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幹細胞移植後のHLAmismatchの消失

haploidentical donor(HLAハロタイプ一致ドナー)からの造血幹細胞移植を受けた急性骨髄性白血病患者5名。ドナーからT細胞をうけついでおり、5名とも再発、再発時、白血病芽球のgenomic HLA typingは、ドナーからの分化とは異なるレシピエントのHLA halotypeを検出しない現象が生じている。

haplotypeの喪失はuniparental disomy (UPD片親性ダイソミー)によるものであった。

in vitroで、ドナーのT細胞は白血病芽球と反応し、再発時はブラストと反応しない。

これは、白血病細胞がドナーのT細胞のimmunosurveillanceからエスケープされたためと思われる。


この現象は再発を誘発することとなる

Loss of Mismatched HLA in Leukemia after Stem-Cell Transplantation
N Engl J Med. Vol. 361:(5) 478-488 Jul. 30, 2009

by internalmedicine | 2009-07-30 09:39 | がん  

ステロイド・ステロイド様物質を含むボディビル製品に対する警告

FDA Warns Consumers Not to Use Body Building Products Marketed as Containing Steroids or Steroid-Like Substances
Agency issues Warning Letter to American Cellular Laboratories for marketing and distributing potentially harmful steroid-containing products
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm174060.htm

具体的警告された会社は、 American Cellular Laboratories, Inc.で、 製品ブランドは“TREN-Xtreme” 、“MASS Xtreme” 、“ESTRO Xtreme” 、“AH-89-Xtreme”、 “HMG Xtreme”、 “MMA-3 Xtreme”、 “VNS-9 Xtreme”、“TT-40-Xtreme"である。


http://www.nytimes.com/2009/07/29/health/nutrition/29drug.html?_r=1


FDAは、今週火曜日に消費者向け警告として、ボディビル用製品のうち、栄養サプリメントとして販売されるものにステロイドやステロイド様物質を含む栄養サプリメントがあり、それが急性肝障害や腎障害を生じると警告

テストステロン、エストロジェン、プロジェステンのようなホルモンの影響を促進、減弱させるボディービル製品について購入者は注意すべきと一般的に述べてたにすぎなかった。”anabolic"や”tren"や” “blocks estrogen”や “minimizes gyno”などのコードで販売している製品は購入すべきでないと当局は特に述べている。 ・・・


”アナボリック”などの宣伝文句は日本ではちまたにあふれているのだが・・・・ここにも日本の厚生行政の手抜きが・・・

by internalmedicine | 2009-07-29 22:00 | 運動系  

膠原病vs通常型間質性肺炎: 病理・レントゲン的相違

Pathologic and Radiologic Differences Between Idiopathic and Collagen Vascular Disease-Related Usual Interstitial Pneumonia
Chest July 2009 136:23-30; published ahead of print March 2, 2009, doi:10.1378/chest.08-2572
CVD-UIP群は若く、女性、非喫煙者に多く、IPF/UIP群より生存率良好
病理的には、CVDーUIP群は、IPF/UIP群に比べ、線維芽巣がすくなく、蜂窩肺部分がすくなく、胚中心やトータルな炎症スコアが高い。
レントゲン的には、CVDーUIPは、機種スコアが少なく、より非定型的UIPパターンで蜂窩肺がない。
胚中心スコアで、CVD-UIPとIPF/UIPを区別するのが最良 (odds ratio, 2.948; p = 0.001) で、生存率と境界域な差がある(p = 0.076)
胚中心スコア:HC score (hazard ratio [HR], 1.134; p < 0.001)、 total lung capacity (TLC) [HR, 0.932; p = 0.004]、年齢 (HR, 1.052; p = 0.017)は、組織学的UIPでもっとも優秀な予測因子
IPF/UIP患者で、陽性自己抗体を持つことはIPF/UIPよりCVD-UIPに類似するが、生存率に差はない。



参考画像:http://www.chestjournal.org/content/suppl/2009/07/06/chest.08-2572.DC1/e-Figure.pdf

by internalmedicine | 2009-07-29 12:19 | 呼吸器系  

線維筋痛症(診断)治療

わたしが、もっぱら遭遇するのは、"trapezius myalgia”だが・・・線維筋痛にももう少しって人も希に遭遇する。

Fibromyalgia: Diagnosis and treatment options
Gender Medicine Volume 6, Part 2, 2009, Pages 139-151
性別で差が大きく、男女比3-6倍

線維筋痛症の治療としては
薬物療法
・強いエビデンス:duloxetine(シンバルタ?;塩野義・イーライリリー) と ミルナシプラン(トレドミン錠)

・他:gabapentin(抗てんかん薬: ガバペンチン)、 pramipexole(抗パーキンソン剤:ビ・シフロール錠)、 pregabalin(難治性神経疼痛用:リリカ?)、 tramadol、 IV tropisetron(5HT3受容体拮抗型制吐剤内服罪として日本では・・・)

非薬物治療:
フィットネスと強化運動
温水治療
心理疼痛テクニック


mayoclinic.comでは、”Fluoxetine (Prozac) in combination with amitriptyline is effective in some people. Duloxetine (Cymbalta) may help ease the pain and fatigue associated with fibromyalgia. And milnacipran (Savella) was recently approved by the Food and Drug Administration for the treatment of fibromyalgia symptoms.
Medications designed to treat epilepsy are often useful in reducing certain types of pain. Gabapentin (Neurontin) is sometimes helpful in reducing fibromyalgia symptoms, while pregabalin (Lyrica) is the first drug approved by the Food and Drug Administration to treat fibromyalgia.”と書かれており、上記報告の方がやはりuptodateなのかもしれない。

線維筋痛症:ハイドロセラピーのメタアナリシス 2009-07-21
線維筋痛症に対するカイロプラクティス治療のエビデンスは乏しい  2009-06-27

by internalmedicine | 2009-07-29 11:55 | 運動系  

米国家庭医協会 :電子たばこに関して禁煙補助使用不可と

FDA 電子たばこ使用に関して、医療従事者・使用者に注意を警告 [2009-07-27 ]に書いたが・・・厚労省、消費者庁、マスコミ・・・Google 検索しても、だんまりの様子


一方、米国では、医療関係側に、この警告啓発の機運

AAFP(米国家庭医協会)の記事に
Warning to Consumers
FDA Analysis Finds Toxins, Carcinogens in Electronic Cigarettes
と記載


AAFP Tobacco Cessation Advisory Committeeは、電子たばこは、通常の喫煙代替として安全でなく、禁煙補助として使用すべきでないと述べ、フォーマルな禁煙治療手段を推奨している。


http://www.fda.gov/downloads/ForConsumers/ConsumerUpdates/UCM173430.pdf


日本禁煙学会とか、禁煙医師連盟とか・・・コメント出すべきだろうに、こういうのには鈍重

by internalmedicine | 2009-07-29 11:05 | 喫煙禁煙  

erythropoiesis stimulating proteins (ESPs) の慢性心不全患者への影響に関するメタアナリシス

erythropoiesis stimulating proteins (ESPs) の慢性心不全患者への影響に関するメタアナリシス


慢性心不全患者に対して、ESPsは死亡率増加、副事象イベント増加と相関しない。
むしろ、心不全入院減少に関して有益性が認めれた。

癌・腎疾患研究と相対するもので、慢性心不全患者では貧血補正の合併症・死亡率pIII研究結果を支持する


Systematic review
Erythropoietin treatment in patients with chronic heart failure: a meta-analysis
Heart 2009;95:1309-1314

日本では、Early Anemia Treatment with Epoetin Beta (CREATE)試験やCorrection of Hemoglobin and Outcomes in Renal Insufficiency(CHOIR)試験に起因した警告に関してあまり知られておらず?、むしろ、心筋虚血保護作用が宣伝されていた(http://www.nmckk.jp/pdf/thesis/JJCD/024/001/JJCD_024_001_0057.pdf)ため、何の事やら・・・と思われる人も多いのかも?
これも、過剰投与に起因するもので・・・日本ではあまり関係ないのかもしれないが・・・FDAでは black box warningとなっている(http://www.nytimes.com/2007/03/10/washington/10fda.html

by internalmedicine | 2009-07-29 10:15 | 動脈硬化/循環器  

COPDとIL-6多形型

レビュー記事:COPDの免疫的な側面  2009-06-0


CHRONIC OBSTRUCTIVE PULMONARY DISEASE
Associations of IL6 polymorphisms with lung function decline and COPD
Thorax 2009;64:698-704

LHSにおいて、、3つのIL6 SNPsがFEV1減少と関連 (0.023<=p<=0.041 付加モデル)
その中でも、IL6_-174C alleleが肺機能迅速低下と相関する。
この相関はgenotype-based analysisでより有意である (p = 0.006)
NETT-NAS研究にて、IL6_-174G/C と4つの他のIL6 SNPs、IL6_-174G/Cとのkinkage disequilibriumがあり、COPD感受性と相関(0.01<=p<=0.04 ;付加遺伝子モデル)

by internalmedicine | 2009-07-29 09:29 | 呼吸器系  

SAPALDIAコホート研究:非喫煙者成人発症喘息と交通大気汚染

大気汚染が慢性気管支炎などの健康被害の主たる原因とは考えられなくなったことを踏まえ、1987年に「公害健康被害補償法」が改正され、88年には、著しい大気汚染の影響により慢性気管支炎などが多発しているとして指定してきた地域はすべて解除されました。その結果、それまで指定されてきた地域では、新規の患者認定は行わなくなりました
引用:http://www.erca.go.jp/taiki/history/to_osen.html


1988年(当時竹下総理)の「公害健康被害補償法」は改正ではなく、改悪であったことが明らかであろう。
いまでも、“改正”と言い張る・・・官僚の図々しさ

ENVIRONMENTAL EXPOSURE
Traffic-related air pollution correlates with adult-onset asthma among never-smokers
Thorax 2009;64:664-670
2725名の非喫煙者の内、2002年41名発症
Home outdoor TPM10濃度はこの間改善 (平均 –0.6; レンジ –9 to +7.2; IQR 0.6 µg/m3)
喘息頻度は、TPM10の変化と相関
1 µg/m3変化 (IQR) あたりのハザード比は、1.30;95% CI 1.05-1.61)でさらなる補正(教育、職場暴露、受動喫煙、両親の喘息・アレルギー、random area effect、肺機能、地域的、二次的、総PM10のような共汚染物質、交通量の多い道路に隣接の要因)にsensitiveでない。



他、交通規制により小児期同健康状態の改善に関して限局的効果、呼吸器既存病変ある子供への影響が限定的ながらある。
Childhood peak flow and the Oxford Transport Strategy
Thorax 2009; 64: 651-656.

慢性戸外大気汚染暴露は、成人1秒率低下をもたらす
Chronic exposure to outdoor air pollution and lung function in adults
Thorax 2009; 64: 657-663.

by internalmedicine | 2009-07-29 08:33 | 環境問題  

1型糖尿病強化治療合併症抑制効果は間違いなし

1型糖尿病(T1DM)の臨床治療ゴールはDCCT以来変化し、強化糖尿病治療による長期合併症が変化した。強化療法年齢にてT1DMの臨床系かが記載されている研究は少ないで、この論文は、T1DMの現行の臨床経過を記載したもの


Modern-Day Clinical Course of Type 1 Diabetes Mellitus After 30 Years' Duration: The Diabetes Control and Complications Trial/Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications and Pittsburgh Epidemiology of Diabetes Complications Experience (1983-2005)
Diabetes Control and Complications Trial/Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications (DCCT/EDIC) Research Group
Arch Intern Med. 2009;169(14):1307-1316.
DCCT (1983-1993) :通常治療(1日1-2回のインスリン治療)、強化治療(1日3回以上インスリン治療・ポンプにてほぼ正常の血糖目標)
DCCT (1993-):全患者に強化治療
Pittsburgh Epidemiology of Diabetes Complications (EDC) 観察研究

糖尿病30年後、DCCT通常治療群で増殖型網膜症、腎症、心血管疾患はそれぞれ、50%、25%、14%。
EDCコホートではそれぞれ47%、17%、14%

DCCT強化治療群は累積頻度は21%、9%、9%で、1%未満が失明、腎移植、肢切断



強化治療は2型糖尿病では、ACCORDVA Diabetes Trialにてギャップが指摘され、HbA17%未満目標で心血管ベネフィットが証明されず、死亡率増加という報告で、その後議論が絶えない状態だが、1型糖尿病においては疑いがないということで対照的。

by internalmedicine | 2009-07-28 14:35 | 糖尿病・肥満  

抗コリン作動性薬剤での認知機能低下

BMJを元に、抗コリン作動性薬剤で軽度認知機能障害  2006-02-24 10:17 で、以前、抗コリン剤と認知機能の論文を取り上げた。

意外な薬剤が、抗コリン作動性としてあがっていることに驚く。 →http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/332/7539/455/TBL1


コリン作動性、抗コリン性を(a) serum radioreceptor assay to quantify drug induced muscarinic blockadeと (b)summation of average estimated clinical effects of specific drugsで分析したもので、脳脊髄関門通過まで考慮したもので、この場合の主な抗コリン作動性薬としては・・・
抗ヒスタミン、コデイン、コルヒチン、ジゴキシン、フロセミド、テオフィリン、三環系抗うつ薬、抗パーキンソン薬


上記論文と、同じフランスからの報告

Drugs With Anticholinergic Properties, Cognitive Decline, and Dementia in an Elderly General Population: The 3-City Study
Arch Intern Med. 2009;169(14):1317-1324.

ベースラインで、抗コリン作動系薬剤使用者は7.5%
多変量補正ロジスティック回帰にて、抗コリン剤使用女性は、非使用者に比べ、4年において、言語流暢性スコア(オッズ比[OR], 1.41; 95%信頼区間l [CI], 1.11-1.79) 、全般認知機能低下(OR, 1.22; 95% CI, 0.96-1.55)があった。
男性においては、視覚記憶に相関 (OR, 1.63; 95% CI, 1.08-2.47) が見られ、実践機能範囲縮小 (OR, 1.47; 95% CI, 0.89-2.44)が見られた。
抗コリン剤使用と年齢、アポリポ蛋白E、ホルモン治療間の相互関係が女性では見られた。

抗コリン剤継続治療でなく、使用中断でも1.4-2倍の認知機能低下が見られた。

4年フォローアップ気管の認知症発生リスクは、持続使用で増加 (ハザード比 [HR], 1.65; 95% CI, 1.00-2.73)したが、抗コリン剤使用中断では増加なかった (HR, 1.28; 95% CI, 0.59-2.76)。

by internalmedicine | 2009-07-28 14:17 | 精神・認知