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卒中治療:予防が一番、発症したときはStroke Unitへ

日本の医療の最大の問題点・・・システム

そして、救急に関しては、システム自体がないか、機能障害を生じている・・・そのシステムの問
題点を棚に上げて、結果的には医師個人に責任を押しつけようとする司法・メディア・行政・・・

行政の議論は表面的で、ヘリコプターを配備すればそれでよいとでも思ってるような無責任さ


脳卒中になったときどのような病院に運ばれるかは、日本では一般的には運次第。
Stroke Unitを整備するのは行政の責任であり、国の責任である。
・・・経団連の主張ばかり聞かずにたまには国民の健康のことも考えてはどうか?・・・安倍総理殿

Lancetは卒中特集・・・

Stroke―prevention is better than cure
The Lancet 2007; 369:275-282

地球に65億人住んでいるわけだた、低めに見積もって推定1%が死亡しているわけで、5900万人が死亡している。
10%が卒中が原因で、他に障害がのこることとなる。
この2月に、 International Stroke ConferenceがSan Franciscoで開かれ、遺伝学、予防、診断、治療に関する研究の進歩を含むものが討議される。

不幸なことに、alteplaseのみが虚血性卒中治療の唯一の認可治療である(あくまでイギリスのお話)。3時間以内投与にて有効性があるという論文以来10年以上経過した。しかし、投与されbenefitがある比率がわずかであり、STS-MOSTで、安全性と有効性が示されていた。
しかし、最良のQOLを供給する必要性があることに卒中研究者の多くは同意するだろう、
理想的には卒中センターでMRIを行い、治療を集約的に行うことが望まれることになる。
Julio Chalelaらによると、CTより、急性虚血、急性・慢性出血性病変の同定にMRIがすぐれているという報告。急性虚血性卒中、SAHのセミナーなどを含む卒中論文の特集がLancetでくまれている。


“高血圧、食事の貧困、タバコを減らす介入が、血栓溶解や抗血小板より多くのヒトを救う”
WHOによると、87%が収入の少ない国で500-700万人が死亡し、ここでは高価な薬剤は使用困難である。Kathleen Strongらは世界的目標を2%減少としている。そして2005年から2015年までに640万人死亡数を減少させようというもの。


◆Thrombolysis with alteplase for acute ischaemic stroke in the Safe Implementation of Thrombolysis in Stroke-Monitoring Study (SITS-MOST): an observational study
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140673607601494/

14カ国多施設の6483名の患者で
プライマリアウトカムは、有症状の脳内出血(2型、24時間以内)と3ヶ月後の死亡率
24時間後の脳内出血は1.7%(107/6444 95%CI 1.4-2.0)
7日後Cochrane定義では7.3%(468/6438 6.7-7.9) vs 8.6%(40/465)
3ヶ月後死亡率は11.3%(701/6218) vs 17.3%(83/479)

結論としては3時間以内のalteplase注射のルーチン使用は安全で有効


◆MRI better than CT for the detection of stroke

Magnetic resonance imaging and computed tomography in emergency assessment of patients with suspected acute stroke: a prospective comparison
The Lancet 2007; 369:293-298

356名の患者で急性卒中、急性虚血性卒中、慢性出血がCTより多く検出 (p<0・0001, for all comparisons).
MRIは急性の脳内出血の検出ではCTと同様。
3時間以内の患者に絞るとMRIの虚血性卒中検出:41/90(46% 35-56%)
CTでは6/90(7% 3-14%)
最終臨床診断比較で行くと、感度:MRI 83%(181/217; 78-88%)、CT 26%(56/217; 20-32%)



◆Stroke-unit care associated with a reduced risk of death and disability
Stroke-unit care for acute stroke patients: an observational follow-up study
he Lancet 2007; 369:299-305

48時間以内の入院患者11572名;卒中ユニット(4936)と通常の病棟(6636)とを観察研究比較
病院死亡1576名、2169名がフォローアップ中死亡、347名がフォローアップできず
卒中ユニットでは通常病棟に比較して死亡蓋然性・障害状態蓋然性減少 (オッズ比 0.81, 95% CI 0.72- 0.91; p=0・0001)

潜在的利益は全年齢層、臨床状態でみられ、意識無しのひとのみ例外

急性卒中では48時間以内に卒中ユニットに搬送されることが推奨される・・・

by internalmedicine | 2007-01-27 10:36 | 医療一般  

動物実験と臨床トライアルの治療効果の差:動物実験モデルの多くの研究は方法論的に質が低い場合が多い


動物実験モデルの多くの研究は方法論的に質が低い場合が多い・・・という結論

動物実験モデルを完全否定しているわけではなく、動物実験というのは閉じこもってなされるため出版されないものや、疾患モデルとして人間の疾病を反映してないものも多く、不適切な者が多い。ヒトのトライアルと同様、システミックレビューが必要と思われる・・・・とのこと

Comparison of treatment effects between animal experiments and clinical trials: systematic review
BMJ 2007;334:197 (27 January)


臨床トライアル実行前に、新規の薬剤の安全性・有効性に関して動物モデルで通常試験が行われる。医学研究において動物を使うことには議論があるが、MRC(Medical Research Council)の調査では、多くの人がヒトの医療に利益があり、代換が存在せず、不必要な苦痛を生じさせる者ではないとして異論がないとのことである(www.mori.com/polls/2002/pdf/cmp.pdf )。
しかしながら、動物実験の有益性に関して疑問がもたれつつある。
・Croce P. Vivisection or science? An investigation into testing drugs and safeguarding health. London: Zed Books, 1999.
・Sandercock P, Roberts I. Systematic reviews of animal experiments. Lancet 2002;360:586・Macleod M, Sandercock P. Can systematic reviews help animal experimental work? RDS News winter 2005.

動物実験は種の間の生物学的な相違、動物の種類で結果が異なると考える場合もある。
動物トライアルの価値について評価する方法は、historical analyses、 critiques of animal models、surveys of clinicians、citation analysesがある。
この論文では、システミック・レビューからの治療効果を相対する動物実験のシステミックレビューと比較したもの



結論は、動物とヒトの差は、バイアスによるものか、類似疾患動物モデルの失敗によるものである。

benefitとharmが明確でない介入動物研究;頭部外傷、出血時抗線溶、急性虚血性卒中時の血栓溶解、急性虚血性卒中時のtirilazad、新生児RDS予防のための産前ステロイド投与、骨粗鬆症のbisphosophonate


・副腎皮質ステロイは頭部外傷の治療臨床トライアルでは有益性が示されなかったが動物モデルでは有益性が認められた。(pooled odds ratio for adverse functional outcome 0.58, 95% confidence interval 0.41 to 0.83).

出血に対する抗線溶療法は臨床トライアルでは出血減少したが、動物モデルでは結論が出せない。

ヒトの血栓溶解は虚血性卒中ではアウトカム改善した。動物モデルではtPAが24%(95% 信頼区間 20% ~ 28%)卒中用量を減少させ、神経行動スコアを23% (17% ~ 29%)改善させた。

Tirilazadは虚血性卒中患者のアウトカムを悪化と相関。動物モデルでは、梗塞容積を減少 :29% (21% ~ 37%) させ、神経行動スコアを48%(29%~67%)改善させた。

出生前副腎皮質ステロイドは呼吸困難を減少させ新生児死亡率を改善したが、動物実験では呼吸困難を減少させたが、死亡率への効果は結論が出せない状態であった (odds ratio 4.2, 95% confidence interval 0.85 to 20.9).

Bisphosphonatesは骨粗鬆症患者の骨密度増加させた。動物モデルでは、プラセボ比較で 11.0% (95% 信頼区間 9.2% ~ 12.9%)増加させた。腰椎での治療効果は8.5%(5.8%~11.2%)で、前腕部は1.7%(-1.4% ~ 4.7%)


6つの介入において、動物と臨床研究の一致するかどうか状況により様々であった。
tPAによる血栓溶解は動物モデルでは有効で、ヒトの臨床実験でも一致。しかしながら、動物実験はpoor qualityであり、出版バイアスがかかっている。


疾患モデルとかけ離れ不適切だったり(たとえば、外傷実験では受傷後数分というモデルで比較が24時間以内という臨床トライアルと比較するなど・・・)、動物実験の検体数が少なかったり、一つの研究室のデータだけだったり、二重盲検が厳格に実施されてなかったり・・・動物実験だから厳格というわけでもないようだ。

動物実験でのシステミックレビューも増加しつつあるが、臨床トライアルとの類似性評価の指標確率が求められている。

by internalmedicine | 2007-01-26 11:08 | 医療一般  

ガイドラインのガイドライン

臨床ガイドラインというのが一人歩きして、それに書かれているのがすべて正しくて・・・というのは、司法が医者に罠をかけようとしている時勢でもあり、非常に危険である。もともとガイドラインというのはそれほど絶対視すべきものではなかったのだが、統制的に医療を行いたいという行政が“EBMに基づく”というふざけたキャンペーンによりガイドラインが医者の間でも神格化されつつある。

ガイドラインてのはその作成過程をみれば、そんなに、絶対視されるべき状況にない。
特に日本においては、政府・厚労省は金を出したがらず、スポンサーに頼る状況だったり、恣意的な利益を栄養とする一部の者や、自己主張の強い偏った意見にかき乱されてしまうのである。質の高い医療が必要と思うなら、金が必要・・・それにつきると思うのだが・・・表層的な考えしかできない馬鹿役人や政府はそれを無視し続け、一部のお方たちの利益だけに貢献しつづける・・・なんか建設・土木関係とにているなぁ・・・(独り言)


ガイドラインに対するガイドラインなる記事がNEJM誌に掲載された。

Guidance for Guidelines
N Engl J med Volume 356:331-333 January 25, 2007 Number 4
http://content.nejm.org/cgi/content/full/356/4/331

良いガイドラインとは妥当性、信頼性、再現性、臨床的応用性、明瞭性、集学的プロセスによるやり方、計画化されたレビュー、文書化を含む多くものが寄与してできたもの
Field MJ, Lohr KN, eds. Clinical practice guidelines: directions for a new program. Washington, DC: National Academy Press, 1990.


NGCでも2000超のガイドラインが現在存在し、その多くが医学界が多くのスポンサーとなっている。

・ガイドラインはそもそも絶対確実というものでもなく、臨床判断の代理になる存在でもない。ガイドラインはエビデンスと意見から成り立つからである。しかし、システミック・レビューより上位の存在し、特定の臨床的環境でなにをすべきか、すべきでないかを推奨している。一部にはひろくrespectを受けるものもあり、標準化ケアとされ、局所的なバリエーションを減少させ、臨床的アウトカムを改善するよう役立っているものもある。

・しかしながら、ガイドラインの質にばらつきがある。

(続く クリック)

by internalmedicine | 2007-01-25 10:00 | 医療一般  

ブッシュ一般教書:今年もくだらない訴訟から医師をまもろうという一文あり

ブッシュ大統領の一般教書は日本に影響を与え、日本の官僚が、完了に従順な総理や大臣にわたす原稿になるので注目している。

・医療としてはブッシュもITで医療ミスやコスト削減効果があると信じているらしい。
まともなIT技術ならそうかもしれないが、日本の介護保険時の電送システムをみれば大手電機会社の不誠実な対応や公務員精神発揮のサービス時間や対応で全く信用できないシステム構築した経歴から考えれば日本でのそれを信じろというのに無理がある。無駄・無理・効率低下の固まりである。


・前年度もそうであったがいわゆる“くだらない訴訟”(日本では民事だけでなく、福島県のような刑事でもそういうjunk lawsuitがあったわけだが・・)から医師をまもろうというもの


There are many other ways that Congress can help.

We need to expand Health Savings Accounts, help small businesses through Association Health Plans, reduce costs and medical errors with better information technology, encourage price transparency and protect good doctors from junk lawsuits by passing medical liability reform.

And in all we do, we must remember that the best health care decisions are made not by government and insurance companies, but by patients and their doctors.

Bush一般教書演説:医療に関する項目

Congress:アメリカ連邦会議
Health Savings Accounts:医療貯蓄口座と医療保険と訳しているものがある

by internalmedicine | 2007-01-25 00:21 | 医療一般  

(日本では逮捕されるミスである)手術部位ミスをブリーフィングで防ぐ

Journal of the American College of Surgeons 2月号に掲載予定とのこと

Archives of Surgery誌によると、マサチューセッツにて行われた20年間の手術280万のうち、“部位間違い”手術が112,994手術に1回であった。この解析では脊椎手術を除外して(部位変更が曖昧になるから)いる。

日本だったら、11万回の手術に1回は逮捕者がでる・・



そこで・・・飛行機パイロット、CAたちの搭乗前ブリーフィングのように

ブリーフィング(2分のミーティング:ORチームのメンバーがその名前と役割を述べ、術者が手術のcritical componet、手術部位、他の安全状態に関して同定し、確認するものである。このブリーフィングは麻酔後切開前に行われる。



RX FOR WRONG-SITE SURGERY: TWO MINUTES OF CONVERSATION
Johns Hopkins Medicine Media Relations and Public Affairs

by internalmedicine | 2007-01-24 15:10 | 医学  

肥満+Metsでは酸化ストレス・炎症マーカー増加

肥満をMetS有りとMetS無しに分類しているところが、げーこくの研究者は自然史として、“MetS→肥満”一辺倒でなく、MetS→“肥満 or 非肥満”、肥満→“MetS or not MetS”を分類して考えているのである。

ただ、肥満+Metsではやはり炎症及び酸化ストレスに関する生体マーカーは増加しており、adipose cellによる炎症誘発仮説は正しいようである。


Influence of Metabolic Syndrome on Biomarkers of Oxidative Stress and Inflammation in Obese Adults
Obesity 14:2127-2131 (2006)
http://www.obesityresearch.org/cgi/content/abstract/14/12/2127
正常体重48名と、肥満(MetS無し20名、MetS有り20名)40名を研究対象

酸化ストレス(oxidative stress)と炎症の血中の生体マーカーは最小
肥満のMetS成人は有意に血中酸化LDLが高く(62.3 ± 3.2 vs. 54.0 ± 4.0 U/L; p < 0.05)、CRPも高く (3.0 ± 0.6 vs. 1.5 ± 0.3 mg/L; p < 0.01)、TNF-αも高く(2.1 ± 0.1 vs. 1.6 ± 0.1 pg/mL; p < 0.05)、IL-6も高く(2.8 ± 0.4 vs. 1.4 ± 0.2 pg/mL; p < 0.01)、IL-18も高い (253 ± 16 vs. 199 ± 16 pg/mL; p < 0.01)。




肥満+MetS両面作戦でいくべきなのだろうか?

by internalmedicine | 2007-01-24 11:21 | 動脈硬化/循環器  

T Cells in the Pathogenesis and Prevention of Asthma


T Cells in the Pathogenesis and Prevention of Asthma
(Medscape(http://www.medscape.com/viewarticle/549781?sssdmh=dm1.240559&src=0_tp_nl_0#))


アレルギー性喘息は、環境的なアレルゲンから反応した適応免疫反応(獲得免疫反応)(adaptive immune response)に生じた免疫上の疾患である。

喘息はアレルゲン特異的なIgEに特徴づけられ、adaptive immune responseの間に産生され、アレルギー特異的CD4+ Th2細胞の存在により、IL-4、IL-5、IL-13産生を生じる。Th2細胞はまたadaptive immune response間も産生され、喘息における炎症をorchestratingするのに中心的役割を果たす。
IL-4はIgEへisotype switch(参考:http://medic.uth.tmc.edu/hcprof/00000770.htm)、IL-5は好酸球の増殖・分化を促進し、IL-13は喘息の主要な特徴である気道過敏性の原因となる。

class switchまたはisotype switch:
 B細胞は抗原に接する以前あるいは免疫反応のごく初期には、IgM抗体を産生する。その後、B細胞は、その抗原特異性を維持しながら抗原の種類や感染の場などから病原体の排除に最も適した定常領域を持った抗体を産生するようになる。これをclass switchまたはisotype switchと呼び、定常領域遺伝子の組み換えによって行われる。各C断片領域の前にはswitch regionという繰り返し配列からなる領域が存在し、二つのS領域の間でスイッチ組み換えが起こる。(参考:http://www.biken.osaka-u.ac.jp/biken/BioScience/page15/index_15.html)



このような、IgEとTh2細胞のadaptive immune responseが進展して、アレルギーの感作を生じ喘息発症の特異的リスク要因となるという考えが主流


制御性T細胞(regulatory T cells)

NKT Cells

NKT Cells in Allergen-Induced Airway Hyperreactivity

Glycolipid Antigens

NKT Cells in Human Asthma

NKT Cells in the Peripheral Blood


【Conclusions and Clinical Implications】
いくつかの種類のCD4+細胞、Th2細胞、regulatory T cell、NKT細胞を含み、IL-4、IL-13を産生、喘息をregulateする。
ヒトでは、CD4+T細胞のうち多くみられ、サルコイドーシスでは見られないのがNKT細胞。
NKT細胞は喘息の患者ではIL-4やIL-13を産生、IFN-γを産生しない。これはTh2細胞の特徴と類似する。
NKT細胞が喘息において過小評価されたのは、この細胞の同定テクニックが開発されたのが最近のためだろう。

NKT細胞は喘息の重要な意味合いをもつという考えにより、ステロイド抵抗性の喘息(喘息患者の約10-30%に及ぶ)は主にTh2細胞や好酸球と異なる病態が考えられ、NKT細胞をターゲットとした治療が喘息のコントロールに非常に有効である可能性がある。
喘息のよりよい治療の改善は、NKT細胞と通常のCD4+細胞の関連に関する研究を含めNKT細胞に関しては多くの研究の完成に依存することとなるだろう。

by internalmedicine | 2007-01-24 10:27 | 呼吸器系  

冠動脈疾患患者うつに対する治療は個別心理療法よりSSRIの方が効果がある

心理療法導入は一般的に薬物療法より無批判であることが多く、結果、医療費を総体的に上げる一因となっていると思う・・・と書くとますます批判も多いと思うが・・・やはefficacyやbenefitの俎上に上げなければならない分野であることは違いないとおもうのだが・・・
片方、SSRIに関しては若年者自殺など、多くの明らかになったリスクが存在する。では、心理療法には副作用がないのだろうか?そして有効性は十分なのだろうか?

(CREATE) Trialの報告をみながら、個人的にそうおもった。



JAMAにて
JAMA. 2007;297:367-379.
うつは、冠動脈疾患入院患者に多く見られ、心血管合併症や死亡リスク増加と関連をもつ
しかし、CAD患者のうつ治療介入に関する有効性の評価の研究は少ない

Lesperanceらは、
1)interpersonal psychotherapy (IPT) 12週間+臨床マネージメント vs 臨床マネージメントのみ(n=142 vs n=142)
2)SSRIであるcitalopram(20-40mg/d)12週間 vs マッチしたプラセボ(n=142 vs n=142)
で比較。

研究者たちは、citalopramがプラセボより優れていることが示され、週毎の臨床マネージメントにプラスした場合、うつに関する自己報告・臨床評価自覚症状の減少に役立つことが判明。

個別治療を臨床マネージメントに加えることのエビデンスはない。

【メインアウトカム】
プライマリアウトカム測定:ベースラインと12週における変化:24-item HAM-D(ブラインド化された中央電話インタビューによる)
セカンダリアウトカム測定:Beck De@ression Inventory II(BDI-II)スコア

【結果】
Citalopramはプラセボより、12週後のHAM-Dスコア良好 (mean difference, 3.3 points; 96.7% confidence interval [CI], 0.80-5.85; P = .005), with a small to medium effect size of 0.33.

平均 HAM-D response (52.8% vs 40.1%; P = .03)と寛解率 (35.9% vs 22.5%; P = .01)、BDI-II スコア減少 (差 3.6 points; 98.3% CI, 0.58-6.64; P = .005; effect size = 0.33)のいずれもcitalopramが良好

IPTが臨床マネージメントを凌駕するベネフィットを有するエビデンス無し
HAM-D 差 (2.26 points; 96.7% CI, -4.78 to 0.27; P = .06; effect size, 0.23)
BDI-IIの差は (1.13 points; 98.3% CI, -1.90 to 4.16; P = .37; effect size = 0.11)


GlassmanとBiggerが、冠動脈疾患患者のうつに対する、SSRIであるsertralineとcitalopramの有効性と安全性に関して議論している。

※ SSRIである、citalopramは日本では未認可


机上理論が好きな人たちは、個別対応が大事とワンパターンに主張するが、はたして、科学的に客観的に評価された事象なのだろうか?
介護保険は、机上で上からものを見ていた人たちが空想からリアルな世界に制度を作りはじめ、authorityをもった国家的な実験という側面を持つと思う。だが、結果的に個別化は失敗し、残ったものは、妄想集団からの指導の元、書類製作にあけくれ、クライアントに接する時間を無くしたという事実。・・・そのefficacyやeffectivenessを評価することもなく、ましてやbenefitなどは振り向きもされない。

by internalmedicine | 2007-01-24 08:52 | 動脈硬化/循環器  

インフルエンザ入院成人への迅速診断の価値

Pediatrics誌(PEDIATRICS Vol. 119 No. 1 January 2007)には、インフルエンザ迅速検査はprevalenceが<10%の時のみということが書かれている。
・・・“どのようなprevalenceで迅速検査をするのが望ましいか”というテーマはEBMのお勉強でよく題材にされる(私も何かに書いた覚えが・・・)はなしで、ハリソンとEBMの検査の本をみれば簡単な教育題材のできあがり・・


Pediatrics誌の論文と以下の論文の成人入院患者とは状況が違うだろうが、迅速検査に関して、整合性のあるレビューなり、ガイドラインが必要と思うと感じた次第で・・・

Impact of Rapid Diagnosis on Management of Adults Hospitalized With Influenza
Arch Intern Med. 2007;167

【背景】迅速インフルエンザ試験は有熱小児の抗生剤使用及び付属的検査を減少させたが、成人入院患者への効果は不明。
迅速試験陽性(Ag+)のインフルエンザ患者の臨床マネージメントを陰性の場合や試験を行わなかった(Ag0)場合との比較。
【方法】インフルエンザ入院患者4冬のカルテ記録レビュー(1999-2003)
入院方針は11月15日から4月15日までの新は胃疾患患者全員にインフルエンザ検査施行

【結果】166名の患者記録のうち、86名Ag+、80名Ag-

Ag+において、Ag0に比べ、抗生剤使用は少なく (74/86 [86%] vs 79/80 ; P = .002) 、抗生剤中止は多い (12 / 8 6[14%] vs 2 /80 [2%] ; P=.01)

抗生剤使用日数、入院期間、抗生剤合併症は有意差無し
抗ウィルス剤使用はAg+で、Ag0より多い(63/86 [73%] vs 6/80 [8%] ;P<.001)

多変量解析によれば、抗生剤使用は独立して抗生剤不使用・中断と関連する。

Ag+の44名で細菌感染のリスクは低いように思えるうちの、27名はインフルエンザ陽性であっても抗生剤使用していた。
これらの患者は主に肺疾患を有志、有意に肺機能異常が見られたもの(P=.005)である。
【結論】インフルエンザ迅速試験は入院患者における抗生剤使用を減少させる。
細菌感染合併を除外するより良質なツールがさらにこのウィルス検査の利用方法を改善すると思われる。






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by internalmedicine | 2007-01-23 17:00 | 感染症  

COPD急性悪化時の procalcitoninガイダンス治療

以前も触れたが、CRPはTNFαやIL-6より肺炎の臨床マーカーとしては優れている(Chest, Vol 108, 1288-1291)。しかし、CRPはレントゲンの浸潤影・細菌学的ものとの判断する上では感度が良くなく除外できないし、特異性も悪い。診断検査としての方法論的Qualityも一般的に悪い。CRPを抗生剤処方の迅速ガイダンスとすることは推奨できない (BMJ 2005;331:26 (2 July)・・・とのことである。

しかしながら、今後議論が行われるだろうが・・・現在の日本のガイドラインでは肺炎などの治療においてCRPを効果判断の指標にしている。

COPD急性悪化時の抗生剤にprocalcitoninを利用してその判断のガイドにしたときに、通常のガイドラインに基づく判断より、抗生剤処方&抗生剤総量が減り、アウトカムには影響を与えなかった。

Antibiotic Treatment of Exacerbations of COPD
A Randomized, Controlled Trial Comparing Procalcitonin-Guidance With Standard Therapy
(Chest. 2007;131:9-19.)
208名の連続したCOPD急性増悪入院必要患者をprocalcitoniガイド治療と標準治療にランダムに分けたもの

procalcitoninガイド群は
・抗生剤処方減少(40% vs 72 % p<0.0001)
・抗生剤暴露も減少 (相対リスク 0.56; 95% CI 0.43 ~ 0.73; p < 0.0001)

さらに
急性悪化時procalcitoninガイドは有意に6ヶ月眼までの抗生剤暴露を減少
(RR, 0.76; 95% CI, 0.64 ~ 0.92; p = 0.004)

臨床的アウトカムと14日目・6ヶ月めのFEV1改善は両群とも同様

6ヶ月以内で
・急性悪化率:0.62 vs 0.64
・入院率:0.21 vs 0.24
 次の急性悪化mでの平均期間(± SD):70.0 ± 46.1 vs 70.4 ± 51.9 日
有意差無し



プロカルシトニン・ガイダンス
Procalcitonin
<0.1 µg/L: 抗生剤中止推奨
0.1 ~ 0.25 µg/L: 抗生剤中止
0.25 ~ 0.5 µg/L: 抗生剤推奨
> 0.5 µg/L: 抗生剤強く推奨


ref.)
市中肺炎抗生剤使用・中止のガイダンスにPCT(プロカルシトニン)を・・・CRPは唾棄すべき?

by internalmedicine | 2007-01-23 09:41 | 呼吸器系