2009年 07月 28日 ( 3 )

 

1型糖尿病強化治療合併症抑制効果は間違いなし

1型糖尿病(T1DM)の臨床治療ゴールはDCCT以来変化し、強化糖尿病治療による長期合併症が変化した。強化療法年齢にてT1DMの臨床系かが記載されている研究は少ないで、この論文は、T1DMの現行の臨床経過を記載したもの


Modern-Day Clinical Course of Type 1 Diabetes Mellitus After 30 Years' Duration: The Diabetes Control and Complications Trial/Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications and Pittsburgh Epidemiology of Diabetes Complications Experience (1983-2005)
Diabetes Control and Complications Trial/Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications (DCCT/EDIC) Research Group
Arch Intern Med. 2009;169(14):1307-1316.
DCCT (1983-1993) :通常治療(1日1-2回のインスリン治療)、強化治療(1日3回以上インスリン治療・ポンプにてほぼ正常の血糖目標)
DCCT (1993-):全患者に強化治療
Pittsburgh Epidemiology of Diabetes Complications (EDC) 観察研究

糖尿病30年後、DCCT通常治療群で増殖型網膜症、腎症、心血管疾患はそれぞれ、50%、25%、14%。
EDCコホートではそれぞれ47%、17%、14%

DCCT強化治療群は累積頻度は21%、9%、9%で、1%未満が失明、腎移植、肢切断



強化治療は2型糖尿病では、ACCORDVA Diabetes Trialにてギャップが指摘され、HbA17%未満目標で心血管ベネフィットが証明されず、死亡率増加という報告で、その後議論が絶えない状態だが、1型糖尿病においては疑いがないということで対照的。

by internalmedicine | 2009-07-28 14:35 | 糖尿病・肥満  

抗コリン作動性薬剤での認知機能低下

BMJを元に、抗コリン作動性薬剤で軽度認知機能障害  2006-02-24 10:17 で、以前、抗コリン剤と認知機能の論文を取り上げた。

意外な薬剤が、抗コリン作動性としてあがっていることに驚く。 →http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/332/7539/455/TBL1


コリン作動性、抗コリン性を(a) serum radioreceptor assay to quantify drug induced muscarinic blockadeと (b)summation of average estimated clinical effects of specific drugsで分析したもので、脳脊髄関門通過まで考慮したもので、この場合の主な抗コリン作動性薬としては・・・
抗ヒスタミン、コデイン、コルヒチン、ジゴキシン、フロセミド、テオフィリン、三環系抗うつ薬、抗パーキンソン薬


上記論文と、同じフランスからの報告

Drugs With Anticholinergic Properties, Cognitive Decline, and Dementia in an Elderly General Population: The 3-City Study
Arch Intern Med. 2009;169(14):1317-1324.

ベースラインで、抗コリン作動系薬剤使用者は7.5%
多変量補正ロジスティック回帰にて、抗コリン剤使用女性は、非使用者に比べ、4年において、言語流暢性スコア(オッズ比[OR], 1.41; 95%信頼区間l [CI], 1.11-1.79) 、全般認知機能低下(OR, 1.22; 95% CI, 0.96-1.55)があった。
男性においては、視覚記憶に相関 (OR, 1.63; 95% CI, 1.08-2.47) が見られ、実践機能範囲縮小 (OR, 1.47; 95% CI, 0.89-2.44)が見られた。
抗コリン剤使用と年齢、アポリポ蛋白E、ホルモン治療間の相互関係が女性では見られた。

抗コリン剤継続治療でなく、使用中断でも1.4-2倍の認知機能低下が見られた。

4年フォローアップ気管の認知症発生リスクは、持続使用で増加 (ハザード比 [HR], 1.65; 95% CI, 1.00-2.73)したが、抗コリン剤使用中断では増加なかった (HR, 1.28; 95% CI, 0.59-2.76)。

by internalmedicine | 2009-07-28 14:17 | 精神・認知  

老人失神に対するSFSR:無駄な検査を省く?

失神と行っても、血管のトーヌスや血液量による変異による失神だけでも、Vasovagal (vasodepressor, neurocardiogenic)、Postural (orthostatic) hypotension、Carotid sinus hypersensitivity、Situational、Glossopharyngeal neuralgiaなどがある。まぁこれを含め、心臓疾患、脳血管疾患、代謝性疾患などの病気を鑑別するのには、以下のルールは一見、乱暴だが、全体的に見れば、無駄を省く方法論となる。

日本でこれやったら、「なんで、CTしないのか」と騒ぐ患者家族もおおいだろうし、検査するところへ患者が殺到することになり・・・コスト増加となる・・・こういう検討はほとんどなされていない。医者原罪説のみ取り上げるが・・・

San Francisco Syncope Rule:Wikipediaに書かれてる


計算:http://www.mdcalc.com/san-francisco-syncope-rule-to-predict-serious-outcomes



Yield of Diagnostic Tests in Evaluating Syncopal Episodes in Older Patients
Arch Intern Med. 2009;169(14):1299-1305.
65歳以上、失神エピソード後受診の2106名の連続患者を検討したところ、心電図99%、テレメトリー95%、心臓酵素試験95%、CTスキャン 63%がもっとも行われた検査
心臓酵素試験、CTスキャン、心電図、頸動脈超音波、脳波で、診断、マネージメントに影響をこの時点で与えたのは5%未満で、病因決定に役立ったのは2%未満。
体位性血圧記録はもっとも診断(18%-26%)・マネージメント (25%-30%) 、病因決定(15%-21%).に影響を与えたが、施行はわずか38%であった。
診断・マネージメントへ影響を与える検査後とのコストは、脳波 ($32 973),、CTスキャン ($24 881)、心臓逸脱酵素($22 397) で、体位性血圧記録($17-$20)は最小であった。
利益とコストはSFSR合致例で、非合致例より良好であった。
たとえば、診断、管理に影響で得られる心臓酵素あたりのコストは合致例で$10 331、非合致例で$111 518



失神の病因としては、手元のpocket medicineには neurocardiogenic 20%、orthosatic 10%、cardiovascular:不整脈 15%、メカニカル 5%、神経学的(てんかん、TIA、脳底動脈循環不全、片頭痛・・・) 10%、その他とある。

以前、失神に関して、記載したもの
NEJM(Vol. 343:(25) 1856-1862 Dec. 21, 2000)
老人失神に対するSFSR:無駄な検査を省く?_a0007242_1052377.jpg


この記事の老人に関するコメントとして、
評価困難なことが多く、基礎疾患が多く、薬物治療の影響、加齢による心理的過程などの影響がある。しかし、単一原因を探る必要があり、それでも原因特定できない場合に、侵襲的もしくは広範な検査が必要であろう。

繰り返し”薬物関連”と、頸動脈洞失神が多いため、頸動脈マッサージが推奨とも書かれている。

cf.) 神経心臓性失神 2005-03-10 

by internalmedicine | 2009-07-28 09:39 | 動脈硬化/循環器