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更年期hot flashへの非ホルモン療法

Hot Flashというのは、閉経後症候群の中核的症状なわけで、長期ホルモン補充療法の安全性に疑問が問題になっているため、治療法の選択肢を広げる必要が出てきた。

Nonhormonal Therapies for Menopausal Hot Flashes
Systematic Review and Meta-analysis
JAMA. 2006;295:2057-2071.

閉経後症状の治療に対するエストロジェンやほかのホルモンの副作用に関する関心にて他のオプションの要望が生じている。しかし、非ホルモン治療の効果と副作用に関して未だ不明である。

4249のアブストラクト、43のトライアル、抗うつ薬 10トライアル、clonidine 10トライアル、他の処方薬剤6トライアル、isoflavone抽出物17トライアル

hot flashの数はプラセボ比較
・SSRI・SNRIの7つのメタアナリシスにて減少:
(mean difference, –1.13; 95% confidence interval [CI], –1.70 to –0.57)
・clonidine4つのトライアル
(–0.95; 95% CI, –1.44 to –0.47)
・gabapentin(GABA系、抗けいれん薬として日本では申請中?)2つのトライアル
(–2.05; 95% CI, –2.80 to –1.30).

アカツメクサ(red clover)イソフラボン抽出物はその頻度を減少させず、大豆イソフラボン抽出物の混合した結果であった。

他の治療の有効性のエビデンスは数が少ないため限定的

トライアルは異なる治療をガチンコで比較せず、相対的な有効性も結論づけられない。



ツムラもさすがに治験を始めてるらしい・・・
TU 025 Keishi Bukuryo Gan for Post-Menopausal Hot Flash Management
NCT00119418

・・・まだ第2相治験扱い・・・

日本の漢方の扱いというのが異常。RCTがきちんとなされていないものを放置しつづける厚労省。しかも漢方というのはすべて先発扱いで、優遇されている。・・・わだかまりを感じる

by internalmedicine | 2006-05-04 00:41 | 医療一般  

ウォーキングの能力は死亡率・心血管疾患・廃用・運動能力の予後推定となる

役人が根拠なきリハビリテーションにしてしまうものだから、日本の老人Sedentary対策はむちゃくちゃになっている。一部の大学の先生方のパワーリハへの悪のりをみれば、役人だけが悪いのではなく日本におけるリハ関係の医学の質自体も疑ってしまう。
Ref.閉じこもり? sedentary?

ウォーキング能力ってのを6MTSWTなどで臨床的にも測定しているのだが、高齢者のSedentary Indexとしても有効なのでは?

Association of Long-Distance Corridor Walk Performance With Mortality, Cardiovascular Disease, Mobility Limitation, and Disability
JAMA. 2006;295:2018-2026.
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/abstract/295/17/2018?lookupType=volpage&vol=295&fp=2018&view=short
【主なアウトカム】
総死亡率、心血管疾患発生、運動廃用(mobility limitation)、移動機能障害(mobility disability ):4.9(0.9)年の観察

【結果】
運動適格者の内351名が死亡、308名が心血管疾患発生、1116名運動運動廃用出現、運動機能障害509名出現
400m歩行できないことは死亡率・心血管疾患発生増加の高いリスクと、関連因子補正後も関連し(212.6 vs 79.1 events/1000人年 補正HR 1.86 95%CI 1.58-2.18 P<.001)
運動機能障害(85.2 vs 28.8 events/1000人年 補正HR 1.95 95%CI 1.56-2.4 P<.001)

400m歩行可能なうち、加えてperformace timeのかかる分数は運動廃用をもたらす心血管イベント発生、移動機能障害に対し、それぞれ 1.29(95%CI 1.12-1.48)、1.20(95%CI 1.01-1.42)、1.52(95%CI 1.41-1.63)、1.52(95%CI 1.37-1.70)と地域、健康影響行為、臨床的・臨床下疾患、心血管疾患リスク要因補正後関連あり

この関連は男女・黒人白人とも一致。
機能的能力の悪い4分位は良好な4分位にくらべ高いリスク(補正HR 3.23 95%CI 2.11-4.94 P<.001)

【結論】
歩行障害を有しない住民老人はウォーキングテストでパフォーマンスの範囲が広い。
テストやパフォーマンスの能力は、死亡・心血管疾患・廃用運動制限・運動機能障害に対して予後因子となる。

by internalmedicine | 2006-05-03 18:16 | 医療一般  

Bronchial Thermoplasty:喘息

以前紹介:喘息に対するラジオ波治療は、bronchial thermoplasty(気管支温熱形成術?:勝手な訳なので・・・使わないように)

bronchial thermoplasty






動画付:http://www.air2trial.com/Asthmatx_Lg.html
(Asthma Intervention Research 2 (AIR2) Trial の紹介)


American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 173. pp. 965-969, (2006)

Gerard Cox(McMaster University)は小規模の非ランダム化安全性研究
ラジオ波は、気道の平滑筋が気道過敏性を減少させると報告
平滑筋を介した気道収縮を抑制する目的で、16名の安定期喘息で、気管支ファイバースコープにて直接当てるもの


2年研究で、312の副作用:一過性で気管支鏡後で、97%は軽症から中等症、3つの重篤な副作用:偶発事故は3つで、ピーナッツへの過敏症、卵巣嚢腫、部分的乳房切除

気道過敏性の改善が見られ、PC20は2.37改善、1年2.77、2年で2.64(P<0.001、P=0.007、P<0.001)

12週間で改善した結果:
* ベースライン時、無症状期間平均50%→73% P=0.015.
* 12週フォローアップ期間、無症状日数67%増加
* 朝と夕方のPFともに改善




結果を見ると安全で、よさそうなのだが・・・

by internalmedicine | 2006-05-02 14:41 | 呼吸器系  

肺炎:どの重症度から併用するか


併用療法開始に関しては混合感染の問題が市中肺炎の10%程度にあること(Eur Respir J 2006; 27:795-800)など問題となると、正直、併用したくなる。しかし、併用療法がどれほどの治療効果インパクトがあるかが問題となる。それと同時に併用療法の副作用に関する問題も・・・

Impact of Initial Antibiotic Choice on Clinical Outcomes in Community-Acquired Pneumonia
(Chest. 2003;123:1503-1511.)にて併用療法が比較的安全とされている。


耐性菌の問題より、コストの問題だと正直に外国の論文は書かれている。

Impact of initial antibiotic choice on mortality from pneumococcal pneumonia
Eur Respir J 2006; 27:1010-1019

肺炎球菌市中肺炎(CAP-SP)638名、
β-lactam monotherapy (n = 251)
macrolide monotherapy (n = 37)
β-lactam plus macrolide (n = 198)
levofloxacin alone/combination (n = 48)
other combinations (n = 104)

30日生存率は84.9%
多変量解析にて
両側病変、誤嚥疑い、ショック、HIV感染、腎不全、PSI(IV vs I-III、V vs I-III)

PSI > IIIの患者のみ、併用療法と単剤の死亡率の有意差認める



PSIという重症度分類は・・・
Pneumonia Severity Index Calculator

ただ、現在、このPSIスコアは、ヨーロッパから対案が出されている。

Combining information from prognostic scoring tools for CAP: an American view on how to get the best of all worlds
Eur Respir J 2006; 27:9-11
CAP患者の疫学的研究は多くおこなわれている。CAP治療のコストの大部分は、入院の有無であり、USAでは20%未満で入院、この疾患の費用の90%がこれにかかわるのである。
CAP予後スコアシステムは、この問題に対処するため開発されている。
USAで開発されたPSI,BTSで開発されたCURB-65がある。
意識混濁、BUN上昇、呼吸回数増加、収縮期・拡張期血圧、年齢>65等が異なる。

CURB-65はERSの今回の記事でhCapelasteguiらは、大規模検討を行い30日死亡率・人工呼吸必要性、入院必要性を推定するに正確であることが示され、点滴期間の推定、入院期間の推定にも役立つことが示された。
対して、PSIは死亡率推定には同様に役立つが、ICU入室必要性の予後推定には役立たず、CURB-65の方が正確である。




日本のガイドラインは、その重症度分類の臨床的適応の妥当性に関する記載がない
し、第一、参考文献さえ提示せず、これでおこなえって役人の通達行政のようながいどらいんだらけ・・・呼吸器学会ガイドライン

by internalmedicine | 2006-05-02 10:10 | 呼吸器系  

「清め塩、死者を冒涜」

この記事、一見、行政の強制かと・・・眉をひそめたが


★「清め塩、死者を冒涜」京都・宮津市の“啓発”に市民反発

・京都府宮津市が全戸配布する広報誌などで「葬式での清め塩は故人の尊厳を冒涜(ぼうとく)することにならないでしょうか」などと廃止を呼びかけたところ、市民から 「行政が口出しすべきことなのか」と苦情が出ている。
・・・・
清め塩の慣習は、死を「穢(けが)れ」とする神道で、それを払う一つの形として中世ごろに 生まれたといわれる。その後、宗教的要素は弱まり、習俗として広く行われてきた。 日本大学教授(憲法学)の百地(ももち)章さんの話「そもそも葬式は宗教と密接に かかわる。民間の葬式のやり方に市が積極的に介入するのは、政教分離に抵触する 疑いがあるのではないか」
http://www.sankei-kansai.com/a1-syakai/syakai1.htm




因習なのか、宗教なのか・・・分からない部分がある

ウェブ検索すると・・・どうも根拠のない因習であるということの方が有力のようであり

宗教関係者同士の真摯な議論の中から出てきた話題のようである。
清め塩について考えてみましょう


病院から遺体搬送後、医療関係者での清め塩はやめた方がよいのかも・・・


御遺体の出口は、霊安室と別の出口というのが一般的だと思うのだが・・・これまでいわれるとつらいものと医療関係者は感じるのではないか?

by internalmedicine | 2006-05-01 13:01 | 医療一般