もあり、方や30-45%は診断時すでに虫垂破裂という報告もある。
虫垂炎診断バイオマーカーは今のところ無かったのだが、 mass spectrometryを用い、検討。
虫垂炎患者の6名から12の尿検体を用い、32のバイオマーカー候補検討し、さらに他の遺伝子発現研究からの候補もいれ57で合計検討。
18ヶ月間虫垂炎疑い67名の子供で、25名が最終的に虫垂炎と判明
7つの候補尿中バイオマーカーを同定し、もっとも優秀なのが、leucine-rich alpha-2-glycoprotein (LRG)で、AUC値0.97で、ほぼパーフェクト偽陽性無し・偽陰性無し

LRGは、画像上正常でも虫垂炎で増加し、LRGの量は組織学的判断の重症度と相関

immunoblottingによる尿LRG増加同定にて、urine dipstickのようなものが検討されても良いかも?

by internalmedicine | 2009-06-23 16:55 | 消化器  

VYMET研究:スタチン+ゼチーアの効果

ezetimibe+スタチン治療はもう少し評価されても良いのかもしれない。・・・だが、なにせ、薬価が未だ高すぎる

Lipid–altering efficacy and safety of ezetimibe/simvastatin versus atorvastatin in patients with hypercholesterolemia and the metabolic syndrome (from the VYMET study)
The American Journal of Cardiology
Volume 103, Issue 12, Pages 1694-1702 (15 June 2009)
メタボリックシンドローム患者は、心血管リスクが高く、強化脂質治療が必要とされる。多くの患者は脂質治療は開始量のままで、高用量に補正されていないことが多い。
高コレステロール血症+メタボリックシンドロームを有する1128名の二重盲検ランダム化、6週間研究、ezetimibe/simvastatin 10/20 mg versus atorvastatin 10 or 20 mgの脂質低下有効性評価トライアル
プライマリエンドポイントはベースラインからのLDL低下比率
追加エンドポイントは、他の脂質、リポたんぱく比、HDL、CRP、事前脂質特性の達成度
atorvastatin群に比較して、ezetimibe/simvastatinで、LDLコレステロール、非HDL、アポリポ蛋白B、lipid/lipoprotein比は有意に改善(p <0.001)
事前特異化LDL、非HDLリポたんぱくコレステロールは有意にezetimibe/simvastatin群でatorvastatinより全ての投与量比較で減少(p <0.05)
HDLはtorvastatin 10 mgよりezetimibe/simvastatin 10/20 mgで有意に低下 (p <0.05)し、atorvastatin 40 mg よりezetimibe/simvastatin 10/40 mg出て以下 (p <0.01)。
中性脂肪、VLDL、hr CRPは両治療群同様
肝臓、筋肉、消化管、肝炎、アレルギー反応・皮疹関連副事象は同様で少ない。

by internalmedicine | 2009-06-23 15:06 | 動脈硬化/循環器  

音楽は心理学的影響を凌駕する生理学的変化をもたらす:様々な疾患への治療応用可!

”音楽療法”ってのが、以前から、卒中リハビリテーションなどで応用されている。様々なリハビリテーションに応用可能なはず・・・と思う人も多かっただろう。

Dynamic Interactions Between Musical, Cardiovascular, and Cerebral Rhythms in Humans
Bernardi et al. Circulation.2009; 0: CIRCULATIONAHA.108.806174


イタリアの研究者たちは、血流・呼吸数が音楽と同期し、音楽が一日で血圧コントロール、リハビリテーションへの治療ツールとなり得ることを”Circulation"という雑誌で示した。

以前の報告(Heart. 2006 Apr;92(4):445-52)で、速いテンポの音楽の結果呼吸数、心拍、血圧の増加が見られ、音楽が止まると、呼吸数、心拍数、血圧は下がり、時に最初より低下する。よりゆったりした音楽は心拍減少をもたらすということを見いだした。

この発見を発展させて、研究者たちは、crescendoに盛り上げると、やや感情的な高ぶりを示し、decrescendoにいたるとrelaxationを示す。
音楽のcrescendoは次第にボリュームを上げて、decrescendはボリュームを下げるという介入をした。音楽により持続的、ダイナミックに、時により広がりを見せて、心血管系への変化をもたらす。情緒により心血管系に変化をもたらすばかりでなく、反対に、心血管系の変化が情緒に影響をあたえる、2方向性の可能性があると著者ら。

被験者は、年齢・性別をマッチさせた24名の健康白人で、12名は実績あるシンガー(9名女性)で、12名は音楽トレーニング未経験の被験者(7名女性)で24-26歳女性。

ヘッドフォーンをフィットさせ、心電図(ECG)、血圧、脳動脈血流、呼吸、皮下血管の縮まりのモニターを行った。

クラシックミュージックの5つのランダムトラック(Beethoven’s Ninth Symphony; an aria from Puccini’s Turandot; a Bach cantata (BMW 169); Va Pensiero from Nabucco; Libiam Nei Lieti Calici from La Traviata)を二分の無音時間をたもち演奏


所見としては・・・
・どのcrescendoも、皮下血管の縮まりをもたらし、血圧・心拍・呼吸振幅を増加させる。
どの音楽トラックも影響の程度は音楽の特性の変化に比例する
・無音時間において、変化は減少し、皮下血管拡張、心拍、血圧の減少顕著、音楽とちがい、無音は心拍、他の因子を減少させ、リラクセーションを意味する。
・10秒程度の音楽フレーズ、たとえば、“Va Pensiero” や “Libiam Nei Lieti Calici"で使われるような、芯パックリズムと同期するリズムで心血管コントロールに影響を与える。
・音楽特性(crescendoかdecrescendoか)は心血管系、呼吸系システムにより継続的な影響があり、音楽がオペラのような、強調だらけのとき顕著となる。


音楽をリハビリテーション医学でどのように用いることができるかを理解するための知見が増えてきた。

以前の研究からも、音楽がストレス軽減し、運動パフォーマンスを促進し、神経学的障害を有する場合にその運動スキル改善促進するという報告があり、Bernardiは音楽が様々な疾患の治療に用いられるかもしれないとし、疼痛・負荷的呼吸の閾値増加にyり運動継続を助ける効果も示している。

早いテンポ、遅いテンポの音楽(同じ曲内でもcrescendoやdecrescendoのある場合)はより効果的になる可能性がある。音楽は生理学的変化をもたらしその影響は心理的影響をも凌駕する可能性がある。自律神経機能のmodulationは身体のsensationに、意識レベルに到達するまで影響をもたらす。少なくとも上位脳機能への持続的刺激をもたらし、音楽による身体生理学的個体内同期化は"sense of sharing”を強化するのに役立つ。

これら全ては、音楽療法の有効性が卒中のような病態の治療にとどまらずリハビリテーション医学全般に広がることを意味するだろう。

この研究の限界としては、24名という被験者の少なさ、と、年齢、教育、民族性が同一であったことであり、高齢者では反応が違うだろうと思われ、音楽への態度の違いで反応が異なる可能性がある。


脳血流にも影響を与え、脳のリハビリテーションに有効かも
Dynamic Interactions Between Musical, Cardiovascular, and Cerebral Rhythms in Humans
Bernardi et al. Circulation.2009; 0: CIRCULATIONAHA.108.806174



Youtube:
Beethoven Symphony No.9 - Bernstein 1989 (part 1)
Pavarotti - Nessun Dorma - Turandot, Puccini
Bach - Organ Sinfonia from Cantata No. 169
Va Pensiero dal Nabucco di G.Verdi - Coro Città di Riccione
Verdi La Traviata Brindisi Libiam ne' lieti calici



一般の老人たちになじみのある演歌や軍歌、童謡などに、適した音楽があるだろうか?・・・あるいはなじみのない上記音楽でも同様の効果があるのだろうか?

by internalmedicine | 2009-06-23 10:04 | 運動系  

厚労省も注意喚起:亜鉛含有鼻腔内投与風邪薬

FDA警告文:亜鉛含有鼻腔内風邪薬による嗅覚消失 2009-06-17 14:48 で触れた分だが、厚労省ウェブで改めて注意が促されている

個人輸入において注意すべき医薬品等について
・Zicam Cold Remedy Nasal Gel
・Zicam Cold Remedy Nasal Swabs
・Zicam Cold Remedy Nasal Swabs,Kids Size

出典:http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/PublicHealthAdvisories/ucm166059.htm

米国FDA  一般向け注意喚起情報
○ アキュテイン(ACCUTANE)(わが国で未承認の難治性ニキビ治療薬)  一般名:イソトレチノイン
○ミフェプレックス(MIFEPFEX)(わが国で未承認の経口妊娠中絶薬) 一般名:ミフェプリストン
○プロペシア(PROPECIA)(男性型脱毛症用薬)  一般名:フィナステリド(プロペシアの使用は男性限定です)

by internalmedicine | 2009-06-23 08:55 | 呼吸器系