2010年 04月 02日 ( 3 )

 

人工呼吸下 患者自己管理鎮静(PCS)

究極の自己管理の一つ、人工呼吸下の鎮静を、患者自己調整下でおこなうというもの


Patient-controlled Sedation: A Novel Approach to Management of Sedative Therapy with Mechanically Ventilated Patients
Published online before print March 18, 2010, doi: 10.1378/chest.09-2615 chest.09-2615

安全性検討のパイロット研究で、patient-controlled sedation (PCS)の適切性・満足度を評価

Dexmedetomidine を患者の要求に従い投与し、最大24時間の輸液ポンプシステムでおこなうもの
ポンプは、基礎量と患者トリガーボーラス注射投与できるよう設計
データは、sedationの適正さ、鎮痛剤や鎮静剤の追加党よ、血行動態指標、PCSの安全性、患者満足度、看護満足度のデータ収集

血行動態指標の大多数は安全内であり、25%が軽度副事象的生理学的影響を示した。患者側ではPCSのsedationは適正という認識にかかわらず、70%が追加麻薬やベンゾジアゼピンを必要とした。

患者側は、不安自己管理として、relaxationのレベルとして、自己投与sedationを安心としてdexmedetomidine PCSを好む
看護師も、sedation手段としてのPCS、sedativeとしてのdexmedetomidine、sedationの患者の反応に一般的に満足。


試みとして、興味あるが、人工呼吸下の状態で、メンタリティーが保てる、一過性・持続性の認知機能障害がある場合はどうするのか、その有無をどう判断するのか・・・問題になりそう。

by internalmedicine | 2010-04-02 14:52 | 呼吸器系  

BCGワクチンの幼児再接種の死亡率への効果:弱すぎて、他の要素の影響の方が大

解釈に苦心が現れている報告だが、BCG群の方が死亡率が高くて、予定より早く中止されたトライアル

BCG再接種の効果が弱く、DTPワクチンなどの効果の方が強くて、このトライアル中なんらかの感染症イベントが生じた可能性があり、解釈を困難にしているようだ。
死亡率をプライマリ・アウトカムにしており、感染症発症を見ているわけではない・・・ということで、日本の結核行政にそのまま応用できるわけでもない。

Effect of revaccination with BCG in early childhood on mortality: randomised trial in Guinea-Bissau
Adam Edvin Roth, Christine Stabell Benn, Henrik Ravn, Amabelia Rodrigues, Ida Maria Lisse, Maria Yazdanbakhsh, Hilton Whittle, Peter Aaby
BMJ 2010;340:c671 (Published )

19ヶ月のBCG再接種が包括的小児死亡率を減少させるか、どうか?

5歳までのフォローアップ、ランダム化トライアル
9万人住居者のいる都市部での健康および人口動態指標サーベイランス(Bissau, Guinea-Bissau)
ツベルクリン無反応・低反応の2871名の(19ヶ月から5歳)で知見登録時状態の悪くない子供
介入:BCGワクチンと非ワクチン(対照)
主要アウトカム測定は、死亡率ハザード比

フォローアップ時77名の子供死亡

BCG再ワクチン投与群は、対照群に比べハザード比 1.2(95%信頼区間 CI 0.77 - 1.89)


250名の子供が病院受診で、そのハザード比は、1.04(0.81-1.33)

BCG群での死亡集積故にトライアルは早期中断された。

死亡率増加は、多くの子供がワクチン接種やビタミンA、鉄サプリメントを受け取った時点で生じている。
キャンペーン期間中のBCGハザード比 2.69 (1.06-6.88)


トライアル中、BCG再接種の死亡率への影響は、DTPブースターワクチンを受けた子供(ハザード比:0.36, 0.13-0.99)とそれを受けなかった子供(1.78, 1.04-3.04)で有意に異なる

by internalmedicine | 2010-04-02 09:43 | 感染症  

2008年中国乳幼児の死因 ・・・ 

The Lancetが取り扱うべき内容なのか不思議で、中国厚労省(そんなのがあるか知らないが・・・)の統計局あたりが公表すればよいことで・・・・・・不思議

Causes of deaths in children younger than 5 years in China in 2008
The Lancet, Volume 375, Issue 9720, Pages 1083 - 1089, 27 March 2010

1990年から2008年において、死亡率は以下のごとく低下、新生児死亡率 70% ( 34·0 → 10·2/年間出生数1000あたり、新生児後乳児72% ( 53·5 → 14·9 /年間出生数1000あたり)、小児の死亡率 71% ( 64·6 → 18·5 /年間出生数1000あたり)となり、 Millennium Development Goal 4に合致

2008年死亡原因は、肺炎、出生時仮死、早産合併症で、それぞれ全死因原因の15-17%に相当

先天性異常や事故はこの期間増加していることが目立ち、全死亡原因の11%、10%に相当
乳幼児突然死症候群は子供の5%




国際比較だが、公共機関などが公開している統計データを視覚化して提示するツール「Google Public Data Explorer」にはこの項目がない。

かわりに・・
http://www.kisc.meiji.ac.jp/cgi-isc/cgiwrap/~kenjisuz/table.cgi?LG=j&TP=po06-02
(”1歳未満の児童”等と書かれており、学術レベルを疑う)


日本の乳幼児分野での躍進ぶりにあらためて驚く・・・韓国も後追いで改善している現状のようだ。中国も、この後を追うのだろう・・・すると、人口分布に関して、日本と同じ悩みを東アジア各国が持つのは必然。

日本では、出生10万対 H20 : 256.4 , H19 : 259.5死亡率

周産期に関連した病態 : 26.6 %、 先天奇形,変形及び染色体異常: 35.7%、 乳幼児突然死症候群 5.5%、肺炎: 2.1%と比率が異なる。

中国も、将来、現在の日本と類似した死因比率となるのだろう・・・

日本の現状:乳児死亡数・乳児死亡率(出生10万対),乳児死因簡単分類別・対前年比較
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/m2008/xls/12-5.xls

新生児死亡数・新生児死亡率(出生10万対),乳児死因簡単分類別
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/m2008/xls/12-17.xls





ところで、日本に関しては・・・ご存じ朝日の「日本の乳幼児死亡率は先進国トップ」という記事
「日本の乳幼児死亡率は先進国トップ」(朝日新聞5月28日夕刊(4版))
長寿命を誇る日本だが、1~4歳児の死亡率は先進国の平均より3割高く、実質的に「最悪」なことが厚生労働省の研究班の調査でわかった。原因ははっきりしないが、主任研究者の田中哲郎・国立保健医療科学院生涯保健部長は「小児救急体制が十分に機能していないのかもしれない。医師の教育研修なども含め、幼児を救う医療を強化する必要がある」と指摘する。

国内総生産(GDP)上位20カ国のうち、世界保健機関(WHO)の統計資料がない中国、韓国、保健医療面で遅れるメキシコ、ブラジルなどを除いた14カ国で主に99年のデータを比べた。年間の死亡率を10万人当たりで見ると、日本の1~4歳児は33.0人で、ほかの13カ国平均より3割多く、米国(34.7人)の次に高い。米国は他殺(2.44人)の占める割合が大きく、この分を除くと、日本が最悪になる。最も低いスウェーデンは14.3人。病気別には、先天奇形や肺炎、心疾患、インフルエンザ、敗血症などが13カ国平均に比べ高い。不慮の事故は、平均とほとんど変わらなかった。ほかの年齢層の死亡率は、すべての層で13カ国平均より低く、全体では10万人当たり783人で、13カ国平均より15%低い。0歳児については340人で、13カ国平均の約3分の2で、スウェーデン(337人)に次いで低い。新生児医療の整備が大きいとされる。



日本において、”1~4歳”は1歳未満の世界最高水準の死亡率のおかげで、統計上、見過ごされていたが、先進国中最悪レベルの健康状態となっていたというセンセーショナルな報告

1~4歳児の死因トップは「不慮の事故」で、誤飲による窒息、お風呂での溺死、転倒・転落などがある。
故に、医療体制の問題というより、”幼児にとって、家庭内・外の安全環境が世界最悪”ということとなるだろう。もちろん、事故後の対応、救急体制の不備なども問題だろう。それに、麻疹などの予防可能なのに一部変わった人たちやメディアのせいで行われないワクチン接種行政の不備も1~4歳の生命に危機を与えている。

参考:http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/m2008/12.html

by internalmedicine | 2010-04-02 08:53 | 医学