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変形性膝関節症への膝関節注のRCT

膝関節関係のEBM・・・関節注のエビデンスすくないんですよねえって、批判したが・・・今回は肯定的な研究結果である。


A Prospective, Randomized, Double-Blind, Placebo Controlled Study to Evaluate the Efficacy of Intraarticular Hyaluronic Acid for Osteoarthritis of the Knee
(J Rheumatol 2006;33:951-6)
(HA)ヒアルロン酸関節内(IA)注射の評価をプラセボ対照にて、膝の変形性関節症(OA)患者にて検討し、患者満足度を評価し、3回シリーズと6回シリーズのIA注射の違いを比較。

【方法】
ランダム化二重盲検プラセボ対照2群アーム平行デザイントライアルで106名のレントゲン的に確定した膝OA患者
HA塩20mg/mlを用いてIA 2ml注射と生食プラセボ
プライマリ有効性評価はWOMACスコア(Western Ontario and McMaster Universities osteoarthritis index (WOMAC) score (Week 3 のscore)、2次性評価はWOMACスコアで週6,週12にて行い、WOMAC stiffness、身体機能、QOLスコア、ウォーキングやStepping後の疼痛VASスコア、膝関節可動域、全般的患者満足度、SF-36など
【結果】
治療3週後、両群とも関節機能は改善、HA群はさらに対象に比較してWOMAC膝関節痛スコアの大きな改善が見られた(p < 0.01).
第3週目のHA群は全般的WOMACスコア、ウォーキング後・ステッピング後のVAS疼痛スコア改善
第6,12週二次有効性評価にて患者満足度は類似し、有意差はない。
副作用イベントにて有意差もない


長期継続は意味がないようである。


Ref)Injection TechniqueなどAFP

by internalmedicine | 2006-05-25 14:33 | 運動系  

アテローム硬化性血管疾患患者の二次予防に関する最新ガイドライン

米国心臓病協会(AHA)/米国心臓病学会(ACC)は、アテローム硬化性血管疾患患者の二次予防に関する最新ガイドライン 発表とのこと


AHA/ACC 脳卒中・TIAガイドライン改訂
は書いてたので・・・これでは中途半端・・・


AHA/ACC Guideline
AHA/ACC Guidelines for Secondary Prevention for Patients With Coronary and Other Atherosclerotic Vascular Disease: 2006 Update
(Circulation. 2006;113:2363-2372.)

・・・すっかり見逃していた。


上記記事でポイントは書かれているが・・・

サマリー:http://circ.ahajournals.org/cgi/content/full/113/19/2363/TBL1A
http://circ.ahajournals.org/cgi/content/full/113/19/2363/TBL1B
喫煙:完全禁煙、環境的タバコ暴露をさけること

血圧コントロール:<140/90
<130/80(糖尿病・慢性腎疾患患者)

脂質コントロール:
LDL<100 mg/dL
(TG>=200mg/dL 非HDL<130mg/dL)

身体運動:
30分、週7日(最小5日)

体重コントロール:
BMI:18.5-24.9 kg/m2
腹囲:男性<40インチ、女性<35インチ

糖尿病コントロール:
HbA1c<7%

抗血小板・抗凝固療法:禁忌以外全患者にアスピリン
急性冠症候群やステンと治療などclopidogrel併用
心房細動原則ワーファリン

RAAS系:ACE阻害剤、ARB、アルドステロン拮抗剤
ACE阻害剤:駆出率 ≤40% and  高血圧、糖尿病、慢性腎疾患(禁忌のない場合) I (A)
ARB:上記薬剤不応時
併用療法をつかうこともある

アルドステロン拮抗剤:Use in post–myocardial infarction patients, without significant renal dysfunction** or hyperkalemia{dagger}



β‐遮断剤:
all patients who have had myocardial infarction, acute coronary syndrome, or left ventricular dysfunction with or without heart failure symptoms, unless contraindicated

インフルエンザワクチン



上記日本語記事から気になるところ抜粋
・受動喫煙を厳格に忌避すること
・降圧剤選択に関してβ‐遮断剤 and/or ACE-I →多剤追加の手順
植物スタノール/ステロール(2 g/日)
・粘性繊維(10 g/日超)
ペクチンやグルコマンナンは水に溶けると、ゲルとなりねっとりとしてきます。胃や小腸の内容物が粘性をもつと、食物の移動が遅くなり、また栄養素の消化や吸収がしにくくなります。粘性の高い食物繊維では、血糖値を上げにくいものや、血中コレステロールを下げる効果が強くなります。

魚類またはカプセル剤(1 g/日、トリグリセリド高値の治療では更に高用量)によるω-3脂肪酸の摂取量の増加
・急性冠動脈疾患では即刻脂質プロファイル測定を
・身体運動に関しては週に7日(または週に5日以上)
 抵抗を利用したトレーニング(resistance training)は、週に2日の実施推奨
・抗血小板薬および抗凝固療法にはアスピリン:禁忌でない限りすべての患者におい無期限に継続
・発作性または慢性心房細動・粗動:ワルファリン

以下は日本語訳として・・and orなど詳細に考える必要あり・・・誤訳の可能性有ると思うのだが・・・


ACE阻害薬は禁忌でない限り、
 左室駆出率40%以下のすべての患者
 高血圧患者
 糖尿病患者
 慢性腎疾患患者
において無期限に継続
これらに該当しないすべての患者においても投与を検討。






薬剤に関しては、日本では多剤をだすと保険診療上減収という罰が加えられますが、これって二次予防治療をするなっていって居るようなもの・・・こういう矛盾をほっとく学会のおえらいさんも問題・・・糖尿病+高血圧+(脳卒中 あるいは 心筋梗塞)の患者にガイドラインに従った薬物治療をしたらいったいいくつの種類の薬剤が必要か・・・国会ででもこたえてもらおうじゃないの・・・厚労省さん

とぐちりながら・・

by internalmedicine | 2006-05-25 10:32 | 動脈硬化/循環器  

慢性肝疾患のQOL決定因子

急性骨髄性白血病の治療で輸血を受けた際にウイルス感染をうけたという渡辺謙さんの話がニュースにあがっていた。インターフェロン+RBV投与のようである・・・あんまり詮索しても・・・その辺のフジテレビと同じレベルに下がるのやめる


C型肝炎のQOLにて、疾患重症度と易疲労感というのは納得できる感じがする。
ただ、一般的な慢性肝疾患で関節痛が関連するとは・・・意外だった。

Determinants of quality of life in chronic liver patients
Alimentary Pharmacology & Therapeutics, Volume 23, Number 11, June 2006, pp. 1629-1635(7)

1175名の慢性肝疾患患者のデータにおいて、疾患特異的Liver Disease Symptome Index 2.0とSF-60比重utility scoreを直線回帰にて検討
健康関連QOLは主に疾患重症度(β=0.029)と関節痛(β=0.023)に相関
うつ(β=0.014)、右季肋部痛(β=0.014)、食欲低下(β=? 0.014) 、易疲労感 (β=0.013)も有意に関連

C型肝炎患者では、疾患重症度 (β=0.037)とうつ (β=0.030)が特に健康関連QOLの強い決定因子となる。


肝疾患と易疲労感に関する考察は・・・レビューが存在し、
疲労感は慢性肝疾患患者においてきわめて多いが、有効な治療法が無く、臨床医には無視され、焦点が絞りにくく、客観的エンドポイントがとらえにくい。
最近健康関連QOLいかする研究が行われはじめた。

疲労は、リウマチや胆汁うっ滞型肝障害、SLE、HIVなどでも注目されている。

そのoriginにより中枢性、末梢性があり、末梢性疲労は筋疲労や炎症・関節異常が合併し、RAやSLEで典型的である。

しかし、慢性疾患は主に中枢性疲労と関連が深い

従来のマーカーと相関は少なく、他の不安・うつなどの疾患を合併するなどの合併が多い。
たとえば、胆汁うっ滞型肝疾患PBCの68%が疲労があり、自己関連うつと相関があるが、肝疾患と関連する血中の生化学的指標や重症度とは関連がないとの報告がある。MS、SLE、RA患者でも同様傾向が報告されている。特定の疾患の疲労が慢性疾患の結果生じるのか、疾患特異的なのかは不明である。


考察として・・・
Corticotropin-releasing hormone (CRH) と慢性ストレス
サイトカインと免疫
中枢神経伝達物質系
気分障害の合併
が検討されている。


たとえば、慢性肝炎の運動療法に関して、日本では従来否定的であったが、昨今は否定できる大規模データが存在しないこと、日本以外で安静療法なるものが議論されてないこと、そして、運動療法の抗うつ効果からもう一度考え直されるべきだろう。
抗ウィルス薬を開発して根本的治療を研究するっては確かに非常に大事なことだが、こういったQOLに関する症状を分析し、治療に役立てるってのも重要な研究。
日本の臨床研究の甘さはこういうところにも表れている。

by internalmedicine | 2006-05-24 10:51 | 消化器  

年齢層別化コロノスコピー  乳癌におけるMRI検診

 日本の検診というのは科学性が無く、行政こそ税金の効果ある利用法を科学的に検討する義務が有ると思う。非科学的似非人権派が怖くて行政が何もできないというのは理解できるが、科学的な検診システムが必要である。疑問視され続ける検診が科学的な批判に影響されることなく放置されつづけている。試験前確率や尤度比、Risk Strategyなど、医学的検査の根本を忘れた検診システムは人間ドックだと述べる非科学的システムとともに日本の暗黒システムだと私は思ってる。


50代のコロノスコピーを受けさせる努力をもっとすべきであり、年齢に於いて層別化したストラテジーが必要であろう。
Linらの分析:JAMA. 2006;295:2357-2365.
検診colonoscopyを受けた人の横断的研究により老人と若年でのCRC(大腸癌)検出検査を行う時にlif-yearsを推定。
CRCの頻度の高い老人では、80歳以上でのcolonoscopy検診はlife expectancy experiencedは50-54歳のヒトに比べてわずか15%程度と推定。


Singhらの報告:JAMA. 2006;295:2366-2373.
colonoscopy陰性後のCRCリスク減少の程度と期間を検討し、colonoscopy陰性では一般にくらべて60-70%リスク減少し、10年以上リスク減少が持続する



BRCAの検査は米国では、そのEthicalな問題を含め、数百ドル~数千ドルのコスト前提で、検討されている。
MRIはmammographyより高リスク群では早期に乳癌を検出する。
Plevritisらは、コンピューターシミュレーションにてBRCA1・BRCA2 mutation陽性の女性の検診のコスト・効果を評価した。
MRIを加えることでは年齢によりそのコスト効果は変動。
QALYあたりのコスト効果閾値をベースにすれば、BRCA1 mutation女性では毎年MRI
+mammographyが35-54歳にてcost-effective、2年ごとMRI+年ごとのmammographyが35-54歳のBRCA2 mutationではcost-effective
JAMA. 2006;295:2374-2384.

by internalmedicine | 2006-05-24 10:03 | くそ役人  

家庭内・地域のいじめ・暴力により喘息悪化



ATS meeting で発表されたぶんらしい
自宅で親かの暴力に、地域学校での暴力にさらされている子供は、平和な環境下の子供より有意に肺機能低下が生じる。

ATS会議で、Harvard SchoolのWrithtらが報告。
自宅での言葉の攻撃、地域での暴力はタバコ・人種・生下時体重・社会経済的状況のマーカー・自己報告喘息と言った要因の補正後も有意差をもって小児の肺機能低下と関連。
低所得者世帯の子供は肺機能低下のリスク増加があり、それは、環境的タバコ、戸内外の環境汚染、アレルゲン暴露などとともに、自宅・ストリートでの暴力といったストレッサーが関与してる可能性がある。

330名の子供を性別・Hispanic55%、高校に行ってない両親の子供40%、子宮内でのタバコ21%に分ける。
FEV1 1.28 + 0.21 L. 1.28 + 0.21 L.
平均FVC 1.39 + 0.23 L

言語的攻撃増加は有意なFEV1減少0.03 L (P<0.05)、FVC減少 0.04 L (P < 0.05).

性差による違いがあり、女の子は言葉的攻撃により影響が大きくFEV1・FVCの低下の程度が激しい、一方、地域での暴力暴露の多い上1/3はFEV1低下の傾向で、FVCは有意に減少。

暴力の影響は生前・生後のタバコ暴露の影響と同じ程度。

by internalmedicine | 2006-05-23 16:43 | 呼吸器系  

BNP:測定法による尤度比を知る必要がある

心不全の診断に関して・・・BNPが頻用されるようになった

これに関しては結構データがそろってきたようだが、検査方法で感度・特異度の違いがあるようである。測定法による感度・特異度を別途聞いておく必要がありそう・・・

Accuracy of B-Type Natriuretic Peptide Tests to Exclude Congestive Heart Failure
Systematic Review of Test Accuracy Studies
Arch Intern Med. 2006;166:1073-1080.
The diagnosis of CHF was verified by echocardiography, radionuclide scan, or echocardiography combined with clinical criteria.
ランダム効果メタ・アナリシスによるプール化陰性尤度比:0.18(95%CI 0.13-0.23)
ELISAテスト (0.12; 95% CI, 0.09-0.16)は、RIAに比べて低い(0.23; 95% CI, 0.16-0.32)

プライマリ・ケアでのCHF疑診例患者の典型的な検査前確率は20%

これで計算すると・・・陰性結果時
ELISAでは試験後確率2.9%
RIAでは5.4%


それぞれの所見の感度・特異度
DOE 100 17
自覚症状
 夜間発作性呼吸苦 39 80
 以前の心筋梗塞 59 86

理学所見
 心尖部左方移動 66 95
 重力依存性浮腫 20 86
 ギャロップ音 24 99
 肝頚静脈逆流 33 94
 頚静脈拡張 17 98
 肺音 29 77

検査
 胸部レントゲン(心拡大、肺うっ血、両者) 71 92
 心電図(前胸部Q波、LBBB) 94 61


診断プロセス:

by internalmedicine | 2006-05-23 11:46 | 動脈硬化/循環器  

臨床研修後の進路

意外に内科・眼科というところも、診療科進路希望としては少なくなったようである。アナウンス効果みたいなのがあるのだろうか?全国医学部長病院長会議は19日に研修後の診療科別の志望を調査発表している。
大学教授の集まりのくせに、分析が甘い、研修といわば医師たちの就職である研修後診療科に関して分離した分析がなされてない。私だったらこの報告書不合格だが、いろんなことが含まれる素データである。


臨床研修後の進路_a0007242_1455059.jpg
(朝日新聞H18.5.22 地域によって掲載日異なる可能性有り)

地域的なばらつきと各診療科の傾向が参考になる。


メディファックスのデータだと・・・

卒後臨床研修を今年、修了した医師で出身の大学病院に戻った人は51.2%←72.1%
産婦人科に入局した医師は、2年前と比べて18.5%減、小児科は28.1%減
脳神経外科(42.3%減)
外科(32.8%減)
形成外科(40.9%増)
皮膚科(23.6%増)

地域別では、四国が30.2%(02年74.0%)
東北32.1%(63.1%)
北海道33.1%(76.4%)
中国36.0%(73.1%)

専門委員会の小川委員長は、「過疎地を含む地方の医療の崩壊や、日本の医学・医療・研究の沈滞が危ぐされる。国民福祉の後退につながる重大問題が現実的に出てきた」と危機感をあらわにした。また「調査では命を守る救急医療の志望が減少も明らかになった。日本の医療制度全体の危機」と述べた。



調査を担当した小川教授は
仕事がきつく、しかも生命に直接関わる診療科への希望が減っている」とみている



この傾向は事実であろう。そしてこれは、抜本的解決がなされない限り、後戻りは不可能で深刻な問題と思う。

死が避けられない病態、リスクの高い処置などは、それが社会的に保護されない限り、選択する側が少なくなるのは当たり前。制度が変わらない限り、外科系・小児科・死にかかわる診療科へ進む医師は減少傾向は続くだろう。

朝日新聞は、憲法上の国民の権利である人権剥奪を行いたいらしく、この短い記事でも、初期研修お終えた後の進路は医師の自由選択に任されているといやみったらしく書いている。
(大東亜戦争に導いた新聞社あ国民的を人権無視の方向へ煽るのがうまい・・・あなた2年間過疎医療やってくれと言いたいけれども、そこはいろんな手順が必要なんだろうという大臣発言とリンクした記事だろう:記者クラブ機能発現)



ところで、大学病院の研修は確かに不効率であるし、だれしもそこで研修したがらないという理由は大学で働いたことのある医者はみな実感しているはず・・・


ところで、最終的進路結果は判明しているはずだが、そのデータはだれがもってるんだろう。行政・地域医療、GP的な医療、産業医、保険会社の診査医、フリーター医師だっている。積極的に調べようとすれば調べられるはずなのだが・・この調査自体が専門診療科だけに限ってしまってるので、わからない。
調査発想者は大学病院さえどうにかなればよいという発想で調査されているので分からない。



なぜ、大学が人気がないかは下のデータを見ればわかるだろう・・・その主因は働かない看護師と事務職なのだが・・・



大阪府医師会調査
分析では会員、非会員ともに回答者を49歳以下で区切った。その結果、会員193人、非会員176人の計369人の回答を有効回答として分析した。

 勤務実態の結果では、厚労省が01年に出した「過労死認定基準」である、1カ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働(当直を除く)をしている非会員が30.7%いることが判明。会員でも28.0%に上り、性別では男性33.7%、女性18.1%。また「過労死」環境の勤務医は大学病院勤務者では43.9%と4割を超えた。中間値推計の労働時間は64.0時間。

 また、74.0%の勤務医が当直をしており、回数は月1~4回が55.8%と過半数。中央値は4.18回。当直中、45.9%が平均5件以上の患者診療を行い、本来の「電話当番・診回り」(当局が当直として認める業務内容)といった実態とはかけ離れていた。当直明けも94.7%が通常業務に就いていた。



5月23日の記事をみれば・・・上記記事と異なり、現実的には小児科・産科に進む医者は多くなるのかもしれない。大学病院で勤務する小児科・産科は減るかもしれないが、一般病院で働く小児科・産科はさほど減らない?という可能性がある。
 大学病院の先生方の分析は大学病院への勤務希望のものであり、一部。全体像が把握されてない可能性がある。いづれにせよ、
結果的にどの診療科に進んだかを別途調べる必要があり、そのときまで結論づけは難しいかもしれない。
小児科、産科が意外に人気 研修医調査 [ 05月23日 20時29分 ] 共同通信
 重労働のため不人気とされる小児科は、32科中3位、産婦人科も8位と意外に人気-。厚生労働省は23日、新しい医師臨床研修制度の1期生の進路に関する調査結果を公表した。民間病院など市中病院での研修が増えたことを反映し、進路に大学病院を選ぶ人が減少する傾向もみられた。 調査は3月に実施。2004年度から必修化した2年間の臨床研修を今春修了した研修医のうち、2500人の回答を中間報告としてまとめた。
 専門にしたい診療科の希望を決めていたのは2154人。うち内科が1位で14%、外科9%、小児科8%と続き、産婦人科は5%でその7割は女性。小児科と産婦人科を選んだ4人に3人が「やりがいがある」を理由に挙げた。

by internalmedicine | 2006-05-22 14:40 | くそ役人  

急性肺障害:肺動脈モニタリングvs中心静脈圧モニタリング

持続的肺動脈カテーテルによるモニタリングの終焉・・・心不全治療周辺
でもふれてるが、ICU入室中の敗血症、ARDあるは病態の進展した心不全といった患者群で肺動脈カテーテルによる監視に関して厳しい研究結果が得られてる。


論文だけを見れば、PAC治療は不要と判断しそうだが、Editorialなどをみると、勧善懲悪的には行かない。

Pulmonary-Artery versus Central Venous Catheter to Guide Treatment of Acute Lung Injury
The National Heart, Lung, and Blood Institute Acute Respiratory Distress Syndrome (ARDS) Clinical Trials Network
NEJM May 21, 2006 (10.1056/NEJMoa061895)

背景:肺動脈カテーテル(PAC)の利点とリスクい関してのバランスは確立していない。
方法:急性肺障害と診断確定した1000名患者についてランダム化トライアルを行った。PACによるものとCVカテーテル(CVC)ガイドによる血行動態マネージメントの比較
退院前60日間の死亡率をprimary outcomeとする
【結果】
ベースラインは両群同等。死亡率はPACとCVC間で同等(27.4% vs 26.3% P=.69)
(注記:天下のNEJMでもこういう記載をするからなぁ・・・)
絶対的相違 1.1%(95%CI -4.4-6.6%)
人工呼吸不要日数:13.2±0.5 vs 13.5±0.5; P=0.58
ICU日数:(12.0±0.4 vs 12.5±0.5; P=0.40

少なくとも、治験期間中においては、PACガイド治療はショック患者の3つの測定値を改善せず、肺機能・腎機能の有意差もなく、人工呼吸セッティング、透析・昇圧剤使用への影響も与えてない。
水分バランスは両群同様で、輸液・利尿剤指示も同様比率であった。
ドブタミン使用は稀
PAC使用は約2倍のカテーテル関連合併症(主に不整脈)を生じる


Editorialでは、ARDSやうっ血性心不全、術後必ずしもPACは必要ではないが、必要でなくなったというわけではない。重症COPD患者、臨床的に重篤な肺高血圧症、、透析持続の患者はこのトライアルでも除外されていると書かれている。



重症患者でのルート確保というのは、CVラインが多いのだが、関わる医療事故が新聞掲載されることが多くなっている。送検された事例も多いようだが、積極的治療からの更なる撤退ということを現場の医療関係者は希望しているだろう


私の研修時代、集中治療はモニタリング全盛時代で、HurstやBraunwaldといった先生方の著書を読んでいた。
(Braunwaldが今年9月に来日するとのこと非常に楽しみ)
そういう時代はやはり理論優先の時代であり、その後のCost-Benefit studyなどのClinical Evidenceの時代とは異なる時代であったのだろう。
そういえば、大阪で医療訴訟の患者側代表として活躍中の御仁、自分の病院にモニタリングをめいっぱいして、これで医療事故が防げると昔見学者に豪語してたが・・・
モニタリング事態が合併症増加させることがはっきりしたのは、時代の皮肉だろう。

事故や問題が起きたときは、感情の発露は最後に、まず、分析的に原因を包括的に検討し、そして、再現性の確認などを科学的に行い、蓋然性が明瞭となった要因に対し、二度と不幸な転機が生じないように、エビデンスの集積とその対策の周知徹底をはかる・・・それから事故を生じさせた対象者への怠慢行為が有れば社会的にも責任をとらせるという手順をふむべきであろう。福島の問題は、医療事故調査に客観性や科学的分析などが著しく欠損しており、その状態で社会的な責任まで追及されてしまっているのである


Editorialに話は戻るが、
Clinical practice is rarely exclusively dichotomous
臨床の世界では白黒はっきりできることはむしろ稀

という一文がある。このことを、昨今、患者・家族、司法、医師までも、皆忘れているのではないだろうか?・・・メディアに関与する批評家・軽挙妄動医師たちが彼らの浅学のため、多くの視聴者に勧善懲悪的な、たとえば、肺動脈カテーテルすること自体が悪である、金儲けであるのような意見に左右されてしまうのである
メディアにおける医療医学的な情報提供に関して、一方的な情報提供を禁止するというような厳格なガイドライン策定が必要と思われる。

by internalmedicine | 2006-05-22 10:23 | 呼吸器系  

勝手な辛坊

防忘禄:辛坊氏の言論一貫せず


2月20日 日テレアナ、パンチラ盗撮で逮捕
3月10日 朝日新聞社社長・秋山耿太郎氏の長男を大麻取締法違反で逮捕
3月28日 朝日大麻起訴   :朝日新聞報道せず 
3月28日 各社が、朝日新聞社長の息子大麻で逮捕と一斉報道:日テレ・ズームインで辛坊氏が「隠すのはイカンだろ!」と切れ味ある発言
5月 2日 日テレ炭谷宗佑アナ、パンチラ盗撮起訴猶予処分



Wikipediaから・・・(修正頻繁のようである)


かねてから本人のブログで、「なぜ報道が実名でなくてはならないか?」「報道の原則は実名」など、メディアの受け手の側で検証ができる要素とともに提示することがジャーナリズムの最低限のマナーだといっていたが、 2006/2/20に日本テレビのアナウンサーが横浜駅構内で女子高生のスカート内を盗撮し現行犯で警察に捕まっており、これに対し日本テレビ(代表取締役 氏家齊一郎)は一切報道しないばかりか、事情を知りうる立場の社員に対し「内部情報を一切漏らしません」と書かせる等の厳重な緘口令を敷き、隠蔽を行った事件に対しての対応は、以前のブログでの主張と違ったものになっている。



辛坊が被害者実名報道を熱烈に主張している放送の映像
http://homepage.mac.com/nomura_osk/20051030tokume.zip
2005年10月30日放送より WMV8形式 約42MB

それなのに
たかじんのそこまで言って委員会(日テレパンチラ)
http://www.youtube.com/watch?v=NJ8GagDkrUc
宮崎「私や橋下さんが盗撮したら実名報道になるはず」
宮崎「私は実名を出した。しかしテレビ局はどこも実名を報道しないおかしい」
宮崎「テレビは談合と同じだ。こんなんで談合を非難できない」
橋下「辛坊さんは、実名報道は真実に迫る為に必要と言っていたのに今回は報道しないのはなんで?」
橋下「そこんとこどうなんですか辛坊さん!」

  ↓

辛坊「一言申し上げたと思いますが、弊社は『読売テレビ』です」

  どっ!!(会場大爆笑)

辛坊「全くの別法人です」

  どっ!!(会場大爆笑)


なぜ報道が実名でなくてはならないか?それは、いわゆる5W1Hが、報道の必須要素だからです。特に「どこで、誰が」というのは、報道の本質ですという報道関係者が、身内の不祥事に対しては、実名報道せず

日本テレビのあるアナウンサーの盗撮問題に関し、メディアは事件の経緯を実名で報道すべしという意見があったのに、完全無視

読売テレビ゙「たかじんの そこまで言って委員会」では一応この公表すべしの論陣をはる宮崎氏はそのことにふれたが、辛坊治郎氏は・・・はぐらかし終了。

辛坊治郎読売テレビ局次長の発言(H17.5.29放送分)

この人の発言は、一貫して、新聞屋さんやテレビ屋さん至上主義なんですね。
個人情報保護法という悪法の批判でなく、法律遵守している病院側を批判。
こんな悪法を通過させた原因の一環は、小泉・自民・公明を指示し、批判しなかったメディアの責任が重い。そして法律の問題点でなく、現場だけを批判。

つまりね、嫌だといってるも何も、今回の事で何が問題になったのかと言うと、個人情報保護法の下で、病院に取材に行ったら、誰が入院してるか教えてくれない!メディアが行って教えてくれないんだったらまだ分かるけれども、実際被害にあった家族が病院に行って、うちの父ちゃんがいるかもしれないから教えてくれ、つったら、病院は、個人情報保護法違反になるから教えられません、って。そんな馬鹿な事を言うな。・・・・新聞読めば家族がここにいると分かる、と。このシステムは必要なんです!


新聞でわかる必要はないだろ!テレビやWebなどの方が迅速性も高いし・・・


あのね、辛坊さん、病院はね、、病院側は入院や検査・処置などの同意のため、逆に家族を捜し求めてるわけ・・・だから、家族と判断できそうな場合は、むしろWelcome

ただ、個人情報保護法というへんな法律があるのでいくつかのプロセスを経ないといけないわけ・・・

家族といっても遠い親戚のひとがじゃんじゃん電話をかけてくるのも対応しなければならないし、家族と偽って報道する新聞屋さんたちもいるわけだし・・・

第一、緊急対応で忙しいときに、ブンヤさんたちが偉そうに電話をかけてくるのに対応しなければならないし、そういう報道被害があるんだけど、それ、ちゃんと調べたのかな?
調べる気もなさそうだけど・・・



尼崎脱線事故の時の個人情報保護法遵守している病院に対し・・・
家族が行った時に、おれの父ちゃんか入院してるか知りたいんだ、と言った時に、病院は、出せません、って言ったの!それでいいのか、って話。だからこういう時には、こういう緊急事態の時には、誰がそこの病院に入院して、誰が被害に遭ってるのかっていう、名前は、キッチリ整理して、発表する必要が、病院もあるし、メディアもあるんです!



メディアは、王様・殿様であり、世の中で一番偉いのである。なんせ、身内の不祥事まで自在に情報操作できるのであるから


私は・・・この事例がメディア・リテラシーの一例として後年語り継がれることを願う






メディアの横暴ぶりってのは目に余る


ある巨大新聞社の関連病院履歴がウェブで掲載されていた

昭和23年 朝日新聞西部厚生文化事業団が旧厚生省からの委託を受け、「社会保険小倉記念病院」を運営
平成13年 朝日新聞西部厚生文化事業団から朝日新聞厚生文化事業団に開設者が変更
平成14年 産婦人科を婦人科に変更
平成16年 小児科閉鎖
平成16年 朝日新聞厚生文化事業団から財団法人平成紫川会*1に開設者が変更

by internalmedicine | 2006-05-21 23:00 | メディア問題  

地域医療の挫折 北海道せたな町

「地域医療の挫折 北海道せたな町」 ETV特集 5月20日22:00~23:30

一般の医者を見当違い批判する変な編集(取材源の意見に同調するメディアの性癖が主因だろう)もあったが・・・おおむね妥当な番組。合併推進による弊害をメインにあつかったもので、その手法のコスト・ベネフィットなど科学的な検討ではないが・・

行政との連携の破綻(合併による方針転換)→制度の破綻を主に取り扱ったもの

箱物主体に陥り、システム構築に金をかけようとしない日本全体にかかわる問題がこの本質だと思う。医師不足問題が全国にあるが、医者を頭数だけそろえれば、病院経営はうまくいくと勘違いされているかもしれないが、大きな間違い。現町長は政治的に辞めたと主張、医師側はシステム構築関与を主張。町長側は医師に行政への口出しをしてほしくないという主張。研修医受け入れを人件費アップを理由に拒絶。


・村上医師の、赤ひげを強要すれば医者が逃げる という意見に納得
持論と合致

・日本一高い入院費用からの脱皮
  予防医療:健康懇話会、肺炎球菌ワクチンの公費助成、インフルエンザワクチンの公費助成、記念パッチの公費助成
  在宅化:リハビリテーション強化というより筋肉強化、作業療法の強化
  地域包括ケアの賛美

・パラメディカルの自主性尊重
薬剤師は、小児薬剤+アイスクリーム特定商品の組み合わせ、低血糖時のジュースに品目指定などの指導まで細かく行うなど



行政側・・・医療専門家へのリスペクトのなさ・・・それがこの国の最大の問題点




診療所を立ち去る際の、WindowsNTを未だにつかってるところやヘェボタンが出て、地域住民のお見送りがすてきだった。・・・そして新任地での、どこかたどたどしい診療
(ほんとはなじんだところがやりやすかったんだろうなぁ・・・)
新任地が彼とニーズが合致した地域であることを願う・・・

by internalmedicine | 2006-05-21 06:56 | メディア問題