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「J-DOIT-3」はヘルシンキ宣言違反?

ADA/EASDコンセンサス(PPT)などメトフォルミンの早期介入が、世界的には叫ばれているのに、少なくとも、製薬会社バックの講演会などで、講師となる、日本の糖尿病専門医師たちは、いまだにメトフォルミンを忌避する主張をつづけている。

コレステロールや高血圧などの薬剤などは世界の趨勢と、歩調をあわせつつあるのに非常に奇異な現象である。

メトフォルミンが日本人に全く検討されなかったかというとそういうことはない。
 ↓
Melbin Observational Research (MORE)
Melbin Observational Research (MORE) Study of Metformin Therapy in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus
Journal of the Japan Diabetic Society VOL.49;NO.5;PAGE.325-331(2006)



だが、何かと言えば、日本人は特異的で、メトフォルミンが向かないという・・・糖尿病の権威者たち


メトフォルミンにてアシドーシスが生じやすいというが・・・他の薬剤と劇的に異なるほど、メトフォルミンが日本人に悪さをするのだろうか?腎障害などリスクの少ない、肥満若年者などにも十把一絡げで・・・

脂質異常症や高血圧症では、欧米ときっちり分けた治療方針がだされているか?

否!

なぜ、糖尿病におけるメトフォルミンだけ超例外なのか?



標準的介入存在を無視した、突飛な介入を導入するこの経緯は不可思議・不可解



日本では、「J-DOIT-3」(http://www.jdoit3.jp/)なるものが厚労省肝いり(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/05/dl/s0527-3f_0004.pdf)で行われることとなった。


ヘルシンキ宣言(ヘルシンキ宣言のソウル改訂:pdf)に違反しているのではないか?
新しい治療行為の利益、リスク、負担および有効性は、現在最善と証明されて
いる治療行為と比較考慮されなければならない。


国際的には標準的介入が存在するのに、ローカルな状況のみ優先しての治験計画だろうか?
そして、だれも、このことに異論を唱えなかったのだろうか?


武田製薬・厚労省と、この研究に関わる研究者、分析者、治験施行者たちの独立性は担保されるべきであり、スポンサーシップが明確でなければ、建前上は、NEJMなどの一流論文掲載は不可能となるはず・・・


日本国内メーカーを大事にするのは良いが、国際ルールを無視して、国民を実験台にするのはやめてもらいたい ・・・ 官僚・メーカー・政府

by internalmedicine | 2009-02-18 16:12 | 動脈硬化/循環器  

C型慢性肝炎: IgA誘導 と肝障害

C型肝炎慢性持続感染のケース

Induction of IgA and sustained deficiency of cell proliferative response in chronic hepatitis C
World J Gastroenterol 2008 November 28; 14(44)
enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) と carboxyfluorescein succinimidyl ester 染色
capsid E1、NS3 特異的IgA、IgMが70%超で見られ、HVR-1も半数で認められた。
抗capsid IgM値(P = 0.027)、IgG増加(P = 0.0006) が6ヶ月後に見られた。
同様に、capsid (P = 0.017)、NS3(P = 0.005)に対するIgA反応が有意な比率に見られた

特に構造抗原に対するIgAは肝障害に正相関 (P = 0.036)

80%超のケースで見られるcapsidやNS3に対するIgGサブクラス評価はIgG1を介する陽性反応が見られた

一方、CD4+、CD8+どちらかへの陽性増殖反応は30%未満で、capsidに関するのはほとんど検出されず

by internalmedicine | 2009-02-18 15:02 | 消化器  

Webcast: 下垂体腫瘍のマネージメント

http://www.sessions2view.com/endo_pituitary/?mptts=20090218122722

by internalmedicine | 2009-02-18 14:28 | 医療一般  

中国漢方システミック・レビュー:癌患者への投与

システミックレビューというと・・・こちらも身構えるが・・・中国漢方全部をまとめてレビューするという乱暴な報告
 ↓
A systematic review of the effectiveness of Chinese herbal medication in symptom management and improvement of quality of life in adult cancer patients
Complementary Therapies in Medicine Volume 17, Issue 2, April 2009, Pages 92-120
システミック・レビューの目的は、癌治療患者と同時使用の中国漢方の有効性を、毒性マネージメントと、QoLや生存率を含め検討すること

49トライアルが参入クライテリアに合致し、標準的プロセスに従いレビュー
対象 3992患者で、副作用の改善、QoLやperformance status改善を示す大多数の研究で、腫瘍退縮や生存率改善の報告もある

臨床的推奨は存在しないが、中国漢方は癌治療に役割を果たすに充分な報告を示す研究の数々がある。しかし、結論を出すのに必要な、方法論的に充分な研究がより多く必要



PubMedだと、”chinese herbal cancer”で、1928件
× "trial" :(273)
× "randomized” :(277)
× "survival" :(69)
× "randomized mortality" :(26)
× "pollative” :(277)

・・・これを一つずつ調べても・・・なかなか、これといった論文が見つからない


小柴胡湯が再評価される時が来るのだろうか?・・・副作用の問題だから・・・困難だと思うが・・・
Current strategies for chemoprevention of hepatocellular carcinoma.
Oncology. 2002;62 Suppl 1:24-8.



緩和ケアと漢方
・Complementary therapies in palliative cancer care
Oncology and Radiotherapy Volume 91 Issue 11, Pages 2181 - 2185

・Herbal use among cancer patients during palliative or curative chemotherapy treatment in Norway

Supportive Care International Volume 16, Number 7 0941-4355 2008.7



Dietary supplements in patients with cancer: Risks and key concepts, part 1
Michaud et al. Am J Health Syst Pharm.2007; 64: 369-381



Safety and Efficacy of Herbal Sedatives in Cancer Care
Block et al. Integr Cancer Ther.2004; 3: 128-148
Studies of better-known herbal sedatives, notably valerian and kava, showed moderate evidence for both safety and efficacy for valerian while revealing disturbing toxicity concerns for kava. Milder sedatives or anxiolytics in need of clinical study include German chamomile, lavender, hops, lemon balm, and passionflower; St. John’s wort may have anxiolytic effects with relevance to sleep. Herb-drug interactions are a possibility for some of these species, including St. John’s wort. Although sufficient evidence exists to recommend some of these agents for short-term relief of mild insomnia, long-term trials and observational studies are needed to establish the safety of prolonged use as well as overall efficacy in the context of cancer treatment and management.



Complementary and Alternative Medicine: The Role of the Cancer Center
Journal of Clinical Oncology, Vol 19, No 18S (September 15 Supplement), 2001: 55s-60s

by internalmedicine | 2009-02-18 11:00 | Quack  

関節リウマチ抗TNFα製剤:帯状疱疹リスク :ウィルス潜伏感染リスク

生物学的製剤の負の側面について、注意が必要だろう・・・

Risk of Herpes Zoster in Patients With Rheumatoid Arthritis Treated With Anti–TNF-{alpha} Agents
JAMA. 2009;301(7):737-744.
Tumor necrosis factor α (TNF-α) 阻害剤は、細菌感染リスクを増やすが、latent viral infection(ウィルス潜伏感染)の再活動化に関しては不明であった。
関節リウマチの生物学的製剤開始した前向き研究で、Strangfeldらは、TNF-α阻害剤は通常のDMARD治療に比べ、帯状疱疹の率を増加させることを示した。



5040 名のTNF-α阻害剤 or conventional DMARDs使用
82のエピソード(2001年5月~2006年12月)
39が抗TNF-α抗体治療に関与、23が3tanercept、24がDMARDs

1000人年粗発生率は
モノクローナル抗体 11.1(95%信頼区間[CI] 7.9-15.1)
etanercept 8.9(95%CI 5.6-13.3)
DMARDs 5.6(95%CI 3.6-8.3)


年齢、関節リウマチ重症度、副腎ステロイド使用補正後、モノクローナル抗体治療でリスクあり (HR, 1.82 [95% CI, 1.05-3.15])

しかし、リスク自体は臨床的重要性より低かった。

クラスとしては、有意な相関はetanercept使用では見られず(HR, 1.36 [95% CI, 0.73-2.55]) 、抗TNF-α治療でも見られてない(HR, 1.63 [95% CI, 0.97-2.74])


抗TNF-α抗体(dalimumab、infliximab)治療は帯状疱疹ウィルスのリスク増加を示した。


latent viral infectionに関わる他の感染症は・・・?

by internalmedicine | 2009-02-18 09:59 | 感染症  

米国小児科学会ガイダンスによるコレステロール治療対象:0.8%と推定 (日本では無視されている)

Ford ES, et al "Concentrations of low-density lipoprotein cholesterol and total cholesterol among children and adolescents in the United States" CLINICAL REPORT
Lipid Screening and Cardiovascular Health in Childhood ;Circulation 2009; 1119: DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA.108.816769.



American Academy of Pediatrics によるガイダンスがアップデートされた



その影響予測調査

PEDIATRICS Vol. 122 No. 1 July 2008, pp. 198-208 (doi:10.1542/peds.2008-1349)
National Health and Nutrition Examination Surveyの1999-2006年データで、6-17歳の被験者

平均LDL 90.2 mg/dL(n=2724)
平均総コレステロール 163.0 mg/dL(n=9868)

カットオフ値を用いると、LDLは 5.2% → 6.6%、総コレステロールは9.6% → 10.7%に増加
12-17歳のこどもの約0.8%が、薬物治療必要値に相当

現行のガイドラインだと、US思春期相当のこどもにおいて、LDL濃度薬物治療必要な比率は少ない




学術団体として、治療対象者を規定
・心血管疾患リスク無し:LDL >190 mg/dL
・肥満・高血圧・喫煙・心血管疾患既往歴あり:LDL >160mg/dL
・糖尿病:LDL>130 mg/dL


肥満や喫煙・運動不足のようなリスク要因の評価とともに治療しなければならないという補足も




この比率随分多いような気がするのだが・・・


日本では、学校検診・学校医関連項目は、糖尿病・腎疾患に偏りすぎて、このコレステロールの項目などはほとんど無視されているようだが・・・


学校検診自体をばかばかしいから辞めたくなる記事も多いが・・
http://case-report-by-erp.blog.so-net.ne.jp/20080327

by internalmedicine | 2009-02-18 09:07 | 動脈硬化/循環器  

記者クラブ機能:記者会見前に報道数社の記者と飲酒を隠す

中川氏の国辱的恥さらし と 政治とメディアの関係の縮図


今回の不祥事・報道時系列
フジテレビとabcニュースの報道
 ↓
他の民放各社
 ↓
NHK


おそらくabcニュースの存在が大きかったと思う・・・仲間内で秘密にしてたことが、それ以外では通ぜず、民放各社も報道せざる得なくなったのが経緯だろう。


Yahoo!ニュース 2月18日0時3分配信 毎日新聞
 中川氏がG7に出席した際、飲酒していたことは官邸サイドもつかんでいた。政府高官は16日朝、「(マスコミも)一緒に飲んでいたそうじゃないか」などと語っていた。

事態が急転したのは、一夜明けた17日朝。「テレビに映っている自分の姿を見てギョッとした。辞めたい」。中川氏は首相サイドに辞意を伝えた。中川氏が記者会見直前にも報道数社の記者と飲んでいたことが判明し、「朝刊各紙の論調が予想を超え厳しいものだった」(政府関係者)ことで、官邸内にも危機感が広がった。首相周辺は「中川氏を入院させ、そのまま辞任させるべきだ」と首相に進言した。


あげくに、
「体調が悪くて、あのような心配をかけるようなことを起こしたが、医師の指導に従ってギリギリの体力の中でやり遂げたいということ」。



最後は医者のせい!



さすが、変態記事垂れ流し! 毎日新聞


毎日新聞はじめとする日本最大の利権団体といっても良い記者クラブと政府・・・飲酒会見し、世界に財政トップの恥さらしをさせたのは、医者のせいらしい・・・という結論で今回も幕引き


この医師名を開示してほしいものだ・・・国家的犯罪者だろ・・・政府筋に従えば(皮肉をこめて)


それにしても、官僚や政府に都合良いように・・・情報統制されている日本・・・現在の経済状況に至った理由も、あのいい加減な小泉イズムを礼賛しすぎたメディアの存在が大きい


「嘘をつくな」「人に迷惑をかけるな」と文科省 2009年2月18日 11時00分

 ↑
優秀なはずの“とうだい”を出た人も、うそをつき、ひとのせいばかりにするのだから・・・小学校からやり直しても無駄



在りし日の中川・記者クラブ機能を利用してジェネリック批判への反論
   ↓
政府の記者クラブ攻撃 2007年 05月 13日


新聞社の横暴  2004年 05月 08日


大新聞の横暴 2004年 12月 20日




AOL:Raw Video http://clipsyndicate.com/publish/video/840592?wpid=2541

BBC:http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/7892653.stm

bloomberg: http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601087&sid=agX..fsKdYGs&refer=home

Timesonline: http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/asia/article5743244.ece

More

by internalmedicine | 2009-02-18 07:09 | メディア問題  

高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)について

タイミングを外しているのだが・・・新しい、高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)とやらを、ぱらぱら捲ってみた。


 治療抵抗性高血圧の定義を採用したことで、本来は利尿剤主体の併用療法となるべきなのに、”Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、β遮断薬、利尿薬の5剤のみが第一選択薬”と横並び表現が継続されている。また、特殊な病態の中で無呼吸は特記されているのにポイントにはいかされてない、脳血管障害慢性期血圧設定理由が理由付けになってないなど・・・まじめな各論と違う要約の存在ということで実にちぐはぐ・・・支離滅裂・・・最低のガイドライン

めんどくさいので、アステラスがまとめた改訂ポイント
①高血圧管理計画のためのリスク層別化に用いる予後影響因子が詳細となり、近年急増しているメタボリックシンドロームやCKD(慢性腎臓病)が追加された。
2.血圧値の分類と危険因子の評価

②血圧値に基づいた脳心血管リスク層別化において、正常高値血圧
(130-139/85-89mmHg)のリスクも示され、それに伴い高血圧管理計画も改訂された。
2.血圧値の分類と危険因子の評価 3. 初診時の高血圧管理計画と降圧目標

③24時間の血圧管理の重要性から、診察室血圧のみならず家庭血圧に関する降圧目標が示された。また、新たに心筋梗塞後および脳血管障害を合併した高血圧患者に対する降圧目標が示された。
3. 初診時の高血圧管理計画と降圧目標

④降圧治療に用いる薬剤として、Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、β遮断薬、利尿薬の5剤のみが第一選択薬になり、それぞれの積極的適応に関して新たに示された。
5. 降圧薬治療⑤臓器障害や他疾患を合併する高血圧に関する治療計画が改訂され、メタボリックシンドロームを合併する高血圧患者に対する治療計画についても詳細に記載されるようになった。

6. 合併症をともなう高血圧の治療
A. 脳血管障害
B. 心疾患
C. 腎疾患
D. 糖尿病
E. メタボリックシンドローム



一般検査:初診時と年1回
・一般尿検査
・血液検査
・生化学:BUN,Cr、Na,K,Cl、TG、HDL、総コレステロール、LDL、PG、T.bil、GOT、GPT、γGTP
・胸部レントゲン写真
・心電図
・Cr→eGFR推定
・家庭内血圧モニタリング


糖代謝・炎症リスク評価
・HbA1c、空腹時血糖>100 mg/dLの場合75g OGTT

・hsCRP



二次性高血圧の精査
・問診、身体所見、一般臨床検査から疑われる場合
・早朝安静臥位30分:PRA、アルドステロン、コルチゾール、ACTH、カテコラミン三分画
夜間経皮酸素分圧モニタリング
・二次性高血圧の確定診断:専門医:副腎CT、腎血流エコー、腎血流シンチ、副腎シンチ、副腎静脈サンプリング、睡眠ポリグラフィーなど



高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)について_a0007242_1657291.jpg



無呼吸症候群について・・・専門学会でも未だにSASと、国際的には一般的でない呼称がなされている主に閉塞型無呼吸症候群(OSA)

前述のごとく、無呼吸スクリーニングのため、夜間経皮酸素分圧モニタリングをわざわざ使う理由がわからない・・・酸素飽和度モニタリングが一般的だとおもうのだが・・・

経皮酸素分圧ってのは、あまり普及してないと思う・・・参考(J Jpn Coll Angiol, 2005, 45: 299–304 : pdf

睡眠時無呼吸症候群簡易検査自宅配送サービスなどをテイジンなどもやり始めているのでそれ使えば、専門機器無くても検査できるのだから、もうちょっと力を入れればいいのに・・・


ただ、今回は第7章.5.睡眠時無呼吸症候群として、まとめてあり、従来より詳細な紹介となっている
1.睡眠時無呼吸症候群は、肥満とともに増加し、メタボリックシンドロームの高リスク群として、今後、本邦でも増加する二次性高血圧の背景病態と考えられる
2.本邦の睡眠時無呼吸症候群の特徴として、小顎症など顔面骨格の特徴による非肥満例も多い
3.昼間の眠気を訴える典型的な肥満冠者はもとより、夜間尿、夜間呼吸困難、夜間発症の心血管イベントよあ、治療抵抗性高血圧、特に治療抵抗性早朝高血圧、正常血圧にもかかわらず左室肥大を示す例では、積極的に睡眠時無呼吸症候群を疑う
4.睡眠時無呼吸症候群では、夜間低酸素発作時に血圧返送を伴う”non-dippier・riser型” 夜間高血圧を示し、その夜間高血圧は早朝へ維持し、「早朝高血圧」として検出されることが多い
5.重症睡眠時無呼吸症候群を合併するI度、II度の高血圧患者では、まず持続性用あう呼吸療法を行う
6.降圧目標レベルは、胸部大動脈や心臓への睡眠時胸腔内陰圧負荷の増大を加味して、特に夜間血圧を含めた、より厳格な降圧療法を行う


・・・だが、まとめをするような、お偉い先生たちの考えは相変わらずのよう・・・・

JNC-7では、一番うえにOSAが原因の特定できる高血圧ということで記載されている
高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)について_a0007242_16575654.jpg




「職場高血圧」・「仮面高血圧」という造語にご用心 2005年 07月 21日に記載したような馬鹿な表現が今回なくてほっとした・・・奇をてらいすぎて混乱をもたらすような暴走は良くない


・α遮断剤について
とんでも 高血圧ガイドライン 2004年 11月 26日で、問題にした遮断薬は・・・「医科のベル薬剤は、降圧効果自体が限定的であるばかりでなく、心血管予後の改善を証明した臨床試験がない。従って、それぞれの薬剤に適応となる病態に限って、主要高圧薬に併用する薬剤として位置づけられる」として主要薬剤から脱落してはいるが、相変わらず、”早朝の高血圧に対する眠前投与などの投与法”の記載があり、老人などの夜間排尿時転倒などの危険を加味していない・・実に無責任な記載に終始



治療抵抗性高血圧
治療抵抗性高血圧のAHAステートメント 2008年 04月 13日に準じたもの

2剤併用の相加的メリットとして、サイアザイド利尿剤の併用効果は確実であり、拡張期血圧コントロール不良なら降圧利尿剤を含まないときよりは確実に下がるなどAHAステートメントにあるが、JSH2009でも、この項目でだけ、利尿剤の重要性が強調されている。
3つの作用カテゴリーとして、血管拡張薬としてのACE阻害剤・ARB、ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤、心拍数抑制薬としてのβ遮断剤・非ジヒロドピリジン系Ca拮抗剤、利尿剤のバランスをとること、一日二回へ増量、アルドステロン拮抗剤追加など・・・


第6章のひどい記載!脳梗塞・慢性期・(1)降圧目標値について
ASA/ASHガイドラインでは・・・JNCでは正常血圧は120/80mmHg未満と定義されていることを強調している。一方、2007年に改訂されたESH-ESCガイドラインではPROGRESSの結果を尊重し、脳血管障害慢性期患者の高圧目標として、130/80mmHg未満という数値を推奨している。しかし、主幹動脈閉塞、高度狭窄があるような場合には、この結果をすべてあてはめることはできず、個々の症例に応じた対応が必要である


と書いているのに

最終目標は、個々の症例により異なるため、両側内頚動脈強度狭窄例や主幹動脈閉塞例をのぞき、140/90mm Hg未満とするのが妥当と考えられる。
と記載

”多国のガイドラインではA以外Bで、これを根拠にA以外をCとしている”って・・・日本語になってないと思うのだが・・・





メタボリックシンドローム・特定検診・特定保健指導のための記載
・・・言い訳に終始・・・低リスク・I度高血圧の生活指導不応例一ヶ月以内治療開始は矛盾しているのだが、矛盾してないと強弁しているところが笑える。・・・厚労省をおそれているのだろう。

by internalmedicine | 2009-02-17 15:51 | 動脈硬化/循環器  

GenSalt研究:メタボリックシンドロームは塩分摂取にて血圧促進

メタボリックシンドロームは食塩感受性増加と関連

疫学的にも、臨床トライアルでも、食事食塩をへらすことは高血圧、正常高値血圧の場合にも有効であるとされる。減塩による血圧降下作用は個々のばらつきが大きい。
食事性塩分感受性の一群を同定することで効果的な臨床的・公衆衛生的指導が可能に成るのかもしれない。インスリン抵抗性のある人は塩分蓄積性に働きECF量増加に傾く。故に、塩分摂取による血圧増加反応と関連するだろうという仮説

Metabolic syndrome and salt sensitivity of blood pressure in non-diabetic people in China: a dietary intervention study
The Lancet, Early Online Publication, 16 February 2009(NCT00721721.)
対象者:1906名の糖尿病無しの16歳以上の中国人
減塩(51.3mmol/d)7日間、その後、高塩分食 (307·8 mmol /d)7日間
メタボリックリスク要因情報がなければ、食事介入完遂できない場合除外
血圧はベースラインで測定し、2、5、6、7日

塩分感受性は、平均血圧5mm Hg超、減塩で下がるか、高塩分食で5mm Hg超上がるかで定義

1881名のメタボリックシンドローム情報を有する対象者のうち、283名がメタボリックシンドロームに該当
1853名が減塩食、1845名が高塩分食完遂

多変量補正平均血圧変化はメタボリックシンドロームにて、減塩、高塩食にかかわらず有意に高い (p<0·0001 for all comparisons)
加えて、塩分感受性はメタボリックシンドローム・リスク数に応じて増加
リスク要因無しに比べ、塩分感受性は、減塩にて3.54倍s (95% CI 2·05—6·11)のオッズ増加、高塩食で3.13(1·80—5·43)倍増加



高血圧のヒトへの指導に、肥満改善があるが、肥満とインスリン抵抗性と血圧、単なる動脈硬化へのリスク要因同士という関係より、より親密な関係がある・・・のだろう

by internalmedicine | 2009-02-17 11:11 | 動脈硬化/循環器  

β遮断剤は恐怖反応を消し去る

高圧治療として、β遮断剤を第一選択にすることが少なくなってきた。BBCでも、プロプラノロールを心臓病薬と紹介されているところに、時代を感じる。私などが卒業したときはβ遮断剤の使い分けができることが循環器医のうでの一つだったのに・・・脂溶性β遮断剤というところに着眼して、中枢性作用を期待する部分と、副作用に、「幻覚、抑うつ、悪夢、錯乱」というのがあることも当時議論の元となっていたのだが・・・

薬も使いようなのだろうか?

Beyond extinction: erasing human fear responses and preventing the return of fear
Nature Neuroscience
Published online: 15 February 2009 | doi:10.1038/nn.2271


動物研究にて、回想時、reconsolidation(再統合)され、fear memories(恐怖記憶)に変化が生じることが示されている。
βアドレナリン作動性受容体アンタゴニストの経口投与をヒトのmemory reactivation前に行えば、24時間後の”fear memory”の行動的発現を消し去り、恐怖回帰を予防できることを発見

恐怖記憶の再統合を中断させることは情緒的疾患患者の長期治療に新しい道筋をつけることになる


BBCにて、報道(Heart pill to banish bad memories  Page last updated at 11:03 GMT, Monday, 16 February 2009)

恐怖記憶をボランティアの手首に軽度電気ショックを当て、蛛の絵と結びつける恐怖記憶を形成させる。
その後、β遮断剤投与と、ダミー薬剤投与群の2群にわけた。
ボランティアが、突然の雑音により、絵の恐怖を示すかを評価し、まばたきの強さで、いわゆる”startle response"(驚愕体験)を測定した。

by internalmedicine | 2009-02-17 10:52 | 精神・認知