2009年 07月 02日 ( 4 )

 

M型PLA2Rは自己免疫疾患・特発性膜性腎症の主要標的抗原

謎は解けた?・・・というサブテーマ

Human Idiopathic Membranous Nephropathy — A Mystery Solved?
Richard J. Glassock, M.D.
N Engl J med. Vol 361: (1) 81-83 Jul. 2, 2009
50年以上まえに、David JonesがPAS・メテナミン銀染色で、膜性腎症のユニークな糸球体病態組織の特徴を見いだされ、”ネフローゼ性糸球体腎炎”の他の原因から独立して概念化された。
免疫蛍光・電顕研究にて、IgGの衝撃的顆粒状集積とelectron-dense depositが糸球体基底膜の外部(上皮下)側に沈着していることが判明し。この顆粒状のIgG集積はまず、循環血中の免疫複合体から野茂のであり、うさぎモデルでの糸球体腎炎(chronic serum sickness)にも認められた。

1959年、Heymannらは膜性腎症のラットモデルで、人の疾患に類似し、complete Freund's adjuvantの粗な仁抽出物で能動免疫化したものである。このもでるは、循環血中の免疫複合体沈着由来と考えられてきたが、Van DmmeらとCouserらはpodocyte(糸球体の臓側上皮細胞)に存在するprimary antigenic targetに反応し結合する循環血中抗体を発見した。これは、免疫複合体のin situ合成が起因することを示唆した。他にも、追加抗原、腎外性に正常に存在するもので、biophysicalな毛細血管壁を通して糸球体(糸球体基底膜やpodocyte)に人工的に植え込むことでもこの独特の病変ができることが示された。

しかし、ラット膜性腎症モデルHeymann腎炎のターゲットの抗原と自己抗体のoperativeは病原的自己抗体・病原的T細胞のtransferからのエビデンス、実験動物の自己免疫疾患の再生にも続く間接的エビデンス、臨床的な周辺的エビデンスから、実績を積み重ねていた。
だが、ラットモデルを特発性膜性腎症にそのまま当てはめることは困難で、Heymannモデルのターゲット抗原はヒト腎臓には存在しない。megalin [glycoprotein 330]と呼ばれる自己抗体は未だ報われず、ヒトの場合は未解決のままである。

Beckらがこの疑問を可決した?

抗原に対する自己抗体はヒトのpodocyte cell膜で正常では発現し、M型のphospholipase A2 receptor (PLA2R)が循環し、PLA2R上で、立体配座的なepitope(or epitopes)と結合し、膜性腎症のin situ deposite特性を生み出している・・・という発見

これらの自己抗体は、IgG4独占的でなく、広範な膜性腎症の実例でみられるものと類似している。他の腎不全疾患や膜性腎症の類型(ループス膜性腎症)はこのような自己抗体が現れない。

Beckらは、臨床的特性と循環中自己抗体の存在・抗体価との相関の検討を行った。

もし、疾患が、podocyte上のPLA2R抗原発現する非ヒト霊長類にtransferされたら、あるいは、上皮下沈着物が正常ドナーから膜性腎症レシピエントへ移植されたとき急激に改善されるなら、Witebskyの考察はヒトにおけるこの疾患で十分にあてはまることになる。くわえて、抗PLA1R自己抗体は循環vectorとして働くことも認められており、podcyte PLA2Rは膜性腎症のターゲット抗原としての判明している。

残存するミステリーは、いわゆる特発性の膜性腎症における、抗PLA2R自己抗体が原因の比率は?これらの自己抗体産生のトリガーは?自己抗体はそのように蛋白への糸球体透過性促進を生じるのか?

by internalmedicine | 2009-07-02 17:00 | 動脈硬化/循環器  

1型糖尿病でのRAS遮断:たんぱく尿減少末期腎疾患予防伝説の崩壊?

わたしも、いつのまにか、たんぱく尿を押さえられれば、糖尿病性末期腎疾患(ESRD)をおさえられると・・・すりこまれていたようだ・・・


RAS遮断薬剤を早期に投与すれば、糸球体メザンギウム分画容積増加を予防し、網膜症重症スケールの2段階以上の進展という意味での網膜症進展を予防できる?・・・この問題の結論は、RASの早期遮断は、1型糖尿病患者の腎症進展予防に寄与しない。しかし、網膜症の進行遅延化には重要ということであった。

CKDの宣伝で、ARB販促しているメーカーや御用先生方の口車に・・・いつのまにか乗せられていたのかもしれない。

Renal and Retinal Effects of Enalapril and Losartan in Type 1 Diabetes
N Engl J Med. Vol. 361:(1) 40-51 Jul. 2, 2009
糖尿病腎症は糖尿病性末期腎疾患(ESRD)の45%を超えるように米国ではなっている。これは構造的変化がアルブミン尿から進行するもので、RAS遮断が、他の降圧剤に比べ、たんぱく尿を有したり、糖尿病、GFR減少する、腎症進展予防により有効ということは判明で、遮断剤が糖尿病のたんぱく尿減少を抑制することが判明している。たんぱく尿減少はGFR減少の予防と関連すると小研究だけで報告されている。この相関はシステミックには検討されていないのである。たんぱく尿はESRDのようなハードな臨床的なエンドポイントのその候補としては一般的には認められない。2型糖尿病の強化多因子介入はたんぱく尿進展を半減させたが、GEF減少低下を止められてない。

RASS(Renin–Angiotensin System Study)にて、1型糖尿病患者のアルブミン尿症前で、RAS遮断が、糖尿病腎症の早期組織病変の進展を抑制できるかどうかの検討がなされた。RASS は、構造手液変化は腎機能障害に対応するという概念で作られ、糖尿病腎症の遅延化・予防するとされた。
DIRECT(Diabetic Retinopathy Candesartan Trials)は、アンジオテンシン受容体遮断が直接の糖尿病網膜症を有さない正常血圧下1型糖尿病・正常アルブミン尿での網膜症発症予防に有効であるが、軽症・中等症での糖尿病網膜症では有効でなかったという報告がある。
この研究では、RAS遮断の効果を正常血圧1型糖尿病・正常尾アルブミン尿症で確認



"proteinuria reduction is not a generally accepted surrogate for hard clinical end points such as end-stage renal disease"(Kidney Int Suppl 2004;92:S126-S127)

by internalmedicine | 2009-07-02 13:50 | 医療一般  

老人の院内心肺蘇生後の疫学研究:生存率増加も見られず、施設への収容を増やしている

メディケア病院の長軸研究で、1992-2005年の間にCPR後の生存の改善が見られてない。病院でのCPR施行患者の退院生存総括的比率は18.3%。CPR後の生存率は黒人は白人より低い。

最終的に何が言いたいのか分からないのだが、サマリーの結論に“ The proportion of in-hospital deaths preceded by CPR increased, whereas the proportion of survivors discharged home after undergoing CPR decreased.”とあり、老人の院内CPRは生存率もここ10数年成績もあがらず、施設への収容数を増やしているばかりだと・・・ネガティブな部分を報告しているのだろう。

Epidemiologic Study of In-Hospital Cardiopulmonary Resuscitation in the Elderly
N Engl J Med. Vol. 361: (1) 22-31 Jul. 2, 2009
433,985名の院内CPR施行された患者で、これらの患者の18.3%(95%信頼区間「CI], 18.2-18.5)が生存退院
生存率は1992から2005年で変化無し。CPRの総括頻度は1000入院で2.73。黒人、非白人で頻度が高い。死亡前入院CPR施行患者比率は時とともに増加し、非白人で比率が高い。生存率は男性患者で低く、基礎疾患が多いほど、スキルのある看護施設から転院ほど予後が悪い。
黒人患者の補正生存オッズ比は23.6%白人より低い (95% CI, 21.2 to 25.9)
人種・生存相関は、hospital effectで部分的に説明できる。黒人は心肺CPRが低い病院でCPRがなされることが多いからである。
院内CPR生存患者は、退院後、自宅への比率は、施設への転院に比べ、時と共に、減少している。



心肺蘇生(CPR)は、臨床的状況において特異的な介入から、病院内外の心停止への対応のdefaultとして広がり、劇的にCPR後の生存率が改善している。さらに、CPRの院外の急激な導入により院外でのアウトカムも改善している。しかし、CPRの発展心停止後のケアの発展が院内心肺停止後のアウトカム改善につながるか不明である。院内CPR後の他院生存率は7%→26%と改善している。
大規模研究National Registry of CardioPulmonary Resuscitation、14720のCPRイベントを含む検討では、退院生存17%と報告されている。CPR後の年齢と生存率の関係は不明のままであった。黒人も院内・院外CPRの低い生存率と相関し、除細動の遅れと関連する。

院内CPR後の患者が医療機関への転院より自宅への退院が少ないことが、入院期間減少に寄与している。

by internalmedicine | 2009-07-02 11:28 | 動脈硬化/循環器  

PET-CT肺がんステージングで無駄な胸腔鏡検査減少につながる

PET-CT肺がんステージング

PETの臨床応用として、肺非小細胞癌(NSCLC)のステージングは、その臨床応用として最初に承認されたものである。2001年以来、PET-CTは急激にstand-alone PETに置き換わり、術前ステージングとしtねお診断価値はCT単独・PET単独を上回る。アドバンテージは、T因子のより正確な腫瘍ステージの割り付けにもとづき、N因子である、リンパ節ステージづけにもとづく広がりの無さの評価によるものである。診断正確性を改善することが疾患マネージメント改善につながるか不明であったための検討

2つのランダム化トライアルの検討で、stand-alone PETの臨床的がなされて。Tinterenらによるトライアルではstand-alone PETを通常のステージングに加えることで、胸腔鏡検査数を50%減少させることが示された。べつのランダム化トライアルではPET追加で胸腔鏡検査減少を見いだせなかった。

肺がんのステージの見極めは予後推定に必須であり、不正確なステージングは治癒目的の手術後の遠隔再発につながり、良性結節の除去という無駄にもなる。

非小細胞肺癌(NSCLC)へのPET+CT併用+通常のステージングを通常のステージング単独とを前向きに比較

エンドポイントは、"futile"(無駄な)胸腔鏡で、curable NSCLCとなる可能性症例以外の無駄な検査を"futility”と表現する。NSCLCのPET-CTを用いた術前ステージングで、胸腔鏡総数と”futile”な胸腔鏡数減少に役立った

Preoperative Staging of Lung Cancer with Combined PET–CT
N Engl J Med. Vol. 361:(1) 32-39 Jul. 2,2009



結果的に”無駄な”胸腔鏡数の検討
TNM Stage IA-IIB:
PET-CT+通常: 非無駄 vs 無駄  :20(51) vs 10(48)
通常: 非無駄 vs 無駄 :13(37) vs 14(37)

TNM Stage IIIA:
PET-CT+通常: 非無駄 vs 無駄  :8(21) vs 5(34)
通常: 非無駄 vs 無駄 :11(31) vs 9(24)

TNM Stage IIIB:
PET-CT+通常: 非無駄 vs 無駄  :11(28) vs 6(29)
通常: 非無駄 vs 無駄 :11(31) vs 15(39))

総数:
PET-CT+通常: 非無駄 vs 無駄  :39(100) vs 21(100)
通常: 非無駄 vs 無駄 :35(100) vs 38(100)

by internalmedicine | 2009-07-02 10:03 | がん