2010年 08月 30日 ( 4 )

 

吸入大麻:疼痛治療

大麻(Cannabis Sativa)を疼痛治療に用いること

内因性カンナビノイド受容体リガンドの作用から、大麻吸引の鎮痛作用の寓話的エピソードとともに再考の方向へ

Smoked cannabis for chronic neuropathic pain: a randomized
controlled trial
Mark A. Ware MBBS, Tongtong Wang PhD, Stan Shapiro PhD, Ann Robinson RN, Thierry Ducruet MSc,
Thao Huynh MD, Ann Gamsa PhD, Gary J. Bennett PhD, Jean-Paul Collet MD PhD
http://www.cmaj.ca/embargo/cmaj091414.pdf


9.4% テトラヒドロカンナビノール(tetrahydrocannabinol)25mg 1日3回吸引・5日間で疼痛強度、睡眠改善し、耐用性良好であった。


カンナビストたちを喜ばせる話ではなく、あくまで、疼痛治療への試み

by internalmedicine | 2010-08-30 15:33 | 精神・認知  

SHIFT: 選択的洞結節抑制剤 ivabradineの死亡率減少効果

選択的洞結節抑制剤という訳になるだろうか・・・selective sinus-node inhibitor


Systolic Heart Failure Treatment with the If Inhibitor Ivabradine Trial (SHIFT)

Ivabradine and outcomes in chronic heart failure (SHIFT): A randomised placebo-controlled study.
Swedberg K, Komajda M, Böhm M, et al.
The Lancet, Early Online Publication, 29 August 2010
doi:10.1016/S0140-6736(10)61198-1




randomised, double-blind, placebo-controlled, parallel-group study
有症状、左室駆出率35%以下で、洞性リズム70以上の患者を対象

最大投与量 7.5mg 2回投与 vs プラセボ非買う

プライマリエンドポイントは、心血管死亡・心不全入院組み合わせ

6558名をランダム化し治療群 3268、プラセボ 3290に割り付け
フォローアップ中央値 22.9(IQR 18—28)ヶ月
プライマリエンドポイントイベント:ivabradine群 793 (24%)、 プラセボ群 937 (29%) (HR 0·82, 95% CI 0·75—0·90, p<0·0001)

心不全悪化入院がこの効果に関して主である(672 [21%] placebo vs 514 [16%] ivabradine; HR 0·74, 0·66—0·83; p<0·0001)
心不全悪化死亡は (151 [5%] vs 113 [3%]; HR 0·74, 0·58—0·94, p=0·014)


重篤な副事象は群で少ない  ivabradine group (3388 events) vs プラセボ群 (3847; p=0·025)

ivabradine患者の5%(150)は有症状徐脈で、プラセボは1%(32) (p<0·0001)

Visual side-effects (眼内閃光:phosphenes)が 89 (3%)、プラセボで 17 (1%)報告 (p<0·0001)

by internalmedicine | 2010-08-30 11:18 | 動脈硬化/循環器  

STAR-heart study:慢性心不全への幹細胞冠動脈内注入

自家骨髄幹細胞を心臓へ注入する方法:intracoronary bone marrow cell (BMC) therapy

ESC発表:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ESCCongress/21935

The acute and long-term effects of intracoronary Stem cell Transplantation in 191 patients with chronic heARt failure: the STAR-heart study
Eur J Heart Fail (2010) 12 (7): 721-729. で発表された内容

ベースライン駆出率→5年後駆出率
幹細胞治療群:29.4 →36.8
対照群:36.1 →32.3


心筋梗塞後から平均8.5年経過した群で、ランダム化されてないが、ベースラインは同様
ただ、駆出率は治療群で29.5%、対照群 36.1%と開いているが、有意差はなかったそうだ。
薬物療法は十分受けていた。

骨髄注入後、腸骨棘からの骨髄採取で、単核球を分離し、ヘパリン化生理食塩水で洗浄
660万の幹細胞を採取し、心筋梗塞関連動脈へ注入
バルーンをふくらませ虚血状態に類似した状況をつくり、細胞のback-flowを予防し、細胞の心筋梗塞エリアでのmigrationをはかったもの
3ヶ月フォローアップにて、有意に左室パフォーマンス、治療群で改善
すなわち、心係数 22%、ピーク酸素摂取 11%、酸素パルス 6.3%(P<0.05)改善
運動耐容能ベースラインから15.4%改善、左室駆出率29.4%から3ヶ月で36%まで改善(P<0.01 for both)
拡張終末期・収縮終末期容積はベースラインからともに減少 (P<0.05 for both)

QOLも改善、平均NYHA分類3.22→2.25と改善(P<0.0167)
対照群は、NYHAは3.06→3.5と悪化

1-5年後治療群のベネフィットは継続
対照群はフォローアップポイントで悪化が見られる

生存率は治療群で改善し、フォローアップ中、治療群 0.75%年間死亡で、対照群は3.68%死亡 (P<0.01)

Strauer B-E "The STAR Heart Study: the acute and long-term effect of intracoronary stem cell transplantation in 191 patients with chronic heart failure" ESC 2010; Abstract 381.




by internalmedicine | 2010-08-30 09:50 | 動脈硬化/循環器  

alpha omega trial: 心筋梗塞既往患者へのω3脂肪酸・・・明確な効果認めず

前向きコホート研究・ランダム化トライアル結果から、対照化トライアルで、n-3脂肪酸の防御効果のエビデンスが示された。心筋梗塞既往患者での、海産物n--3脂肪酸EPA・DHAと植物由来ALA(αリノレイン酸)の心血管イベント率への影響を検討

結論では、心筋梗塞既往、state-of-the-art降圧、抗血栓、脂質補正治療を受けてる患者では、少量のEPA-DHA、ALAサプリメント補給では有意に、主要心血管イベント率を減少させず。 (Funded by the Netherlands Heart Foundation and others; ClinicalTrials.gov number, NCT00127452.)

n–3 Fatty Acids and Cardiovascular Events after Myocardial Infarction

Daan Kromhout, M.P.H., Ph.D., Erik J. Giltay, M.D., Ph.D., and Johanna M. Geleijnse, Ph.D. for the Alpha Omega Trial Group

N Engl. J Med. August 29, 2010 (10.1056/NEJMoa1003603)


多施設二重盲検プラセボ対照化トライアルにおいて、ランダムに4837名の患者、60-80歳(78%男性)で、心筋梗塞、state-of-the-art降圧、抗血栓、脂質補正治療を受けている患者を、4つのトライアルマーガリン40ヶ月投与にわりつけ
マーガリンは、EPA・DHA(目標 400mg)、ALA(2g)、EPA・DHA・ALA、プラセボ
プライマリエンドポイントは、主要心血管イベント、致死的・非致死的心血管イベント・心臓インターベンション組み合わせ
データはITT原則で解析、Cox比例ハザードモデル使用

平均1日18.8gのマーガリン使用で、EPA 226mg/DHA150mg、ALA 1.9g、あるいは両方というactive群消費量

フォローアップ期間中、主要心血管イベント率 671(13.9%)


EPA・DHA、ALAもプライマリエンドポイントを減少させず(ハザード比 EPA–DHA, 1.01; 95% 信頼区間 [CI], 0.87 to 1.17; P=0.93; ハザード比 ALA, 0.91; 95% CI, 0.78 to 1.05; P=0.20)


プラセボとEPA/DHA単独に比較して、ALA事前特異化女性サブグループでは、主要心血管イベント減少と関連は有意差近く(hazard ratio, 0.73; 95% CI, 0.51 to 1.03; P=0.07)



副事象イベント率は研究群で有意差なし


”EPA 226mg/DHA150mg”って量が少なすぎる・・・エパデール処方量に比べれば少なすぎ・・・日本の医者には奇異に見える設定量だが、サプリメントとして補給されているのでそんなものか


海産物由来と植物由来で、(n-3)を分ける・・・ってのは、

安定冠動脈疾患: ω3摂取はテロメア長短縮を防止する 2010-01-20
ビタミンD不足は心臓発作リスク増加のもと 2008-06-11


・・で記載してある。


エチル化EPAを、EPAと同等と考えられるかどうかも・・・EPA{エイコサペンタエン酸(イコサ. ペント酸)は、魚等の魚介類に含まれるEPA. をエチルエステル化という処理を行ったものであり、やはり、区別されるべきであろう。しかし、E-EPAは、2型糖尿病への効果(e.g. Diabetes Care May 1993 vol. 16 no. 5 683-688 )やメンタルヘルスへの効果など・・・興味深い薬剤である。

by internalmedicine | 2010-08-30 08:45 | 動脈硬化/循環器