またぞろ・・・総合診療科 今度は在宅させるんだって・・・厚労省

NHKで、総合診療科を持ち上げてると思って気色悪いなぁとおもってたら・・・案の定、あれはこのためお提灯番組だったみたい

厚労省、「総合診療医」育成を検討 在宅医療の柱に
日本経済新聞


この記事、在宅医療と、総合診療と、ゲートウェイ機能と・・・混同してる。

厚労省記者クラブらしい頭の悪い記事だが、前回の騒ぎの時の厚労省のねらいはフリーアクセス制限だった。

温泉場で、厚労省の役人たち、記者クラブの連中と、考えたのだろうか? 前回は温泉場で考えたらしいが・・・→ 医師不足を温泉場で考えよう・・・升添 ← 馬鹿? 2008年 08月 21日

日医ってあたまおかしい:フリーアクセス制限制度を無理強い 2008年 08月 12日


で、NHKの、あの番組の中身、感染症専門家だったり、神経内科だったり、耳鼻咽喉科の中身だったり・・ほんとに、地域医療ベースの総合診療の話だったのだろうか?この番組に出る連中の肩書き・・・ A大学附属病院なんたら医療教育センター教授 、B 大学病院 総合外来センター  教授、C病院総合内科部長を見れば彼らの専門は”大病院の総合診療外来”という特殊な診療科の話ということになる。

”総合診療科”≠”地域医療”ということを、マスコミも、厚労省も、気づいてないのだろうか? ずるがしこさだけはたけている厚労省のことだから、この”総合診療”を、医療コスト削減のごまかしアドバルーンとして利用しているのだと思う。

厚労省役人や中医協の机上の空論でどれほど医療の現場が混乱し、患者たちの医療の質を下げさせているのか・・・彼らは全く理解してない。

どっちにしろ、総合診療科とか総合内科などとか・・・一般の医者にとってどちらも魅力無し (JAMA) 2008年 09月 10日

プライマリ・ケアは、二次・三次ケアと共に、個々の患者のセルフケアの延長上にある。
プライマリ・ケアの定義類 2006年 12月 18日

総合診療科とは、NHKの番組のごとき、診断だけに限定した専門分野なら、地域の患者に、遠い分野だろう。そして、”日本独特の保険上のシステムとしての”在宅医療も、一般のプライマリ・ケアとは一線を画す分野である。

・・・ いったい、何考えてんだ


そもそも”総合医”という定義がはっきりしない。位置づけ以上に、定義がはっきりしない。

”総合診療”に関して専門家自称の連中の言うことって、ハリソンとかセシルの内科教科書の最初の章に書かれている、診断論や意思決定や医療倫理などである。

専門医制度に「総合医」の位置付けを- 厚労省検討会
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36363.html

前述のNHKの番組の自称”総合医”さんたちは、ある程度の規模の病院のゲートウェイ部門の医師だった気がする。

”プライマリ医”≠”総合医”

Primary Care PhysicianのAAFPの定義
A primary care physician is a generalist physician who provides definitive care to the undifferentiated patient at the point of first contact and takes continuing responsibility for providing the patient's care. Such a physician must be specifically trained to provide primary care services.

Primary care physicians devote the majority of their practice to providing primary care services to a defined population of patients. The style of primary care practice is such that the personal primary care physician serves as the entry point for substantially all of the patient's medical and health care needs - not limited by problem origin, organ system, or diagnosis. Primary care physicians are advocates for the patient in coordinating the use of the entire health care system to benefit the patient.


則ち、法人・個人でも、診療所を念頭においた制度であり、決して、NHKに出てくるような大規模施設の外来部門というわけではない。

故に、”総合医”というのは新たな定義が必要である。

コストカッター主義者にとって都合の良い定義というのは最悪なのである・・・


”厚労省専門医検討会”で出てない厚労省事務方素案が日経新聞の記事となってた模様
http://togetter.com/li/240174

厚労省の手先となっている日経新聞が、世論誘導の片棒担いだという話。しかも、記者が理解力・現状把握力乏しいため、説得力ゼロのクソ記事となった模様。

次の専門医検討会では、この事務方の不義を当然追及するんでしょうなぁ 委員の皆様

# by internalmedicine | 2012-01-10 16:23 | くそ役人  

軽度認知機能障害ニコチン治療:注意力改善 ・・・ 臨床的全般改善は示せず・・・ 今後検討必要

軽度認知機能障害(MCI)に対し、非喫煙者へのニコチン貼付(15mg/日)投与

注意力改善:Connors CPT ( 持続処理課題: Continuous Performance Test ) 、臨床的全般改善度、安全性を評価。


6ヶ月にわたる経皮ニコチン投与は安全に投与可能であった。

注意、記憶、メンタル・プロセスなどのプライマリ・セカンダリ測定値の改善を認めた
しかし、臨床家全般的印象改善率は有意でない。

MCIに対し、ニコチンによる認知改善のエビデンスが示された。今後離床的意義あるか検討が必要。


Nicotine treatment of mild cognitive impairment
A 6-month double-blind pilot clinical trial
Neurology January 10, 2012 vol. 78 no. 2 91-101

# by internalmedicine | 2012-01-10 12:53 | 精神・認知  

尿路カテーテルの適正使用啓発;カテーテル使用減少、コンプライアンス改善

適正使用、留置カテーテルの認識、タイムリーなカテーテル除去の啓発

カテーテル関連尿路感染(CAUTI)の予防のためのCDCガイドラインである、CDC Healthcare Infection Control Practices Advisory Committee [HICPAC] guidelineにつながる、1983年のCDC推奨がこの啓発内容の具体例

カテーテル適応具体例は、尿路閉塞、神経因性膀胱機能障害、尿うっ滞、泌尿器科学的検査、隣接臓器手術。加え、尿失禁、stage III or IVの仙骨部除褥瘡、EOLに関しては適切な適応を考慮すべきという、ルーチンなカテーテル使用を控えることも考慮するよう求めている。

さらに、持続的なフィードバックをチームに行い、Web-based MHA data system "Care Countによる測定評価。チームとしてmultiple coaching call 、Webinar(WebとSeminarの組み合わせ;造語)、"Bladder Bundle" manual全スタッフ配布



Reducing Inappropriate Urinary Catheter Use

A Statewide Effort

Mohamad G. Fakih, MD, MPH; Sam R. Watson, MSA, MT; M. Todd Greene, PhD, MPH; Edward H. Kennedy, MS; Russell N. Olmsted, MPH; Sarah L. Krein, PhD, RN; Sanjay Saint, MD, MPH

Arch Intern Med. Published online January 9, 2012. doi:10.1001/archinternmed.2011.627
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/full/archinternmed.2011.627

不適切な尿道カテーテル使用を減らす努力により、有意にカテーテル使用の減少、そして、適切使用のコンプライアンス改善が関連した。2年ほどのこの介入の効果は持続する。

# by internalmedicine | 2012-01-10 10:38 | 医療一般  

プラダキサ:心筋梗塞・急性冠症候群リスク増加 ;使用に関し十分な注意を!

Dabigatran Association With Higher Risk of Acute Coronary Events
Meta-analysis of Noninferiority Randomized Controlled Trials
Ken Uchino, MD; Adrian V. Hernandez, MD, PhD
Arch Intern Med. Published online January 9, 2012. doi:10.1001/archinternmed.2011.1666
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/full/archinternmed.2011.1666

RE-LYトライアルにて、心房細動患者の対ワーファリン比較で心筋梗塞リスクをやや増加が示唆された。
システマティックに心筋梗塞(MI)・急性冠症候群(ACS)のリスクを評価したもの

心房細動卒中予防2研究、急性静脈血栓塞栓症1研究、ACS1研究、DVT短期予防3つを含む7つのトライアル(n=30,514)
対照群はワーファリン、enoxaparin、プラシーボ治療を含む

Dabigatranは、対照群薬物治療使用より、MI・ACS高リスク (dabigatran, 237 of 20 000 [1.19%] vs control, 83 of 10 514 [0.79%]; ORM-H, 1.33; 95% CI, 1.03-1.71; P = .03)

MIもしくはACSのリスクは、RE-LYトライアル改訂、短期トライアル除外後も同様(ORM-H, 1.27; 95% CI, 1.00-1.61; P = .05 、 ORM-H, 1.33; 95% CI, 1.03-1.72; P = .03) 
リスクは全解析にてheterogenousでなく(I2 = 0%; P ≥ .30) 、異なるメソッド、関連する測定値で一致


Dabigatranは、様々な対照をとった広汎なスペクトラムな患者において、心筋梗塞、ACSのリスク増加を認める。臨床医はこの薬剤使用に関し、有害な心血管影響を考慮し使用すべきだろう。


心房細動:抗トロンビンDabigatranはワーファリンと同様の効果、出血イベント減少 2009年 09月 17日

心房細動・卒中予測スコアCHADS2は予後・出血リスク推定にも役立つ 2011年 11月 24日


プラダキサ使用の際、リスク評価が、ますます重要となってきたと思う!

# by internalmedicine | 2012-01-10 09:25 | 動脈硬化/循環器  

閉経後女性;スタチンと糖尿病発症増加リスク WHI研究解析


Statin Use and Risk of Diabetes Mellitus in Postmenopausal Women in the Women's Health Initiative

Annie L. Culver, BPharm; Ira S. Ockene, MD; Raji Balasubramanian, ScD; Barbara C. Olendzki, RD, MPH; Deidre M. Sepavich, MBA; Jean Wactawski-Wende, PhD; JoAnn E. Manson, MD, DrPH; Yongxia Qiao, MD; Simin Liu, MD, ScD; Philip A. Merriam, MSPH; Catherine Rahilly-Tierny, MD, MPH; Fridtjof Thomas, PhD; Jeffrey S. Berger, MD, MS; Judith K. Ockene, PhD, MEd, MA; J. David Curb, MD; Yunsheng Ma, MD, PhD

Arch Intern Med. Published online January 9, 2012. doi:10.1001/archinternmed.2011.625
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/archinternmed.2011.625



閉経後WHI被験者対象の検討

153840名の糖尿病無し、ベースラインで損失データ分無しの被験者対象

ベースラインで、7.04%のスタチン治療
自己報告糖尿病発生10242(フォローアップ 1,004,466人年)
ベースライン・スタチン治療は糖尿病リスク増加と関連 (hazard ratio [HR], 1.71; 95% CI, 1.61-1.83)

他寄与因子補正後相関残存 (multivariate-adjusted HR, 1.48; 95% CI, 1.38-1.59) し、全種類のスタチンで観察

長軸的スタチン治療に関する自己報告糖尿病発症評価に関わるサブセット解析(125,575)で、これらの所見はより確実となった。


”スタチン誘起性糖尿病”という合併症がまだ十分検討されているわけではない。
しかし、スタチンの一次予防使用に関し、糖尿病リスクを上回る利益性がなければならない。

# by internalmedicine | 2012-01-10 08:44 | 糖尿病・肥満