2011年 07月 05日 ( 7 )

 

米ファイザーの禁煙補助薬、心臓病リスク高める恐れ

FDA チャンピックスの心筋梗塞既往の再発リスク、末梢血管疾患リスク増加警告 2011年 06月 17日


・・・という話から、日本一般医家向けに何のアナウンスもないまま・・・


米ファイザーの禁煙補助薬、心臓病リスク高める恐れ=調査 ロイター 7月5日(火)8時44分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110705-00000332-reu-bus_all

この記事の情報ソースの原著は・・・
 ↓
Risk of serious adverse cardiovascular events associated with varenicline: a systematic review and meta-analysis
CMAJ July 4, 2011 First published July 4, 2011, doi: 10.1503/cmaj.110218
8216名の14の二重盲検ランダム化対照トライアル解析
トライアルは 7-52週間。バレニクリンは、プラセボ比較で、心血管副事象リスク増加と有意に相関(バレニクリン群 1.06% [52/4908] v. プラセボ群 0.82% [27/3308] )、Petoオッズ比は、1.72 95% 信頼区間[CI] 1.09-2.72; I2 = 0%)
様々な感度分析は主解析の結果と一致し、funnel plotは出版バイアスを示さない。
あまりに死者数が少なく、死亡率の意味ある比較とはならない。



論文要約をみると、検討死亡数が少なく、結論的なことが言えない状況のようだ。

しかし、yahooに記載されたら、明日から、患者の問い合わせがあるだろうに・・・まだ、無視を続けるのか日本ファイザー!

製薬会社の仕事って何? MRさんの仕事って何?

by internalmedicine | 2011-07-05 17:50 | 喫煙禁煙  

飛行機上の酸素投与器具と酸素投与量補正

航空機上に擬した酸素濃度15.1%下での試験、hypoxia-altitude simulation test (HAST)が、酸素負荷適切量を決めるため必要かどうか?

COPD and Air Travel: Oxygen Equipment and Preflight Titration of Supplemental Oxygen
Chest July 2011 140:1 84-90; doi:10.1378/chest.10-0965

HAST下での鼻カニューラ補正ではフェースマスクの酸素蓄積により、酸素必要量を過小評価する。すなわち、8000フィート、2438mでの様々な酸素濃縮装置器具と比べ、持続流量、酸素節約デバイスによる圧縮酸素・酸素は有意にPaO2値低値を示す。


在宅酸素療法患者さんが航空機を利用して旅行することにあまり抵抗がなくなってきて、かつ、航空会社との連携もなれてきているが、酸素処方に関しては確かに同等量しか指示してなかった。酸素カニューラ時はやはりやや多めの酸素流量指示が必要なようだ。

by internalmedicine | 2011-07-05 16:17 | 呼吸器系  

非心臓手術:一律な術前心臓超音波検査は死亡率、入院期間に対し有害

住民ベースのコホート研究で、術前心臓超音波検査は非心臓手術ごの死亡率や滞在期間短縮につながらないという結果。術前エコー検査により周術アウトカム改善に疑問が呈された。

Association of echocardiography before major elective non-cardiac surgery with postoperative survival and length of hospital stay: population based cohort study
BMJ 2011; 342:d3695 doi: 10.1136/bmj.d3695 (Published 30 June 2011) 

26万5千名ほどのコホートで、15.1%(n=4万ほど)心臓超音波施行。
propensity score法にて、マッチ化させたコホート(n=7万ほど)にて比較。
心エコーは30日死亡率増加と関連(relative risk 1.14, 95% confidence interval 1.02 to 1.27)、同様に1年死亡率増加 (1.07, 1.01 to 1.12)、滞在期間延長と関連、術創感染は有意ではなかった(1.03, 0.98 to 1.06)

心臓負荷試験患者で、心エコーと死亡率の相関はなし (relative risk 1.01, 0.92 to 1.11) 、負荷心電図を行わなかった高リスク患者でも相関なし(1.00, 0.87 to 1.13)

しかし、心エコーは低リスク患者では死亡率と関連あり(relative risk 1.44, 1.14 to 1.82)、負荷心電図行わなかった中等度リスクも同様 (1.10, 1.02 to 1.18)



現状では、術前エコーを一律に行うことは、低リスク患者において、かえって死亡率を増加させることとつながる。中等度リスク以上では、運動負荷心電図との関係と合わせ検討が必要なようである。


眼科からの術前評価依頼があるのだが、あれって、保険診療上もおかしいし、意味があることなのだろうか?
特に、白内障手術。
The Value of Routine Preoperative Medical Testing before Cataract Surgery
the Study of Medical Testing for Cataract Surgery
N Engl J Med 2000; 342:168-175January 20, 2000

術前身体評価を依頼される側は迷惑なだけである。

by internalmedicine | 2011-07-05 10:31 | 動脈硬化/循環器  

携帯電話と腫瘍の関連性仮説に対して否定的エビデンスが累積してきた・・・と

携帯電話と腫瘍の関連性仮説に対して反するエビデンスが累積してきたというコメンタリ-。

Swerdlow AJ, Feychting M, Green AC, Kheifets L, Savitz DA, International Commission for Non-Ionizing Radiation Protection Standing Committee on Epidemiology 2011. Mobile Phones, Brain Tumours and the Interphone Study: Where Are We Now? Environ Health Perspect :-. doi:10.1289/ehp.1103693


英国、US、スウェーデンの専門委員会からのレビューの結論はがんとの関連性を示す確固たるエビデンス認めず、さらに、携帯電話からの無線信号が腫瘍のトリガーとなる確立した生物学的メカニズム上もないことが示された。
不確実性は確かに残るものの、成人における携帯電話使用が脳腫瘍の原因になることの反証が累積している。
WHOのIARC( International Agency for Research on Cancer )による携帯電話のヒト発がん可能性認定なされた。イギリスのがん研究所のAnthony Swerdlowは、2つのposition talkは矛盾してないと述べており、IARCのはpre-defined risk categoryに過ぎないと述べている

・・・

”関連性がないこと”の証明は、存在証明よりはるかに難しい。

関連記事:http://www.reuters.com/article/2011/07/04/us-phone-cancer-risk-idUSTRE7634SL20110704



WHOのワークグループ 携帯電話の発がん性認める - 2011/06/01



結局、”疑わしき”をどのレベルに設定するかが問題と思う。脳内仮説から動物実験、個別明確な関連事例累積なのか? そしてマスとしての影響度は?・・・など。

でも、この事案、”関連性があることを証明するほうも難しい”と思う。なんせ、発症まで時間がかかるわけで・・・



にしても、ソフトバンクの本業軽視の上の行政口出しって眉をひそめるが、それ以上に、池田信夫って、軽薄すぎる・・・こんなのが日本ではメディア上知識人らしい
”http://www.j-cast.com/2011/06/01097276.html”

by internalmedicine | 2011-07-05 09:46 | 環境問題  

摂食障害、特に神経因性食欲不振症は生命予後悪い

神経性食欲不振症:anorexia nervosa (AN)、神経性過食症 bulimia nervosa (BN)、 特定不能の摂食障害 :eating disorder not otherwise specified (EDNOS)と生命予後

Mortality Rates in Patients With Anorexia Nervosa and Other Eating Disorders

A Meta-analysis of 36 Studies

Jon Arcelus, LMS, MSc, FRCPsych, PhD; Alex J. Mitchell, MRCPsych; Jackie Wales, BA; Søren Nielsen, MD

Arch Gen Psychiatry. 2011;68(7):724-731. doi:10.1001/archgenpsychiatry.2011.74


143の論文から35の定量的研究を抽出。

神経性食欲不振症は、 166 642 人年、 神経性過食症は、32 798 人年、 EDNOSは 22 644 人年

加重死亡率(例. 1000人年あたりの死亡数)はそれぞれ、5.1、1.7、3.3
標準化死亡率はそれぞれ、5.8、1.93、1.92

神経性食欲不振症の死亡の5名に一人は自殺


摂食障害、特に、神経性食欲不振症は、他精神疾患より死亡率が高い。過食症、EDNOSも低いわけではなく、注目されるべき問題点である。
解説:http://www.sciencedaily.com/releases/2011/07/110704174620.htm

by internalmedicine | 2011-07-05 08:56 | 精神・認知  

自閉症スペクトラム障害:母の妊娠中SSRI服用がリスク増加をもたらす とくに第一トリメスター期

自閉症スペクトラム障害の原因は、遺伝要素4割、環境要素6割だそうだ。

カリフォルニアの住民ベースの症例対照研究による報告だが、

出生前抗うつ薬暴露暴露 20例(6.7%) v 対照 50例(3.3%)
補正ロジスティック回帰モデルを用いると、
母親が出生年にSSRI治療している場合、ASDリスク2倍増加 (補正オッズ比, 2.2 [95% 信頼区間, 1.2-4.3])
1st trimester中が最も影響が大きく 3.8 [95% 信頼区間, 1.8-7.8])


SSRI出生前暴露のないメンタルヘルス治療母体にはそのリスク増加は観られない。

Antidepressant Use During Pregnancy and Childhood Autism Spectrum Disorders
Lisa A. Croen, PhD; Judith K. Grether, PhD; Cathleen K. Yoshida, MS; Roxana Odouli, MSPH; Victoria Hendrick, MD
Arch Gen Psychiatry. Published online July 4, 2011. doi:10.1001/archgenpsychiatry.2011.73

by internalmedicine | 2011-07-05 08:36 | 精神・認知  

自閉症スペクトラム障害の原因は、遺伝4割、環境6割

autism spectrum disorder (ASD) :自閉症スペクトラム障害の原因は?


Joachim Hallmayer; Sue Cleveland; Andrea Torres; Jennifer Phillips; Brianne Cohen; Tiffany Torigoe; Janet Miller; Angie Fedele; Jack Collins; Karen Smith; Linda Lotspeich; Lisa A. Croen; Sally Ozonoff; Clara Lajonchere; Judith K. Grether; Neil Risch. Genetic Heritability and Shared Environmental Factors Among Twin Pairs With Autism. Archives of General Psychiatry, 2011; DOI: 10.1001/archgenpsychiatry.2011.76


California Autism Twins Study からのデータ解析
両親の年齢を含め、出生時低体重、多産、妊娠中母体感染症を含めた環境要素が、ASDリスクを増加させる。遺伝的・慣用的要素が有意にASDリスク増加に関わる。
具体的には、遺伝的要素が38%、妊娠中・新生児期早期の環境要素が58%のリスクが想定される。

男女とも遺伝・環境要素は同等という知見も得られた。

by internalmedicine | 2011-07-05 08:26 | 精神・認知