カテゴリ:医療一般( 809 )

 

救急外来:待ち時間が長すぎると死亡率・入院率増加

Guttmannらの研究で、住民ベースのコホート研究

救急外来が込み過ぎて、待ち時間が長くなると、死亡率増加や入院数増加をもたらすというもの

Association between waiting times and short term mortality and hospital admission after departure from emergency department: population based cohort study from Ontario, Canada
BMJ 2011; 342:d2983 doi: 10.1136/bmj.d2983 (Published 1 June 2011)
Cite this as: BMJ 2011; 342:d2983


カナダの研究で、受診経験なしのED患者で、平均イベント(7日以内入院、死亡)リスクで、患者・シフト・病院補正を加えたもの

副事象イベントは、EDの同じ勤務シフトの同じ患者の平均滞在数増加とともに増加する。
6時間以上と1時間未満を比べると、補正オッズ比は、重症状態では、死亡 1.79 (1.24 to 2.59)、入院  1.95 (1.79 to 2.13)、継承状態では、死亡 1.71 (1.25 to 2.35)、入院 1.66 (1.56 to 1.76)





Adjusted odds ratios (95% confidence intervals) for death and admission to hospital within seven days of emergency department visit among all non-admitted (seen and discharged and left without being seen)




Adjusted odds ratios (95% confidence intervals) for death and admission to hospital within seven days of emergency department visit among all non-admitted (seen and discharged and left without being seen) low acuity patients (Canadian triage and acuity scale levels 4 to 5).


もともとの救急外来の数不足問題や医師数不足やダチョウなシステムなど医療側要素以外に、不要不急な受診とか、訴えが多く一人当たりの受診時間数が長くなる患者の存在とか・・・改善点は多いと思う。

夜間外来・救急外来になったときに、数カ月や数年前からの肩こり・めまい・両手のしびれに始まり胸焼け・便通異常・不眠家族へのぐち数限りない訴える人は多い。こういう受診側の問題点も報道少しはされつつあるから多少は改善している部分もあるが、医療者側要素・受診側要素・社会的要素など問題点を切り分け、検討する必要があるだろう。

by internalmedicine | 2011-06-03 09:43 | 医療一般  

レビュー: 医療用放射線に関わるインフォームド・コンセント

Informing Patients About Risks and Benefits of Radiology Examinations: A Review Article
Journal of the American College of Radiology Volume 8, Issue 6 , Pages 402-408, June 2011

計画された医療介入のリスク・ベネフィット・代替法について患者と語り合うことは、質の高い患者ケアにとって不可欠なもの。有効なら、コミュニケーションにより患者のautonomyを促進し、患者の漠然とした不安さを緩和し、法医学的責任を緩和する。医療用放射線はこれに加え、ベネフィットとリスクの専門的な知識と一般との知識の乖離があり、なじみのない用語や単位が含まれる。
多くの患者は一般のリスクデータに関してよく理解してないことが多く、例示した上で、倫理的側面、法医学的歴史、そして、現行の指導的、有益なリソースなどを検討し、さらに次の話題に対するとりくみも記載している。

インフォームド・コンセントの内容
•the patient's diagnosis, if known:患者自身が知ってるならその診断

•the nature and purpose of a proposed treatment or procedure:提案された治療・検査法の性質・目的

•the risks and benefits of a proposed treatment or procedure:提案された治療・検査法のリスクとベネフィット

•alternatives (regardless of their cost or the extent to which the treatment options are covered by health insurance):代替法(医療保険でカバーされている治療オプションのコストとその範囲)

•the risks and benefits of the alternative treatment or procedure:変わりうる治療や検査法のリスクとベネフィット

•the risks and benefits of not receiving or undergoing a treatment or procedure: 治療や検査を受けなかったことによるリスクとベネフィット




ほとんどインフォームド・コンセントを行わず、リスク層別化もされてない”肺癌CT検診”がなされている県がある。

by internalmedicine | 2011-06-01 14:53 | 医療一般  

放射線利益管理者設定による医療用画像検査コスト削減の試み

Radiology benefit managers (RBMs) なるものをもうけ、メディケアなどで、医療画像検査によるコスト削減を目指そうという試み

なかなか良い考えだと思うが、結局は高くなってしまってるようだ。

Radiology Benefit Managers: Cost Saving or Cost Shifting?
Journal of the American College of Radiology
Volume 8, Issue 6 , Pages 393-401, June 2011


このスキームを変更すれば、医療画像検査による放射線被曝削減にも利用できれば、コストだけでないメリットがあるような気がするのだが・・・


日本のある県などは、低リスク対象者までCTで肺癌検診をしてしまってるのだが・・・CT検診による異常検出率は半数を超える報告もあり、その後の医療被ばくを考えると膨大な放射線被曝量となる。

by internalmedicine | 2011-06-01 14:30 | 医療一般  

”のど飴”ってなぜ薬事法上のおとがめがないの?

患者さんから言われて初めて気がついた。・・・うちの患者さんって、なんて、リテラシーが高いのだろう!

”医薬品等と紛らわしい効能などの表示・広告を行ったりすると薬事法に違反”のはず”で、医薬品等の広告規制について(薬事法) 対象になるはず。

”のど飴 薬事法”でGoogle検索すると、”「のど飴」という商品名は、江戸時代からの慣用的な表現であり、医薬品的な効能効果とは見なされない”と書かれてるものがあった。だが、薬事法本文にそんなのは書かれてないのだが・・・判例か何かあるのだろうか?

”慣用表示”といえど、混乱や誤解により、健康を害する恐れがある場合は、使用制限すべき・・・と思うのだが・・・

日本では”言葉狩り”が盛んなのに、こういうのには寛大なのね・・・

by internalmedicine | 2011-05-27 10:49 | 医療一般  

だれのための過剰な薬剤副作用表示? 

薬剤情報なんて、製薬会社の責任逃れ・・・可読性や易読性なんて・・・関係ない・・・そんな思いがする。スティーブンスジョンソン症候群裁判のような例でも、副作用が末尾一行に書いてあれば、製薬会社は免責されるわけだから、何でも書きたがるだろう。

だが、本来の目的は、薬害予防・回避なのだからだれも読まなければ意味がない。


厚労省さんとは違い、アメリカFDAさんはさすがにわかってるようで・・・表示方法に関するガイドライン策定した。ところが、かえって、副作用表示項目数が増えたという・・・矛盾した現象が起きている。


薬剤の警告表示が多すぎると、だれも見ないし、気にもしない。米国での極端な例だと、150の項目を超える副作用イベントの表示がある薬剤は588、300を超える項目表示は84。対して、FDAは、警告を単純化し、薬剤に関連するラベルを減らすよう指導の方向である。2006年FDAは薬剤表示ガイドラインにて、"exhaustive lists of every reported adverse event, no matter how infrequent or minor"を推奨した。


下記研究では、5千の標準製品表示フォーマットから、53万の副作用報告を調査し、表示あたりのユニークな副作用数を0-525カウントした。

"A quantitative analysis of adverse events and 'overwarning' in drug labeling"
Duke J, et al
Arch Intern Med 2011; 171 (10): 944-946.


Cheng と Guglielmoは、リスク情報の重要性に注目するが、適切でない過剰警告は結局役立たない”と述べている。 処方者はあいまいさ、解釈困難さを無視して、既知事項や理論的可能性を根拠に処方する方向にある。DailyMedという連邦ウェブサイトからの副作用イベント抽出するソフトウェアの開発を行い、100の表示の信頼性を検討し、92.8%の回答、95.1%の信頼性であった。
上述ごとく、588の表示においては150を超える薬剤副作用表示があり、300を超えるものも84表示あった。
表示あたりの服自称イベント数の最も多かったのは、神経学的項目(n=168)、精神学的項目(n=116)、リウマチ学的項目(n=111)
1980年代から1990年代承認された薬剤と比較すると、新薬ほど有意に副作用数が多い。
興味あることに、2006年表示ガイドラインに従った構造化製品表示では、旧表示より大きくその数が増えた(72 versus 47; P<0.001)

Dukeらは、この現象は予想されたものだったとしており、新薬は多くの臨床トライアルが必要とされ、さらに市販後調査がなされている。結果、旧約に比べ、副作用イベント数が多くなったとしている。同様に処方数の多い薬剤ほど、副作用報告が多いという現象が起きている。

過剰データにより、情報過多となり、重要な安全上の警告を医師が解釈する部分も減った。

Cheng と Guglielmoは、同じ薬剤に対しても多種類の表示がなされていることのバイアス、たとえば、MTXはDailyMedではindex化されているのは10ラベル、amiodaroneでは20を超えている)

過剰な数の副作用イベント表示は、個々の患者の安全性と有益な薬剤使用に関して説明と同意に多大なる影響を与える。副作用表示複雑さを減らすためのデザイン構築し、その評価努力に注力しなければならないと書かれている。




処方薬局の薬剤情報提供所を見ると、警告数より、画一性がめだつ。便秘や皮疹などが書かれていて、ほんとに重要な副作用が書かれてないことが多い。これって、指導料目的の画一的で意味がないと思うのだが・・

日本では、”イレッサ”訴訟問題もあり、さらに、薬物副作用表示に製薬会社は精力を傾けるだろう。そして、読みにくい添付文書と・・・

裁判官ってのは、ほんとに、世の中わかってないんだなぁと・・・”スティーブンスジョンソン症候群”裁判と”イレッサ”裁判をみると・・・ ”ミクロ的視野による判断”による、”マクロ的影響”・・・そういうものを裁判官たちも学んでほしいものだが・・・


【結論】添付文書における、過剰な副作用記載は、”製薬会社を守るため”、”裁判官が医療関係者を悪人に仕立てるため”のものです。

by internalmedicine | 2011-05-25 11:18 | 医療一般  

加齢黄斑変性症:ranibizumab v bevacizumab 効果同等 しかし Bevacizumab副事象多し

ranibizumabとbevacizumabの新生血管 加齢黄斑変性(Age-related Macular Degeneration: AMD)治療比較

視覚維持に関し、同等の有効性だが、Bevacizumabの方がより重度副事象イベント(主に、入院)が多かった。

Ranibizumab and Bevacizumab for Neovascular Age-Related Macular Degeneration
The CATT Research Group
N Engl J Med 2011; 364:1897-1908May 19, 2011

by internalmedicine | 2011-05-19 08:11 | 医療一般  

米国:救急外来部門閉鎖相次ぐ ・・・ 閉鎖となる要素は?

1998-2008年の間に、受診者数は増加しているのに、病院・救急部門数が米国で減少し続けている
American Hospital Association Annual Surveyとメディケア&メディケイドサービスの経済情報を複合したデータ解析にて、hsiaらは、都市部救急部門閉鎖に関わる病院、地域、マーケット要素を検討。

1990-2009年の救急部門閉鎖高リスク病院特性は、セーフティ・ネット病院、for-profit ownership(営利目的経営形態、すなわち、私立)、競合マーケット地域性、low profit margin(少ない利益差益)と判明した。





Factors Associated With Closures of Emergency Departments in the United States
JAMA. 2011;305(19):1978-1985. doi: 10.1001/jama.2011.620



1990-2009年において、非田舎地域のEDを有する病院数は2446から2009と減少し、1042のED閉鎖と374のED新たな開設。
2814の都市部急性病院、18年研究機関において36335の病院・年観察で、営利目的病院(日本では私立病院)と小利益病院は、それぞれのカウンターパートより閉鎖が多い (2変数モデルにおける累積ハザード比, 26% vs 16%;ハザード比 [HR], 1.8; 95% 信頼区間 [CI], 1.5-2.1, 36% vs 18%; HR, 1.9; 95% CI, 1.6-2.3)

競合マーケットが多い病院ほど閉鎖リスクが有意に高い  (34% vs 17%; HR, 1.3; 95% CI, 1.1-1.6)
safety-net病院ほど閉鎖リスクが高い (10% vs 6%; HR, 1.4; 95% CI, 1.1-1.7)
貧困住民比率の高いところほど閉鎖リスクが高い (37% vs 31%; HR, 1.4; 95% CI, 1.1-1.7)


形だけになりつつある日本の皆保険とは様相が異なるようだが、救急部門閉鎖は、”私立”・”貧困地域のセーフティ・ネットに関わる病院”・”利益を生み出さない部門”・”とりっぱぐれの多い貧困地域”で撤退が甚だしいという米国の医療現状。

市場原理に基づく医療のなれの果てなのだが、まだ、日本の官僚・財界と政界の大部分ではこれを理想にている日本。公的病院は赤字を出して当たり前なのに、公的病院でさえ”利益追求”が経営評価のトップとされ続けている日本。

by internalmedicine | 2011-05-18 08:40 | 医療一般  

週末入院の方が平日入院より死亡率10%ほど高い

以下の報告があった。
週末入院心筋梗塞は予後が悪い 2007/03/15

週末発症の卒中は予後が悪い  2007/03/10 


同様に、後顧的研究だが、非待機的(予定外)入院の場合、週末入院の方が、平日入院より死亡率が高いという報告

Mortality Rate After Nonelective Hospital Admission
Rocco Ricciardi et. al.
Arch Surg. 2011;146(5):545-551. doi:10.1001/archsurg.2011.106


米国地域病院の20%もの国内規模研究で、Nationwide Inpatient Sample使用

非待機的入院患者29 991 621 名、5年間のデータ
週末 6 842 030 、平日 23 149 591

入院死亡は、ウィークエンド非待機入院で  185 856 名 (2.7%) 、平日で 540 639 (2.3%) (P < .001)

回帰モデルにて、主要診断カテゴリー26の内、15がウィークエンドで死亡率有意に高かった。週末の影響は残存し、死亡率は、入力データセットの他のすべての寄与因子補正後も、ウィークエンドは平日より10.5% (odds ratio, 1.10; 95% confidence interval, 1.10-1.11) ほど高い。

by internalmedicine | 2011-05-17 16:55 | 医療一般  

国保オンライン請求システム

http://www.onlineseikyu.jp/index.php?1304930582
【医療機関】【ISDN】 【NTT】ISDN回線の混雑について 5/9 15:52
ISDN回線の混雑のため、現在医療機関からオンライン請求ネットワークへ接続しづらい状況になっております。
接続出来ないお客様については、お時間を置いて再度接続を行って頂きますようお願い致します。

利用者が集中したためだそうですが・・・この程度も 「想定外」 で済ますのでしょうね

免責事項
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免責事項記載だけはしっかりしている・・・


国策で始めたオンライン請求、故に、 国も責任をとるべき!


リアルタイム検索「オンライン請求システム」(http://bit.ly/kXw7sZ)に阿鼻叫喚の書き込み!

「7日(土)にもヘルプデスクにつながらない」
「本日(9日)午前は普及した」と上記ウェブ記載
「プログラム改訂エラー」「サーバ・エラー」
「オンライン請求義務化なんて宣うならもっとしっかりしたシステムにせいよ。」
「オンライン請求確定しないから、帰れない」
「連休でいっきに請求の回線使用することなんか分かりきってる話」
・・・・

by internalmedicine | 2011-05-09 17:46 | 医療一般  

Advanced Accessとか、Open-Access Schedulingとか・・

Advanced Accessとか、Open-Access Schedulingとか・・・日本の後追いしてるとしか思えないのだが・・・

Advanced Access Scheduling Outcomes
A Systematic Review
Katherine D. Rose, MD; Joseph S. Ross, MD, MHS; Leora I. Horwitz, MD, MHS
Arch Intern Med. Published online April 25, 2011. doi:10.1001/archinternmed.2011.168

by internalmedicine | 2011-04-26 08:45 | 医療一般