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低炭水化物ダイエットは、低脂肪ダイエットに比べ拡張期血圧、脂肪特性改善、特にHDL増加

低炭水化物ダイエット vs 低脂肪ダイエットの2年比較のランダム平行群トライアル

Weight and Metabolic Outcomes After 2 Years on a Low-Carbohydrate Versus Low-Fat Diet: A Randomized Trial
Ann Intern Med August 3, 2010 153:147-157;
プライマリアウトカムは、2年時点の体重
セカンダリアウトカムは、3、6、12ヶ月の体重、脂質濃度、血圧、尿中ケトーシス、症状、骨密度、体組成


体重減少は1年時約11kg(11%)、2年時点で7kg(7%)

どの時点でも、群間の体重、体組成、骨密度の差なし

初めの6ヶ月間、低炭水化物ダイエットはより拡張期血圧低下、トリグリセリド、VLDLコレステロール、LDLコレステロール値減少が大きく、より副事象症状強い

低炭水化物ダイエットはHDLリポ蛋白コレステロール値をどの段階でも増加させ、2年後23%増加させた


結果だけだと、低炭水化物ダイエットが優秀のようだが、HDLの不確定要素を考えれば、そのまま低炭水化物ダイエット・マンセーとはいくまい
著者らもHDL増加のメカニズム不明とのべ、"These long-term data suggest that a low-carbohydrate approach is a viable option for obesity treatment for obese adults."と述べている(http://www.latimes.com/health/boostershots/la-heb-diets-20100802,0,7989726.story

いわゆる、アトキンスダイエット的低Carbダイエット・・・表層的なマスコミにはやりそうな言葉だが・・・現実的に動脈硬化に対してベネフィットがあるのだろうか?・・・この研究ではまだ明らかではない。

低脂肪食ダイエットは動脈硬化を減らすが、低炭水化物ダイエットは減らさない(http://intmed.exblog.jp/9308725)という先行する報告がある。


スタチン治療中のHDLコレステロール値は心血管リスク予測上役立たない?
http://intmed.exblog.jp/11015646


善玉コレステロールは上限なく善玉といえるか・・・1型糖尿病女性対象では疑問
http://intmed.exblog.jp/10885954

by internalmedicine | 2010-08-03 09:44 | 動脈硬化/循環器  

糖尿病ESRD患者に血糖tight control必要なし

末期腎不全:ESRD(end-stage kidney disease)

極端に言えば、透析まで至った糖尿病ESRD患者では血糖放置でよいのかどうかは不明で、結論としては、個別対処すべきと灰色結論

Glycemic Control and Extended Hemodialysis Survival in Patients with Diabetes Mellitus: Comparative Results of Traditional and Time-Dependent Cox Model Analyses
Williams et al. Clin J Am Soc Nephrol.2010; 0: CJN.09301209v1-CJN.09301209

3年間フォローアップ、24875名、94.5%糖尿病、特に1型糖尿病を対象に検討

標準補正・時間依存Coxモデルにて、極度の高血糖は生存率悪化に寄与

post hoc analysisにより、血中アルブミン値、タンパク栄養状態指標に修正影響なく、ランダム血糖測定値との関連も認めない

1型糖尿病において、極端なHbA1c高値は生存リスク低下をもたらした。

by internalmedicine | 2010-08-03 09:16 | 糖尿病・肥満  

肺結核高リスク患者では胃液結核菌培養が合理的:PCRは不十分・不確実

肺結核高リスクの子供では、胃液MODS培養は肺結核診断にもっとも都合がよい
PCRは感度・特異度ともルーチン診断に使うには不十分だが、胃液PCRは高リスク子供では半数例を同定可能。

Diagnostic approaches for paediatric tuberculosis by use of different specimen types, culture methods, and PCR: a prospective case-control study
The Lancet Infectious Diseases, Early Online Publication, 26 July 2010

症例218、対照238
症例は少なくとも1階は結核菌培養陽性のもの(胃液 22、鼻腔吸引 12、便 4)
検査にて確認は、結核中等度リスク症例より高リスクで多い
完全な試料採取149例中21[14.1%] vs 61例中1[1.6%]

microscopic-observation drug-susceptibility (MODS) は、Lowenstein-Jensen培養より感度高く、 20/22(90.9%) vs 13/22(59.1%) p=0.015
MODSによる結核菌同定はLowenstein-Jensen培養より迅速(平均 10 日間, IQR 8—11, vs 25 日間, 20—30; p=0·0001)


22例の培養確認症例全員、胃液採取標本培養少なくとも一回は陽性

結核は、16/22(72.7%)初回の胃液採取資料で同定、6例(27.3%)は2回目の採取標本で分離

2度目胃液採取標本は培養陽性率は少なく、2度目の標本では37%増加

高リスク結核症例では、うち1回でも胃液PCR陽性により、培養陽性の半数分離(13 / 26 )




Evidence-based tuberculosis
http://www.tbevidence.org/

・Loop Mediated Isothermal Amplification(LAMP)法(新しい核酸増幅法:増幅反応を等温で行
うこと,高い増幅効果と特異性,短い増幅時間などの利点がある)

・Microscopic Observation Drug Susceptibility Testing(MODS)法(マイクロプレートに少量の液体培地を入れ,分離した結核菌か雑菌処理した検査材料を接種し,薬剤感受性検査を行う方法。従来の液体培地の方法に比して検査結果が迅速でコストも低い。主要薬剤の感度・特異度も88.2~100%と高い)

http://www.jata.or.jp/rit/rj/332P19-20.pdf

by internalmedicine | 2010-08-02 17:00 | 感染症  

COPD患者の気管支上皮はRV感染に感染しやすく、炎症誘発性サイトカイン反応しやすい

COPD患者の気道上皮細胞は、サイトカイン発現のベースライン値が高くIFN反応増加が高いが、、RV感染の感受性が高い

Increased Cytokine Response of Rhinovirus-infected Airway Epithelial Cells in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 182. pp. 332-340, (2010)


We hypothesized that airway epithelial cells from patients with COPD maintain a proinflammatory phenotype compared with control subjects, leading to greater RV responses.

COPD患者の気道上皮細胞正常対照者気道上皮と比較して、rheinovirus(RV)反応を導くがproinflammatory phenotypeがあるかどうか?

COPD患者の気道上皮細胞は、サイトカイン発現のベースライン値が高くIFN反応増加が高いが、、RV感染の感受性が高い

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対照と比較して、COPD患者の細胞は、oxidative stressと関連するmRNA発現増加をきたし、ウィルスの反応性増加をもたらし、NOX1、DUOXA2、MMP12、ICAM1、DDX58/RIG-I、STAT1、STAT2誘導する。

COPD患者はベースライン、RV刺激性のIL-6、 IL-8/CXCL8、 growth-related oncogene-{alpha}/CXCL1のタンパク増加を示す。

COPD細胞は、IL-29/IFN-λ1, IL-28A/IFN-λ2, IFN-inducible protein-10/CXCL10 タンパク値増加するが、RV感染後のウィルス抗体価、コピー数増加をもたらす

RV感染COPD培養により、 IL28A/IFNλ2, IL29/IFNλ1, IFIH1/MDA5, DDX58/RIG-I, DUOX1, DUOのmRNA発現増加



FN-λ は、インターフェロンの新たなファミリーであり、様々な細胞でウイルス感染防御誘導に働きます。IFN-λファミリーの3つのメンバーは、それぞれλ1、 λ2とλ3(別名IL-29、IL-28AとIL-28B)です。IFN-λは、細胞内シグナル伝達経路をI型IFNと共有し、IFN刺激により発現する共通の遺伝子発現を調節します。IFN-αにより誘導されるMHCクラスI分子の表現と同程度に、IFN-λはMHCクラスI分子の発現調節を含む多様な生物活性を有します。・・・・ウイルス感染防御の役割と一致して、IFN-λ mRNAの発現は、種々のウイルスに感染した細胞で認められます。さらに、単球由来樹状細胞(IFN-αの重要な産生細胞)は、dsRNA反応してIFN-λ1 mRNAを発現します。TLR3とTLR4のリガンドは、マクロファージに作用してIFN-α、IFN-β、IL-28とIL-29遺伝子発現を誘導します。この反応はIFN-αに依存します。

IFN-λは、タイプIIFNとは異なるクラスIIサイトカイン・レセプター複合体を介して、抗ウイルス作用をもたらします。これは2つの重要なレセプター、IFN-λ にユニークなCRF2-12/IFN-λR1と、IL-10、IL-22、およびIL-26レセプターで共有されるCFR2-4/IL-10R2から構成されています。タイプIIFNレセプターの2鎖(IFN-AR1とIFN-AR2)とIL-10R2は偏在的に発現しますが、IFN-λR1の表現は限局されており細胞の種類により異なります。IFN-λR1は単球には発現せず、ヒト単球をGM-CSFとIL-4で分化させた樹状細胞では発現は増しIFN -λに十分に反応するiDCsが得られます・・・
http://baybio.co.jp/jd/detail.php?sk1=88&sk2=7296から)

by internalmedicine | 2010-08-01 11:45 | 呼吸器系  

COPDと閉塞型睡眠時無呼吸症候群のoverlap syndrome・・・CPAP治療の重要性

COPDと閉塞型睡眠時無呼吸症候群のoverlap syndrome・・・CPAP治療の重要性

Outcomes in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease and
Obstructive Sleep Apnea: The Overlap Syndrome
Jose M. Marin, Joan B. Soriano, Santiago J. Carrizo, Ana Boldova, and
Bartolome R. Celli
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2010;182 325-331
http://ajrccm.atsjournals.org/cgi/content/abstract/182/3/325?etoc




228名のCPAP治療のoverlap syndrome(COPD+OSA)とCPAP治療せずのoverlap syndrome例の検討
心不全・心筋梗塞・卒中既往なし
フォローアップ中央値9.4年(3.3-12.7年)
エンドポイントは全原因死亡率、初回入院となったCOPD急性悪化

年齢、性、BMI、喫煙状態、アルコール消費、合併症、COPD重症度、AHI、昼間眠気補正後、overlap syndrome患者・CPAP非治療では、死亡率高く(relative risk, 1.79; 95% 信頼区間, 1.16–2.77) 、重度COPD急性増悪の傾向 (relative risk, 1.70; 95% 信頼区間, 1.21–2.38)あり

CPAP治療overlap syndrome患者はCOPD onlyに比べ死亡率、急性増悪リスク増加せず

結論:overlap syndromeは死亡・急性増悪原因入院リスク増加させる
CPAP治療はその死亡率、入院を改善させる可能性がある

by internalmedicine | 2010-08-01 10:35 | 呼吸器系