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一転して、禁煙パッチ保険適応!・・・役人至上主義通達行政

通達行政というのは、役人どもの脳内発案でどうにでもなる。ものを考えてない役人が行政をするとどうなるか、支離滅裂のうえ、現場混乱。4月に人事移動があり、ほとんどわけがわからないのに、通達しまくったためという話もある。・・・おそろしく無責任な役人気質・・・下々のものはどうでも良いのだろう。

ニコチン依存症の健保適応顛末というのは馬鹿役人の通達行政の問題点そのもの

ニコチン依存症治療薬FDA認可すれど・・・依存症治療は毎日新聞へ
と書いたが、一転、健保適応とのこと
  ↓
「禁煙パッチ」一転、月内に保険適用へ 厚労相謝罪
http://www.asahi.com/life/update/0512/009.html
4月から保険診療の対象になった禁煙治療が、主な治療薬とされる「ニコチンパッチ」を使うと自由診療扱いとされていた問題で、川崎厚労相は12日の衆院厚生労働委員会で、ニコチンパッチも今月中に保険の適用対象にする方針を示した。また病院現場の混乱について「周知が不足したことは誠に申し訳ない」と謝罪した。民主党の柚木(ゆのき)道義議員の質問に答えた。 (後略)


朝日の朝刊に掲載後、民主党議員質問・・・最近、民主党議員の活躍してるなぁと実感。
やはり野党は元気があることは世の中をよくすることであると実感。


役人はあやまることを知らず・・・大臣に謝らせる・・・何様!(怒)
なぜ1カ月もたっての通知なのか? 
・・・同省保険局医療課の担当官は、「混合診療なのは明白。わざわざ知らせるまでもない。問い合わせがあれば口頭で答えてきた」



後述のペースメーカーとCTの記事から分かる如く、新聞記事というのは、ことの重要性より、興味をひきそうな内容しか記事にしていない。

ニコチン依存症治療の健保関係の馬鹿役人ぶりというのが今回明らかになったわけだが、今回は(あくまで結果として)メディア(毎日新聞以外)は良い仕事をしたのではないかと思う。



さて、ひとつ重要な記事が記載されていた。
心臓ペースメーカー、X線撮影でも誤作動の恐れ
http://www.asahi.com/life/update/0513/001.html
胸部X線撮影など比較的被曝(ひばく)線量が少ない場合でも心臓ペースメーカーに不要な電流が流れ、誤作動を起こす恐れがあると、大阪市であった12日の日本医科器械学会で発表された。被曝線量の多いCT(コンピューター断層撮影)では特定のペースメーカーが誤作動を起こすため、厚生労働省が昨年から指導を始めていた。
(中略)
厚労省は昨年5月、CTでX線を当てないように製品に表示するようにメーカーを指導。その後、医療機関には、ペースメーカーを使う患者にCTで5秒以上のX線照射をしないように呼びかけていた。



CT検査の上でのペースメーカー患者への注記の新聞記事

植込み型心臓ペースメーカのX線CT検査中の不具合事例について
http://www.jsrt.or.jp/web_data/news_files/1112866748.html
植込み型ペースメーカの一部の機種において、X線CT検査中に当該製品が部分的電気的リセットを引き起こす不具合事象が国内で11件報告されております。
 検証の結果、これらはすべて臨床下におけるX線CT装置のX線が当該製品上を照射した際に引き起こされる事象であることが判明すると同時に、当該製品上をX線CT装置によるX線が照射中又通過にオーバーセンシングを引き起こしていることも判明しています。
 厚生労働省は平成17年3月31日付で、当該事象の発生については、当該製品の構造上の問題を否定できないこと及びリセット発生に係わる解除等の早急な対応が実施されなかった場合の重篤な健康被害発生の可能性を否定できないことから、当該会社に対して、当該機種の添付文書について追記等の改訂(【原則禁忌】)を速やかに行うことと医療関係者に対して注意喚起すること等を通知・・・

<参考資料> 
(薬食審査発第0331021号、薬食安発第0331005号)
(薬食審査発第0331022号、薬食安発第0331006号)


これなんぞ、X線CT装置等と植込み型心臓ペースメーカ等の相互作用に係る「使用上の注意」の改訂指示等についてから続くものだと私は解釈していたが、この新聞記事に記載されるまでCT関係の業者からは連絡もなかったと記憶している。


通達行政というのは、上から水をまいて、末端までその情報が行くかどうかはさほど気にしないようである。情報を積極的に手に入れない方が悪いと役人たちはのたまうのだろう。

by internalmedicine | 2006-05-13 08:54 | くそ役人  

ニコチン依存症治療薬FDA認可すれど・・・依存症治療は毎日新聞へ


遅ればせながら・・・FDAがChantix (varenicline tartrate) 錠を認可したとのこと



アメリカ心臓病学会 2005年研究進展 トップ10
で紹介済み

②Varenicline:禁煙を助ける期待の新薬

http://health.yahoo.co.jp/column/detail?idx0=w05051103


脳内でニコチン受容体に結合して、ニコチンが受容体に結合するのを防ぐ。ニコチンが受容体に結合するとドパミンが放出され快感をもたらすことになるが、同薬によりその作用が阻害される。

ニコチンの報酬的、習慣形成性を生じる脳の受容体を刺激する薬剤の研究

α4β2ニコチン受容体部分的アゴニスト

bupropionとプラセボの比較では、varencicline群では約44%、bupropion群では30%、プラセボでは17.7%


と説明されていたが、FDAの発表では・・・

Chantixは、脳内のα4ーβ2ニコチン受容体を一部遮断し、喫煙後1吸入した10-19秒以内に、ニコチンはこの受容体とくっつく。こんどはこの受容体はドパミンの大量増加をもたらし、気分が良くなる。Chantixは受容体と接着し、ニコチンの接着を阻害する。その結果ドパミンの大量増加によるrewardを遮断することで、依存サイクルを阻害するという話。
約2000例の患者で6つのトライアルのうち2つをTonstadは報告し、Chantix 1mg/bid、Zyban 150 mg/bid、プラセボを比較
禁煙成功率、Chantix群 22.1%、Zyban群 16.4%、プラセボ


・・・と、やはり禁煙成功は難しい。


日新聞記者はタバコ依存症は簡単だそうだが・・・これからは毎日新聞社に禁煙指導を頼めばよいのでは・・・
タバコは依存症を形成しやすい・・・アルコール・麻薬よりはるかに ・・・> 毎日新聞様


ニコチン依存症の健保適応というところでメディアを騒がしたが、結局、厚労省の役人の通達行政によれば、医療の現場では結局なにも変わらないことがはっきりしている。
ニコチネルTTSなどの健保適応を許可しない限り・・・混合診療となり、健保適応できないのである・・・なんというアホな・・・

疑義解釈資料の送付について(その5)4/28付
http://www.hospital.or.jp/pdf/14_20060428_03.pdf

【ニコチン依存症管理料】
(問17)ニコチン依存症管理料を算定する際処方されるニコチンパッチはど
のような扱いとなるのか。
(答)ニコチンパッチが薬価収載されるまでは、自費徴収の有無に関わらず、パッチを使用する禁煙指導は全て自由診療となる。
なお、ニコチンパッチの薬価収載については、現在検討中である。

by internalmedicine | 2006-05-12 17:24 | 医療一般  

rapid ACTH test

検査法提要は私らの検査のバイブルだが・・・rapid ACTHテストの記載がなくなりちょっと心配になった。


29版・32版:掲載 あり
30版・31版:掲載なし



結局は、32版で復活したのだが・・・いったいなんだったのか?


ちなみに・・・
<検査方法>
rapid ACTHは、前採血後、合成1-24ACTH0.25mg筋注または静脈内投与し、
30.60分後に採血し、血中コルチゾールを測定する。
健常者はコルチゾールの値が2倍以上に増加する。
増加をみないときは、予備能低下で副腎皮質不全が疑われる。
(第32版 検査法提要抜粋)


なお、コートロシンZで、用法用量通りおこなって・・・アナフィラキシーを経験してるので・・・私は怖い!

注意事項:

用法・用量
1.副腎皮質機能検査の場合:
1日テトラコサクチドとして0.5~1.0mg(1~2mL)を1~2回に分けて筋注する。
※筋肉注射しか認めてない
重要な基本的注意
1.副腎皮質ホルモン療法から本剤に切り換える際は離脱症状を防ぐため,副腎皮質ホルモン剤の投与を急に中断せず一定期間(最低1週間)これらを併用すること。
2.まれにショックを起こすことがあるので,使用に際して下記の点に留意すること。
(1).ショック等の反応を予測するため,十分な問診を行うこと。
(2).あらかじめ皮膚テストを行うことが望ましい(皮膚テストとしてはコートロシン注の104倍程度の希釈液を皮内に注入し,15~20分後の皮膚反応を観察するなどの方法がある)。
(3).本剤の投与に際しては,常時,ただちに救急処置のとれる準備を整えておくこと。
3.本剤の投与後は,患者を安静にさせ,観察を行うことが望ましい。

・・・とくに副腎不全を想定した検査だから、それ相応の心と器具の準備は必要だろう。


Harrisonから:
スクリーニングテストとしてのいわゆるrapid ACTH刺激試験は、cosyntropin 25 units(0.25mg)を静脈内・筋肉内投与し、投与前・30分・60分で比較。
試験は1日のうちどの時間でも良い

多くのカット値:
 刺激後>500 nmol/L(>18g/dL)
 増加値がベースラインより>200nmol/L(>7g/dL)増加

重症疾患では反応しない。


比較的最近の論文
To critically review the utility of the cosyntropin stimulation
test for evaluating adrenal insufficiency.Ann Intern Med. 2003;139:194-204.(pdf)

原発性副腎不全(cosyntropin 250μg)、2次性副腎不全(cosyntropin 250μg)、2次性副腎不全(cosyntropin 1μg)などで、特異度95%、感度97%、57%、61%であった。
cosyntropin 250μgの特異度95%で、summary ROC analysisでは尤度11.5(95%CI 8.7-14.2)で陰性尤度 0.45(CI 0.30-0.60)の2次性副腎不全診断に対する結果であった。

by internalmedicine | 2006-05-12 11:37 | 医療一般  

亜急性咳嗽の原因と臨床的特徴

咳嗽ガイドライン 2006年 01月 18日から見てなかった。

このうちの亜急性咳嗽の診断プロセス:
亜急性咳嗽の原因と臨床的特徴_a0007242_1004445.jpg



Causes and Clinical Features of Subacute Cough
(Chest. 2006;129:1142-1147.)

亜急性咳嗽
184名(男性77名、女性107名)評価にて、47.5の平均連例。
89/184は気道感染後の咳嗽
62名は治療なしで改善
誘発試験陽性の29/43がCVAであった

結論として、亜急性咳嗽の半数はpost-infectious(感染後)
もし強く疑うのでなければ、誘発試験施行は、経験的治療後でもかまわない。



誘発試験なんて、この異常な訴訟社会の日本で安易にはできない。
アストグラフの普及から考えても、このガイドラインは日本においては絵に描いたもちということになるだろう。




・・・そして朝日が医者批判をする・・・日本の呼吸機械はprovocation testさえしませんって・・・

by internalmedicine | 2006-05-12 10:05 | 呼吸器系  

脳神経外科から楽な科へ進路変更?

朝日の一面に医師が”楽な科”を選択するようになったと書いてあった。Webでは書かれてない。

“楽な科”というのは、専門家のインタビューとしては書かれておらず、記者の感想なのだろう。

朝日新聞は北九州の病院を実質経営したことがあり、循環器と脳神経外科が看板だったはずで、いまだ、脳神経外科にはSympathyをかんじてるのだろうか?



若手医師、脳外科離れ 激務・訴訟リスクを恐れ?
 今春、2年間の臨床研修後に脳神経外科を専門分野として選んだ若手医師が、数年前に比べ2割程度減ったことが、日本脳神経外科学会の調査で明らかになった。同学会理事会に11日報告された。理事らは「産婦人科医や小児科医などと同様、仕事のきつさや訴訟リスクが敬遠されたのではないか」とみている。
2006年05月12日07時10分
http://www.asahi.com/life/update/0512/004.html



朝日新聞らしいいやらしさに満ちた表現(人間性が現れている)
どの診療科が楽なのか書かれてないのは、その診療科からのおそらく批判をおそれてのことだろう・・・まともな診療を行っている診療科で楽な科なんてのは存在しないと私の医師経験から判断すればそう思うであるが・・・

この論文当時は、日本においては、1340のトレーニングセンターで、7500名を超える脳外科医、5432名の専門医がいるそうである。
ちょっと前のデータなのでこれより増えてるはず。


今年初め読売新聞は実はこの実態に関して全く逆のことを記事にしている。
脳神経外科医も、日本には昨年時点で、人口100万人当たり47人おり、韓国の39人、米国の18人をしのいで世界一多い。・・・・・医師の数 2004年末現在の総実働者は25万6668人。2002年に比べ約7000人増えているが、心臓血管外科は4.7%増、小児科は1.4%増、脳神経外科は0.7%増、産婦人科は4.3%減だった。(2006年1月31日 読売新聞)



両記事が正しければ、脳神経外科への進路が急激にすくなくなった。
この短期間で変わったことといえば・・・割り箸事件などの刑事訴訟も加わった医療事故紛争、そして、新しい研修制度のもたらしたということになるのだろう。脳外科というのを現実にみせられて、期待と現実のギャップというものがあるのではないかと思う。一生涯の仕事を決めるわけだからいろんな要因で選択をおこなう。そう安直にきめることはないのだよ・・・>朝日の根性曲が記者様方


ちなみに、ラクナの仕事をしようというのであれば、ちなみに神経内科・循環器系内科に進むべきであろう。・・・Lacuna Strokeの専門はそちらと思われ・・・



みればみるほど、気分悪くなる新聞ですなぁ・・・朝日
相変わらず、表層的で、感情のほとばしる、医療全体から、社会全体から問題をあぶり出そうとしないいい加減な記事・・・記者は研修をやり直した方がよいと思う。
そうしたら、社会部じゃなく楽な部を選ぶのでは?

by internalmedicine | 2006-05-12 09:32 | メディア問題  

FDAは緑茶・緑茶成分の効果をみとめず

脳科学などに啓発された馬鹿な政治家が、テレビゲームの批判だけを行い、肝心のメディアバイオレンスに全く言及しない変な国日本。


緑茶・緑茶が健康に良いとテレビなどのメディアで盛んに宣伝ともニュースとも区別なく報道され続けてきているが、
現時点では確定的なことがいえる研究はないとFDAから言われたようなもの・・・政治的なものだろうと曲解的解説がなされるだろうとは想像されるが・・・




緑茶効果、米FDA認めず 伊藤園の表示許可申請
[ 05月11日 18時11分 ] 共同通信

 緑茶飲料メーカー大手「伊藤園」(東京)と同社の米国現地法人が、緑茶成分カテキンによる心血管疾患のリスク減少効果について、商品への表示許可を米食品医薬品局(FDA)に申請、「信頼できる科学的根拠はない」として棄却されたことが11日、分かった。
 伊藤園によると、米国で販売する緑茶飲料に「カテキンを含む緑茶を毎日150ミリリットル以上摂取すれば心血管疾患のリスク要因が減少する。FDAも根拠を支持できるとしている」と表示することを求め、動物実験や人を対象にした研究論文など計105件の資料とともに昨年6月、申請した。



FDAのサイト:
Qualified Health Claims: Letter of Denial -
Green Tea and Reduced Risk of Cardiovascular Disease
http://www.cfsan.fda.gov/~dms/qhcgtea2.html
この書簡は伊藤園(株)・伊藤園(北米)によるFDAへのhealth calim petitionに応じたもの。緑茶と心血管疾患リスク減少との相関を評価。
カテキン源として緑茶を1日150ml最低消費することは心血管リスク要因減少に役立つかもしれないとした。FDAは指示したが、結論はできないと報告した。


FDAは2005年7月28日陳情書を提出し、60日のコメント期間を掲示後、agencyのガイダンスに一致した手順を経た。
この書簡では、緑茶・緑茶成分の確かな科学的健康上の効果ある証拠・CVDに関するリスク減少を認めないというFDAの決定を公表したもの




癌関係も・・・証拠不足
いくつかの研究結果と逆に、緑茶はおそらく、乳ガン・前立腺癌や他の癌の予防効果がないとのべた。2つの研究では女性乳ガンのリスクを減少することが示されなかったが、さらに弱い、限定的な研究でしか緑茶のリスク軽減を示せなかった。
FDAは結論として、緑茶が乳ガンリスク減少しそうもないと結論づけた。
唯一弱く、限定的な研究でしか、緑茶は前立腺癌のリスクを減少を示せえなかった。
FDAはさらに、緑茶の使用と他の癌のリスクを示せるような質の高い研究は存在しないと結論づけている。
MSNBC:
http://www.msnbc.msn.com/id/8424430/

by internalmedicine | 2006-05-11 23:23 | Quack  

医療過誤の訴訟・真の過誤比率・補償の問題

損害賠償先進国、米国がいかなる事態におちいっているか?
Bushでさえ危惧している事態となっているにもかかわらず、
小泉・竹中・谷垣路線は米国の陥った悪例を踏襲しようとしている・・・


<日本のメディアがこのことを全く報道しない理由というのは、単に無理解でなく、恣意的な動きだろう>

本日のNEJMに、米国社会での、訴訟のもたらしたもの、無益さが書かれている。

医療過誤の起訴・告訴問題がUSや他の国々でも消えることがない。
(日本関連:Health Policy. 2003 Aug;65(2):119-27.

Bush政権のメンバーを含む医療過誤変革advocateらは、“frivolus”(軽率な・とりにたりない)医療過誤訴訟を問題視し、結果的に医療費用を増加させるものとなっていることを危惧している。こういった訴訟はbad businessであり、不要なものである。

“frivolus”(軽率な・とりにたりない)医療過誤訴訟は、USの医療過誤システムのコスト増大に大きく関与している。1452の米国国家的研究にて37%に医師の過誤を認めないものであった。
多くの訴訟は和解金支払いとはならず、全てのコストの13-16%が結局、医療過誤と関連無い金銭(弁護士や相談した専門家への支払い、裁判所への支払い)と消えていくのである。


・・・以下・・・原文のありか(おそらくまともな日本語訳がいろんなところから発表されるだろう)

Claims, Errors, and Compensation Payments in Medical Malpractice Litigation
NEJM Volume 354:2024-2033 May 11, 2006 Number 19

訴訟の3%で証明できる医療損傷は無く、37%は過誤を含まないものであった。
過誤と関連しない訴訟のほとんど(37/515)・外傷(31/37)は保障とならなかった。 過誤による外傷を含むほとんどは保障となった(653/893)。
過誤を含まない訴訟と比較して、支払額は有意に低い
過誤の関与しない訴えは13-16%の全体のコストである。
保障に関わる金銭の54%がその訴訟のコスト(弁護士・専門家への支払い、裁判所への費用)となっている。過誤を有する訴訟ではコストの78%に相当する。

by internalmedicine | 2006-05-11 15:27 | 医療一般  

PEAKトライアル、PACトライアル

内科なのに、ときどき、なんちゃって小児科にならざるえないのだが、成人の診療ロジックと全く異なる。ペークフローモニタリング、呼吸機能などができないだけでなく、エピソード自体の聞き取りも困難で、ともすると、小児科喘息診断では曖昧になりやすい。結局、乳幼児の喘息診断ロジックは傍証に基づくことが多いようである。その傍証を用いて、吸入ステロイドを用いて、介入を行ない、長期的な本格的喘息へ移行や喘息進展予防効果などをみたもの


いづれも期待はずれだったようである。



Prevention of Early Asthma in Kids (PEAK)臨床トライアル

喘息の自然史の研究によると初めての症状は1歳以内に生じることが多いとされている。喘鳴が頻回な患児(1年以内に少なくとも4回のエピソード)とmajorなリスク要因(両親の喘息既往・患児のアトピー性皮膚炎)の1つか3つのminorなリスク(アレルギー性鼻炎、好酸球増多、感冒を伴わない喘鳴)のうち2つある場合、リスクが高いと考えられる。
就学前児童に関し、ICS治療は高リスク幼少児の頻回の喘鳴を有する場合の、症状軽減に関して有効と思われるが、ICS長期間予防効果を長期有効性として見た場合効果があるかどうか不明であった。
両親に喘息があり、喘息のリスクの高い状態で喘鳴の出現した子供
NIHスポンサーの研究で、2-3才対象にプラセボとICSを2年間使用
使用中は喘息コントロールは良好だったが、治療中止後喘息コントロールは改善しなかった。
Long-Term Inhaled Corticosteroids in Preschool Children at High Risk for Asthma
NEJM Volume 354:1985-1997 May 11, 2006 Number 19




PAC(PreAsthmaControl)臨床トライアル トライアル

若年時に喘息診断をすることは困難である、多くの論文報告者らは喘鳴・咳嗽・息切れなどの呼吸器症状を繰り返す場合としていることが多い。“喘息前”と考えられる有症状期間は喘息の病態形成に影響を及ぼすと考えられる。
このpre-asthmaのエピソードにより間欠的ICS治療はその後の持続性喘鳴(症状の即時的影響も)を予防、進展防止に影響を及ぼすかの研究

喘息のリスクの高い子供を吸入ブデソニドとプラセボに割り当て2週間投与。3年時喘息・肺機能測定項目にてプラセボとの差異がなかった。
Intermittent Inhaled Corticosteroids in Infants with Episodic Wheezing
NEJM Volume 354:1998-2005 May 11, 2006 Number 19



by internalmedicine | 2006-05-11 10:19 | 呼吸器系  

COPD急性増悪:気道炎症・コロナイゼーション・FEV1評価

COPD患者急性増悪における感染と気道炎症について・・・
安定期におけるcolonisationと炎症は、急性悪化の時と、どう変化しているのか?同様な細菌が安定期にも、急性悪化期も存在する。しかし、急性悪化時の細菌培養陽性患者の比率の増加と細菌量の増加が認められる。colonisationも安定なものでなく、分子技術を用いることによりH influenzaeの異なる菌種ごとの頻回なturnoverが見られるなど新しい感染による急性悪化と区別することも難しいのである。
Thorax 2003;58:73-80


COPDの急性悪化原因の細菌感染の原因の69.6%がH.influenzaeであり、Rhinovirusが19.6%であり、IL-8、FEV1の低下と相関があるとのこと
感冒症状(純粋なウィルス感染のマーカーと考える)と細菌感染による急性悪化時、FEV1低下は大きい。
(Chest. 2006;129:317-324.)


Infections and Airway Inflammation in Chronic Obstructive Pulmonary Disease Severe Exacerbations
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 173. pp. 1114-1121, (2006)
急性悪化は肺機能障害と関連し(p < 0.001)、喀痰中の好中球増加と相関している(p < 0.001)。ウィルス性・細菌性感染は78%の急性悪化で検出。
ウィルス性は48.4%(安定時 6.2%) p < 0.001
細菌性54.7%(安定時 37.5%)

感染急性悪化患者は、非感染性急性悪化に比べ、入院期間延長し(p < 0.02)、肺機能のいくつかの指標悪化(全て p < 0.05)がみられる。

喀痰中の好中球は急性悪化時増加し(p < 0.001)、それに応じで重症度相関(p < 0.001)し、それはウィルス性・細菌性感染に関わらない。
喀痰中好酸球はウィルス関連性の急性悪化時増加する(p < 0.001)



気道のコロナイゼーションは好中球気道内腔炎症と関連しており、COPD気道疾患の進展と関連;コロナイゼーションも結果的には悪さをしてるわけだなぁ・・・と
Airway Inflammation and Bronchial Bacterial Colonization in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 173. pp. 991-998, (2006)
病的細菌100 CFU/ml:
喫煙既往のある患者0%、非喫煙者6.7%、COPD患者の34.6%で検出 (p = 0.003).
コロナイズしたCOPD患者は有意に相対的・絶対的にBAL中好中球、IL8、active MMP-9、エンドトキシン値が非コロナイズCOPD患者より高い。
BAL中の炎症構成成分は有意にコロナイズされたCOPD患者で高い。



・・・再び、鼻腔や口腔洗浄などに走るのか?


COPDの重症度判断は、FEV1絶対量で評価しましょうとのこと
Variability of Spirometry in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 173. pp. 1106-1113, (2006)
個人内の生化学的・スパイロ上の指数変動をNETT・LHSという2つの研究を用いて検討したもの。5886名LHS、1215名のNETT参加者


初期セッションのFEV1平均±SDは
LHS:2.64±0.60L(75±8.8%)
NETT:0.68±0.22L(23.7±6.5%)

testセッション間の平均±SD日数は
LHS:24.9 ± 17.1日
NETT:85.7 ± 21.7日


閉塞の程度増加に従い、FEV1の%変化が増加、しかし、閉塞重症度にかかわらず絶対値の差は比較的一定のまま。
参加者の90%以上障害の厳しさの如何にかかわらず225ml未満の個人内の FEV1変動差であった。



・・・昔から遅々としていっこうに進まない分野・・・COPDの急性増悪

by internalmedicine | 2006-05-10 15:10 | 呼吸器系  

ステロイドが心房細動の誘因になるそうな・・


High-Dose Corticosteroids Tied to Increased Risk of Atrial Fibrillation
Arch Intern Med 2006;165:1016-1020.(165→166の間違いでは?)
住民ベースのコホート研究によりコルチコステロイドの高用量治療により、適応の違いなく、新規心房細動発生リスク増加と関連することが示唆された。
この影響は予想より頻度が高いものであったらしい。
Archive of Internal Medicien 5月8日、Strickerらは、55才以上のロッテルダム研究7983名の成人で、8年間フォローアップにて885名新規発症心房細動の報告。
1ヶ月以内の処方にて新規心房細動発症のリスクはOdds比 3.75

低・中等量コルチコステロイドは心房細動増加と関連せず(といいながらodds比 1.42?)

by internalmedicine | 2006-05-10 14:14 | 動脈硬化/循環器