2009年 06月 30日 ( 4 )

 

ランタスの発がんリスク?

一番目の論文は、glargine治療群で癌リスクが優に増加したが、インスリン投与量補正後はみられず、割り付けバイアス(allocation bias)ではないかというのが、一般的な見方のようである。
二番目は、glargine使用の乳がんリスク増加したが他のタイプではなかった。
三番目は、癌リスクの包括的な増加は認められなかったが、サブグループ解析では、glargineのみが全てのがん、乳がんでのリスク増加が示された。


年齢補正後、適切なら、性別、glargine単剤とそれ以外のインスリン使用者と比較し、乳がん相対リスク 1.99(95%CI 1.31-3.03)、消化管癌 0.93(95%CI 0.61-1.40)、前立腺癌 1.27(95% CI 0.89-1.82)、多剤悪性疾患 1.07(95% CI 0.91-1.27)
年齢、喫煙、BMI、糖尿病発症年齢、第1子誕生年齢、心血管・エストロゲン使用補正後乳がんは1.97(95%CI 1.29-3.00)
相対リスクの95%信頼区間は他のインスリン併用解析でも横断的傾向であった。


スウェーデンにおいて、2006-2007年、インスリン glargine使用女性は、他のタイプのインスリンより乳がんリスク増加する。
これはrandam fluctuationによる可能性がある。
possibilities for examining validityに限界があり、他の部位の癌や全悪性疾患アウトカムでは統計的に有意な結果ではなかった。はっきりしたcausal relationshipの可能性についての結論は引き出せない



Hemkens LG, et al "Risk of malignancies in patients with diabetes treated with human insulin or insulin analogs: a cohort study" Diabetologia 2009; DOI:10.1007/s00125-009-1418-4.  <pdf>


Jonasson JM, et al "Insulin glargine use and short-term incidence of malignancies -- a population-based follow-up study in Sweden" Diabetologia 2009(pdf


Currie CJ, et al "The influence of glucose-lowering therapies on cancer risk in type 2 diabetes" Diabetologia 2009; DOI:10.1007/s00125-009-1440-6. (pdf)

by internalmedicine | 2009-06-30 16:46 | 動脈硬化/循環器  

結核菌北京遺伝子型の再発リスク


アジア太平洋諸国の結核北京種再発リスク
Relapse Associated with Active Disease Caused by Beijing Strain of Mycobacterium tuberculosis
EID Journal Home > Volume 15, Number 7–July 2009
Volume 15, Number 7–July 2009

結核治療アウトカムの細菌要素は研究が十分とは言えない。症例対照研究にて、北京種と結核治療アウトカムに関して評価。
培養陽性治療不全 (n = 8)と再発 (n = 54)の患者をランダム選択対象からの対照 (n = 296)分離菌と比較
北京種患者はリラぷすりすくが高い (odds ratio [OR] 2.0, 95% confidence interval [CI] 1.0–4.0, p = 0.04)が、治療不全例が多いとは言えない。

再発関連要素補正後、北京種と再発に軽度影響のこる
北京種は、Asian–Pacific Islandersの再発と強く関連し (OR 11, 95% CI 1.1–108, p = 0.04)、 (OR 11, 95% CI 1.1–108, p = 0.04)の再発リスクと特に関連する




薬剤耐性獲得や一部の酵素の活性による点突然変異を除き、遺伝子型が同一で有れば表現系も類似すると考えられています。地域の有力株としてEndemicな結核菌株の遺伝子型も流行を維持するリスク因子の一つとして興味が持たれています。その一つが北京遺伝子型で、感染伝播が強く、結核病態も重症であることが判ってきています。また、他の遺伝子型を解析する方法としてIS6110 ,dnaA-dnaN部位のIS6110挿入の有無、あるいはSpoligotypingがあります。種々遺伝子型は世界的な結核菌株の遺伝子型の比較研究プロジェクトであるGlobal characterization)の中で注目されています。その内の遺伝子型のひとつが北京ファミリー(北京遺伝子型)と呼ばれるものである。北京遺伝子型の結核菌は抗結核薬の静菌作用に対して有意な高頻度の抵抗性であることが示されている。この遺伝子型は1990年代初頭の北アメリカにおけるおおくの多剤耐性結核の院内・施設内感染を引き起こしたW株とよく一致しています。このW株は 北京ファミリーの進化的な分枝といえるものであり、北京遺伝子型と比較するとIS6110のパターンは類似点を持ちIS6110をA1(3.36Kbp)とB2(1.14Kbp)領域内に保有しています。さらに、Spoligotypingパターンは特徴のあるスペーサー配列35-43のみを保有するパターンを示すことが知られています。
http://www.jata.or.jp/rit/rj/kenkyu%20lower.htm

by internalmedicine | 2009-06-30 14:55 | 感染症  

糖尿病網膜症における、(Pro)renin受容体シグナルの重要性

糖尿病網膜症における、(Pro)renin受容体シグナルの重要性・・・たんなるACE阻害+ARB以上の効果があるという話

AT1-R(angiotensin II type 1 receptor )欠損マウスでストレプトゾトシン誘発糖尿病に(pro)renin receptor blocker (PRRB)治療の結果、糖尿病誘発性のVEGF、ICAM-1網膜発現を減少させた。
糖尿病網膜の(pro)renin受容体誘導の役割を明らかにするため、AT1-R欠損マウスでRASを非活動化させたマウスを用いた。AT-1R欠損乏尿病マウスでの網膜接着白血球は有意にPRRBで抑制された。PRRBはEPK活動化を抑制し、VEGF産生を抑制するが、ICAM-1を抑制せず。

(Pro)renin Receptor–Mediated Signal Transduction and Tissue Renin-Angiotensin System Contribute to Diabetes-Induced Retinal Inflammation
Diabetes July 2009, 58 (7)



腎に関しては・・・もっと前から・・・

Activated prorenin as a therapeutic target for diabetic nephropathy.
Diabetes Res Clin Pract. 2008 Nov 13;82 Suppl 1:S63-6. Epub 2008 Oct 14.


Regression of nephropathy developed in diabetes by (Pro)renin receptor blockade.
J Am Soc Nephrol. 2007 Jul;18(7):2054-61. Epub 2007 May 30.


"アリスキレン"発売が近い・・・そのうち、いくらでも宣伝が・・・・


http://www.medscape.com/viewarticle/569336_2

by internalmedicine | 2009-06-30 11:33 | 動脈硬化/循環器  

NEJM新型インフルエンザAサイト情報

新型インフルエンザA(豚由来)のタミフル耐性のマスコミ報道
・Roche Holding AGが確認
・低用量のため耐性ができた?
・リレンザは有効だった?
Swine flu 'shows drug resistance'
Experts have reported the first case of swine flu that is resistant to tamiflu - the main drug being used to fight the pandemic.
Page last updated at 16:15 GMT, Monday, 29 June 2009 17:15 UK

Roche Holding AG confirmed a patient with H1N1 influenza in Denmark showed resistance to the antiviral drug.



Drug-Resistant Flu Strain Turns Up in Denmark but Doesn’t Last Long

http://www.nytimes.com/2009/06/30/health/30glob.html?hpw
An executive of Roche, the Swiss maker of Tamiflu, held a telephone news conference to describe the progress of the Danish patient, who apparently developed the resistant strain while being protectively treated with a low Tamiflu dose because a close contact had the swine flu. Doctors switched treatment to a different but related drug, Relenza, and the patient recovered.



以下の新しい研究報告とコメンタリーがH1N1インフルエンザセンター(http://h1n1.nejm.org/)にポストされ、ニュースアップデート、ポリシー情報、過去のインフルエンザ流行の文献、H1N1インフルエンザケースの世界インタラクティブ・マップなどが掲載されている。
Severe Respiratory Disease Concurrent with the Circulation of H1N1 Influenza
June 29, 2009 (10.1056/NEJMoa0904023)
インフルエンザ・パンデミックの初期、重症肺炎立の急激な増加があり、重症疾患の年齢分布の偏りがあり、1957年パンデミック以前子供であった時代のH1N1種暴露世代の相対的防御的影響を示唆する。
これらの結果から、ワクチン資源・配布が制限されたら、若年世代の予防効果に対して集中的予防のrationaleがあることが示唆される。



Pneumonia and Respiratory Failure from Swine-Origin Influenza A (H1N1) in Mexico
June 29, 2009 (10.1056/NEJMoa0904252)

臨床経過




死亡事例:レントゲン写真では、両側肺胞性陰影が両肺のベースに広がり、進行し融合的となっている。組織では、細気管支壁の壊死(上矢印)、好中球浸潤(真ん中矢印)、著明な硝子膜を伴うdiffuse alveolar damage(下矢印).


Historical Perspective — Emergence of Influenza A (H1N1) Viruses
June 29, 2009 (10.1056/NEJMra0904322)

The Persistent Legacy of the 1918 Influenza Virus
www.nejm.org June 29, 2009 (10.1056/NEJMp0904819)

Spread of a Novel Influenza A (H1N1) Virus via Global Airline Transportation
www.nejm.org June 29, 2009 (10.1056/NEJMc0904559)
International Air Transport Association (IATA)のデータを用いた分析で、5月29日までのデータ



Rapid-Test Sensitivity for Novel Swine-Origin Influenza A (H1N1) Virus in Humans
June 29, 2009 (10.1056/NEJMc0904264
767名のインフルエンザシーズンで、迅速検査(QuickVue Influenza A+B (Quidel))は、RT-PCR分析のS-OIVの陽性例に対して20/39(感度51%、95%CI 35-67%)、RT-PCRのH1N1季節型インフルエンザ陽性に対して12/19(感度 63%、95%CI 39-81%)。RT-PCRのH3N2インフルエンザ陽性へは6/19(感度 31%;95% CI、14-57%)。RT-PCRに対する特異性は99%


こんな感度の悪いものを検疫でつかってたとは?・・・今更ながら、厚労省のバカぶりに・・・

Results of RT-PCR Analyses of 3066 Specimens, According to Influenza A Subtype.

by internalmedicine | 2009-06-30 09:50 | インフルエンザ