2009年 07月 06日 ( 4 )

 

親の15%が幼児にサプリ 過剰摂取「有害の恐れ」 :行政・メディアの意図的?不作為

http://www.excite.co.jp/News/society/20090706/Kyodo_OT_CO2009070601000081.html
親の15%が幼児にサプリ 過剰摂取「有害の恐れ」

 幼児の保護者の15%が、ビタミンなど特定の成分を濃縮した健康食品のサプリメントを、子どもに与えていることが6日、国立健康・栄養研究所の調査で分かった。保護者の6割は「栄養補給」が利用目的と回答。食生活に何らかの改善が必要と感じて、サプリに頼る実態が浮かんだ。研究所は「身体に必要な成分でも安易に与え続けると過剰摂取につながり、幼児に有害な作用が出る恐れがある」と注意喚起している。



アメリカの報告だと、約34%(SE 1.2)がビタミン・ミネラルサプリメントを直近1ヶ月使用報告。
多くが医学的に適用外で、弊害を引き起こす可能性がある
Vitamin and mineral supplement use by children and adolescents in the 1999-2004 National Health and Nutrition Examination Survey: relationship with nutrition, food security, physical activity, and health care access.
Arch Pediatr Adolesc Med. 2009 Feb;163(2):150-7.


具体的にはビタミンD過剰摂取の問題がclose upされてきている
低血中ビタミンD値はたしかに疾患と関連するが、サプリメントが全て害がないかというと、ビタミンDが目根清く性的に働き、ビタミンD低値が実は疾患プロセスの過程で生じている可能性があり、ビタミンDサプリメント補給が直接疾患に悪影響を与える可能性がある。Vitamin D Nuclear Receptor (VDR) がinnate immunitiy(自然免疫)の肝であり、抗菌ペプチドがこれにより応答するメカニズムである。Marshallの研究にて、経口摂取ビタミンDがVDR活性を直接抑制し、”Sunshine”効果の逆で免疫を落とす可能性がある(Marshall TG. Vitamin D discovery outpaces FDA decision making. Bioessays. 2008 Jan 15;30(2):173-182 [Epub ahead of print] Online ISSN: 1521-1878 Print ISSN: 0265-9247 PMID: 18200565)(http://www.sciencedaily.com/releases/2008/01/080125223302.htm)


健康に良いと、ビタミンDサプリメントを子供に与え、感染症に弱い子、そして、ビタミンD作用を低下させることにつながるのだる。

この親たちを、”情報弱者”と批判することはできない。

メディアでは絶対にサプリメント、特に、ビタミンの健康への悪影響は報道されない。そして、厚労省とその天下り団体は推進こそすれ、警告や注意を積極的に啓発する気がないようだ・・・行政の不作為そのものなのだから・・・


以下・・・当方ブログにおけるビタミン・サプリメントの有害性関連報告の一部・・・

ビタミンB・葉酸でホモシステイン値は減らすが、臨床的イベントは減らさず 2008-05-07

NIHコンセンサスステートメント: マルチビタミン・ミネラルサプリメント(MVM) 2006-08-01
現行のMVM使用は慢性疾患予防に関して推奨するに科学的エビデンスが足りない


ビタミンCもサプリメントとして多く摂取すると有害?・・・今回は糖尿病患者のみ  2004-11-18

ビタミンサプリメントは肺がんリスクを減少するどころか増やす可能性がある  2008-03-03

High Doses of Vitamin C Are Not Effective as a Cancer Treatment
http://www.quackwatch.com/01QuackeryRelatedTopics/Cancer/c.html

Vitamin C Antagonizes the Cytotoxic Effects of Antineoplastic Drugs
Cancer Research 68, 8031, October 1, 2008. doi: 10.1158/0008-5472.CAN-08-1490


食事由来のビタミンCと白内障  2007-02-27
Arch Ophthalmol. 2001 Oct;119(10):1439-52.

抗酸化の白内障進展予防効果は非常に少ないか、臨床的な、あるいは、公衆衛生上の意義は非常に少ない。論理的根拠として健康である人々の抗酸化サプリメントは除外すべき
Nutritional supplementation to prevent cataract formation.
Dev Ophthalmol. 2005;38:103-19.



OTC医薬品・サプリメントとの薬剤相互作用 2009-05-14

テレビショッピングに関するトラブルが増加 2008-12-18

インターネット購買・アーユルヴェーダ製品は高率に有害性金属を含む 2008-08-27

10分ビタミン点滴ビジネス  2008-06-19

by internalmedicine | 2009-07-06 11:24 | Quack  

「タミフル耐性」論文を優先 大阪府、2週間公表せず

タミフル耐性の存在を現時点で2-3日ほど早く一般に知らしめてなにか影響があるのだろうか?・・・朝日新聞等マスコミがすっぱぬき国民を早く不安に陥れたいためだけのような気がするのだが・・・

「府民と研究者仲間とどっちを向いて仕事しているのかと、批判を受けても申し開きができない」と言われるほどのインパクトのある話なのか?

研究者の志気を削ぎたくて仕方がない・・・朝日新聞と管理職公務員であった。

「タミフル耐性」論文を優先 大阪府、2週間公表せず
http://www.asahi.com/national/update/0705/OSK200907040208.html?ref=any

ウェブ魚拓
1)http://s01.megalodon.jp/2009-0706-1020-47/www.asahi.com/national/update/0705/OSK200907040208.html?ref=any
2)http://s03.megalodon.jp/2009-0706-1022-34/www.asahi.com/national/update/0705/OSK200907040208_01.html



 大阪府在住の新型豚インフルエンザ患者から治療薬タミフルが効かない耐性ウイルスが見つかった問題で、大阪府立公衆衛生研究所が発見から2週間公表せずに、米医学誌への論文投稿を優先させていたことが分かった。論文投稿から8日後に厚生労働省から促されて初めて公表していた。世界保健機関(WHO)は、耐性ウイルスが見つかった時点で速やかに公表、報告するよう求めており、専門家からも批判の声が出ている。

 府立公衆衛生研究所は、5月29日にタミフルの予防投与を受けていた大阪府内の女性が発症したことで、タミフル耐性を疑った。ウイルスの遺伝子を調べ、6月18日にタミフル耐性を示す遺伝子変異が確認された。しかし、7月2日深夜に記者会見するまで公表していなかった。

 府によると、同研究所が1日、国立感染症研究所の関係者に伝えたことで、厚労省から早く公表するよう促されたという。

by internalmedicine | 2009-07-06 10:33 | メディア問題  

出生児低体重児は青年期の呼吸器系入院リスクとなり得る

出生時に大きく変わるのは呼吸であり、小児期はまだ肺の発達段階
発達してから呼吸開始となればよいが、未熟なままで出生した場合は、その後の呼吸器系感染や疾病脆弱性に関わる・・・という話


Low Birth Weight and Respiratory Disease in Adulthood
A Population-based Case-Control Study
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 180. pp. 176-180, (2009)
この研究は住民ベースで、症例対照研究
ケースは18-27歳で呼吸器疾患入院経験有りを対象
(1) 極低体重出産児 (この場合は、生下時体重,<1,500 gで日本と異なることに注意) (2) 低体重出産児 (生下時体重, 1,500–2,499 g)
呼吸器疾患入院は退院時診断コードを用いて定義
4674例の患者と18445の対照
呼吸器疾患入院オッズ比は極低体重で1.83(95%信頼区間[CI], 1.28-2.62; P=0.001)
低体重では1.34(95%CI, 1.17-1.53;; P < 0.0005)
生下時年、性、母胎年齢、人種、住居、結婚状態補正後も相関維持

by internalmedicine | 2009-07-06 10:04 | 呼吸器系  

COPD患者と認知機能減衰

COPD(慢性閉塞性肺疾患)患者は病期進行と共に認知機能への影響が明らかとなるらしい

Cognitive Decline among Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 180. pp. 134-137, (2009)
1996-2002年のHealth and Retirement Studyで、横断研究と思われる
4150名成人で、12%にCOPD(重症 29%、非重症 71%)
老人の平均認知スコアは重症・非重症COPDは、対照より、有意に低い (2.6 points [P < 0.001] 、0.9 points [P < 0.001],)
補正後、重症COPD患者の平均スコアは低いまま (0.9 point [P < 0.001])
非重症COPD成人の平均スコアは補正後有意差維持せず(P = 0.39)




私は、”肺機能低下・身体的脆弱性・社会的活動性低下”がキーワードだと思うのだが、COPD患者では脳潅流の変容があり(Ann Nucl Med. 2006 Feb;20(2):99-106.)、低酸素血症による認知機能への影響が考慮され、それに対するトライアルがなされたが、効果が判明してない。

長期抗コリン剤の認知機能への影響も今後検討が必要だろう。

by internalmedicine | 2009-07-06 09:28 | 呼吸器系