<   2009年 02月 ( 86 )   > この月の画像一覧

 

ICU人工呼吸:鎮静SEDCOM研究:プレセデックス vs ミダゾラム(ドルミカム)

JAMA Early Releaseとなっている。プレセデックス(R)がICU患者のセデーションとしてドルミカムより有益性が高いことが確認されたようだ。

ICU機械式人工呼吸患者に対するdexmedetomidine と midazolam に目標sedation時間に相違なし.比較可能レベルで、dexmedetomidine治療患者は人工呼吸時間少なく、delirium少なく、頻拍・高血圧少なかった。もっとも注目すべきdexmedetomidineの副作用は徐脈であった.

Dexmedetomidine vs Midazolam for Sedation of Critically Ill Patients
A Randomized Trial
JAMA. 2009;301(5):(doi:10.1001/jama.2009.56).
【デザイン・セッティング・対象】 前向き、二重盲検、ランダム化68センター・5ヶ国トライアル(2005年3月~2007年8月)の375医学/外科ICU患者で、24時間超の人工呼吸可能性有る患者対象
鎮静レベルや幻覚症状を評価(RASS:Richmond Agitation-Sedation ScaleとConfusion Assessment Method)
【介入】
・Dexmedetomidine (0.2-1.4 µg/kg /時間 [n = 244])
・midazolam (0.02-0.1 mg/kg /時間 [n = 122])
抜管もしくは30日間、light sedation (RASS scores : –2 ~ +1)目標

【結果】RASS範囲に到達目標内の時間比率は同等
(dexmedetomidine group :77.3% vs midazolam group75.1%; 差異, 2.2% [95% 信頼区間l {CI}, –3.2% to 7.5%]; P = .18)
治療期間中の幻覚症状頻度は、dexmedetomidine治療群 54%(n=133/244)で、medazolam治療群n(n=93/122)(差異,22.6% [95% CI, 14% ~ 33%]; P < .001)
抜管までの時間中央値はdexmedetomidineが1.9日短い(3.7 日間 [95% CI, 3.1 ~ 4.0] vs 5.6 日間 [95% CI, 4.6 ~ 5.9]; P = .01)

ICU滞在時間は同様(5.9 日間 [95% CI, 5.7 ~ 7.0] vs 7.6 日間 [95% CI, 6.7 ~ 8.6]; P = .24)

Dexmedetomidine治療患者は徐脈発症傾向 (42.2% [103/244] vs 18.9% [23/122]; P < .001)で、治療必要比率の増加は有意でない(4.9% [12/244] vs 0.8% [1/122]; P = .07)

だが、対処必要頻拍 (25.4% [62/244] vs 44.3% [54/122]; P < .001)や高血圧(18.9% [46/244] vs 29.5% [36/122]; P = .02)の尤度は少ない



プレセデックス:http://www.atol-com.co.jp/mp/di/pdf/04_05/sinseihin/8-14.pdf
デクスメデトミジンは強力かつ選択性の高い中枢性α2アドレナリン受容体作動薬であり、鎮静および鎮痛作用、抗不安作用、ストレスによる交感神経系亢進を緩和することによる血行動態の安定化作用等、広範な薬理作用を示すことが知られている。また、その後の研究で、 本剤の投与で自然に近い睡眠が得られること、本剤持続投与で十分な鎮静が得られている場合でも必要に応じて意識レベルを回復させることができ、しかも、不安や苦痛のない状態を維持できることが明らかにされた。この広範な薬理作用から、当初は周術期の使用を考慮して開発が着手されたが、1997年以降は薬物動態学的特性等も考慮し、持続投与による「集中治療における鎮静および鎮痛」を目的とした開発が進められることになった。
本剤は、呼吸抑制の誘発が認められないため、抜管中、抜管後も投与の中止を必要とせず、継続して使用することが可能である。また、鎮静作用に加えて鎮痛作用を併せ持ち、オピオイド鎮痛薬の所要量を減らし、麻薬性鎮痛薬による呼吸抑制やその他の副作用を軽減する。
さらに、本剤の優れた特性は、上記のように従来の鎮静剤とは異なるユニークな鎮静作用を示すことであり、目標とする鎮静が得られている状態でも、診察や理学療法を行うために患者を容易に覚醒させることができ、患者とコミュニケーションをとることが可能である。


<効能・効果に関連する使用上の注意>
人工呼吸管理下での患者の状態が安定しており、本剤投与から24 時間以内に抜管可能な患者を対象に投与すること。


日本では、この縛りのためICUでの使用制限を強いている・・・アホ役人

by internalmedicine | 2009-02-03 08:48 | 呼吸器系  

心電図:ガイドライン通りに施行されず

結論は
エビデンスに基づく心電図使用推奨に関わらず、狭心症状存在の初期検査として必ずしも心電図がなされてない。臨床医はECGの使用を適切に行うべきである


陳腐な結論だが、意外と施行されてないケースが多いことに驚く・・・

Frequency of Electrocardiographic Recordings in Patients Presenting With Angina Pectoris (from the Investigation of National Coronary Disease Identification)
the American Journal of Cardiology Vol. 103(3) P. 312-315 (1 Feb. 2009)
急性狭心症の診断検査の発達は、ACC/AHAいくつかの推奨がなされ、ECGが、新規狭心症診断指標として推奨されている。初期心電図は年齢、性別、合併症、医療状況により層別化。
440万人の患者のうち、18,139名が、検査のための狭心症症状クライテリアに合致
expert guidelineによる初期心電図推奨を受けてない比率は35%(95%信頼区間[CI] 34-35%)
救急部門治療患者では 91%、CI 95%-92%)で比率が多く、外来では61%, CI 60% ~ 62%( リスク比 [RR] 0.67, CI 0.65 ~ 0.68)で、入院では34%, CI 32% ~ 37%(RR 0.38, CI 0.36 ~ 0.40)

初回ECG施行率低下は
男性(RR 0.93 vs 女性 RR 0.91 ~ 0.95)
64歳以上 (RR 0.93 vs 若年 RR 0.91 to 0.95)

ガイドラインに従った心電図での診断コスト平均$954で、施行しなかったときは$1233




ACC/AHA CLINICAL COMPETENCE STATEMENT ON ELECTROCARDIOGRAPHY AND AMBULATORY ELECTROCARDIOGRAPHY
J Am Coll Cardiol 2001



・Guidelines for electrocardiography: a report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Assessment of Diagnostic and Therapeutic Cardiovascular Procedures (Committee on Electrocardiography) Circulation 1992;85:1221-1228(pdf)


・ACC/AHA 2007 Guidelines for the Management of Patients With Unstable Angina/Non–ST-Elevation Myocardial Infarction
J Am Coll Cardiol, 2007; 50:1-157, doi:10.1016/j.jacc.2007.02.013 (Published online 6 August 2007).


・Recommendations for the Standardization and Interpretation of the Electrocardiogram: Part I: The Electrocardiogram and Its Technology A Scientific Statement From the American Heart Association Electrocardiography and Arrhythmias Committee, Council on Clinical Cardiology; the American College of Cardiology Foundation; and the Heart Rhythm Society Endorsed by the International Society for Computerized Electrocardiology
J. Am. Coll. Cardiol., March 13, 2007; 49(10): 1109 - 1127.


・AHA/ACC/HRS SCIENTIFIC STATEMENT
Recommendations for the Standardization and Interpretation of the Electrocardiogram
J Am Coll Cardiol, 2007; 49:1109-1127, doi:10.1016/j.jacc.2007.01.024 (Published online 23 February 2007).(pdf)

by internalmedicine | 2009-02-02 10:49 | 動脈硬化/循環器  

上行結腸・内視鏡は死亡率を低下させない

1月の論文で他でも触れられていると思うが・・・CRC(直腸結腸癌)に対する内視鏡検査についての報告

population-baseの症例対照研究

52-90歳の1996年1月から2001年12月までにCRC診断された住民を対象に、5つの属性でマッチさせた対照比較


Association of Colonoscopy and Death From Colorectal Cancer
Ann Int Med. 6 Jan. 2009 Vol. 150(1) 1-8
対象はCRC死亡10292例
症例7.0%、対照9.8%でcolonoscopy施行
CRC死亡数減少と関連(オッズ比 0.69(95% CI 0.63-0.74)

左側、右側結腸についての、CRC死亡オッズ比 (CI, 0.28 ~ 0.39) と0.99 (CI, 0.86 ~ 1.14)




大腸ファイバーによるLog(Odds ratio)

Influence of the exclusion window on the conditional odds ratio for the association between attempted colonoscopy and colorectal cancer deaths.

 ↑
なかなか説得性がある・・・正数では大腸ファイバーのリスク増加側、負数ではリスク減少を示す

惜しむらくは、横軸が数年であればよかったのに・・・


*タイトル訂正:左結腸→上行結腸

by internalmedicine | 2009-02-02 10:02 | 消化器  

新しい排痰法? ELTGOL

The effects of ELTGOL on mucociliary clearance in patients with COPD
EUROPEAN RESPIRATORY REVIEW, 2006;15: 192-193. doi:10.1183/09059180.00010120
過剰な気管・気管支分泌はCOPDのよくある合併症で、生存率低下、入院、死亡と関連する。

”Slow expiration with the glottis open in a lateral posture (ELTGOL) ”が、肺分泌物除去の胸部理学療法として存在する。
肺シンチグラムを用いたこの技法評価研究はなく、12名のCOPD(45-75歳)患者で、99mTc-DTPA 20 mCi吸入後、6つのsatatic scintigraphyを行い、0、20、40、60、80、120分で撮影



単純でコストもかからないので・・・普及するべきだとは思う

図をみると多少良い程度の様な気もするのだが・・・

by internalmedicine | 2009-02-02 09:19 | 呼吸器系  

医師会の自民離れ と報じる 産経の底の浅さ

テレビ・新聞とも医師会が嫌いなようで・・・憎悪の感情が先のため、現状分析間違えている.

医師会のうちの、日本医師会、日本医師連盟、茨城県医師会、茨城県医師連盟をごっちゃまぜにしてる・・・あほさ加減・・・この程度で日本の新聞記者というのはできるのだ・・・おそろしや

随分前から、医師会員の自民党離れは進んでいるのである・・・日医幹部は別だろうが・・・サンケイは「金の亡者の医師会にとって言うことを聞かない自民党にそっぽ向いた」とゲスの勘ぐり


本日の産経新聞

医師会の自民離れ と報じる 産経の底の浅さ_a0007242_8243578.jpg



日医の姿勢はどうかしらないが、医者の自民離れは小泉政権時代から始まっている
三方一両損」・・・ 「痛みは国民だけでなく三方一両損だ」と繰り返す小泉純一郎首相。「三方」とは患者、健保組合など保険者、医療機関のことで、国が入っていない欺まん

小泉以前から社会保障給付費は低レベルだが、さらに、「自己責任」などと言いつつ「社会福祉縮小政策」を行った。・・・医療福祉関係のものが、これらの政策をすすめた政党に投票する方がおかしいのだ。

そ結果・・・どうなったかというと、今の医療崩壊につながっている

産経をはじめとして新聞・フジテレビのカスペなどのテレビも随分、小泉の悪政促進に参加していたようだが・・・


小泉の医療軽視で年間4000名もの超過死亡があると・・・随分前に私などは指摘している。


民主党一部議員がしっかり仕事をしている
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a164121.htm


医師会を恫喝しつつ、多くの問題をもつ障害者自立支援法にした、尾辻氏・・・後期高齢者制度の問題に隠れているが、これも、欺まんに満ちた福祉切り捨て



馬鹿にするな! 産経!




この馬鹿新聞は、「かんぽの宿」、新聞論調が逆転している

【視点】産経新聞論説副委員長 五十嵐徹 「かんぽの宿」は誰が宿 2009/1/16 
 ↓
【主張】かんぽの宿 日本郵政は情報開示せよ2009.1.31 03:19

by internalmedicine | 2009-02-02 08:24 | メディア問題  

CBT自己学習

歴史
one of the founders of cognitive therapy

Aaron Temkin BecK


The empirical status of cognitive-behavioral therapy:
A review of meta-analyses
Andrew C. Butler , Jason E. Chapman , Evan M. Forman , Aaron T. Beck (pdf)
・大きな効果:単極性大鬱病、 全般性不安障害、 :広場恐怖を伴う・伴わないパニック障害、 posttraumatic stress disorder、 小児うつ、 anxiety disorders

中等度効果:marital distress、 anger、 childhood somatic disorders、chronic pain

成人うつでは、抗うつ薬より若干すぐれているが、成人うつ+ obsessive-compulsive disorder(強迫性障害)では同等

コントロール困難では、bulimia nervosa、統合失調症




ヒトの心理学の"information-processing model"を導入した"talk therapy"の一形態

精神分析的方法論から派生して、主観的体験を【認知】として解釈を加えずそのまま臨床的に扱う方法と、行動療法(学習理論に基づく刺激-反応(S-O)理論から、刺激・有機体・反応(S-O-R)理論(Clark Hull (1884 – 1952))

Global Theory of Behavior
sEr = (sHr x D x K x V) - (sIr + Ir) +/- sOr
Habit strength, sHr, is determined by the number of reinforces.
Drive strength, D, is measured by the hours of deprivation of a need.
K, is the incentive value of a stimulus, and V is a measure of the connectiveness.
Inhibitory strength, sIr, is the number of non reinforces.
Reactive inhibition, Ir, is when the organism has to work hard for a reward and becomes fatigued.
The last variable in his formula is sOr, which accounts for random error.
Hull believed that this formula could account for all behavior, and that it would generate more accurate empirical data, which would eliminate all ineffective introspective methods within the laboratory (Thomson, 1968

(参考:BEHAVIORISM)


アーロン・ベック:うつ病の認知療法

アルバート・エリス:論理療法(Rational Therapy:RT)

アーノルド・ラザルス:Multimodal Therapy、認知的評価理論

ドナルド・マイケンバウムストレス免疫訓練








基本原則
1.常に基本モデルに沿ってクライアントの体験を理解する
2.カウンセラーとクライアントはチームを形成し、信頼関係を通じて実証的見地から共同作業を行う → 共同的実証主義
3.「今、ここの問題」に焦点を当て、その解決を目指す → 問題解決志向
4.心理教育を重視し、クライアント自身が自己治療やセルフカウンセリングができるようになることを目指す。それによって再発を予防する
5.毎セッションおよび初回から終結までの流れを構造化する


基本スキル
1.双方向的なコミュニケーション
・気分のよい対話
・双方向的な対話のコツ
1.親切であること
2.物分りがよすぎないこと

ソクラテス式質問法のポイント
1.当事者が自問し、自ら発見できるように問いかける
2.適度に制約を設けたオープン・クエスチョンを用いる
3.どんな回答であれ、相手の発言を尊重する
4.どんな回答であれ、相手の発言に関心を示す

2.アセスメントと心理教育
アセスメントの定義:クライアント自身について、そしてクライアントが抱える問題、クライアントが置かれている状況などについて、その経過と現状を、できるだけ多層的、全体的にとらえようとする手続きのこと

ポイント
1.認知的概念化、事例定式化とも呼ばれる
2.医学的診断と整合する(DSM-IV)
3.CBTの基本モデルに基づく
4.アセスメントは常に参照、改定され続ける
5.尺度、数値を併せて使うことが望ましい


3.セッションを構造化する
アジェンダ設定
セッションの開始時カウンセラー、クライアント双方の希望(そのセッションで話し合いたいこと、目的とすること)を出し合い、協力してアジェンダの項目と順序(必要なら時間配分も)を決めていく。決められたアジェンダに沿って、その後の話し合いを進める

4.認知再構成法(狭義の認知療法)
過度にネガティブな気分・感情と関連する認知(考えやイメージ)を再構成するためのスキル。図表などのツールを用いることが多く、「コラム法」「DTR(非機能的思考記録表)」などと呼ばれることもある。「認知療法」というと、まず連想されるのが、この認知再構築法である


手順
1.ストレスフルな具体的状況、場面を特定する
2.上記1における気分、感情を同定し、強度を評価する
3.上記1における自動思考(イメージを含む)を同定し、その確信度評価する
4.検討する対象となる自動思考を選択する
5.その自動思考をさまざまな支店から検討する
6.新たな思考を案出し、その確信度を評価する
7.上記1~6の結果(もとの自動思考および気分・感情の変化)を評価する


認知機能構成法のポイント
1.クライアントのペースに合わせる
2.クライアントがCBTの基本モデルを理解していることを確認してから導入する
3.対話による体験後、ツールを導入する
4.スキルの一種として、習得にはそれなりの練習が必要であることをクライアントに理解してもらう
5.認知を「正す」「修正する」のではなく、認知の「幅を広げる」「柔軟性を高める」ことを目的とする

5.問題解決法
日常生活における現実的な諸問題によりよく対処するための、認知的/行動的な一連の問題解決スキル。心理学、とくに認知心理学などにおける問題解決研究が基礎となる

手順
1.問題を具体的に、かつ他軸的表現する
2.問題解決に向けて、認知を適応的・機能的に整える
3.現実的な解決状況をイメージし、課題として表現する
4.課題到達のための方法を、ブレインストームする
5.上記4の諸方法を、その有効性と実行可能性から評価する
6.認知および行動的な計画をシナリオ化する
7.上記6の計画を実践し、結果を検証する


ポイント
1.クライアントのペースに合わせる
2.クライアントが主体的に問題解決に取り組めるよう、手助けする
3.クライアントが問題解決法のスキル自体を習得するよう援助する
4.問題の表現および認知的準備を、丁寧に行う
5.ブレインストーミングの時間を、十分にとる
6.計画は、「うまくやる」ためでなく、「実行して検証する」ためのものでることを、強調する。すなわち「実験してみること」が重要であることを強調する

6.その他の認知行動療法
・リラクセーション法
・認知行動リハーサル
・イメージ技法
・ブレインストーミング
・ロールプレイ
・フリートーク
・モニタリング
・スケジューリング
・アサーション(自己主張訓練(AT: assertion training))
・SST(社会技能訓練)
・読書療法
・外在化
・モデリング
・暴露反応妨害法
・系統的脱感作
・その他

(認知療法・認知行動療法カウンセリング初級ワークショップ―CBTカウンセリング (単行本) )



by internalmedicine | 2009-02-01 12:59 | 精神・認知