2011年 07月 16日 ( 4 )

 

OAT後も持続完全狭窄病変へのPCIは続行という状況

2006年の大規模ランダム化対照化トライアルOccluded Artery Trial (OAT) で、persistently totally occluded infarct-related aritery(IRA)に対するPCIはno benefitであるという報告があったが、その後、それにもとづく臨床ガイドライン変更もあり、臨床の場にどのような影響があったか検討したところ、一般的には数年たっても無視の状況が続いている状況とのこと。

Coronary Intervention for Persistent Occlusion after Myocardial Infarction
Judith S. Hochman et. al.
the Occluded Artery Trial Investigators
N Engl J Med 2006; 355:2395-2407December 7, 2006

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急性心筋梗塞発症病日3-28日に於ける、OATによる影響は、OATに基づく臨床コンセンサスガイドラインを含め無視されている状況という報告

Impact of National Clinical Guideline Recommendations for Revascularization of Persistently Occluded Infarct-Related Arteries on Clinical Practice in the United States
Marc W. Deyell et. al.
Arch Intern Med. Published online July 11, 2011. doi:10.1001/archinternmed.2011.315


896の病院の28780患者数調査し、OAT発表後の閉塞病変に対するPCIの補正月例数は有意な減少観られず(odds ratio [OR], 0.997; 95% confidence interval [CI], 0.989-1.006)、ガイドライン改訂後も減少観られず (OR, 1.007; 95% CI, 0.992-1.022)

診断特性の一致した病院群では、OAT発表後有意な減少認めず (OR, 1.018; 95% CI, 0.995-1.042)、ガイドライン発表後減少傾向が見られた (OR, 0.963; 95% CI, 0.920-1.000)


メジャージャーナルといえど、発表段階では、やはりそのまんま臨床実践に導入ってのは確かに抵抗がある。ガイドライン改訂・発表で、やっぱり本当だったのかと・・・確認して、臨床実践へってのが普通なのかもしれない。
でも、ガイドラインとなのつくなかに偏ったインチキガイドラインも出現するようになった日本ではそれも信用できなくなってきているが・・・

by internalmedicine | 2011-07-16 10:19 | 動脈硬化/循環器  

新規糖尿病薬ダパグリフロジンも膀胱癌・乳がんリスク懸念 &肝障害 ・・ FDA認可どうなる?

医薬品関係の行政措置って、国際的にも、国内的にも、素人にさっぱり理解が出来ない。
前向き研究のメタアナリシスにともなう”死亡率”や”心血管疾患”を2倍以上のリスクをもたらすという報告をそのまま放置するかと思えば、後顧的研究による”がん発症リスク”2割増加で処方禁止・薬剤回収などまでやられる場合。

新しい糖尿病治療薬もこの隘路におちいっているようだ。

medpage: http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Diabetes/27554


dapagliflozinは新しい糖尿病薬だが、これが糖尿病治療に有効だが、乳がん・膀胱癌リスク、それに肝障害をもたらす可能性が示唆された。 sodium glucose cotransporter-2 (SGLT2)として働き、腎臓のぶどう糖は移設を促し、血中へのぶどう糖流入に比べ尿中へのぶどう糖排泄を促進し、血糖を下げるという新しいメカニズムの薬剤。
ADA年次講演会(サンジエゴ、6月)にて、膀胱癌発症 5478例に9例 v 対照 3145例に1例、乳がん発症 
2223例に9例 v 対照 1053例に1例を報告。
FDA reviewerたちは、検知力に満たずという判断だが、FDAの科学者たちはやはり2型糖尿病全般より多いことを問題視している。

・・・

FDA委員会は火曜日に安全・有効性の投票とのこと。


日本では、2008年ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とアストラゼネカ社が開発治験開始の文字

"SGLT2阻害剤は、腎臓尿細管での糖の再吸収を抑制し、糖を尿中に排出させることで血糖値を下げる新しいメカニズムの2型糖尿病治療薬で、ASP1941 経口[アステラス製薬]P3、ダパグリフロジン/dapagliflozin(BMS-512148)[アストラゼネカ/ブリストル・マイヤーズ]P3(米欧申請)、KGA-3235(DSP 3235)経口剤[キッセイ薬品;大日本住友]P1/2、TA-7284(カナグリフロジン)[田辺三菱]P2、CSG452経口(R7201)[中外製薬]P2、BI 10773[日本ベーリンガーインゲルハイム]P2/3等。国際的に未承認。"
http://www.medmk.com/mm/add/mp_diabetes.htm
をみると、このSGLT2阻害剤の開発が進んでいることが分かる。これらの開発にもこのがん関連と肝障害影響をあたえるだろう。

by internalmedicine | 2011-07-16 08:52 | 糖尿病・肥満  

肺GM-CSFは、インフルエンザ感染肺障害に、クリティカルな抑制的働きを示す?

肺でGM-CSF発現しているトランスジェニックマウスと野生種のインフルエンザ暴露比較実験

GM-CSF発現マウスの生存率が高く、体重増加・肺障害少なく、急性の宿主炎症反応の組織学的特徴が観られた。
トランスジェニックマウスの耐性は、肺胞マクロファージ消失を抑制するが、T細胞減少、B細胞減少、好中球減少は減少しないことに由来?
野生種よりマクロファージが多く、インフルエンザ由来のアポトーシス耐性の要因と成っているのではないか?
GM-CSFの鼻腔投与もインフルエンザ耐性に関連した。

GM-CSF in the Lung Protects against Lethal Influenza Infection
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 184. pp. 259-268, (2011)


肺胞における、GM-CSF(Granulocyte Macrophage colony-stimulating Factor:顆粒球単球コロニー刺激因子)が、インフルエンザに関わる肺障害に関し、大きな役割を果たしていることがわかった。
早期治療開発に関し大きなヒントとなるだろう。

by internalmedicine | 2011-07-16 08:26 | インフルエンザ  

血中血管内皮微小粒子(EMPs)測定にて喫煙早期肺障害検知

血管内皮微小粒子(EMPs: endothelial microparticles)の血中濃度は、 CD62+/CD31+ 比低下(P < 10–4) やCD42b-CD31+ annexin V+EMPs増加(P < 10–4)をしめし、血管内皮アポトーシス由来であると示唆され、アンジオテンシン転換酵素を有し、肺血管内皮由来を示唆する。
これを利用すれば、早期肺障害を検知できる。

肺機能正常喫煙者でも、血中EMPsアポトーシス増加しているが、まだDCOは低下していない。肺気腫発症早期発見にも役立つ可能性がある。

Circulating Endothelial Microparticles as a Measure of Early Lung Destruction in Cigarette Smokers
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 184. pp. 224-232, (2011)

by internalmedicine | 2011-07-16 08:09 | 呼吸器系