2010年 08月 10日 ( 5 )

 

RIKS-HIA:ST上昇型心筋梗塞は事前の薬物治療によりリスク低下をもたらす

急性心筋梗塞入院治療前のアスピリン、β-遮断剤、ACE阻害剤、スタチン治療はSTEMIにリスクを減少させる。急性心筋梗塞前高リスク患者の予防に役立ち、薬物使用数増加毎に、そのリスクは減少する。


Medication in Relation to ST-Segment Elevation Myocardial Infarction in Patients With a First Myocardial Infarction
Swedish Register of Information and Knowledge About Swedish Heart Intensive Care Admissions (RIKS-HIA)
Lena Björck, PhD; Lars Wallentin, MD, PhD; Ulf Stenestrand, MD, PhD; George Lappas, BSc; Annika Rosengren, MD, PhD
Arch Intern Med. 2010;170(15):1375-1381.


足立さんたち民主党の面々は、慢性期医療をかなり軽視した施策を行っているように思える。彼らの愚作は結局は急性期の医療の悪化をもたらす。

by internalmedicine | 2010-08-10 11:42 | 動脈硬化/循環器  

大規模米国コホート:ウェスト径と全原因死亡率

アメリカの男女においてウェスト径は、高齢者において、さまざまなBMIカテゴリー間でも、共通して死亡率と相関を示し、ウェスト径は死亡リスクとなる。

Waist Circumference and All-Cause Mortality in a Large US Cohort
Arch Intern Med. 2010;170(15):1293-1301.

50歳以上の、48500名の男性、56343名の女性( Cancer Prevention Study II Nutrition Cohort)においてウェスト径(WC)と予後の相関
フォローアップ中9315名の男性、5332名の女性の死亡


BIMや他のリスク要素補正後、WC異常高値は、男女において約2倍の死亡率

男性(WC 120cm以上 vs 90cm未満):相対リスク [RR] = 2.02; 95% 信頼区間 [CI], 1.71-2.39
女性(WC 110cm以上 vs 75cm未満) RR = 2.36; 95% CI, 1.98-2.82

WCは、BMI全カテゴリー内において、死亡率と正の相関

男性では、WC 10cm増加毎RRは、正常(BMI 18.5-25未満) 1.16 (95% CI, 1.09-1.23)、過体重(BMI 25-30未満) 1.18 (95% CI, 1.12-1.24)、肥満(BMI 30以上) 1.21 (95% CI, 1.13-1.30)
女性では、それぞれ、 1.25 (95% CI, 1.18-1.32)、 1.15 (95% CI, 1.08-1.22)、 1.13 (95% CI, 1.06-1.20)


内臓肥満の指標としてのウェスト径の重要性を示した報告だが、問題点としてWCが自己報告であること、観察研究デザインであり、共役要素の影響を完全否定できない。そして、白人に偏った報告であり、一般化に問題がある。日本でこのエビデンスをそのまま採用するわけにはいかない。

by internalmedicine | 2010-08-10 11:36 | 糖尿病・肥満  

PPI服用中止後、1~2週間に一過性の上腹部の非特異的症状が生じる可能性

PPI投与例が増えてくるにつれて、こういう問題も多く出現する

プロトンポンプ阻害薬の「離脱症状」に関するもう1つの研究
Another Study of Proton-Pump Inhibitor "Withdrawal Symptoms"
2010 July 27
http://www.nankodo.co.jp/JWJ/archive/JW10-0727-05.html


保険者側から過剰薬物投与とされた場合、速攻、薬物中止する場合もあるかもしれない
そのときに、患者は、上腹部非特異的症状になやまされることとなる・・”保険者によるPPI離脱症候群”という医原性疾患の発生

by internalmedicine | 2010-08-10 11:14 | 消化器  

メタアナリシス:チョコレートと血圧

”チョコで血圧低下”などという情報はマスメディアやネットで大暴走することがある。

実際:google検索すると →http://bit.ly/c7Wnsu
・「少量のチョコレートが高血圧に効く」独大学チームが発表
・独大学チームが発表
・・・
などと続く

ダークチョコレートは確かに血圧を下げる
だが、140/80 mmHgに下げる可能性は少ない



Does chocolate reduce blood pressure? A meta-analysis
BMC Medicine 2010, 8:39doi:10.1186/1741-7015-8-39


Meta-analysis of the effect of chocolate/cocoa on (A) systolic blood pressure or (B) diastolic blood pressure.



Subgroup meta-analysis of the effect of chocolate/cocoa on (A) systolic blood pressure of hypertensive subjects (≥ 140 mmHg at baseline) or (B) 'normotensive' subjects (< 140 mmHg at baseline) and on (C) diastolic blood pressure of (pre-)hypertensive subjects (≥ 80 mmHg) or (D) 'normotensive' subjects (< 80 mmHg).



すなわち、チョコで血圧コントロールは不十分すぎる・・・

by internalmedicine | 2010-08-10 10:59 | 動脈硬化/循環器  

コエンザイムQ10サプリメント:高血圧・スタチンによる筋症治療のレビュー

Coenzyme Q10: A therapy for hypertension and statin-induced myalgia?
Cleveland Clinic Journal of Medicine July 2010 vol. 77 7 435-442

特定の臨床トライアルにて、コエンザイムQ10サプリメントが拡張期・収縮期血圧を有意に下げるという報告がある。
(対象数が少なく、コホートなどエビデンスレベルが低すぎる・・・http://www.ccjm.org/content/77/7/435/T1.expansion.html

スタチンはコエンザイムQ10血中濃度を低下させ、そのため、コエンザイムQ10欠乏とスタチン関連筋症を結びつける研究者たちもいる。しかし、筋症治療にコエンザイムQ10が有用かはエビデンス追加が必要。

コエンザイムQ10サプリメントは比較的安全
多くの臨床的報告でも治療中止必要な有意な副事象の報告はみられない
胃腸副作用には、腹部不快、吐気、嘔吐、下痢、食思不振を含む
アレルギー性皮疹・頭痛も報告されている。




医療用は、主に心不全治療薬として認可されている。nutrientに多い出版バイアスのため、信用がないのではないか・・・と私は思っているが、あるところ(http://www.lef.org/magazine/mag2008/feb2008_Alleviating-Congestive-Heart-Failure-With-Coenzyme-Q10_01.htm)では、”anti-nutrient bias”なのか、また、この薬剤の至適血中濃度量について不明のままのためか、ルーチン治療として用いられていない。

by internalmedicine | 2010-08-10 10:37 | 動脈硬化/循環器