2011年 07月 19日 ( 4 )

 

慢性疲労症候群レトロウィルス原因研究顛末

”慢性疲労症候群ウィルス原因説のお粗末な結末2010年 12月 22日”で、触れたことだが、Scienceに掲載され、さらに解説記事として広まってるようだ。こういう科学的失態というのは積極的に伝わらないことが多い。

XMRVの起源解明、ヒト疾患との関連が否定される
http://www.cancerit.jp/2011-06-08/3493.html


組換えが起こったウイルスが検体に混入したためにXMRVとヒト疾患が関連づけられたと結論した。


要するに、コンタミネーションによる、亡霊だったわけだが・・・

Retroviral Etiology for Chronic Fatigue Syndrome Questioned
http://infectious-diseases.jwatch.org/cgi/content/short/2011/622/1

Knox K et al. No evidence of murine-like gammaretroviruses in CFS patients previously identified as XMRV-infected. Science 2011 May 31; [e-pub ahead of print]. (http://dx.doi.org/10.1126/science.1204963)

Paprotka T et al. Recombinant origin of the retrovirus XMRV. Science 2011 May 31; . (http://dx.doi.org/10.1126/science.1205292)

Alberts B. Editorial expression of concern. Science 2011 May 31; (http://dx.doi.org/10.1126/science.1208542)



H23.9.24追記
あらたに・・・

Failure to Confirm XMRV/MLVs in the Blood of Patients with Chronic Fatigue Syndrome: A Multi-Laboratory Study
Science DOI: 10.1126/science.1213841
Graham Simmons et. al.


日本の研究者ってこれにコメントしてるのだろうか?

当時の状況をウェブで拾うと・・・再掲になるが、京都大学関係の先生方が、誤った知見に振り回されていたかを垣間見ることが出来る。
「日本の前立腺がん患者が、XMRVと呼ばれるウイルスに感染していたことが、大阪府赤十字血液センターや京都大などの調査で分かった。米国の前立腺がん患者で感染が確認されているが、日本人では初めて。ウイルスががんの原因かどうかは不明だが、感染拡大を防ぐためにも実態調査が急がれそうだ。」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081028-00000009-mai-soci

引用:http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/b21efdce09efc572eeca8784051b121e

新知見に相対するとき、やはり疑念を持つことも大事・・・と改めてそう考える。

by internalmedicine | 2011-07-19 11:52 | メディア問題  

大豆プロテイン、牛乳プロテインは血圧を下げる

炭水化物を対照にすると、大豆プロテインと牛乳プロテインでは血圧減少をもたらす。

8週間のランダム化二重盲検交差トライアルで、大豆プロテイン40g/日、牛乳プロテインは炭水化物対照に比べ、2mmHgの収縮期血圧減少をもたらした。この差は小さいが、イベント換算すると、卒中死亡率6%、冠動脈死亡率4%、総原因死亡率では3%に相当。

Effect of Dietary Protein Supplementation on Blood Pressure
A Randomized, Controlled Trial
CIRCULATIONAHA.110.009159 Published online before print July 18, 2011, doi: 10.1161/​CIRCULATIONAHA.110.009159


炭水化物って対照として適切だったのだろうか?

二重盲検のため、炭水化物を対照にせざる得なかったのだろうが、
追加的にソイジョイをとるのか、他食品の補完としてソイジョイをとるのかで意味が異なると思う。

炭水化物40g=160kcalの追加投与の血圧への影響は?

by internalmedicine | 2011-07-19 10:29 | 動脈硬化/循環器  

2011-2012 influenza season用のFDA承認ワクチン

2011-2012 influenza season用のFDA承認ワクチン
A/California/7/09 (H1N1)-like virus
A/Perth/16/2009 (H3N2)-like virus
B/Brisbane/60/2008-like virus

http://www.medpagetoday.com/PublicHealthPolicy/FDAGeneral/27593

by internalmedicine | 2011-07-19 08:59 | 感染症  

HIV-1感染:パートナーへの感染予防視点:早期併用治療は有効

HPTN 052と呼ばれる、HIV Prevention Trials Network (HPTN)が行った多大陸ランダム化対照化トライアル早期 v 後期 HIV感染者(CD 350-550 cell/mm3)でステディーなパートナーを有する被験者トライアル。

早期治療群は登録時HIV-1感染パートナー治療開始
遅延群は2つのCD4カウント250/mm3以下、もしくはAIDS発症後に治療開始


Prevention of HIV-1 Infection with Early Antiretroviral Therapy
the HPTN 052 Study Team
N Engl. J Med. July 18, 2011 (10.1056/NEJMoa1105243)



9ヶ国1763名のカップルで、片方がHIV陽性で、片方がHIV陰性のカップル
54%がアフリカ系で、50%だ男性。
CD4カウント350-550/mm3 早期治療群と後期治療群に割り付け
プライマリ予防エンドポイントをHIV-1陰性パートナーへのHIV transmission


2011年2月21までで、HIV-1 transmission 39(100人年 1.1/100; 95%信頼区間[CI], 0.9-1.7)
ウィルス学的感染パートナーと関連しているのがはっきりしているのは28 (incidence rate, 0.9 /100 person-years, 95% CI, 0.6 to 1.3)

関連のはっきりしている感染28のうち、1例のみが早期治療群 (ハザード比, 0.04; 95% CI, 0.01 to 0.27; P<0.001)
早期治療者はより治療エンドポイントは少ない (ハザード比, 0.59; 95% CI, 0.40 to 0.88; P=0.01)



・combination of lamivudine and zidovudine (Combivir), efavirenz, atazanavir, nevirapine, tenofovir, lamivudine, zidovudine, didanosine, stavudine
・combination of lopinavir and ritonavir (Kaletra and Aluvia), ritonavir, and a combination of emtricitabine and tenofovir (Truvada).

by internalmedicine | 2011-07-19 08:57 | 感染症