2010年 04月 28日 ( 3 )

 

医療裁判外紛争解決(ADR)

第1回医療裁判外紛争解決(ADR)機関連絡調整会議議事録
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=150883

by internalmedicine | 2010-04-28 11:38 | 医療と司法  

老人の認知機能障害と運転

高齢者診療に関わるあらゆる臨床医にとって無縁でいられない話・・・都市部では、車が無くても生活できるが、田舎では、車がなければ自立も甚だしく困難という状況は稀ではないのだが、永田町やせいぜい県庁所在地で住んでるとそのことを忘れている・・・日本の政治


かかる間も、老人に関わる悲惨な交通事故が発生している・・・加害者となる事故が目立つ。”枯れ葉”マークという報道による感情的批判で、この問題は日本では、表だって語られなくなってしまった。

一方で、医療機関に、安全性判断を投げ捨てる警察などの政府対応・・・

医療機関側としては、一方的な警察などからの証明の要請に対して科学的根拠をもって記載できないと・・・突っぱねるべきである。

JAMAの解説記事
The Older Adult Driver With Cognitive Impairment: "It's a Very Frustrating Life"
David B. Carr; Brian R. Ott
JAMA. 2010;303(16):1632-1641.

自動車は老人にとっての移動手段としてやはり残るもの、しかし、高齢者の認知機能低下と認知症はしばしば安全運転を阻害する。
運転に関して認知症重症度評価法として頻用されるものはないし、認知障害を伴う老人の運転者に対する評価コンセンサスもないし、運転に適するかどうか判断するgold standardもない

けれど、一般臨床家に、患者から、あるいは、家族から、あるいは他の医療従事者から、各州の Department of Motor Vehiclesから、運転に患者が適するかどうかの評価を求められ、運転許可についての推奨を行わなければならないことがある。

・・・・



以下のいづれの推奨も科学的根拠に乏しい
・診療ベースの検査を、認知機能障害老人ドライバーのリスク層別化として用いるべき
・医師は、運転停止を家族に助言すべきで、他の移動手段の示唆を勧めるべき
・医師は、認知機能障害を有する高齢者の運転の状況について、運転リハビリテーション専門家に運転試験をすべく紹介すべき



Am Fam Physician. 2006 Mar 15;73(6):1029-1034.

by internalmedicine | 2010-04-28 10:10 | 精神・認知  

糖尿病性腎症に対するビタミンB投与、腎症抑制どころか、腎機能低下させ、血管イベント増加させる

糖尿病性腎症はしばしば血中ホモシステイン濃度高値を示す。ランダム化プラセボ対照トライアルにおいて、Houseらは、ビタミンB治療高用量投与にて、ホモシステイン仮説にもとづく、糖尿病性腎症進展を緩徐化するかという仮説

結果は、フォローアップ31.9(SD 14.4)ヶ月にて、プラセボ比較で、ホモシステイン値は低下したが、腎不全急激悪化を示し、心筋梗塞や卒中発生率を増加させた・・・といういつもながらのビタミンBの健康有害性の証明の報告であった

ビタミンCに関しても糖尿病患者では有害性が報告(ビタミンCもサプリメントとして多く摂取すると有害?・・・今回は糖尿病患者のみ 2004/11/18 )されており、これで、B+C両方とも・・・有害性が認められたことになる

Effect of B-Vitamin Therapy on Progression of Diabetic Nephropathy

A Randomized Controlled Trial

Andrew A. House, MD; Misha Eliasziw, PhD; Daniel C. Cattran, MD; David N. Churchill, MD; Matthew J. Oliver, MD; Adrian Fine, MD; George K. Dresser, MD; J. David Spence, MD

JAMA. 2010;303(16):1603-1609.



多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照かトライアル (Diabetic Intervention with Vitamins to Improve Nephropathy [DIVINe]) で、5つのカナダの大学医療センターで、2001年5月から2007年7月まで施行した238名の1型・2型糖尿病性腎症診断済みの被験者

介入:ビタミンB単剤(葉酸 2.5mg/d、ビタミンB 6 25mg/d、ビタミンB12 1mg/d) vs プラセボ


主要アウトカム測定:放射性糸球体濾過率(GFR)の変化(ベースラインと36ヶ月後)
セカンダリ・アウトカムは、透析 と 心筋梗塞・卒中・血管再建術・全原因死亡率の組み合わせ
血中総ホモシステイン値も測定

トライアルフォローアップ中の平均(SD)は3.1.9814.4)ヶ月
36ヶ月時点で、放射性GFRは、ビタミンB群で 平均 16.5 (1.7) mL/min/1.73 m2、プラセボで 10.7 (1.7) mL/min/1.73 m2 (平均差, –5.8; 95%信頼区間 [CI], –10.6 to –1.1; P = .02)

透析必要性に関して差無し (ハザード比 [HR], 1.1; 95% CI, 0.4-2.6; P = .88)

組み合わせアウトカムにおいては、ビタミンB群で多い (HR, 2.0; 95% CI, 1.0-4.0; P = .04)

血中総ホモシステイン値は、ビタミンB群で 36ヶ月後 2.2 (0.4) µmol/Lで、平均(SE) 2.6 (0.4) µmol/L (平均差, –4.8; 95% CI, –6.1 ~ –3.7; P < .001, ビタミンBにて増加)



これほど、合成ビタミンの有害性の根拠がまたぞろ出現しているのに、有益性のみを信じているのは一般市民だけではない、医者や栄養士などもきわめて無関心。
結果、テレビラジオや巷に、有害なビタミン製剤情報があふれ、ドラッグストアには悪魔の製剤であるビタミン含有似非健康製品が並んでいる・・・多くのお金と健康被害が広まっている。

世の思い込みとは恐ろしいものである



葉酸+ビタミンB12により癌・死亡率増加をもたらす・・・葉酸が特に問題、肺がんとの関連 2009-11-18

床ずれ予防・治療のための亜鉛・ビタミンC投与に疑問有り、亜鉛過剰には臨床的に重大な副作用  2010-03-23

抗酸化ビタミンの有効性・・・でも・・・・ 2004/11/23

心血管疾患: ホモシステイン低下介入 2009/10/14

女性における、ビタミンB6濃度と心筋梗塞:若年ほど影響大 食事以外の要素の関与示唆 2009/08/15

親の15%が幼児にサプリ 過剰摂取「有害の恐れ」 :行政・メディアの意図的?不作為 2009/07/06

by internalmedicine | 2010-04-28 08:15 | 動脈硬化/循環器