2010年 08月 16日 ( 4 )

 

日本の研究: 思春期うつ 魚を食べる男児はうつになりにくい

うつ症状と、魚、DHA・EPAなどの多価不飽和脂肪酸の関係

Murakami K et al. "Fish and n-3 polyunsaturated fatty acid intake and depressive symptoms: Ryukyus Child Health Study"
Pediatrics 2010; 126: e623-e630.

魚、特に多価不飽和脂肪酸を含むものを食すことは、思春期のうつ症状頻度を低下させる

日本の6500名のティーンエージャーを調査した研究で、東京大学の研究

60ポイントECS-Dスケールの少なくとも6つでうつ症状と判断

男子で22.5%、女子では31.2%のうつ症状頻度

魚の摂取は、うつ症状リスクと逆相関
5分位比較で最高vs最小で 0.73(95%CI、0.5-0.97 P=0.04)
EPA摂取も逆相関0.71 (P for trend=0.04, 95% CI, 0.54 to 0.94)
DHA摂食も同様な相関だが、有意差なし
EPA・DHA両方ではオッズ比は同様だが、有意差なし

女児において、1.0で、有意差もない

男女差の理由不明







共役要素の関与が・・・くさい

だまって魚を食う男の子って、私のようにひねくれていないのでは?

by internalmedicine | 2010-08-16 14:09 | 精神・認知  

禁煙治療:COPD患者では特に強化カウンセリングと薬物治療がコスト効果的

一般住民の禁煙に比べ、通常ケア比較の強化カウンセリングと薬物治療併用はQALYあたりのコスト低下はより十分にあった。強化的カウンセリング、薬物治療はコスト節約的である

Long-term effectiveness and cost-effectiveness of smoking cessation interventions in patients with COPD
Thorax 2010;65:711-718 doi:10.1136/thx.2009.131631




日本でも、禁煙指導はそのベースのリスクで層別化すべきかどうか、より高リスク・高効果の一群を選別してさらに強化介入すべきか・・・議論が必要だろう。

なんだか、囲い込みと既得権益に走る禁煙関連学会をみると、こういう地に足のついた議論はされないんだろうなぁ・・・と・・・

by internalmedicine | 2010-08-16 12:06 | 喫煙禁煙  

臨床的レビュー:インクレチン剤

DPP4 阻害剤: シタグププチン(ジャヌビア/グラクティブ)、 ビルダグリプチン(エクア)、GLP1 receptor agonists: エクセナチド、リラグルチド(ビクトーザ)の4薬剤は低血糖リスク低下としては同等、しかし、差違はある。

DPP4阻害剤は他の血糖降下剤の有効性と同等の血糖降下があり、体重増加・低血糖が少ない

・DPP4阻害剤に比較して、GPL1受容体アゴニストは、HbA1c値減少が大きく、多薬剤レジメンでは、インスリン治療に匹敵する効果を示すことが、エクセナチド、リラグルチドともに報告されている。
現在、GLP1受容体アゴニストか、インスリン治療どちらが血糖コントロールに勝るか市販後の状況で検討されている。


Clinical Review Incretin agents in type 2 diabetes
Can Fam Physician Vol. 56, No. 7, July 2010, pp.639 - 648



対象薬剤は
EXENATIDE: エクセナチド
LIRAGLUTIDE: リラグルチド:ビクトーザ皮下注18mg
VILDAGLIPTIN:ビルダグリプチン エクア錠 
SITAGLIPTIN: シタグププチン ジャヌビア錠/ グラクティブ錠




エクセナチドは、ヒトのGLP1の53%シークエンスを有するアメリカドクトカゲ唾液腺ペプチド由来GLP-1アナログ
リラグルチドは、ヒトホルモンの97%シークエンスのGLP-1アナログ

インクレチン剤の薬物・臨床的影響:http://www.cfp.ca/cgi/content/full/56/7/639/T10560639


作用機序:


臨床トライアルのまとめ:http://www.cfp.ca/cgi/content-nw/full/56/7/639/T20560639

by internalmedicine | 2010-08-16 09:51 | 糖尿病・肥満  

”血糖の変動”は重要・・・されど・・・

健康成人では正常に保たれているインスリン分泌により血糖の変動が予防されている。しかし、糖尿病患者において、 インスリン分泌異常が病態競り仮定として、慢性の高血糖、急性の日内血糖変動をもたらす。
この血糖異常は、酸化ストレス増加の状態と関連し、血管合併症発症と関連する。

ROS産生のimbalanceが糖尿病の血管合併症と関連し、心血管合併症の病態生理の中心という考えが主





高血糖による血管障害;4つの生化学的候補過程
・ポリオール活性増加し、ソルビトール、フルクトール蓄積
・advanced glycation end products 産生増加
・プロテインキナーゼCとNFκBの活性化
・hexosamine pathway fluxの増加

血管内皮活性化により炎症誘発、増殖、凝固誘発として働き、アテローム蓄積性、動脈狭窄へとつながる。
高血糖は凝固促進を生じ、血栓促進的に働く。

問題の血糖変動だが、これは酸化ストレスと関連し、大血管合併症、特に、心血管疾患と関連し、酸化ストレスが大きく関与
細胞培養によるエビデンスでも、酸化ストレスの正常の防御メカニズムが慢性高血糖状態により傷害されることが示され、間欠的血糖変動にさらされたとき、細胞はさらに毒性増加にさらされることが示されている(Quagliaro L, Piconi L, Assaloni R, et al. Intermittent high glucose enhances apoptosis related to oxidative stress in human umbilical vein endothelial cells: the role of protein kinase C and NAD(P)H-oxidase activation. Diabetes. 2003;52:2795–2804.
、 Jones SC, Saunders HJ, Qi W, et al. Intermittent high glucose enhances cell growth and collagen synthesis in cultured human tubulointerstitial cells. Diabetologia. 1999;42:1113–1119.)。

さらに、rissoらは血糖コントロールの変動はより血管内皮細胞障害を生じることも示した(Risso A, Mercuri F, Quagliaro L, et al. Intermittent high glucose enhances apoptosis in human umbilical vein endothelial cells in culture. Am J Physiol Endocrinol Metab. 2001;281:E924–E930.)。

このような、血糖変動の臨床的重要性エビデンスが累積されているが、臨床データが少なく、基準・定義が確立できない。

Monierは、”mean postprandial incremental area under the curve [AUCpp]”を基準に食後血糖変動を定義付けし、慢性血糖状態より重要な酸化ストレス引き金として血糖変動を示した。
(Monnier L, Mas E, Ginet C, et al. Activation of oxidative stress by acute glucose fluctuations compared with sustained chronic hyperglycemia in patients with type 2 diabetes. JAMA. 2006;295:1681–1687.

Glycemic variability: Too often overlooked in type 2 diabetes?
The Journal of Family Practice Vol. 59 Aug. 2010

by internalmedicine | 2010-08-16 09:33 | 糖尿病・肥満